[論文レビュー] An MPC Approach to Transient Control of Liquid-Propellant Rocket Engines
本稿では、再使用可能な液体燃料ロケットエンジン(LPRE)の完全連続的始動フェーズにおける過渡制御を目的として、非線形プレプロセッサを備えたモデル予測制御(MPC)戦略を提案する。本手法は、燃焼室圧力および混合比の正確な終状態追従を達成するとともに、操作制約を厳密に満たす。ロバスト性は、有限の摂動シナリオのミニマックス最適化問題のエピグラフ定式化により保証され、オープンループ制御および線形制御と比較して、制約満足度と追従精度の両方が向上していることが示された。
The current context of launchers reusability requires the improvement of control algorithms for their liquid-propellant rocket engines. Their transient phases are generally still performed in open loop. In this paper, it is aimed at enhancing the control performance and robustness during the fully continuous phase of the start-up transient of a generic gas-generator cycle. The main control goals concern end-state tracking in terms of combustion-chamber pressure and chambers mixture ratios, as well as the verification of a set of hard operational constraints. A controller based on a nonlinear preprocessor and on linear MPC (Model-Predictive Control) has been synthesised, making use of nonlinear state-space models of the engine. The former generates the full-state reference to be tracked while the latter achieves the aforementioned goals with sufficient accuracy and verifying constraints for the required pressure levels. Robustness considerations are included in the MPC algorithm via an epigraph formulation of the minimax robust optimisation problem, where a finite set of perturbation scenarios is considered.
研究の動機と目的
- 再使用可能な液体燃料ロケットエンジン(LPRE)の完全連続的始動過渡期における、ロバストで制約付きの制御の不足を解消すること。
- 従来の制御器が困難な低スロットル領域(最小30%)における制御性能とロバスト性の向上。
- 混合比、ターボポンプ回転数、アクチュエータ変化率などのハード操作制約が、過渡フェーズ中に厳密に満たされることの保証。
- 複数の運転点において、燃焼室圧力および混合比の設定値への高い精度での追従を維持する制御戦略の開発。
- 従来のオープンループ手法に代わる、信頼性の高いクローズドループ制御を、完全連続的始動フェーズで実現すること。
提案手法
- ガスジェネレーターサイクルLPREの非線形状態空間モデル(簡略化NLSS)を用いて、エンジンのダイナミクスを表現する。
- エンジンの非線形モデルに基づき、打ち上げ要件から全状態のリファレンスを生成する非線形プレプロセッサを採用する。
- 積分作用付き線形MPCを用いて、生成されたリファレンスを追従するが、状態および入力にハード制約を適用する。
- 有限の摂動シナリオを考慮したミニマックス最適化問題のエピグラフ定式化により、ロバスト性を統合する。
- MATLAB内でのIPOPTを用いて、得られた凸非線形計画問題を解き、リアルタイム計算可能性を評価する。
実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1ガスジェネレーターサイクルLPREの完全連続的始動フェーズにおいて、非線形プレプロセッサを備えたMPCは、燃焼室圧力および混合比の終状態追従を正確に達成できるか?
- RQ2提案されたMPC制御器は、異なる運転点においても、混合比や回転速度などのハード操作制約をどのように維持できるか?
- RQ3パrametric不確実性および外部摂動が存在する状況において、ロバストMPC定式化は、オープンループ制御や線形制御と比較して、どれほど性能が向上するか?
- RQ4高精度な非線形ロケットエンジンの文脈において、制御精度、制約満足度、計算負荷の間のトレードオフはどのようなものか?
- RQ5本手法は、事前に定義された軌道追従や、より複雑な摂動シナリオの処理に拡張可能か?
主な発見
- MPC制御器は、全テスト運転点(ノーマル、最小、最大)において、燃焼室圧力の追従誤差が0.7%未満で達成された。
- ノーマルケースでは混合比追従誤差が0.3%未満、非ノーマルケースでは1.7%未満に抑えられ、高い精度が実証された。
- 始動コマンド後1.9秒以降、混合比、ターボポンプ回転数、アクチュエータ変化率の制約が厳密に満たされ、検証時間は数百分の1秒の範囲で振動した。
- ノーマル点において、定常化時間はオープンループの2.8秒から閉ループの2.51秒に短縮され、オーバーシュート制御も改善(5.04% vs. 6.31%)。
- PIDおよびLQR制御器とは異なり、1.2倍ノーマル圧力へのスロットルアップ時にも回転速度制約を超過しなかった。MPC制御器はすべての制約を限界内に維持した。
- 計算時間はリアルタイムの約10倍であったが、さらなる最適化によりリアルタイム実装が可能であると示唆された。
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