[論文レビュー] Comparison of Middlewares in Edge-to-Edge and Edge-to-Cloud Communication for Distributed ROS2 Systems
本研究では、エッジからエッジ、エッジからクラウドへの通信を想定した分散ROS 2システムにおいて、DDS、MQTT、Zenohのネットワーキングミドルウェアの性能を評価する。イーサネット、Wi-Fi、4G環境下で遅延、スループット、実機ロボットの軌道ずれテストを実施した結果、無線環境ではZenohが他を上回り、96秒間で0.05 mの最小ずれを示した。一方、イーサネット環境ではCycloneDDSが優れた性能を示した。CPU使用率とセキュリティの影響についても分析した結果、Zenohは低オーバーヘッドで暗号化による性能低下も最小限に抑えられた。
The increased data transmission and number of devices involved in communications among distributed systems make it challenging yet significantly necessary to have an efficient and reliable networking middleware. In robotics and autonomous systems, the wide application of ROS\,2 brings the possibility of utilizing various networking middlewares together with DDS in ROS\,2 for better communication among edge devices or between edge devices and the cloud. However, there is a lack of comprehensive communication performance comparison of integrating these networking middlewares with ROS\,2. In this study, we provide a quantitative analysis for the communication performance of utilized networking middlewares including MQTT and Zenoh alongside DDS in ROS\,2 among a multiple host system. For a complete and reliable comparison, we calculate the latency and throughput of these middlewares by sending distinct amounts and types of data through different network setups including Ethernet, Wi-Fi, and 4G. To further extend the evaluation to real-world application scenarios, we assess the drift error (the position changes) over time caused by these networking middlewares with the robot moving in an identical square-shaped path. Our results show that CycloneDDS performs better under Ethernet while Zenoh performs better under Wi-Fi and 4G. In the actual robot test, the robot moving trajectory drift error over time (96\,s) via Zenoh is the smallest. It is worth noting we have a discussion of the CPU utilization of these networking middlewares and the performance impact caused by enabling the security feature in ROS\,2 at the end of the paper.
研究の動機と目的
- 多ホストROS 2システムにおけるDDS、MQTT、Zenohの通信性能を、多様なネットワーク環境下で評価すること。
- イーサネット、Wi-Fi、4Gといったネットワークタイプが遅延、スループット、リアルタイム制御精度に与える影響を評価すること。
- TurtleBot 4を用いて正方形経路を走行させることで、実世界のロボット実験における軌道ずれ誤差を測定すること。
- ROS 2におけるセキュリティ機能の有効化が、CPU使用率と性能オーバーヘッドに与える影響を分析すること。
提案手法
- イーサネット、Wi-Fi、4Gネットワークを対象に、サイズが1k〜2MBのROS 2メッセージを用いて、エンドツーエンドの遅延とスループットを測定する定量的実験を実施した。
- 中央ホストとTurtleBot 4ロボットを用いたマルチホストROS 2システムを構築し、OptiTrack MOCAPシステムを用いて位置を追跡し、時間経過に伴うずれを計算した。
- CPU使用率を異なるメッセージ負荷とネットワーク状態下で測定するために、'performance_test'ツールを用いてミドルウェアの性能を評価した。
- ROS 2のセキュリティ機能を有効化し、小規模(1k)メッセージを用いて、遅延、スループット、CPU使用率への影響を測定した。
- ROS 2トピックを用いた発行/購読モデルを用い、リアルタイムロボット通信をシミュレートし、ネイティブDDSと統合されたMQTTおよびZenohミドルウェアを比較した。
- 各ミドルウェアに対して2200フレームを収集・分析し、連続する96秒間のロボット移動におけるずれ誤差を算出した。

実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1多ホストROS 2システムにおけるイーサネット、Wi-Fi、4Gネットワーク下で、DDS、MQTT、Zenohの遅延およびスループットはどのように比較されるか?
- RQ2実世界の条件下で、移動ロボットを正方形経路に沿って制御する際、どのミドルウェアが軌道ずれ誤差を最小限に抑えるか?
- RQ3異なるメッセージサイズおよびネットワークタイプ下で、各ミドルウェアのCPU使用率オーバーヘッドはどの程度か?
- RQ4ROS 2のセキュリティ機能を有効化すると、各ミドルウェアの遅延、スループット、CPU使用率にどのような影響が生じるか?
- RQ5エッジからクラウド、エッジからエッジのロボット通信において、性能、効率、リアルタイム制御精度のバランスが最も優れたミドルウェアはどれか?
主な発見
- イーサネット環境では、CycloneDDSがセキュリティ無しで72.11 msの最低遅延と9804 bytes/secの最高スループットを達成し、ZenohやMQTTを上回った。
- Wi-Fiおよび4G環境では、Zenohが最も優れた性能を示し、特に大容量メッセージにおいて最低遅延と最高スループットを記録した。
- 実機ロボットテストでは、Zenohが最小の軌道ずれ誤差(96秒間で0.05 m)を記録し、優れたリアルタイム制御精度を示した。
- CPU使用率はすべてのミドルウェアで低く抑えられており、Zenoh-TCPおよびZenoh-brokerは特に大容量メッセージ処理時において最小限のオーバーヘッドを示した。
- ROS 2のセキュリティ機能を有効化すると、平均遅延が5.24 ms(72.11 ms → 77.35 ms)増加し、スループットが103 bytes/sec減少したが、CPU使用率への影響はほとんどなかった。
- Zenohの性能と低リソース消費は、ROS 2コミュニティのフィードバックおよびROS 2 TSCが将来的なリリースにZenohの統合を検討する意思決定と整合していた。

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