[論文レビュー] Exploring the determinants of Bitcoin's price: an application of Bayesian Structural Time Series
本稿では、ベイジアン構造時系列(BSTS)を用いてビットコイン価格の決定要因を特定し、投資家センチメント、金価格、為替レート、株価指数、検索トレンドといった内部的および外部的要因を分析している。結果として、ビットコインは投機的、避難資産的、資本逃避的特性を示しており、価格は金価格およびUSD/CNY為替レートと負の相関を示し、S&P 500およびEUR/USD為替レートと正の相関を示している。
Currently, there is no consensus on the real properties of Bitcoin. The discussion comprises its use as a speculative or safe haven assets, while other authors argue that the augmented attractiveness could end accomplishing money's functions that economic theory demands. This paper explores the association between Bitcoin's market price and a set of internal and external factors using Bayesian Structural Time Series Approach. I aim to contribute to the discussion by differentiating among several attractiveness sources and employing a method that provides a more flexible analytic framework that decompose each of the components of the time series, apply variable selection, include information on previous studies, and dynamically examine the behavior of the explanatory variables, all in a transparent and tractable setting. The results show that the Bitcoin price is negatively associated with a neutral investor's sentiment, gold's price and Yuan to USD exchange rate, while positively related to stock market index, USD to Euro exchange rate and variated signs among the different countries' search trends. Hence, I find that Bitcoin has mixed properties since still seems to act as a speculative, safe haven and a potential a capital flights instrument.
研究の動機と目的
- ビットコインの価格ボラティリティの背後にある要因を調査し、金融市場におけるその役割の変化を明らかにすること。
- 実証データを用いて、ビットコインの投機的、避難資産的、資本逃避的特性を区別すること。
- 柔軟で透明性が高く動的であるモデルフレームワーク「ベイジアン構造時系列(BSTS)」を適用し、時系列の構成要素を分解し、関連する予測変数を選択すること。
- 先行研究からの事前知識を統合し、経済的およびセンチメント変数がビットコイン価格に与える時間的変動する影響を評価すること。
- 現代の金融システムにおけるビットコインの機能的役割を、強固でデータドリブンな評価で提示すること。
提案手法
- 本研究では、時系列をトレンド、季節性、回帰成分に分解する階層ベイズフレームワーク「ベイジアン構造時系列(BSTS)」を採用している。
- BSTSにより、回帰係数の動的推定が可能となり、ビットコイン価格と説明変数の間の時間的変動する関係を推定できる。
- 変数選択は、幅広い潜在的要因の中から最も関連性の高い予測変数を同定するため、経験的ベイズ法をBSTSモデル内で実施している。
- ビットコインおよびマクロ経済変数に関する既存の文献からの事前情報がモデルに組み込まれており、推定の安定性が向上している。
- 反事後的分析(counterfactual analysis)が可能であり、特定の外部ショックやトレンドがない場合のビットコイン価格がどのように推定されるかを可能としている。
- パラメータおよび予測の事後分布を生成するために、マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)法を用いてモデルを推定している。
実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1ビットコインの市場価格に顕著に影響を与える主要な内部的および外部的要因は何か?
- RQ2ビットコインはどの程度、投機的資産、避難資産、資本逃避の役割を果たしているか?
- RQ3投資家センチメント、金価格、為替レートは、時間の経過とともにビットコイン価格のダイナミクスにどのように影響を与えるか?
- RQ4異なる国における検索トレンドは、ビットコイン価格の変動とどの程度相関を示し、地域ごとにその関係は異なるか?
- RQ5マクロ経済およびセンチメント指標が、時間の経過とともにビットコイン価格に与える影響はどのように変化するか?
主な発見
- 中立的投資家センチメントとビットコイン価格は負の相関を示しており、センチメントの低下と価格上昇が関連していることから、投機的行動が示唆される。
- 金価格とビットコイン価格の間に負の関係が認められ、リスク回避の傾向が高まる中で、投資家が金をビットコインよりも好む傾向があることが示唆され、ビットコインの避難資産的特性が弱まっている可能性がある。
- 人民元対米ドル為替レートは、ビットコイン価格と負の相関を示しており、人民元の強化が、ヘッジとしてのビットコイン需要を減少させる可能性を示唆している。
- 株価指数、特にS&P 500は、ビットコイン価格と正の相関を示しており、株式市場におけるリスクオンの気分が、ビットコイン需要を高める要因となっている可能性がある。
- 米ドル対ユーロ為替レートは、ビットコイン価格と正の相関を示しており、米ドルの強化が、投機的またはヘッジ資産としてのビットコイン需要を高める可能性を示唆している。
- 異なる国における検索トレンドは、符号が不規則で一貫性に欠け、需要の駆動要因が地域によって異なり、グローバルセンチメントと一貫してはいないことを示している。
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