[論文レビュー] Funding, Collateral and Hedging: uncovering the mechanics and the subtleties of funding valuation adjustments
本稿は、資金調達コスト、担保措置、信用(CVA)、デビット価値調整(DVA)を一貫して統合する、リスク中立的で統一的なデリバティブ価格設定フレームワークを提案する。主な貢献は、資金調達価値調整(FVA)を単純な加法的項として扱えないこと、および資金調達コストとDVAが本質的に関連していることの示唆であり、既存の文献における一般的な単純化を無効にすることを示している。
The main result of this paper is a collateralized counterparty valuation adjusted pricing equation, which allows to price a deal while taking into account credit and debit valuation adjustments (CVA, DVA) along with margining and funding costs, all in a consistent way. Funding risk breaks the bilateral nature of the valuation formula. We find that the equation has a recursive form, making the introduction of a purely additive funding valuation adjustment (FVA) difficult. Yet, we can cast the pricing equation into a set of iterative relationships which can be solved by means of standard least-square Monte Carlo techniques. As a consequence, we find that identifying funding costs and debit valuation adjustments is not tenable in general, contrary to what has been suggested in the literature in simple cases. The assumptions under which funding costs vanish are a very special case of the more general theory. We define a comprehensive framework that allows us to derive earlier results on funding or counterparty risk as a special case, although our framework is more than the sum of such special cases. We derive the general pricing equation by resorting to a risk-neutral approach where the new types of risks are included by modifying the payout cash flows. We consider realistic settings and include in our models the common market practices suggested by ISDA documentation, without assuming restrictive constraints on margining procedures and close-out netting rules. In particular, we allow for asymmetric collateral and funding rates, and exogenous liquidity policies and hedging strategies. Re-hypothecation liquidity risk and close-out amount evaluation issues are also covered. Finally, relevant examples of non-trivial settings illustrate how to derive known facts about discounting curves from a robust general framework and without resorting to ad hoc hypotheses.
研究の動機と目的
- 資金調達コスト、担保措置、CVA、DVAを追加の仮定なしに一貫して統合する、リスク中立的で整合的な価格設定フレームワークの構築。
- 既存の文献におけるFVAがリスクフリー価格に対して単純な加法的調整として扱われるという不整合を解消すること。
- 資金調達コストとDVAの間の相互依存関係を明確にし、それらが分離可能であるという一般的な仮定に疑問を呈すること。
- 現実的な市場実務(非対称な資金調達および担保金利、再担保化、清算ネットティング規則を含む)を反映した、再帰的価格設定方程式の形式化。
- 割引、担保措置、相手先リスクに関する先行研究を包含・拡張する一般化されたモデルの提供。
提案手法
- 資金調達、担保措置、相手先リスクを、測度や割引率の変更ではなく、修正されたキャッシュフローを通じて統合する、コラテラライズドバイラテラルバリエーションアジャストドプライシング(CBVA)方程式を導出する。
- 資金調達および担保コストを明示的なキャッシュフローとしてモデル化するリスク中立的アプローチを採用し、古典的なアービッジフリー価格理論を維持する。
- 閉形式で解けない再帰的価格設定方程式を導入し、最小二乗モンテカルロ法などの反復的数値手法を必要とする。
- 銀行のトレジャリー(内部資金調達)と外部市場資金調達の2つの異なるチャネルを通じて資金調達をモデル化し、異なる金利および流動性政策を反映する。
- ISDA文書に従う現実的な市場実務(非対称な担保および資金調達金利、再担保化、清算時ネットティング規則)を統合する。
- 資金調達金利がリスクフリー金利ではないこと、およびOIS金利が資金調達金利の妥当な代理として機能するには極めて制限的な仮定が必要であることを示す。
実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1資金調達価値調整(FVA)は、デリバティブ価格設定においてリスクフリー価格に意味的に別個の項として加えることができるか?
- RQ2非対称な資金調達および担保金利が、一貫的かつアービッジフリーな方法でデリバティブ契約の価格に与える影響は何か?
- RQ3資金調達コストがデビット価値調整(DVA)と独立して扱える条件は何か。また、いつそれらは本質的に関連しているのか?
- RQ4資金調達リスクが存在する状況で、価格 = リスクフリー価格 + CVA - CVA + FVA という標準的な加法的分解がなぜ失敗するのか?
- RQ5資金調達、担保措置、相手先リスクを、制限的な仮定に依存せずに統合する一般化された価格設定フレームワークをどのように構築できるか?
主な発見
- 資金調達、担保措置、相手先リスクを含むデリバティブ契約の価格設定方程式は本質的に再帰的であり、単純な加法的調整として解けない。これにより、一般的に用いられるFVAの追加アプローチが無効であることが示された。
- 資金調達コストとDVAは一般には分離できない。それらを別個の項として扱うと、資金調達リスクとデフォルトリスクが相関している場合に誤った価格設定が生じる。
- 資金調達コストが消えるという仮定(文献でよく使われる)は、資金スプレッドがゼロで、トレジャリー統合が完全であるという極めて非現実的な条件下でのみ成立する。
- リスクフリー金利はオーバーナイト金利(例:OIS)と同等ではない。OIS金利を資金調達金利として扱うと、FVAの存在が無視されてしまう誤った結論に至る。
- 本フレームワークは、異なる機関が異なる資金調達および担保方針を採用している場合、同じ取引でも異なる価格が付く可能性があることを示しており、価格の一意性を損なう。
- 本モデルは、追加の仮定に依存せずに、第一原理から割引曲線を一貫して導出でき、先行研究の結果を特別なケースとして包含する。
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