Skip to main content
QUICK REVIEW

[論文レビュー] Large Phonon Thermal Hall Conductivity in a Simple Antiferromagnetic Insulator

Lu Chen, Marie-Eve Boulanger|arXiv (Cornell University)|Oct 25, 2021
Theoretical and Computational Physics被引用数 4
ひとこと要約

本研究では、単純な立方晶反強磁性絶縁体であるCu₃TeO₆において、絶縁体として測定されたことのある最大のフォノン熱ホール伝導度を報告している—20 Kおよび15 Tで約1 W/K·mである。レアアース不純物、構造的ドメイン、強いスピン-格子結合が存在しないにもかかわらず、Néel温度を超えて大きなかつ安定した$κ_{\rm{xy}}$信号が観測され、フォノンのキラリシティが内在的なメカニズム、おそらくスピン-フォノン結合に起因していることを示唆している。これは、フォノンホール効果が磁性絶縁体の一般的な性質である可能性を示している。

ABSTRACT

Phonons are known to generate a thermal Hall effect in certain insulators, including oxides with rare-earth impurities, quantum paraelectrics, multiferroic materials and cuprate Mott insulators. In each case, a special feature of the material is presumed relevant for the underlying mechanism that confers chirality to phonons in a magnetic field. The question is whether a phonon Hall effect is an unusual occurrence - linked to special characteristics such as skew scattering off rare-earth impurities, structural domains, ferroelectricity, ferromagnetism - or a much more common property of insulators than hitherto believed. To help answer this question, we have turned to a simple insulator, with none of the previously encountered special features: the cubic antiferromagnet Cu$_3$TeO$_6$. We find that it has the largest thermal Hall conductivity $κ_{ m{xy}}$ of any insulator so far. We show that this record-high $κ_{ m{xy}}$ signal is due to phonons and it does not require the presence of magnetic order, as it persists above the ordering temperature. We conclude that the phonon Hall effect is likely to be a fairly common property of solids.

研究の動機と目的

  • フォノン熱ホール効果がレアアース不純物や特異な物性に起因するレアな現象であるのか、それとも絶縁体の一般的な性質であるのかを特定すること。
  • レアアース不純物、構造的ドメイン、強いスピン-格子結合が存在しない単純な反強磁性絶縁体において、大きな熱ホール伝導度の起源を解明すること。
  • 観測された$κ_{\rm{xy}}$信号がフォノンに起因するか、またNéel温度を超えて持続するかを検証し、磁性秩序の役割を評価すること。
  • 他の絶縁体と比較してフォノンキラリシティの度合い($\vert \kappa_{\rm{xy}} / \kappa_{\rm{xx}} \vert$)を評価し、内在的および外部的メカニズムを区別すること。
  • 外部散乱効果が存在しない状況で、スピン-フォノン結合がフォノンキラリシティの妥当な内在的起源であるかを評価すること。

提案手法

  • CuOとTeO₂を用いたフラックス法により、870 °CでCu₃TeO₆の単結晶を成長させ、制御された冷却を経て高品質な試料を取得した。
  • 試料は、立方晶格の高対称性(100)面に沿って整列した長方形のプレートレット(2.2 × 1.61 × 0.073 mm³)に切断された。
  • 磁場最大15 Tの下で、定常状態の熱流量と横方向温度勾配法を用いて、熱伝導度($\kappa_{\rm{xx}}$)および熱ホール伝導度($\kappa_{\rm{xy}}$)を測定した。
  • Néel温度($T_{\rm{N}} = 63$ K)より低いおよび高い温度範囲で測定を行い、磁性秩序の役割を調査した。
  • Sr₂CuO₂Cl₂、Fe₂Mo₃O₈、Tb₂Ti₂O₇など、複数の絶縁体における$\vert \kappa_{\rm{xy}} / \kappa_{\rm{xx}} \vert$の比を比較し、キラリシティの普遍性を評価した。
  • 類似した不純物濃度を有するが、ホール応答が著しく異なる材料との経験的比較により、酸素バッドやレアアース不純物に起因する外部散乱効果を除外した。

実験結果

リサーチクエスチョン

  • RQ1Cu₃TeO₆における大きなフォノン熱ホール伝導度はフォノンに起因するのか、またNéel温度を超えて持続するのか。これは、磁性秩序が必須でないことを示唆するのか?
  • RQ2大きな$κ_{\rm{xy}}$信号の起源は、外部的要因(例:欠陥に起因するスケュー散乱)か、内在的要因(例:スピン自由度への結合)か?
  • RQ3Cu₃TeO₆とSr₂CuO₂Cl₂のような著しく異なる絶縁体間で、フォノンキラリシティの度合い($\vert \kappa_{\rm{xy}} / \kappa_{\rm{xx}} \vert$)がほぼ同一であるのはなぜか。不純物散乱の違いにもかかわらず?
  • RQ4酸素バッドやレアアース不純物に起因する散乱といった外部メカニズムで、観測された$κ_{\rm{xy}}$信号を説明できるのか。同様の材料が著しく異なるホール応答を示すことを考慮すると?
  • RQ5スピン-フォノン結合が、外部散乱効果が存在しない状況でフォノンキラリシティの妥当な内在的メカニズムであると考えられるか。特に、$κ_{\rm{xy}} = 0$である磁性絶縁体が報告されていないことから?

主な発見

  • Cu₃TeO₆における熱ホール伝導度$κ_{\rm{xy}}$は、20 Kおよび15 Tで約1 W/K·mに達し、いかなる絶縁体でも報告された中で最大の値である。
  • $κ_{\rm{xy}}$信号はNéel温度($T_{\rm{N}} = 63$ K)を超えて持続しており、長距離反強磁性秩序が効果に必要ではないことを示唆している。
  • フォノンキラリシティの度合い($\vert \kappa_{\rm{xy}} / \kappa_{\rm{xx}} \vert$)は、Cu₃TeO₆とカルコペライト系のSr₂CuO₂Cl₂で同一(約3–5 × 10⁻³)であり、後者は不純物散乱が強く、$\kappa_{\rm{xx}}$が50分の1にまで低下しているにもかかわらずである。
  • 不純物濃度が著しく異なる材料間でキラリシティ比が同一であることは、酸素バッドやレアアース不純物に起因する外部散乱効果が主因でないことを強く示唆している。
  • Cu₃TeO₆に構造的ドメインがなく、レアアース不純物が存在しないことと、$T_{\rm{N}}$を超えて$κ_{\rm{xy}}$が持続することから、効果は内在的結合、おそらくスピン自由度への結合に起因していると強く示唆される。
  • 本研究では、磁性絶縁体において$κ_{\rm{xy}} \neq 0$が普遍的に観測されることを踏まえ、スピン-フォノン結合がフォノンキラリシティの内在的メカニズムとして最も有力な候補であると提唱している。

より良い研究を、今すぐ始めましょう

論文の読解から最終レビューまで、研究時間を劇的に削減しましょう。

クレジットカード登録不要

このレビューはAIが作成し、人間の編集者が確認しました。