[論文レビュー] The response of a red supergiant to a common envelope jets supernova (CEJSN) impostor event
本研究では、1次元の星間進化シミュレーションを用いて、非常に離心率の高い軌道を周回する中性子星(NS)が赤超巨星(RSG)の包層を通過する際、エネルギーを注入し、ジェットによって物質を放出することで、RSGの包層が著しく膨張するのをモデル化している。RSGの包層は著しく膨張し、NSが埋め込まれた状態を維持し、数か月にわたり弱いがより放射効率の高い後期ジェットを継続的に放出し、数か月から数年にわたり明るい一時的変光(≳10⁸ L⊙)を引き起こす。
Using a one-dimensional stellar evolution code we simulate the response of a red supergiant (RSG) star to injection of energy and to mass removal. We take the values of the energy that we inject and the mass that we remove according to our previous three-dimensional hydrodynamical simulations of a neutron star (NS) on a highly eccentric orbit that enters the envelope of an RSG star for half a year and launches jets as it accretes mass via an accretion disk. We find that for injected energies of ~1e47-1e48 erg and removed mass of ~0.03-0.6Mo the RSG envelope expands to a large radius. Therefore, we expect the NS to continue to orbit inside this massive inflated envelope for several more months, up to about twice the initial RSG radius, to continue to accrete mass and launch jets for a prolonged period. Although these late jets are weaker than the jets that the NS launches while inside the original RSG envelope, the late jets might actually be more influential on the light curve, leading to a long, several months to few years, and bright, about >10^8Lo, transient event. The RSG returns to more or less a relaxed structure after about ten years, and so another transient event might occur in the next periastron passage of the NS. Our results add to the already rich variety of jet-driven explosions/outbursts that might account for many puzzling transient events.
研究の動機と目的
- 非常に高い離心率の軌道を周回する中性子星(NS)によるエネルギー注入と物質の放出が赤超巨星(RSG)に与える長期的反応をモデル化すること。
- 初期通過後もNSがRSGの包層に埋め込まれた状態で長期間保持可能かどうかを調査すること。
- 膨張した包層内で発生する後期ジェットによって駆動される一時的変光の明るさと持続期間を評価すること。
- 初期のRSG包層内でのジェットと比較して、後期ジェットの放射効率がどうなるかを評価すること。
- RSGが時間とともに緩和する過程で、繰り返しCEJSNインポスター事象が発生する可能性を特定すること。
提案手法
- 15 M⊙ のZAMS星から出発するMESA星間進化コードを用いてRSG段階(795 R⊙, 13.2 M⊙)に到達するまでRSGの進化をシミュレートした。
- NSがRSG包層を通過する3次元流体力学的シミュレーションに基づき、エネルギー注入と質量除去を適用した。
- 先行する3次元シミュレーションから得られた、エネルギー注入量 ≈10⁴⁷–10⁴⁸ erg および質量放出量 ≈0.03–0.6 M⊙ を入力として使用した。
- 数十年にわたるRSGの構造的進化を追跡し、包層の膨張、半径の拡大、降着率の変化に注目した。
- 包層の膨張後、最大で約1700 R⊙ の大規模な軌道分離距離におけるジェット出力と放射効率を評価した。
- 低密度で拡張した領域における後期ジェットの放射効率を、密度の高いRSG包層内での初期ジェットと比較し、断熱冷却と光子拡散時間の両方を組み込んだ。
実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1非常に高い離心率の軌道を周回する中性子星(NS)がRSGの包層にエネルギーを注入し、物質を放出した後、RSGの構造はどのように変化するか?
- RQ2包層の膨張により、初期通過後もNSが数か月間RSGの包層に埋め込まれた状態を維持できるか?
- RQ3膨張した包層内で発生する後期ジェットによって駆動される一時的変光の明るさと持続期間はどの程度か?
- RQ4出力が低いにもかかわらず、なぜ後期ジェットは初期ジェットよりも放射効率が高いのだろうか?
- RQ5RSGが緩和状態に戻る可能性があり、その後の近日点通過で繰り返しCEJSNインポスター事象が発生する可能性はあるか?
主な発見
- エネルギー注入と物質放出の後、RSGの包層は最大で約1500–1700 R⊙ まで膨張し、NSが数か月間も埋め込まれた状態を維持できる。
- 約1500 R⊙ でのNSの降着率は約0.05 M⊙ yr⁻¹ に保たれ、ピーク近日点降着率のおよそ30%に相当し、長期間にわたるジェット活動を維持する。
- 後期ジェットは出力が弱いが、低密度・拡張した領域における断熱冷却の低減と光子拡散時間の短縮により、放射効率が高く、効率は最大で10–30%に達する可能性がある。
- その結果生じる一時的変光は明るさが約10⁸ L⊙ に達し、数か月から数年にわたり継続するため、明るく長期間にわたる一時的変光の説明として妥当である。
- RSGは約10年以内に緩和状態に戻るため、その後の近日点通過で繰り返しCEJSNインポスター事象が発生する可能性がある。
- ジェットのフィードバック機構により降着率は10–100倍低下するが、膨張した包層は依然として持続的で観測可能なジェット活動を支える。
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