[論文レビュー] What renders bulk metallic glass ductile/brittle? -- new insight from the medium-range order
本研究は、延性を示すPd40Ni40P20では、二重のMRO相関長を持つ中距離秩序(MRO)構造が、より大きなせん断変換領域(STZ)を形成させ、構造的不均一性を増大させ、せん断帯の形成を容易にしていること、逆に脆性を示すZrベースのVit105では、この第二のMRO長が欠落しており、より小さな不均一性の低いSTZを形成し、脆性挙動を示すことを見出した。Pd40Ni40P20に存在するリンは共有結合を促進し、構造モチーフの多様性を生み出し、延性に不可欠な拡張されたMROネットワークを支える。
Understanding ductility or brittleness of monolithic bulk metallic glasses (BMGs) requires detailed knowledge of the amorphous structure. The medium range order (MRO) of ductile Pd$_{40}$Ni$_{40}$P$_{20}$ and brittle Zr$_{52.5}$Cu$_{17.9}$Ni$_{14.6}$Al$_{10}$Ti$_5$ (Vit105) was characterized prior to and after notched 3-point bending tests using variable-resolution fuctuation electron microscopy. Here we show the presence of a second larger MRO correlation length in the ductile material which is not present in the brittle material. A comparison with literature suggests that the larger correlation length accounts for larger shear transformation zones (STZs) which increase the heterogeneity. This enables an easier shear band formation and thus explains the difference in deformability.
研究の動機と目的
- バルク金属ガラス(BMG)における延性と脆性の原子スケールの起源を理解すること。
- Pd40Ni40P20(延性)とZr52.5Cu17.9Ni14.6Al10Ti5(Vit105、脆性)を比較することで、中距離秩序(MRO)が延性に与える役割を調査すること。
- MRO相関長とせん断変換領域(STZ)のサイズおよび変形挙動の関係を明らかにすること。
- 特にリンの存在が、構造的不均一性および延性に与える影響を調査すること。
提案手法
- 可変分解能フラクチュエーション電子顕微鏡(VR-FEM)を用いて、鋳造および塑性変形後のBMG試料における中距離秩序(MRO)を調査した。
- 0.8–8.5 nm(FWHM)の範囲で変化するコherentlyなプローブサイズを用いてナノビーム回折パターン(NBDP)を取得し、回折強度の空間的ばらつきを抽出した。
- MRO相関長を定量化するために、散乱ベクトルkとプローブ分解能Rの関数として正規化された分散V(k,R)を計算した。
- Q = 0.61/Rとして定義されるQ²/V(k,R)対Q²の線形フィットを用い、修正されたペア恒続性解析モデルに基づいてMRO相関長Λを切片および勾配から抽出した。
- ミクロ的MRO体積と文献値によるマクロ的STZ体積を一致させるために、てこびrames(lever rule)を用いてMRO体積分率を推定した。
- 補足的な構造的および厚さ評価として、高角アンビエントダークフィールドSTEM(HAADF-STEM)および電子エネルギー損失分光法(EELS)を用いた。
実験結果
リサーチクエスチョン
- RQ1延性と脆性を示すバルク金属ガラス(BMG)を区別する中距離秩序(MRO)の構造的特徴は何か?
- RQ2第二の、より大きなMRO相関長が、せん断変換領域(STZ)のサイズおよび延性にどのように影響を与えるか?
- RQ3Pd40Ni40P20に存在するリンが、共有結合およびモチーフの多様性を通じて、構造的不均一性および延性の向上にどの程度寄与しているか?
- RQ4マクロ的なSTZ体積(例:Pd40Ni40P20では6.5 nm³)とミクロ的なMRO体積推定値との差異はなぜ生じるのか?この差異をどのように説明できるか?
- RQ5変形が延性BMGおよび脆性BMGにおけるMRO構造に与える影響は何か?また、MRO相関長分布は変化するか?
主な発見
- 延性を示すPd40Ni40P20 BMGは二つの明確なMRO相関長を示す:d1 = 1.2 ± 0.2 nm(V1 = 0.90 ± 0.31 nm³)およびd2 = 3.50 ± 0.60 nm(V2 = 22.5 ± 7.7 nm³)であるのに対し、脆性のVit105は一つのMRO長(d1 = 1.0 ± 0.2 nm、V1 = 0.52 ± 0.21 nm³)しか示さない。
- Pd40Ni40P20における大きなMRO相関長は、より大きなSTZに対応し、構造的不均一性を増大させ、せん断帯の形成を容易にする。このことが延性の起源である。
- Pd40Ni40P20における大きなMROネットワークのMRO体積分率Φ2は0.26であり、マクロ的なSTZ体積6.5 nm³に顕著に寄与しており、ミクロ的およびマクロ的STZ測定値の整合性が得られた。
- 変形によりVit105の小さなMRO相関長は1.0 ± 0.2 nmから1.5 ± 0.3 nmに増大し、構造的不均一性の増大に伴う構造的進化が示唆されたが、依然として延性を示すには不十分であった。
- Pd40Ni40P20に存在するリンは共有結合を促進し、三重キャップドトライアングルプラズムや歪んだイコーサヘドロンといった多様な構造モチーフの形成を促進し、延性に不可欠な拡張的かつ不均一なMROネットワークの形成を支える。
- Pd40Ni40P20における構造的不均一性は、一次相転移ではなく、識別可能なMROネットワークを有する多相性(polyamorphism)の一種として最も適切に理解される。
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このレビューはAIが作成し、人間の編集者が確認しました。