東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Yuto Ashida教授の研究室は、非エルミート量子系と多体相関の融合を軸に、非平衡量子多体系の新規な臨界現象や量子制御を探究しています。特に、PT対称性や量子測定の効果がもたらす非エルミート的臨界性、光物質結合系における量子相転移の制御、ならびに量子ガス顕微鏡を用いた個別粒子解像度の動的観測を通じた非平衡多体現象の解明が主な研究テーマです。強相関系における非エルミート的効果と量子臨界性の結びつきから、従来にない普遍性クラスの発見を目指しています。
宮之瀬義和教授の研究室は、地球磁圏における高エネルギー粒子の加速・輸送・消失メカニズムを、衛星観測と地上観測を統合した多角的アプローチで解明しています。特に、EMIC波やキロサイクロトロン波といった高周波プラズマ波と粒子の相互作用が、相対論的電子や数十keV級イオンの宇宙空間からの消失に与える影響を、実測データとシミュレーションを用いて解明しています。また、地球磁気圏の嵐(ジオスターム)におけるエネルギー供給源や粒子分布の時間変化の解明にも貢献しています。
Sasaki教授の研究室は、特に公衆衛生とメンタルヘルス分野に焦点を当てており、COVID-19パンデミック下における職場の対策が従業員の精神的健康に与える影響を解明しています。医療従事者と非医療従事者の精神的健康の変化を縦断的に比較する研究を通じて、ストレス要因や支援の必要性を明らかにしてきました。また、デジタルメンタルヘルスの実装やメディア露出が精神的健康に与える影響についても、実証的・行動的知見を重視した研究を展開しています。
フロリアノ・アミモ教授の研究室は、アフリカをはじめとする発展途上地域における感染症の予防・制御に焦点を当てた公衆衛生研究を推進しています。特に、COVID-19がHIV、結核、マラリアといったエピデミック疾患の制御に与える影響を、疫学的・制度的視点から分析しています。また、医療システムの弱体化や薬剤耐性の拡大といった構造的リスクに対処するための持続可能な政策戦略の構築にも注力しています。
Hayashi教授の研究室は、情報理論と量子情報の交差分野に焦点を当てており、特に情報スペクトル法を用いた非漸近的通信理論の確立を主眼としています。チャネル容量、誤り確率の指数的評価、量子状態の識別、および量子計算のセキュアな実装に関する基礎的で実用的意義の高い研究が進められています。特に、従来の漸近的解析ではカバーできない限界的状況における通信性能の評価が特徴です。
堤光一郎教授の研究室では、疲労挙動を正確に予測するための新しい塑性変形モデルの構築を主眼としています。特に、単軸引張・圧縮試験では観察されないが、繰返し応力下で顕著に現れる塑性変化(たとえば、ラチェティングやヒステリシスループ)を再現可能な、非比例荷重下における材料挙動の記述を目的としています。従来の弾塑性モデルでは説明できない「降伏面内での塑性変化」を扱える、拡張された準降伏面モデルを発展させています。
Jian Pang教授の研究室は、5Gおよび次世代無線通信に向けた高周波帯域のCMOS集積回路技術に焦点を当てており、特に28GHz帯におけるミリ波MIMO・DP-MIMO向けの高効率・低コストなビームフォーマー・トランシieverの設計を主な研究テーマとしています。特に、バイディレクショナル構造やアナログ補償技術を用いた面積効率と高精度な位相制御を実現し、ビームステアリングの性能とシステムの実用性を両立しています。また、60GHz帯の高速通信向け回路や、レーザー加速現象の基礎的メカニズムのシミュレーション研究も併せて展開しています。
Mingwei Chen教授の研究室は、ナノ構造材料の設計・合成ならびにその応用に焦点を当てており、特にナノ結晶金属、グラフェンベース材料、金属ガラスの微視的変形挙動と機能性を解明することを目的としています。高効率な水素生成触媒や太陽光利用蒸発装置の開発を通じて、持続可能なエネルギー技術の実現に貢献しています。原子レベルでの電子構造と反応機構の相関を理論的・実験的に解明する、物質科学とエネルギー材料の融合的研究が特徴です。
Kiyoto Kamagata教授の研究室では、細胞内の無膜性オルガネラ(液体-液体相分離が関与するドロップレット)の形成と機能を、単一分子顕微鏡やバイオフィジックス的手法を用いて解明しています。特に、がん抑制遺伝子p53やFUSタンパク質が形成するドロップレットにおけるタンパク質の局在・動態・相互作用のメカニズムを、分子レベルで解明しています。また、ドロップレット形成を制御するペプチドの設計原理の解明や、病態関連タンパク質の凝集制御にも応用を広げています。
庭原晃教授の研究室は、スマートグリッドにおけるエネルギー効率化と分散型制御技術の実現を柱としています。再生可能エネルギーの統合や電力損失を考慮した需要応答(DR)およびリアルタイム料金設定の最適化、電気自動車(EV)とインフラの双方向エネルギー連携、ならびにバッテリーエナジーストレージ(BESS)の分散制御技術の開発を進めています。特に、通信遅延や自己遅延を考慮した高信頼性な制御アルゴリズムや、機械学習を活用した新素材の探索手法の統合も目指しています。
Tetsuya Ōsaka教授の研究室では、リチウムイオン電池や電気二重層キャパシタをはじめとする次世代エネルギー貯蔵デバイスの高機能化と安全性向上を目的とした研究が進められています。特に、電気化学インピーダンス分석(EIS)を用いたバッテリーの状態診断技術や、非白金系触媒、ゲルエレクトロリートの開発を通じて、効率的で安価かつ安定したエネルギー変換・貯蔵システムの構築を目指しています。また、電池内部の微細構造変化をリアルタイムで観察可能なX線画像技術の開発も進めており、安全性評価の新たな基準を築こうとしています。
Kohri教授の研究室は、宇宙初期状態における重力波や素粒子の生成メカニズムを理論的に解明することを柱としています。特に、インフレーション期に生成される重力波や、原始的曲率パワースペクトルから誘導される二次的重力波の解析に力を入れており、宇宙背景放射やパルサー計時配列(PTA)からの観測データと照らし合わせた理論的予測も行っています。また、ニュートリノ冷却や電子縮重圧力が支配的になる高密度な降着円盤の物理的性質についても、ガンマ線バーストの中心駆動機構を解明する観点から研究を進めています。
山本茂教授の研究室では、π-電子系分子の新規合成とその機能制御を柱として、三次元的なπ-共有構造を有する新規有機ナノ材料の創出をめざしています。特に、パラフェニレン環を環状に連結したシクロパラフェニレン(CPP)を効率的に合成し、フラーレンやカーボンナノチューブと相互作用するホスト-ゲスト系の構造を創出し、分子サイズや形状による選択的分離・分離技術の開発を進めています。また、金属を介した分子の自己集合的組み立てと還元的脱金属化を組み合わせた新規合成手法の開発も顕著です。
Van An Dinh教授の研究室は、ナトリウムイオン電池や固体電解質をはじめとするエネルギー貯蔵材料の原子レベルの構造・電子状態・イオン拡散メカニズムを、高精度な密度汎関数理論(特にHSE06やvdW補正を含む非経験的関数)を用いて解明しています。特に、ナトリウムイオンの拡散に伴うポラロン・ナトリウム空孔複合体の形成や、ガス分子と2次元材料(ボロフェン、グラフェン)との相互作用のメカニズムにも注力しており、環境・医療分野への応用も視野に入れた先進的で実用的志向の強い研究が特徴です。
Claudio Feliciani教授の研究室では、人の行動と集団行動のメカニズムに着目し、特に歩行者の流れや避難行動のダイナミクスを実験的・モデル的アプローチで解明しています。特に、双方向歩行における自発的レーン形成や、避難時における障害物の効果、非信号交差点における歩行者行動のモデリングが主な研究テーマです。実データに基づいた統計的分析と、セルオートマトンや車両追従モデルを用いたシミュレーションを融合した研究が特徴です。
西教授の研究室は、心の健康とストレス反応のメカニズムに注目し、特に災害や出産、病気などのストレス状況下における心理的変容を、心理尺度の検証と疫学的分析を通じて解明しています。PTG(成長の兆し)やPTSD、抑うつ症状の評価基準の文化的適合性やスクリーニングの有効性について、日本における実態に即した研究を展開しています。また、ストレス反応の予測要因や、医療救護活動従事者の心理的健康維持のための支援戦略の確立にも貢献しています。
Takeshi Tsuji教授の研究室は、海洋プレート・サブダクション帯における圧力・応力状態の高解像度推定を柱としており、波形トモグラフィーと岩石物理学モデルを融合して、プレート境界付近の孔圧分布や有効応力の空間的変異を解明しています。特に、Nankai津波地震や2011年東北地方太平洋沖地震の発生メカニズムを解明するため、海底観測データやマルチコンponentオーシャンボトムセイズモメータを用いた波形解析を展開しています。また、地震後の地盤変動や熱流束の変化から、プレート境界の破壊挙動や非弾性応答の理解を進めています。
岡田洋平教授の研究室では、がん抑制遺伝子p63の異種型、特にTAp63alpha(p51B)の機能解明に注力しています。DNA損傷応答におけるタンパク質の蓄積機構や、腫瘍抑制機能との関連を細胞・分子レベルで解明しており、がん治療への応用が期待されています。また、神経内分泌系におけるGnRHシグナル伝達のメカニズムや、性ホルモンの下垂体への作用の種分化についても、非ヒト霊長類モデルを用いて研究を進めています。
石田直樹教授の研究室では、光誘導反応や遷移金属触媒を用いた新しいC–H活性化・官能基化反応の開発に注力しています。特に、炭素–水素結合の直接的機能化や、炭素–ハロゲン・炭素–ケイ素結合の交換反応を通じて、複雑な骨格を効率的に構築する手法の確立を目指しています。また、CO₂を用いた炭素源としての利用や、ナノ材料に応用可能な新しいボロン含有 hetero環化合物の合成も重要な研究テーマです。
Shutaro Karube教授の研究室では、反強磁性体を用いた次世代スピントロニクスの基盤技術を開発しています。特に、反強磁性体に由来する特異なスピン効果(スピンスプリッター効果やスピンホール効果)を活用し、外部磁場なしで磁化を制御する新しいスピントロニクス素子の創出をめざしています。また、磁性界面におけるスピンダイナミクスや、磁気的励振モードの制御を用いた高精度なスピン信号操作の実現も重要な研究テーマです。