東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
松島久義教授の研究室は、電気化学的界面における原子レベルの構造変化と反応機構を、高分解能・高時間分解能の走査トンネル顕微鏡(in situ video-STM)を用いて解明しています。特に銅や鉄、ビスマスなどの金属電気析出における表面相転移や磁場効果が反応機構に与える影響を、磁気場下での電気析出や表面自己組織化の観察を通じて研究しています。また、イオン液体中でのアルミニウム電気析出における磁気対流(MHD)効果による微細構造制御も重要なテーマです。
Yuasa教授の研究室では、 induced pluripotent stem cells(iPSC)を用いた疾患モデルの構築と、心血管疾患・筋疾患の発症メカニズム解明を柱としています。特に、LQTSなどの遺伝性心疾患や筋再生における幹細胞の機能制御、ならびに深層学習を活用したiPSC由来細胞の自動識別技術の開発が進んでいます。これらの研究は、再生医療や個人化医療の実現に向けた基盤を提供しています。
Katsunori Mizuno教授の研究室では、主に生体組織、特に頸部や大腿骨頭に由来する海綿状骨の微細構造と超音波伝搬特性の関係を解明することを目的としています。特に、超音波が骨組織内で「速波」と「遅波」に分離して伝わる現象(二重波現象)に注目し、その波動特性と骨の構造的異方性の関係を、実験的・数値的アプローチで解明しています。この研究は、将来的には生体内での骨の健康状態を非侵襲的に評価するための超音波診断技術の基盤を築くことを目指しています。
Tatsuhiro Hisatsune教授の研究室は、加齢に伴う脳機能の低下や認知症の予防を目的として、神経新生、神経炎症、腸内微生物叢と脳の関連、および栄養補助因子の神経保護作用を解明する研究を行っています。特に、アセチルコリンやアーンシン/カナスチン、プロバイオティクス、抹茶エキスといった栄養素が脳に与える影響を臨床的・実験的に評価しています。ApoE4遺伝子型を有する高齢者に対するサプリメントの特異的効果の解明にも注力しており、個別化医療に向けた基盤を構築しています。
アレクサンドル・クセンコ教授の研究室は、素粒子物理学と宇宙論の交差点に位置し、主にダークマターの素粒子的起源とその実験的検証を追求しています。特に、消えるニュートリノ(ステアリングニュートリノ)やQボソンといった非位相的ソリトン状の粒子がダークマターを形成するメカニズムを理論的に解明しており、X線望遠鏡やガンマ線観測からの実験的証拠の解釈にも貢献しています。また、宇宙初期の真空不安定性や銀河間磁場の影響による高エネルギー天体放射の揺らぎなど、宇宙の極限環境における素粒子現象の解明にも注力しています。
Shimakawa教授の研究室は、酸化物半導体やフェロエレクトリック材料の構造と物性の関係を、中性子線・X線回折を用いた高精度な構造解析を通じて解明しています。特に、Bi層状ペロブスカイト型酸化物におけるスピンオーダー、酸化物の不 Stoichiometry が物性に与える影響、および高圧下での金属酸化物の相転移挙動に注目しています。また、ナノスケールの原子配置とマクロな物性の相関を解明するための先端的で包括的な材料設計のアプローチを展開しています。
伊賀津教授の研究室では、細胞死と細胞競争の分子メカニズムに焦点を当て、特にDrosophilaをモデル生物として、アポトーシスの制御因子やERストレスが細胞競争に与える影響を解明しています。Bcl-2ファミリーの新規因子Drob-1の同定や、DIAP1の機能、ならびにエンドプラズミックリティクルストレスが細胞競争を誘導するメカニズムの解明が進んでいます。これらの研究は、がんの発症や組織の恒常性を保つ仕組みの理解に貢献しています。
Hideki Makishima教授の研究室は、骨髄異形成症候群(MDS)や慢性びまん性白血病(CML)をはじめとする骨髄性腫瘍の遺伝的・分子病理学的機構を解明することを目的としています。特にスプライシング機構関連遺伝子(SF3B1、TET2、ASXL1など)の変異が血液腫瘍の発症・進行に与える影響を、全エクソン解析や次世代シーケンシングを用いて解析しています。また、コピー数に変化のないロスオブヘテロジェニシティ(コピーニュートラルLOH)の病態的意義についても、がんのクローン進化と関連して解明を進めています。
Randy Jalem教授の研究室は、全固体リチウムイオン電池に応用可能な高イオン伝導性セラミックス材料の設計と物性解明を主眼としています。第一原理計算(DFT)と分子動力学シミュレーションを駆使し、リチウムイオンの拡散機構や不純物ドーピング効果を原子レベルで解明しています。特に、ガーネット型LLZOやオリヴィン型酸化物といった新規固体電解質の構造・物性相関を解明し、実用化に向けた材料探索の高速化を図っています。
Abhishek Sharma教授の研究室では、アルミニウム合金を基体とする複合材料の加工・表面改質技術に注力しています。特に、摩擦攪拌処理(FSP)や摩擦攪拌溶接(FSW)を用いたナノ粒子(グラフェンナノプレートレーツ、炭素黒)の均一分散と界面制御が主な研究テーマです。また、グラファイトのナノスケール剥離やポリマー/ナノクリスタル複合材料の開発にも取り組んでおり、自動車用軽量化材料や高耐磨耗性表面の創出を目指しています。
Satoshi Muratsugu教授の研究室は、光応答性分子の設計とそのスイッチング挙動、特にフェロセンを導入したジヒドロピレン誘導体を用いた光クロミズムと電子通信制御を主軸としています。また、金属錯体の赤酸化還元挙動や、分子インプリンティングを応用した形状選択的触媒の開発にも取り組んでおり、環境に配慮した高効率な化学反応プロセスの創出を目指しています。特に、金属中心と配位子の協奏的機能を制御する分子設計が、新規機能材料や触媒の開発に貢献しています。
Yuzo Yamasaki教授の研究室は、循環器疾患、特に肺高血圧症や慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)を対象に、心臓機能の評価や画像診断技術の高度化をめざしています。特に心電図の周波数解析や、Dual-layerスペクトル・スキャンを用いた心筋の線維化評価、画像診断における被曝低減技術の開発が主な研究テーマです。また、腎細胞癌の転移病変に対する積極的治療の意義についても臨床的意義を明らかにしています。
郭威路教授の研究室は、光通信の高速化・高効率化を実現するため、半導体・ポリマー複合型光変調器や、フォトニック・フォーマット変換技術に注力しています。特に、高温環境下でも信頼性を維持する高レート光デバイスの開発や、四波混合を用いた位相エラー除去や波長マルチキャスト技術の実験的実現が特徴です。これにより、データセンターや次世代光ネットワークにおける省エネルギー化とスケーラビリティの向上が目指されています。
Osamu Seto教授の研究室は、宇宙論と素粒子物理学の交差点に位置し、特にハッブル定数の矛盾(Hubble tension)の解明に注力しています。早期宇宙の物理、例えば初期のエネルギー成分(初期ダークエネルギー、余剰放射など)の導入や、超対称性やB−L対称性に基づく新しいニュートリノ・ダークマター理論を展開しています。また、宇宙初期の量子揺らぎが生成する密度揺らぎや、超重力理論におけるインフレーションモデルの高次項効果についても精密に分析しています。これらの研究を通じて、観測と理論の乖離を解消する新しい物理の可能性を探究しています。
石井一之教授の研究室では、光誘起電子スピン状態の時間分解的解析を核に、フタロシアニンやポルフィリンを中心とした金属錯体の光物理的・光化学的性質を解明しています。特に、時間分解電子スピン共鳴(TREPR)を用いた励起状態のスピン状態の同定や、反応性ラジカル(TEMPOやnitronyl nitroxide)と結合した系におけるエネルギー移動・スピン干渉のメカニズムを追求しています。その応用として、生体分子の検出や光動態療法への応用も視野に入れた、光機能材料の開発が進められています。
Koji Harano教授の研究室は、分子の自己集合とナノ構造の制御を核とした先端的ナノ材料化学を展開しています。特に、金属錯体の構造的ダイナミクスや、カーボンナノチューブ内での分子反応のリアルタイム観察を通じて、原子解像度での分子挙動の解明を進めています。また、カーボンナノ材料の成長機構や、光物性と構造の相関を解明するための電子顕微鏡技術の開発にも注力しています。
藤井洋平教授の研究室では、量子多体系におけるもつれやトポロジカルな相転移、特にエントロピーの法則的性質や対称性保護による相の分類に注目し、有効場理論やカップルドワイヤー構成を用いた新しい量子相の理解を進めています。特に、1次元スピン系におけるバルク状態のトポロジカル性、3次元フラクタル粒子秩序、および分数量子ホール状態の微視的モデル構築が主な研究テーマです。これらの研究は、量子情報理論や強相関電子系の理解に貢献する基盤を提供しています。
高感度な動物モデルと画像解析技術を駆使し、インプラント関連感染症の病原体・宿主因子の相互作用を解明する研究を推進しています。特に、黄色ブドウ球菌のバイオフィルム形成と慢性骨髄炎の発症機構、ならびに関節内環境の制御メカニズムについて、分子・細胞レベルでのメカニズム解明を進めています。また、個別化医療に向けた病原体特異的治療戦略の開発にも貢献しています。
Hirama教授の研究室は、細胞膜の脂質動態と膜形状の制御メカニズムに焦点を当てており、特にリン脂質の不均一分布とコレステロールの役割が膜の曲がりや細胞小器官の形成に与える影響を解明しています。特に、酸化的リン脂質(PtdSer)と膜タンパク質(Endophilin、Synaptojanin)の相互作用が膜管形成を促進するメカニズムや、キャベオール(caveolae)の形成におけるリン脂質の役割について、生きた細胞を用いた動的イメージングと分子生物学的手法を駆使して研究を進めています。また、臨床的応用としても、肝移植後の機能回復や腎代替療法の最適化に関する研究も展開しており、基礎と臨床の橋渡しを図っています。
福井秀道教授の研究室は、産業・金融・環境分野における生産性と効率性の分析を柱とし、特に多環境汚染要因を組み込んだ生産性評価モデルの構築と応用を進めています。中国・EU・日本・米国の産業・金融・森林部門を対象に、重み付きルーザー方向距離関数や構造的分解分析を用いた国際比較研究が特徴です。環境パフォーマンスと経済的効率性の両面から持続可能な資源管理や政策効果を解明する研究が展開されています。