東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kunpeng Cui教授の研究室では、非平衡状態における物質の構造変化とその力学的・物性的応用を主軸に、特に高分子の流れ誘発結晶化や、自己修復・高靭性を示すポリアンホリック水gelの多スケール構造とエネルギー散逸機構を解明しています。特に、非平衡状態の構造変化を活用した動的記憶機能を有するスマート材料の創出にも注力しており、生物学的機能に類似した新しい材料設計の可能性を追求しています。
福井富俊教授の研究室では、遷移金属触媒を用いたC–H結合の選択的機能化に焦点を当て、特にルトジュム触媒を用いた芳香族炭化水素のオルト位C–H結合のアルキル化・アルキニル化反応の開発を進めています。特に、カルボニルやイミノなどの機能基が金属に配位することで、反応の位置選択性と効率性が実現されるメカニズムの解明が中心です。近年では、電気化学的手法を組み合わせた持続可能なC–Hヘテロアリール化反応の開発にも取り組んでいます。
Yoshimura教授の研究室は、都市空間における人間行動のデジタルデータ分析を軸に、アートミュージアムの来館者行動や都市商業空間のアクセス性・多様性が経済的成果に与える影響を、大規模な匿名化された行動データ(Bluetooth、クレジットカード取引など)を用いて定量的に解明しています。特に、空間的配置と行動パターンの関係、都市の多様性と商業活性の相関といったテーマを、計算的手法と実証的分析で探求しています。
Hashikawa教授の研究室では、カーボンナノ材料、特にフラーレンを基盤とした新規分子設計とその内包化学に注力しています。特に、水分子や水素分子を内部に閉じ込めた「エンドヘドラルフルーレン」の合成・機能制御を柱としており、分子内相互作用や動的挙動の解明を分子分光学的手法と理論計算で行っています。近年は、開口型フラーレンを用いた分子スイッチや、反応性を制御した機能化も進めており、ナノスケールでの水の性質解明や新規分子デバイスの創出を目指しています。
片山勝義教授の研究室は、酸化物半導体および鉄pnICT系超伝導膜を用いた次世代エレクトロニクスデバイスの開発を柱としています。特に、強誘電体や酸化物半導体を用いたトランジスタ型スマートウィンドウや、超伝導体を用いたSQUIDやジョセフソン接合の実現に注力しており、薄膜成長技術とナノ構造制御を融合した新規機能性酸化物デバイスの創出を目指しています。また、プロトンドーピングによる金属-絶縁体転移制御や、高臨界電流密度を実現する超伝導薄膜の開発も進んでいます。
Takuya Mabuchi教授の研究室では、ナノスケールの構造と動的挙動に着目した分子動力学シミュレーションを用いて、ナフィオン膜をはじめとする高分子電解質膜の水和挙動、酸化物イオンやプロトンの輸送機構、およびそのナノ組織形成を解明しています。特に、水の状態(結合水・自由水)、イオンの輸送メカニズム(Grotthuss機構とベヒクル輸送)、および溶媒組成の変化が膜の自己集合構造に与える影響を詳細に解析しています。実験データと一致する高精度な力場の構築と、長時間スケールの動的挙動の解明が特徴です。
岩瀬一之教授の研究室は、非白金族金属を用いた高効率な電気触媒の開発を柱としており、燃料電池やCO₂還元、窒素還元反応における環境にやさしい触媒技術の創出を目指しています。特に、金属-ホスホン酸ハイドロゲン化物やCOFs(共価的有機フレームワーク)を用いたナノ構造触媒の設計・合成に注力しており、金属の配位環境を精密に制御することで反応選択性と活性を向上させています。近年では、中性域における酸素還元反応(ORR)やCO₂還元反応(CO₂RR)の効率化に向けた新規触媒の創出が進んでいます。
Suga教授の研究室では、ヒト幹細幹細胞を用いた脳下垂体・視床下部の機能的組織の作製に注力しています。特に、iPS細幹細胞を用いた3次元オルガノイドを形成し、ACTHを効率的に産生する機能的脳下垂体を再現。視床下部の神経幹細胞様細胞(タンツィライト)の誘導や、発生過程を再現する培養系の構築も進めており、神経内分泌疾患の治療への応用が期待されています。
Suganami教授の研究室は、肥満に伴う慢性炎症反応と代謝疾患の発症メカニズムを、脂肪細細胞とマクロファージの間で働くホルモン・サイトカインの便宜的なフィードバックループとして解明しています。特に、中性脂肪酸(FFA)とTNF-αが関与する炎症性シグナル伝達経路やToll様受容体4(TLR4)の活性化が、インスリン抵抗性や非アルコール性脂肪肝疾患(NASH)の進行に与える影響を分子細胞生物学的手法で解明しています。また、人工膵臓に類似した機能を示す合成ポリマーを用いたインスリン放出デバイスの開発も進め、糖尿病治療への応用を視野に研究を展開しています。
Tachikawa教授の研究室では、分子軌道法と分子動力学法を組み合わせた第一原理的シミュレーションを用いて、ナノスケール界面におけるイオンの拡散挙動や電子状態の制御を解明しています。特にリチウムイオンや水クラスターの表面反応、欠陥を有するグラフェンやフルオログラフェンにおける電子状態の変化を、高精度な量子化学計算と動的シミュレーションで解析しています。その応用としては、二次電池材料やナノ材料の機能設計に向けた原子レベルの理解が目指されています。
Kikuchi教授の研究室では、アルミニウムの陽極酸化法を応用したナノ構造材料の創出を主眼としています。特に、酸化アルミニウムのナノファイバー、高秩序なナノポーラス構造、および三次元ナノファブリケーション技術の開発に注力しています。新規電解液(ピロリン酸、アセチレンジカルボキシル酸など)を用いた制御された酸化プロセスにより、特異なナノ形状を有する酸化アルミニウムを創出しています。
Sato教授の研究室は、神経疾患の病態解明と治療戦略の開発を柱としており、特に脳血管障害や神経変性疾患における神経保護機構の解明を進めています。GLP-1アナログの神経保護効果や、p38 MAPKの発達期脳内での機能、ならびにCOVID-19関連薬剤の神経精神症状リスクの疫学的評価など、臨床的応用に結びつく神経生物学的研究を展開しています。また、AIを活用した神経機能スクリーニング手法の開発や、自然産物の効率的合成法の確立など、多様な分野との融合研究も推進しています。
Matsumoto教授の研究室は、脳の微細な神経回路機構とその機能的動態に注目し、特に海馬のCA2領域や縁上回条における神経活動のサブスレーブ膜電位変動や、空間認識・社会行動に関与する神経回路の発達的・生理的基盤を解明しています。また、神経細胞の特徴的マーカーの定量的解析や、生体信号(ECG)の呼吸依存的ノイズを用いた非挿入的生理モニタリング手法の開発も進めています。これらの研究は、記憶・行動制御の神経基盤を解明する上で、基礎神経科学の新たな枠組みを提供しています。
伊豆賀教授の研究室は、造血幹細胞の自己複製と分化の制御機構、特にPolycomb群遺伝子(EZH2、BMI1など)ががんや加齢に伴う造血機能低下に与える影響を、マウスモデルやがん細胞を用いた機能解析によって解明しています。特に、MDSやMPNなどの骨髄異形成症候群におけるEpigeneticな変化の役割に注目し、EZH2とTET2の機能的相互作用の解明を進めています。また、がん幹細胞(TIC)におけるEZH2の機能や、造血前駆細胞の線従分化制御機構についても、遺伝子ノックダウンや薬理学的阻害を用いた実験的アプローチを展開しています。
Xiongjie Jin教授の研究室は、酸化触媒反応を軸に、環境に配慮した持続可能な合成手法の開発を進めています。特に、酸素ガスを酸化剤とする酸化反応や、金属ナノ粒子を担持した固体触媒を用いた高選択性な反応系の構築が特徴です。主に金・パラジウム・銅を用いた酸化触媒や、層状水酸化物(LDH)を担体とする新規触媒の開発を通じて、アミド・アミン・フェノールなどの有用な有機化合物の効率的合成を実現しています。反応の環境負荷低減と触媒の再利用性を重視したグリーンケミストリーの視点が研究の核となっています。
Takaki Yamauchi教授の研究室では、水logging(水害)ストレスに強い作物の育成を目指し、不定胚根形成、トウモロコシやイネの根における気腔形成(アエレンキマ)、および酸素欠乏に伴う根の適応機構の分子メカニズムを解明しています。特にエチレンシグナルとROS(活性酸素種)の関与するRBOH酵素の機能に注目し、根の構造的・生理的適応の基盤を遺伝子レベルで解明しています。また、イネ科植物の根の内部構造と環境応答の関係を系統的・比較的アプローチで解明しています。
Hiroshi Shimizu教授の研究室は、大気環境の高精度計測とバイオプロセス工学の両分野で革新的な技術開発を進めています。レーザー散乱に基づく新規リモートセンシング技術を用いて、大気の散乱比、視程、温度を高分解能で同時に測定する手法の確立を目指しており、気象・環境モニタリングへの応用が期待されます。一方で、酵母や乳酸菌を用いた代謝工学的アプローチを通じて、高エタノール耐性の細胞の適応機構や、ナットウキナーゼを含む抗菌ペプチドの効率的生産プロセスの開発も行っています。特に、微生物間の代謝連携を活用したpH制御技術は、バイオプロセスの省エネルギー化に貢献する画期的なアプローチです。
Jihoon Shin教授の研究室は、肥満・高齢・糖尿病に代表される代謝疾患が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症化を促進するメカニズムを解明することを目的としています。特に、細胞膜に局在するグルコース修飾タンパク質78(GRP78)がSARS-CoV-2の細胞侵入を助ける共受容体として機能することを発見し、その発現がインスリン亢進状態によって上昇することを明らかにしました。また、食事状態や肥満に伴い変化するSDF-1 やHSP47といった因子がインスリン抵抗性に与える影響についても、分子機構の解明を進めています。
福井恵介教授の研究室は、量子情報科学とナノ材料工学を融合した先端的研究を展開しています。特に、量子コンピューティングにおける非局所操作の古典的シミュレーションや、1クビットのみが量子状態を持つ「ワンクリーンキュービット」モデルの計算可能性の限界解明に貢献しています。また、小規模な量子コンピュータで大規模系を扱うためのハイブリッド量子アルゴリズムの開発や、DNAナノ構造のX線吸収分光測定による分子配向解析も行っています。
Kato教授の研究室では、金属的ガラス(非晶質合金)の成形性と力学的特性の向上を目的として、カーボン粒子やその他の強化相を添加した複合材料の開発を行っています。特に、銅型鋳造法を用いた大径(1〜3mm)の非晶質合金部材の形成に成功し、粒子の均一分散と界面の良好さを実現しています。また、ガラス転移付近での流動性や応力応答のメカニズムを解明するため、粘度と応力の温度・ひずみ率依存性の精密測定も実施しています。