東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Ashutosh Kumar教授の研究室は、画像・動画・センサー時系列データを活用した都市インフラのスマート管理を柱としています。特に、衛星データや車載カメラ、移動観測機器を用いた降水予測や交通フロー推定、車両トラジェクトリ再識別といった、実世界の動的かつ不規則な空間的・時間的データを扱う深層学習技術の開発を進めています。研究は、交通管理、自動運転支援、都市計画支援に貢献する実用的でスケーラブルなAIソリューションの構築を目的としています。
高橋茂義教授の研究室は、糖尿病の病態メカニズムとその治療戦略の解明を柱としています。特に、動脈硬化性閉塞性疾患を伴う下肢閉塞性動脈疾患(CLI)患者における血糖制御の影響や、SGLT2阻害薬がβ細胞機能に与える影響を臨床的・生化学的に解明しています。また、日本人におけるinsulin sensitivityの評価指標としてのMatsuda Indexの臨床的有用性の検討も進めています。
黒田俊一教授の研究室は、細胞内シグナル伝達のメカニズムに焦点を当てており、特にLIMドメインを有するタンパク質が細胞骨格や筋肉の発達、心筋の肥大反応に関与する分子機構を解明しています。PKCやFEZ1、ENHといったシグナル分子の相互作用やリン酸化制御、膜移動の動態を解析することで、発生・発達や心臓病態における力学的ストレス応答の分子基盤を解明しています。また、NELL1がMAPK経路を介して骨形成を誘導するメカニズムの解明も進めており、再生医療への応用が期待されています。
伊坂義隆教授の研究室は、腎疾患の末期病態である糸 Knot硬化症や間質線維化の発症メカニズムに焦点を当て、TGF-βやPDGFといった成長因子の役割を動物モデルを用いた遺伝子導入技術で解明しています。特に、腎臓における成長因子の局所的過剰発現が線維化を引き起こすメカニズムを、分子・細胞レベルで解明しており、腎線維化の治療標的にする新規標的戦略の開発をめざしています。また、尿酸腎症における炎症小体の活性化と自己astyのバランスについても、細胞保護機構の解明を進めています。
Mutsuko Hatano教授の研究室は、半導体薄膜のレーザーアニーリングプロセスにおける相転移挙動と温度場の時間的・空間的変化を、時間分解電気的・光学的測定を用いて解明しています。特に、アービター・レーザーを用いたポリシリコン薄膜の再結晶化技術と、その応用として高 mobility TFT の実現を目指しています。また、NV色心を用いた高感度量子センシング技術を駆使し、電気自動車向けバッテリーの温度・電流同時モニタリングに応用する革新的なセンサーデバイスの開発も進めています。
李 Chunzhong 教授の研究室は、グラフェン量子ドットやハイブリッドナノ材料を軸に、エネルギー貯蔵デバイスと光機能材料の両面で革新的な材料開発を進めています。特に、3次元構造を有するハイパーオルソゴナス炭素材料や、金属酸化物とハイブリッド化されたナノスケール材料の設計・合成に注力しており、超電容器やリチウムイオン電池の高性能化を実現しています。また、光変換特性を有するカーボン量子ドットの創出や、界面制御による電極材料の安定性向上にも貢献しています。
福島一博教授の研究室は、量子化学的手法を応用した分子内電子状態の高精度な解析を柱としており、特に視覚色素や光駆動ポンプタンパク質の励起状態やエネルギー移動機構を、SAC-CIやQM/MM、TDFIなどの先進的理論手法を用いて解明しています。光受容体におけるスペクトルチューニングのメカニズムや、光エネルギー移動の電子的相互作用の定量化を目的としており、生物学的機能の原子レベルの理解をめざしています。
林慧文教授の研究室は、半導体触媒や電極材料の界面・界面構造を制御することで、太陽光を用いた水素生成やエネルギー変換反応の効率を向上させる研究を推進しています。特に、光励起による金属ナノ粒子の構造再構築や、酸化物半導体における格子歪み工学、p-Siベースの光電極における高効率なコカタリス卜の形成メカニズムに注力しています。また、リチウムイオン電池の界面化学や合金のナノスケール構造解析にも広く関与しており、材料の動的挙動と機能の関係を解明しています。
Takema Fukatsu教授の研究室は、昆虫と細菌の共生関係に注目し、特に宿主と共生菌の共進化、垂直伝播メカニズム、および共生細菌のゲノム縮小のメカニズムを解明することを主眼としています。特に、アブラムシにおけるバクネラ菌の細胞内共生や、クロウムシにおける腸内共生細菌の「共生胞」を介した伝播機構の解明が顕著です。また、 facultative な共生菌(Wolbachia や Rickettsia など)の遺伝的・分子的特性や、宿主の繁殖戦略に与える影響についても広範な研究を展開しています。
尾柄俊教授の研究室は、非平衡統計力学と機械学習を融合した新規な推定手法の開発を柱としています。特に、時間依存の非平衡状態におけるエントロピー生成率の推定に焦点を当てており、実験的時間系列データからパラメータを事前に知らないままに高精度で推定する理論的枠組みを構築しています。この研究は、非定常系におけるエントロピー生成の正確な評価を可能にし、生命現象や非平衡材料の理解に応用可能です。
Nishimoto教授の研究室は、量子化学計算を基盤とし、特に密度汎関数理論(DFT)およびその拡張手法を用いた分子集団やポリマー、ポリオキソメタル酸化物(POM)の電子構造・反応機構の解明を主眼としています。FMO(断片分子軌道法)とDFTB(密度汎関数タイトバインディング)を組み合わせた高効率計算手法の開発を通じて、大規模系の分子動力学的シミュレーションを可能にし、エネルギー貯蔵材料や生体分子の性質を精度よく予測しています。特に、Liイオン電池に応用可能なPOMの還元挙動や、多電子状態の遷移状態の正確な同定にも貢献しています。
東野知宏教授の研究室では、有機半導体材料を基盤にした太陽電池の効率向上と長寿命化を主眼とした研究が進められています。特に、ルミノール誘導体やポルフィリン系染料を用いたDSSC(染料感受性太陽電池)の開発に注力しており、新しいアンカー基や分子設計によって光吸収性・界面安定性・電荷分離効率を劇的に向上させる研究が特徴です。また、分子内電荷分離の制御やMöbius芳香族性の新規系の同定など、基礎的知見の解明にも貢献しています。
井原秀典教授の研究室は、がんの発症・進行に関与する糖結合たんぱく質(ガレクチン-3やMac-2結合タンパク質)の細胞接着・シグナル伝達機能を解明するとともに、頭頸部がんや甲状腺がんにおけるバイオマーカーとしての意義を臨床的・分子的に解明しています。特に、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連がんの疫学的特徴や、PET-CTに加え、血清中のがん由来DNA(ctHPV16DNA)を用いた治療反応予測の可能性についても前向きに研究を進めています。
Kitao教授の研究室は、計算生物学的手法を用いてタンパク質の構造・動的挙動を原子レベルで解明することを目的としています。主に分子動力学シミュレーションとマーカフ状態モデルを用いたタンパク質のエネルギーランドスケープ解析や、結合・解離メカニズムの解明を進めています。特に、タンパク質の多様なコンformational変化や、リガンドとの結合・解離挙動のメカニズムを高精度で再現する計算手法の開発が特徴です。
宮谷正義教授の研究室では、医療用インプラントの生体適合性を向上させるための表面処理技術を開発しています。特に、ナノ秒パulsesレーザー処理を用いた微細な凹凸と酸化被膜の同時形成により、骨接着を促進する表面特性の創出を目的としています。また、電気化学的自己鋸研磨(ELID)を応用した高品質な酸化被膜形成技術の確立も進めています。
Taguchi教授の研究室では、膜動態と細胞内シグナル伝達の関係に注目し、特にリサイクルエンドソームや膜タンパク質のサブセルラーローカライゼーションが免疫応答や細胞機能に与える影響を解明しています。特に、Rasオノコジンの膜内局在とその輸送機構、ならびに病原体認識受容体の膜動態が先天免疫応答に与える影響を分子細胞生物学的手法を用いて解析しています。また、膜脂質の分布とその機能についても、特異的プローブを用いた高解像度イメージングによって研究を進めています。
ムハンメット・ユアニク教授の研究室は、希土類元素や毒性金属を用いない環境にやさしい酸化反応の開発を柱としています。特に、ハイパーベンチルイソジン化合物を用いた金属フリーな触媒的酸化反応、特にエナンチオ選択性を制御する新しい触媒系の創出に注力しています。主に過酸化水素やOxoneを酸化剤として用い、アルコールの酸化やスプライロラクトン化、クロロエテル化反応など、医薬品合成に応用可能な高選択性反応の開発を進めています。
UCHIDA教授の研究室では、遷移金属を用いた高エナンチオ選択的反応の開発に注力しており、特にルチル・サリニル錯体を基盤とする触媒系を用いた窒素機能基の効率的かつ選択的導入を追求しています。C–H結合の直接的官能基化や、エナンチオ選択的アゼリジネーション、オキシダティブクロスカップリングなど、合成の柔軟性と効率性を両立する反応の開発が進められています。光照射を用いた反応系や、立体選択的反応機構の解明にも力を入れており、医薬品や天然物の合成に応用可能な新規触媒戦略の構築を目指しています。
Yoshio教授の研究室は、自己組織化するイオン液体結晶を基盤とした一様なイオン伝導性材料の創出を目的としています。特に、ファン型構造を有するイミダゾリウム塩を用いた柱状配列を形成する液体結晶を設計し、その一次元的なナノ構造を制御することで、高効率なイオン移動を実現しています。また、光重合や表面修飾を用いた配向制御技術により、膜内でのイオン伝導の異方性を精密に制御する研究が進んでいます。
Muto教授の研究室は、ニッケルやパラジウムを用いた新しい金属触媒反応の開発に注力しています。特にC-H結合とC-O結合を効率的にカップリングする反応系の確立が特徴で、アズールやフェノール誘導体を用いた高機能性ヘテロアリール誘導体の合成が可能になっています。また、脱カルボニル化反応やC-H活性化を活用した効率的で環境に配慮した合成手法の開発が進んでいます。医薬品や天然物の合成への応用も視野に入れた、実用的で革新的な有機合成戦略の構築を目指しています。