東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
K. Hiramatsu教授の研究室は、光分光法を核に、細胞の化学的・構造的特徴を高精度で非標識で解析する新規な分光技術の開発を進めています。特に、ラマン分光を応用したラベルフリーセルサイエンス、特にRamanアクティベートドセルソーティング(RACS)や時間分解Circular Dichroism(TRCD)を用いた生体分子動態の解明が主な研究方向性です。また、高効率な双コンビナトリックス分光法の開発を通じて、高速かつ高感度な分子識別技術の実現を目指しています。
Iwao Matsuda教授の研究室では、二次元材料や界面における電子状態の精密な制御と観測に注力しており、特にヘテロエピタキシャル構造や原子レベルの不整形を有する表面系における電子物性を、高分解能光電子分光法やスキャンプローブ技術を用いて解明しています。特に、ボロフェンのような新規2次元材料におけるディラックコーンの観測や、原子ステップを越える電子輸送のメカニズム解明が顕著です。また、表面相転移や対称性の破れに起因する電子状態の分裂現象など、物性の根源的メカニズムの解明を目的としています。
Takayuki Shiraiwa教授の研究室は、主に氷河・氷床の物理的・化学的特性を解明することを目的としており、氷核の採取・分析を通じて、過去の気候変動や氷河の動態を解明する研究を展開しています。特に南米パタゴニアやネパール・アンデス、ウスコフスキー火山周辺の氷河を対象に、同位体比、化学成分、密度分布の解析から氷河の形成歴史と気候変動の関係を解明しています。また、近年は機械学習を活用した疲労強度予測の研究にも進出しており、材料科学的知見の統合的アプローチを模索しています。
Taku Saito教授の研究室は、変形性関節症の発症メカニズムと再生医療の両面から、関節軟骨のホメオスタシスと疾患発症の分子ネットワークを解明することを目的としています。特に、NotchおよびNF-κBといったシグナル経路の役割を解明し、ヒト induced pluripotent stem cells(iPSC)を用いた軟骨再生医療の実現に向けた技術開発も進めています。移植後のiPSC由来軟骨の成熟と安全性の評価も重要な研究テーマです。
Ryota Yambe教授の研究室では、トポロジカルなスピン構造と電子相関の相互作用に注目し、特にキラルスピン秩序やスカイム粒子結晶(SkX)の安定化機構を、多電子系の有効スピン模型と第一原理的アプローチを用いて理論的に解明しています。特に、結晶対称性の低下や光駆動による非平衡状態における新しいスピン相互作用の生成、スピン・電荷・サブラットス自由度の協調による新規トポロジカル相の創出を主な研究テーマとしています。
北日本の河川・汽水域を対象とした魚類の生態・進化・環境応答を、分子生物学的手法(環境DNA)、フィールド調査、形態・遺伝解析を統合して研究しています。特に、スズキ目やスズカレイ目魚類の移動行動、生息環境への適応、自然災害や人為的要因による影響の解明を柱としています。近年は津波後の生態的・遺伝的変化や、ダム・水門などの構造物が魚類に与える影響にも注力しています。
森武彦教授の研究室は、有機金属導体の電子構造と結晶構造の相関を理論的・計算的手法を用いて解明する研究を展開しています。特に、TTF系有機半導体のバンド構造の異方性や、分子配列が電子状態に与える影響を拡張ヘッケル分子軌道計算で解析しています。また、θ相やα相などの多形構造の形成メカニズムや、スピン相互作用の理論的評価にも貢献しています。
Harada教授の研究室では、神経変性疾患の病態解明を目的として、アルツハイマー病をはじめとするタンパク質蓄積疾患(タンパク質アテイオパシー)の生体イメージング技術の開発に注力しています。特に、tauタンパク質やグリア活性化を標的にしたPET tracerの開発を通じて、脳内の病変の動態を非定型的に可視化する技術を確立しています。また、モノアミンオキシダーゼBを標的にしたグリア反応のイメージングは、神経炎症のバイオマーカーとしての可能性を示しており、疾患の進行メカニズム解明や新薬開発への応用が期待されています。
江普教授の研究室は、2次元材料を用いた次世代エレクトロニクスの基盤技術を開発しています。特にモリブデンディチリドやタングステンディ硒化物といった2次元層状半導体を用いた薄膜トランジスタや thermoelectric 器具の開発が中心であり、大面積・柔軟性・伸縮性に優れた電子デバイスの実現を目指しています。電気的特性と機械的特性の両立を追求し、ウェアラブル機器やIoTデバイスに応用可能な新規材料・構造の創出を進めています。
Jacinto Colan教授の研究室は、ロボット支援手術(RMIS)の分野において、特に鼻内内視鏡手術(EES)を対象とした高精度で安全な手術支援技術の開発を進めています。主な研究方向性は、制限された作業空間における操作性を高めるためのバイマンジアル・ロボット・インターフェースや、オンライン最適化に基づく針刺し縫合のための軌道生成技術の開発です。また、低コストで生体適合性のある3Dプリンティングによる手術用ロボットツールの開発も進め、研究の普及とアクセシビリティの向上を図っています。
Tomohiro Shimizu教授の研究室は、レーザー治療や画像診断技術を応用した関節・骨・軟部組織の病態解明を柱としています。特にHR-pQCTを用いたリウマチ性関節炎の早期骨破壊のモニタリングや、膝関節の力学的変化と前十字靭帯再生術後の関節機能回復の関連性に関する研究が進んでいます。また、スポーツ障害や手術動画解析における画像認識技術の応用も展開されており、臨床的応用に直結する革新的な研究が特徴です。
川村潤一郎教授の研究室では、標準模型の拡張としての新たなゲージ対称性(U(1)')と4つ目のクォーカー・レプトンの導入を軸に、ミューオンの磁気モーメントの異常な値やb→sℓ⁺ℓ⁻過程における実験的異常を統一的に説明するモデルを構築しています。特に、レプトンポータル型ダークマターと組み合わせた、Wボソン質量の異常やニュートリノ質量の生成機構の解明にも注力しています。素粒子物理学の未解決問題を、理論的整合性と実験的整合性の両立を目指して探求しています。
Kent Doi教授の研究室は、敗血症に伴う急性腎障害(AKI)の病態メカニズムとその治療戦略の確立を主眼としており、臨床と実験を結びつける「ベッドサイド・トゥ・ベンチ・トゥ・ベッドサイド」の研究アプローチを推進しています。特に、腎臓と心臓の相互作用(カルディオレナルシンドローム)やミトコンドリアのダイナミクスが敗血症性臓器障害に与える影響を、動物モデルを用いて解明しています。また、新規バイオマーカーの同定や、既存薬の再利用(例:ナファモスタット)によるウイルス感染制御の可能性についても革新的な研究を展開しています。
Sakiko Kawanishi教授の研究室では、炭化ケイ素(SiC)結晶の高品質・大口径化を目的とした溶液成長法の基礎的問題を解明しています。主にFe-Si系やSn基溶融剤を用いた結晶成長において、界面挙動や炭素の溶解度、溶融状態の熱力学的性質を高周波温度下でリアルタイム観察・分析することで、結晶の成長機構を解明しています。特に、界面のステップ構造や溶融バック(melt-back)現象のメカニズムに注目し、結晶品質の向上に資する条件の最適化を進めています。
Umakoshi教授の研究室は、ナノスケールの光場制御とその応用を柱として、プラズモン共鳴やナノフォーカスを活用した超高分解能光イメージング技術の開発を進めています。特に、金属ナノ粒子を用いたTERS(準拡散型ラマン分光法)や、高時間分解能原子間力顕微鏡を用いた光応答性材料の動的観察が主な研究テーマです。これらの技術は、材料科学、生体分子解析、ナノデバイス開発など、多様な分野に応用が可能です。
Kim Schumacher教授の研究室は、持続可能な金融・投資の分野に焦点を当てており、特に日本の金融市場が気候変動リスクに対処し、脱炭素化経済への移行を支援する仕組みを模索しています。ESG統合、グリーンボンド市場の拡大、規制・報告基準の整備といった分野で、実務と政策の両面からの実証的研究を推進しています。気候リスク管理と持続可能性を実現するための金融イノベーションの仕組みを、国際的視点から分析しています。
Uemoto教授の研究室では、家畜の肉質や肥育特性を向上させるための遺伝学的要因の解明を主眼としています。特に、和牛の脂質成分や豚の肥育・効率性関連遺伝子の特定を、SNPマッピングやQTL解析を用いて行っています。また、脂肪代謝に関与する遺伝子(LEPR、SCDなど)の多様体とその表現型への影響の解明も進んでいます。
Shin Mizukami教授の研究室は、主にバイオセンシングとイメージング技術の開発を柱としています。特に、蛍光センサー、19F-MRIプローブ、およびランタニド発光センサーを用いた酵素活性の高感度・高選択性検出をめざしており、生体条件下での機能を重視した分子設計が特徴です。時間分解蛍光やマルチモードイメージングを応用し、がんやアポトーシス関連酵素の可視化に貢献する新規プローブの創出を目指しています。
佐藤千裕教授の研究室は、シアル酸を含む糖鎖の構造と機能に注目し、特にポリシアル酸(polySia)の生合成・機能解明を柱としています。神経発達や脳機能、精神疾患との関連において、STX酵素の遺伝子多型がどのように機能に影響を与えるかを分子レベルで解明しています。また、魚類の受精や胚発生における糖鎖の役割や、病原性細菌が利用するポリシアル酸の免疫逃避機構についても、化学的・免疫学的・NMRを用いた解析を通じて解明を進めています。
Katakura教授の研究室は、加齢関連疾患の予防や若々しさの維持を目的に、カルノシン・アンセリンをはじめとするジペプチドやポリフェノールの生理的・分子的メカニズムを解明しています。特に、認知機能の維持、髪の毛の成長促進、細胞の老化抑制といったライフステージに配慮した機能性成分の発見とその作用機序解明を柱としています。SIRT3やTERT、FOXO3aといった老化関連シグナル分子を標的にした、分子レベルでの機能解明が進んでいます。