東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
東田健史教授の研究室は、急性呼吸窮 迫症候群(ARDS)における機械的換気の最適化に焦点を当てており、特に自発的呼吸努力が肺損傷を悪化させるメカニズムを解明しています。特に、肺の依存部における過伸展や、頸部の気道内圧の変動が引き起こす肺損傷のリスクを、esophageal manometry(食道内圧測定)を用いて定量的に評価しています。研究では、特に重度の肺障害では自発的呼吸が有害である可能性を示しており、適切なPEEP設定と呼吸努力の制御が重要であると提唱しています。
Sakai教授の研究室は、発生生物学と再生医療を柱に、唾液腺の発生・再生機構や神経成長因子のシグナル伝達機構を解明することを目的としています。特に、神経芽細胞への影響を示すマウスセマフォリンHの作用メカニズムや、iPS細幹細胞を用いた唾液腺再生の可能性についての研究が進んでいます。また、SARS-CoV-2の唾液内での存在とACE2の発現に関する研究を通じて、感染経路の解明にも貢献しています。
Noda教授の研究室は、細胞内のたんぱく質分解機構、特にオートファジーの制御機構に焦点を当てています。酵母をモデル系として、TORキナーゼがオートファジーの抑制を担うことを解明し、栄養欠乏に応じたシグナル伝達経路の解明を進めています。また、哺乳類細胞におけるオートファジー特異的PI3Kinase複合体の構成因子であるAtg14Lの機能や、ERとの関連性についても詳細に研究しています。
Kento Katagiri教授の研究室では、超高圧・超高速な条件下における物質の構造・物性の解明を主眼としています。特に、レーザー駆動ショック波や静圧を用いた高圧実験と、フェムト秒X線回折・放射線撮影を組み合わせた時間分解測定技術により、ナノスケールの不純度や欠陥の動的挙動を直接観察しています。金属・ダイヤモンド・ポリマーなどの多様な材料において、高圧下での相転移、塑性変形、液体の引張応力状態の解明を進めています。
Yusuke Mukuhira教授の研究室は、地熱発電やカーボンニュートラルエネルギー技術に関連する注入誘発地震のメカニズムを、微小地震観測と地盤応力の統合的解析から解明しています。特に、注入後の大きな地震発生メカニズムや、圧力の遠方への移動挙動、b値の変動要因に注目し、リスク低減に資する予測モデルの構築を目指しています。研究は、地盤の力学的挙動と流体圧の空間的・時間的変化を統合的に扱う、実践的で革新的なアプローチを特徴としています。
Shin-ichi Izumi教授の研究室では、画像ガイドドバイオプシー技術の開発と臨床応用に注力しています。特に超音波を用いた穿刺生検の精度向上や、胸部疾患における安全で正確な診断法の確立を目的としています。近年では、画像技術と診断の融合による個別化医療の実現を目指した研究が進んでいます。
Sato教授の研究室では、自動車産業で注目されるアルミニウム合金とマグネシウム合金の接合技術に焦点を当て、摩擦 stir スポット溶接を用いた高強度・高信頼性な接合プロセスの開発を進めています。特に、異種金属界面に生成する金属間化合物層の挙動とその接合強度への影響を詳細に解明しており、実用的応用に向けた基盤を構築しています。
山田靖之教授の研究室は、機能性分子の自己組織化と超分子相互作用を核に、高機能性金属錯体や酸化還元反応を制御する新規分子センサーや高効率な酸化触媒の開発を進めています。特に、ポルフィリン・フタロシアニン系キチムカルのスターバック構造とイオン・π相互作用を活用した多スケールな分子アセンブリーや、高価な触媒の効率化に寄与する超分子的活性化戦略が特徴です。また、高温超伝導体の微細構造と臨界電流密度の関係についても、材料の物性制御の観点から深く分析しています。
Hiroaki Oda教授の研究室では、体内時計(サーカディアンリズム)と代謝疾患の関連を解明するため、食事のタイミングが肝臓の生物時計および脂質代謝に与える影響を、動物モデルを用いて系統的に研究しています。特に、朝食を抜くような不規則な食事パターンが脂肪肝や肥満を引き起こすメカニズムに注目し、食事のリズムが体の内部時計をどのように制御するかを分子レベルで解明しています。また、慢性腎疾患や透析患者における脂質異常との関連についても、臨床的・実験的両面からアプローチしています。
中岡弘之教授の研究室は、加群圏や三角圏の一般化として導入された「外部加群圏(extriangulated categories)」を軸に、コトルシオン対やモデル構造、ホモトピー圏の構造に関する理論を発展させています。特に、Hoveyの双対コトルシオン対と適切なモデル構造の対応関係を解明し、局所化とイデアル商の関係をホモトピー圏を通じて統一的に扱う枠組みを構築しています。また、Iyama–Yoshinoの還元やrecollementの一般化としての「同心双対コトルシオン対」の導入により、コトルシオン対の一般化された変形(ミューテーション)の理論を展開しています。
Yosuke Taniguchi教授の研究室は、核酸の構造・機能を解明するための新しい核酸アナログの設計と応用を柱としています。特に、酸化的損傷を模倣する低極性形状模倣体や、8-oxo-dGを特異的に認識する非天然ヌクレオシドアナログの開発により、酸化DNA損傷の迅速かつ特異的検出を可能にする新規プローブの開発を進めています。また、トライプレックスDNAの形成を高安定・高選択性で実現する新しいスキャフォールドを有する核酸アナログの開発も行われており、がんや遺伝病の原因となるDNA損傷の解析に貢献しています。
Toshiharu Ninomiya教授の研究室は、糖尿病が関連する腎症や心血管疾患の発症リスク要因の解明を柱としています。特に、尿中アルブミン対クレアチニン比(UACR)や推定糸腎小球濾過量(eGFR)が糖尿病患者における心血管・腎疾患リスクに与える独立した影響を、大規模臨床試験データを基に分析しています。また、高血圧と認知症の関連、特に後期生活期の血圧上昇と血管性 dementia・アルツハイマー病の発症リスクの関係についても長期間にわたるコhort研究を実施しています。
Hayashi教授の研究室は、酸化物セラミックスを基盤とした新規酸化還元反応機構の解明と、その応用を主眼としています。特に、メイネイト(C12A7)やNASICON系酸化物において、酸素ラジカルや水素陰イオン(H⁻)の化学的・電子的性質を、実験的・計算的手法を融合して解明しています。これらの材料は、高エネルギー密度固体電池やナトリウム空気電池のカギをにんじる固体電解質としての応用が期待されており、界面反応やイオン伝導のメカニズムの解明が進んでいます。
宮崎隆彦教授の研究室では、吸着材料の開発とその応用に注力しており、特にシリカゲルやカーボンベース吸着材(CBA)を用いた水蒸気吸着特性の解明を進めています。低エネルギーで効率的な除湿技術の実現を目指し、温室における空気調和への応用を視野に入れた吸着プロセスの最適化が行われています。熱力学的・動力学的特性の解明を通じて、環境に配慮した次世代吸着材料の創出をめざしています。
Yongpeng Tang教授の研究室では、金属材料の微細組織制御と力学的特性向上を目的とした新規加工技術の開発を進めています。特に、高圧スライディング(HPS)や積層圧延(ARB)を用いたナノ構造の形成と、その疲労・破壊挙動、そして電流処理による亀裂初期発生の遅延効果について、電子顕微鏡や原子間力顕微鏡を用いて詳細に解析しています。これらの技術により、アルミ合金の高強度化と延性の両立を実現する材料設計の基盤を構築しています。
Matsumoto教授の研究室では、急性虚血性脳卒中や脳出血をはじめとする急性疾患における予後予測に、機械学習やデータ駆動型モデルを応用した研究を推進しています。特に、臨床現場で実用可能な予測モデルの構築と、非専門家が利用可能な意思決定支援システムの開発を柱としています。リアルワールドデータを活用したモデルの妥当性と実装可能性を高めるため、データインfraの整備とモデルのキャリブレーション向上にも注力しています。
Niiro教授の研究室は、好中球やモノサイトをはじめとする免疫細胞におけるプロスタグランジン産生の制御機構に注目し、特にIL-10やIL-4といった抗炎症サイトカインが炎症性メディエーターの産生をどのように抑制するかを分子メカニズムレベルで解明しています。特に、COX-2の遺伝子発現抑制を介したプロスタグランジンE2産生の制御が、炎症反応の調節において中心的な役割を果たすことが明らかになっています。この研究は、慢性炎症や自己免疫疾患の治療戦略の開発にも貢献しています。
Masubuchi教授の研究室では、酸化物と窒化物を併せ持つ新規なペロブスカイト型酸窒化物を材料として、その合成・成形・物性制御に注力しています。特に、高誘電率を示すBaTaO₂NやSrTaO₂Nの結晶成長、低温窒化法による酸窒化物の安定合成、ならびに光圧力センサーとしての応用に向けたレアアースドープ酸窒化物の開発が進んでいます。これらの材料は、電子的・構造的特異性を活かした次世代エレクトロニクス素子や高圧環境下での高精度センシング技術の基盤を提供します。
竹下康介教授の研究室は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やグラファイト/ポリマー複合材料を対象に、電気的特性に基づく構造健全性モニタリング技術の開発を主な研究テーマとしています。特に、電気抵抗変化法(ERCM)を応用した自律的構造健康管理(ACN)システムの構築や、高感度な微小欠損陊検出に向けたシンクロtron放射線CTを用いた界面デボンドの可視化技術を開発しています。また、熱可塑性マトリックスを用いた自己修復型複合材料の開発や、有機ボラン誘導体を用いた新規合成反応の開発も進めています。
Yusuke Takahashi教授の研究室では、宇宙船の再突入時に発生する高温プラズマ環境における電波ブラックアウト現象の予測と低減を主眼として、流体・電磁界・プラズマの連成シミュレーション技術の開発を進めています。特に、熱化学的非平衡状態を考慮したCFDと周波数依存型FDTD法を融合した高精度な数値シミュレーション手法を独自に構築しており、ESAの再突入試験機(ARD)を対象に実験データと照合した妥当性を確認しています。また、表面触媒効果を用いたブラックアウト低減手法の数倉的有効性の解明にも取り組んでいます。