東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
塩素系燃料電池の性能と耐久性を高めるため、膜電極アセンブリ(MEA)内の水分分布や不純物の影響を非破壊的に可視化・解析するMRI技術を応用した研究が特徴です。特に、運転中の水の分布やSO₂による電極中毒の時間発展を解明し、燃料電池の効率的で安定した運転に寄与する基盤技術の確立を目指しています。また、リチウムイオン電池やリチウム空気電池の材料開発にも関連する電極構造の最適化に関する研究も展開しています。
小 Zhang教授の研究室は、半導体ナノ材料を用いた新規光触媒・発光材料の開発を柱としています。特に、g-C₃N₄を基体としたヘテロ構造やホモ構造のナノアーキテクチャ設計により、光励起キャリアの分離効率を向上させ、太陽エネルギー変換(水素生成、CO₂還元)や発光デバイスへの応用を追求しています。また、ペロキシスクライドナノクリスタルの安定化技術や、シリカコーティングによる耐環境性向上の研究も進めています。
Taichi Tenkumo教授の研究室は、再生医療を基盤とした生体材料の開発に注力しています。特に、成長因子を放出する生分解性ナノスケールのインプラント材料や、骨再生を促進するハイドロキシアpatite-コラーゲン系スキャフォールドの設計を進めています。また、抗生物質や金属イオンを組み合わせた感染制御技術や、骨芽生細胞の機能を制御する遺伝子導入技術の開発も行っています。これらの研究は、臨床応用に直結する革新的な口腔・顎顔面再生医療の実現を目指しています。
Taizen Nakase教授の研究室は、脳卒中におけるグリア細胞の神経保護的役割に注目し、特にアストロサイトのギャップジャンクション(Connexin43)とミトコンドリア関連タンパク質(UCP2/UCP5)の機能解明を進めています。脳虚血状態におけるグリア細胞のネットワーク形成とシグナル伝達の役割、ならびに神経保護・損傷の両面での影響を、遺伝子欠損マウスモデルや臨床脳標本を用いて解析しています。特に、アストロサイトのギャップジャンクションが神経細胞死を抑制するメカニズムの解明が主な研究テーマです。
Momose教授の研究室は、X線位相画像技術の開発に注力しており、特にX線タブット干渉法を応用した高感度な位相コントラスト画像化を実現しています。生体組織の微細構造を染色なしで非破壊で観察できる画期的な技術を確立しており、がん組織や脳組織の三次元的イメージングにも応用しています。また、放射線源の小型化にも対応可能な技術的基盤を構築し、医療・生物学分野への応用が期待されています。
藤江賢太郎教授の研究室では、細胞の自己組織化や腫瘍侵襲を模倣する生物学的現象を記述する非線形放物型・放物楕円型方程式系に注力しています。特に、キラー・セゲル系を発展させた、シグナル依存性感受性関数や extracellular matrix の役割を組み込んだ化学走性モデルの定常性・有界性・爆発挙動の解明を主なテーマとしています。高次元・非球対称領域における古典解の存在と有界性の確立が、近年の研究の中心的成果です。
九州大学応用力学研究所で開発されたRIAM-COMPACT®を基盤とする、複雑な斜面地形における乱流風況の高精度な数値シミュレーションを専門としています。特に、大規模な風力発電所の立地評価に不可欠な、地形由来乱流やウィーク形成のメカニズムを、大規模渇水乱流シミュレーション(LES)を用いて解明しています。近年は、風向の連続的変化がウィークに与える影響や、風力タービンの等価風速低下を予測する新しいポーラスディスクモデルの開発にも取り組んでいます。
Tomoo Sawabe教授の研究室は、海洋細菌の系統解析と生態的特性の解明を柱として、特にビブリオ属(Vibrio)をはじめとする海洋好気性細菌の系統発生史や種分化メカニズムを、遺伝子配列解析を用いて解明しています。特に、multilocus sequence analysisを用いた系統解析によって、ビブリオ科の進化の歴史を初めて大規模に再構築しました。また、赤斑病やアブラネの病原性細菌の同定や、海洋環境における細菌の病原性・生態的役割の解明にも貢献しています。
佐藤陽介教授の研究室は、大気中の雲とエアロゾルの相互作用、特に雲微物理プロセスとエアロゾル-雲相互作用の数値シミュレーションに注力しています。主に大規模済み乱流シミュレーション(LES)を用いて、雲の発達や液水分路(LWP)へのエアロゾルの影響を高精度に解明しています。また、福島第一原子力発電所事故に伴うセシウム137の大気中拡散をモデル比較によって評価する研究も実施しており、環境リスク評価の分野にも貢献しています。
Yoshiki Masuyama教授の研究室では、音声・音響信号処理の分野において、時間周波数表現における位相再構成や音源分離、ノイズ除去などの基盤技術を開発しています。特に、振幅スペクトログ램からの位相復元に深層学習と信号処理のハイブリッド手法を応用し、計算コストと音質の両立を実現する研究が特徴です。また、複素数スペクトログ램の低ランク近似や位相の構造的特徴を活用した音源分離手法の開発も進めています。
Satoshi Funabashi教授の研究室では、多指ハンドに搭載された高密度なタクトイルセンサーや力・力矩センサを活用し、物体の把握・認識・内握り操作における高精度で安定した制御を実現するための深層学習ベースの感覚情報処理技術を開発しています。特に、センサの配置形状に合わせた特徴抽出を可能にする「形態特異的畳み込みニューラルネットワーク(MS-CNN)」の構築や、時間的変化を含むタクトイルデータの有効活用に注力しています。研究は、低コストロボットハンドでも安定した操作を実現するためのフィードバック制御の基盤を提供することを目的としています。
Tetsuhiro Yoshino教授の研究室は、漢方医学(Kampo medicine)の臨床的応用とその科学的裏付けを柱に、特に不妊・不妊治療、月経困難症、冷え性、および漢方薬に起因する代謝的・内分泌的副作用のメカニズム解明を進めています。特に、甘草由来のグリチルリチンがもたらす偽アルドステロン症や筋傷病変の発症メカニズム、および漢方処方の適応を予測するための臨床的予測モデル構築にも注力しています。臨床データと薬理学的メカニズムの統合的アプローチが特徴です。
高橋教授の研究室は、スピンオービタル系におけるスピントロニクス現象とその応用に焦点を当てており、特に金属磁性体/酸化物界面におけるスピン軌道効果や交換バイアスのメカニズムを解明しています。高精度な界面制御とナノ構造の設計を通じて、スピン流の制御とエネルギー効率の向上を実現する材料開発を推進しています。また、レーザー法を用いたナノ材料の成長技術や、EMIシールド、耐摩耗被膜、紫外検出材料への応用も展開しています。
Hiroki Oguri教授の研究室は、天然物の多様な骨格を模倣した新規合成戦略の構築を柱としています。特に、レオロジウムやニッケル触媒を用いた高効率なタンデム環化・チルコイド反応により、立体化学的に制御された多機能性骨格を迅速に構築する研究が進んでいます。また、医薬品創出を目的とした小分子ライブラリーの構築や、酵素工学を応用した天然物の全合成にも取り組んでおり、医薬開発に貢献する合成手法の創出をめざしています。
森本淳平教授の研究室では、創薬やバイオ医薬品の開発に向けた新規ペプチド医薬候補の発見を目的として、非標準アミノ酸を含むマクロサイクルペプチドのスクリーニング技術「RaPIDシステム」を基盤に研究を展開しています。特に、SIRT2などの酵素に対して高選択性・高活性を示す非標準的構造のペプチド阻害剤の創出が主なテーマです。また、ペプチドの細胞膜透過性や安定性を向上させるための新規ペプチドアナログ(例:N-置換アルアニン系ペプチド)の設計・合成にも注力しています。
伊野 由一教授の研究室は、ゲノム解析や神経生物学的手法を用いて、線虫・ショウジョウブドウムシをモデル生物として、神経回路の可塑性と行動の制御メカニズムを解明しています。特に、学習・記憶に関与する神経回路の動的変化や、化学的シグナルが行動に与える影響を、リアルタイムイメージングや遺伝子操作を組み合わせて解析しています。また、神経細胞内のシグナル伝達経路や、細胞骨格・マイトーシス関連因子の役割についても、分子・細胞レベルで解明を進めています。
宇井康介教授の研究室は、熱帯・亜寒帯における大気循環と海洋の相互作用に注目し、特にサハラ=ジャパン(PJ)パターンをはじめとする大気・海洋連携メカニズムの解明を主眼としています。特に、熱帯西太平洋の対流活動が東アジアに及ぼす季節的気候変動の予測可能性や、大気波動・境界層効果・海温フィードバックの役割を数値モデルと観測データを融合して解明しています。その成果として、気候変動のメカニズム解明と長期予測の精度向上に貢献しています。
Hiroshi Kohsaka教授の研究室では、ドーパミンラーブの蠕動運動をモデルとして、神経回路と筋肉の協調制御がどのようにして空間的・時間的整合性を保って運動を生み出しているかを、遺伝学的・画像解析的手法を用いて解明しています。特に、左右対称な筋肉群の拮抗的収縮を制御する高次位の運動ニューロンの相互接続メカニズムや、シナプス形成における細胞接着分子の動的役割に注目しています。この研究は、神経行動の制御機構の理解を深めるだけでなく、ソフトロボット工学への応用も視野に入れた基盤的研究です。
Hashimoto教授の研究室は、炭素循環と放射性セシウムの環境挙動に焦点を当てた環境科学研究を展開しています。特に、土壌呼吸の全球的分布やその気候要因への応答をモデル化することで、炭素サイクルの理解を深めています。一方で、福島第一原子力発電所事故に伴う森林における放射性セシウムの動態を、過去のチェルノブイリ事故のモデルを応用して再現・予測する研究も進めています。土壌中のCO2濃度や物質移動のメカニズムを解明する数値モデルの構築も重要な研究テーマです。
Abe教授の研究室は、音声変換技術とがんのエピジェネティクスを両輪に研究を進めています。音声変換分野では、ベクトル量子化とスペクトルマッピングを応用した高精度な声の個性制御技術を開発しており、性別や話者間の音声変換において優れた音声品質を実現しています。一方、がん研究では神経芽腫(neuroblastoma)の予後に関連するCpG島メチル化プロファイル(CIMP)の解明に貢献し、がんの発症メカニズムの理解を深めています。