東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Takahide Matsui教授の研究室は、細胞内膜小胞体の動態とその調節機構に焦点を当てた研究を進めています。特に、オートファジーにおける膜融合メカニズムや、トランスフェラミン受容体の分解経路、エクソソームの極性的放出、およびRab小Gタンパク質を介した膜交通の制御を解明しています。これらの研究を通じて、細胞内輸送の精密な制御機構とその病態への影響を解明することを目指しています。
Koji Yamanaka教授の研究室は、神経変性疾患、特に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態メカニズムを解明することを目的としています。特に、神経細胞以外のグリア細胞(アストロサイトやマクロファージ)が神経変性に与える非細胞-autonomousな影響に注目し、炎症反応や成長因子の調節が病態に与える役割を分子・細胞生物学的手法を用いて解明しています。また、SOD1 や TDP-43 などの病原因因タンパク質の代謝異常と神経毒性の関係についても、細胞モデルや遺伝子改変マウスを用いて研究を進めています。
Eijiro Jimi教授の研究室は、骨代謝と免疫系のクロスロードを解明する「オステオイムノロジー」を柱に、オステオクラストの形成・生存・機能制御におけるNF-κBシグナル伝達経路の役割を分子細胞生物学的手法を用いて解明しています。特に、ODF(骨球分化因子)やIL-1がオステオクラストに与える影響、およびそれらがNF-κBを活性化することで骨吸収機能が調節されることを明らかにしてきました。また、骨芽細胞とオステオクラストの相互作用が骨吸収巣形成に与える影響についても、精製されたオステオクラストを用いた実験的アプローチを展開しています。
井久沼康秀教授の研究室では、環縮合したポルフィリン類体「サブポルフィリン」の新規合成法の開発と、その特異な電子的・幾何的構造に起因する光学的・機能的特性の解明を主な研究テーマとしています。特に、ボロン(III)錯体としての安定化や軸配位子の制御によるボウル構造の深さ制御、および芳香性と発光性を併せ持つサブポルフィリンの分子設計が目立ちます。さらに、置換基の導入による電荷移動効果や二光子吸収特性の向上、イオンセンシングへの応用など、機能性分子の創出にも注力しています。
Hiruta教授の研究室では、温度応答性ポリマーと蛍光プローブの開発を柱とし、細胞内での選択的取り込みや薬物放出を制御するスマートな機能性材料の創出を進めています。特に、近赤外領域で発光する高選択性・高感度なイオンセンサーや、pHや金属イオンに応答するラティオメトリック蛍光センサーの開発が顕著です。また、長期間安定した光学センサーの開発や、医療応用に向けたドラッグデリバリー・システムの構築にも注力しています。
山本栄二教授の研究室では、膜タンパク質や脂質二重層における分子動力学的挙動を、マルチスケール分子動力学シミュレーションを用いて解明しています。特に、PHドメインのような膜結合タンパク質の表面拡散、脂質リン酸化分子(PIP)との相互作用メカニズム、ならびに膜環境下での異常拡散や構造揺らぎの物理的要因に注目しています。また、一般麻酔薬の圧力逆転効果など、膜の物理的性質が生物学的機能に与える影響についても理論的・計算的アプローチを展開しています。
Taikan Oki教授の研究室は、地球システムにおける水循環と水資源の可視化・評価を柱としています。特に、河川ネットワークのグローバルモデリング(TRIP)や、仮想水貿易の定量的評価を通じて、水不足のメカニズムを時間的・空間的スケールで解明しています。気候変動に伴う水循環の変化や、水ストレスの国際的不均衡の解消に向けた政策的知見の提供を目的としています。
Miho Yanagisawa教授の研究室は、膜バイオフィジクスとソフトマターを基盤とし、脂質膜を用いたモデル細胞系の構築や、微小ゲル・ポリマー系の相分離・形状制御を研究しています。特に、膜の力学的性質や界面エネルギーが形状変化やパターン形成に与える影響を、実験的手法と理論モデルを融合して解明しています。また、ナノスケールの脂質ドロップレットを用いたタンパク質再構成や、光触媒機能を有する酸化物ナノ材料の開発にも取り組んでいます。
Gowhar Meraj教授の研究室は、ヒマラヤ地方をはじめとする山岳地域の環境変化を、GIS・リモートセンシング・統計的手法を駆使して分析する分野に特化しています。主な研究テーマは、堆積物の発生と流域の侵食プロセス、自然資本と生態系サービスの評価、気候変動に伴う氷河湖の危険性の特定、および津波や土地利用変化に伴う海岸線の変化です。これらの研究を通じて、持続可能な資源管理と地域社会のレジリエンス強化を支援する科学的根拠を提供しています。
Sho Tsuji教授の研究室は、発達心理学分野に焦点を当て、乳児の言語認識の発達、特に母語と非母語の母音認識における知覚的狭小化(perceptual narrowing)のメタアナリシスを通じて、言語習得の初期段階のメカニズムを解明しています。また、「ブーバ・キキ効果」のような音響的意味的連関の発生時期や、言語認識の神経基盤に関する研究も手がけており、発達段階における音声認識の獲得プロセスを多様な手法(行動観察、脳波、画像法)で統合的に分析しています。研究の特徴は、透明性・再現性に優れたメタアナリシス手法の開発と、研究コミュニティが共同でデータを蓄積・拡張できる「コミュニティ拡張型メタアナリシス(CAMA)」の提唱にあります。
Takanori Hasegawa教授の研究室では、がん治療における標的療法の革新を目指し、がん細胞に特異的に蓄積するナノキャリアの開発と、その細胞内動態の解明を主な研究テーマとしています。特に、がん細胞内での薬物放出メカニズムや、がん微小環境に応じたスマートな薬物送達システムの設計に注力しています。この研究は、がん治療の有効性を高めるとともに、正常細胞への副作用を最小限に抑えることを目指しています。
Toshio Kitamura教授の研究室は、造血細胞の成長・分化制御に関与するサイトコイニン受容体やシグナル伝達分子の機能解明を柱としています。特にGM-CSFやIL-3などの造血幹細胞の生存・増殖を制御する因子の受容体構造とシグナル伝達機構に注目し、STAT5の活性化機構やASXL1の機能喪失変異が造血幹細胞に与える影響を分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。また、骨髄増殖性疾患やミエロイド腫瘍の発症機構の解明を目指した、がん関連遺伝子の機能的役割の解明も進めています。
北本健一教授の研究室は、恒星の最終段階における爆発的現象、特に白色矮星の爆発的燃焼や超新星の発生機構を、数値計算と理論的モデルを用いて解明することを主眼としています。特に、C+O白色矮星における炭素炎燃焼やヘリウムの爆発的燃焼、O+Ne+Mg白色矮星の縮重崩壊(AIC)といった、超新星の前身星とその爆発メカニズムの解明が中心です。また、初期宇宙の第一星が生成した元素のパターンから、宇宙の初期の星形成と化学進化を解明する研究も展開しています。
Moriguchi教授の研究室は、発達段階にある乳幼児や幼児の実行機能(EF)の神経基盤を、主に近赤外分光法(NIRS)を用いて解明しています。特に、前頭前野の発達と認知的シフト、抑制、作業記憶といったEFの各要素との関連に注目しており、社会的相互作用や社会経済的地位(SES)の影響も含めた発達的要因の解明を進めています。
小池大一教授の研究室は、遷移金属を用いた新しい有機合成反応の開発を柱としています。特に、アルキン誘導体を用いたサイクロアロマティゼーションや、金属を介したバルェンス異性化反応、およびフェイス・オキシカルベニウム型中間体を経る酸化カルベニウム錯体の生成反応に注力しています。これらの反応は、天然物合成や機能性化合物の効率的合成に応用可能な、高選択的で実用的な手法を提供しています。
Matsumoto教授の研究室は、光誘導反応を核とした新規有機合成手法の開発を柱としています。特に、光反応を用いたC–Hアルキル化や、ラジカルを介した高機能性ポリマーの合成に注力しており、反応機構の解明と選択性の向上を追求しています。また、生体分子を標的にした光反応性抗腫瘍物質の作用機構解明や、分子構造と反応性の関係の理論的・実験的解明も並行して行っています。
Eiichi Morii教授の研究室では、転写因子MITFがマストサイト特異的酵素遺伝子の発現調節に果たす役割を解析しており、特にMMCP-6やMMCP-5の発現制御機構を分子遺伝学的手法を用いて解明しています。また、がん幹細胞の特徴としてのアルデヒドデヒドログナーゼ1(ALDH1)の発現とがんの進行・治療抵抗性の関連についても、臨床的意義を併せて評価しています。さらに、CDCP1などの膜貫通型シグナル分子ががん細胞の増殖・生存に与える影響についても研究しています。
Fuminori Sakurai教授の研究室では、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療やがん免疫療法の開発を柱としています。特にアデノウイルスやレオロウイルスをベースにしたがん治療用ウイルスの開発や、幹細幹細胞を用いたウイルス感染モデルの構築にも取り組んでいます。ヒトiPS細胞由来肝細胞を用いたB型肝炎ウイルスの感染モデルの確立も進めており、ウイルスと宿主の相互作用の解明を目的としています。
李慧慧教授の研究室は、電気化学的CO₂還還反応(CO₂RR)を核に、銅を基盤とするナノ材料の構造・界面制御を通じて、多炭素化合物(C₂⁺)の高選択的生成を実現する新規触媒の開発を進めています。特に、表面に安定したCu⁺状態を維持するための微小環境制御や、反応中間体の閉じ込め・局所圧力の向上といった新戦略を用いて、工業的応用に耐える高効率・高安定性触媒の創出を目指しています。また、反応条件下での真の表面構造の解明と構造-活性相関の解明にも注力しています。
Kazutaka Shirai教授の研究室は、地震動に対する構造物の耐久性を高めるための新規制振動デバイスの開発を主眼としています。特に、摩擦ダンパー、負の剛性デバイス、可変摩擦ダンパーを用いた制振システムの実験的・数値的評価を進めています。また、FRPや地元材料を用いた高強度コンクリートの開発や、隣接構造物間の連系制振制御の最適化についても研究を展開しています。