東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Nara教授の研究室は、リチウムイオン電池や酸素還元反応(ORR)用電極材料の高性能化を目的として、ナノ構造の精密設計に注力しています。特に、多孔構造を有するカーボン材料の設計とその電気化学的挙動の解明を柱とし、イオン・電子移動度の向上や界面抵抗の低減に貢献する材料開発を進めています。EIS(電化学インピーダンス分光法)を活用した材料評価と、実用的応用に即した高パワー・長寿命電極材料の創出が特徴です。
柴崎隆一教授の研究室は、国際的な物流・貿易ネットワークの構造とその経済的影響を、輸送経路の変化やインfra整備の影響を定量的に分析する分野に位置づけています。特に北西航路(NSR)の利用拡大やパナマ運河の拡張がLNG輸入に与える経済的影響、およびAISデータを活用した貨物輸送パターンの推定を柱としています。また、地理的・経済的要因が国際海運ネットワークの進化にどのように作用するのかも、グラフ理論や一般均衡モデルを用いて分析しています。
Kohei Miyazono教授の研究室では、TGF-βスーパーファミリーのシグナル伝達機構、特にBMPおよびTGF-βの受容体・Smadリン酸化経路の精密な調節機構を解明しています。骨形成や血管形成、がんや線維化疾患に関連する病態メカニズムの解明を目的とし、シグナルの正味な制御機構(フィードバック調節、クロスティング)に注目した分子細胞生物学的研究を展開しています。
Eri Tatsumi教授の研究室では、小惑星の表面物質の成り立ちや宇宙風化の影響を解明するため、探査機や地上望遠鏡を用いた多波長・多スケールの光度計測と分光測定を実施しています。特に、RyuguやBennuといったC型小惑星の表面に存在する酸化鉄を含むペーハイドシリケートや、非水素含有シリケートを示す外生的物質の同定が主な研究テーマです。これらの研究を通じて、太陽系初期の有機物や水の分布、小惑星の熱的・化学的進化のメカニズムを解明することを目指しています。
Jun Takeya教授の研究室は、有機半導体材料の結晶成長制御と界面・界面界面制御を核として、高移動度有機トランジスタの実現をめざしています。特に、単結晶やスピンオフ法による大面積単結晶膜の形成、および高密度自己指向膜を用いた界面最適化により、キャリアの内部移動度を最大化する研究が進んでいます。また、溶液プロセスで安定かつ高性能なデバイスを実現するための新規有機半導体分子の設計と合成も重要な研究テーマです。
Yue Mu教授の研究室では、農業分野におけるスマートファーミングの実現を目指し、画像認識、LiDAR点群処理、3Dモデリング、深層学習を応用した植物・果樹の自動モニタリング技術を開発しています。特に、実際の農場環境における被覆や光条件の変化に強く、成熟段階を問わずトマトやイチゴ、ミカンなどの果実を高精度に検出する技術や、樹木の冠形特徴を時間経過とともに正確に測定する画像解析手法の研究が進んでいます。また、非破壊的で継続的な生育観察を可能にする3D植物形状解析や、自律走行車両のための高精度な定位・マッピング技術の開発も行っています。
Harada教授の研究室は、環境中における有害化学物質の動態と人体への影響を解明することを目的としています。特に、ポリフルオロアルキル化合物(PFCs)、短鎖塩化パラフィン(SCCPs)、ネオニコチノイド農薬、および放射性セシウムなどの環境汚染物質の体内動態・蓄積・代謝を、人間の血液・尿・食事サンプルを用いて定量的・機械的・分子生物学的手法を統合して研究しています。近年の原発事故に伴う放射性物質の食品中蓄積や、農薬の代謝経路の解明にも貢献しています。
白川正博教授の研究室は、タンパク質修飾とその機能解明を柱として、ユビキチン化やSUMO化といった翻訳後修飾が細胞内シグナル伝達に果たす役割を、主にNMR分光法と分子動力学シミュレーションを用いて解明しています。特に、ユビキチン・ユビキチン様分子とそのリセプターの特異的相互作用の構造的基盤を解明しており、がんや神経変性疾患のメカニズム解明に寄与する基盤研究を推進しています。また、ナノスケールpHセンサーの開発やATPの非共有結合的相互作用の解明といった、バイオ・ナノ分野とのクロスオーバー研究も展開しています。
Shuh Narumiya教授の研究室は、プロスタノイド受容体とRho小GTPアーゼのシグナル伝達機構に注目し、細胞の形態形成、動態、炎症反応における細胞応答の分子メカニズムを解明しています。特に、PGE2やPGD2の受容体EP/DP、およびRho-ROCK・mDia経路が神経変化やアレルギー性疾患、痛みの発症に与える影響を遺伝子ノックアウトマウスを用いて解析しています。この研究は、炎症・アレルギー疾患や慢性痛の治療標的に向けた基盤を提供しています。
神戸大学の門田実夫教授の研究室は、表面弾性波(SAW)デバイスの材料開発と構造設計に注力しており、特に高周波・高安定性・小型化を実現するための新規基板材料や薄膜技術の開発を推進しています。LiNbO₃単結晶薄膜やLamb波を用いた高周波・超広帯域共振器、温度特性に優れたSAWデュプレクサなどの実用化に成功しています。これらの技術は、4G・5G移動通信や認知無線システムに不可欠な高精度なフィルターや多重器の実現に貢献しています。
神戸大学の後藤重夫教授の研究室では、血管内皮機能と酸化的なストレスのバランスが循環器疾患に与える影響を、分子・細胞生物学的アプローチを用いて解明しています。特に、一酸化窒素(NO)や過酸化水素(H₂O₂)といった内皮由来発生物質のシグナル伝達機構と、その機能障害が動脈硬化や微小循環障害にどのように関与するかを、動物モデルと臨床的アプローチを融合して研究しています。また、慢性炎症が冠動脈微小循環機能障害を引き起こすメカニズムにも注目しており、心血管疾患の予防・治療戦略の基盤を築くことを目指しています。
Taku Sugiyama教授の研究室は、神経外科学研究における画像診断・手術支援技術の開発を柱としています。特に、VRを用いた患者特異的解剖理解の向上や、微小血管手術における最適な手術器械力の測定・分析、幹細胞を用いた脳虚血治療の可能性の解明が主な研究テーマです。臨床応用に直結する技術開発を軸に、AIを活用した手術機器検出や、神経血管疾患の病態解明にも取り組んでいます。
Ilhwan Park教授の研究室は、金属鉱石の効率的・持続可能なリサイクルと環境保護を目的とした界面化学的プロセスの開発を専門としています。特に、砒石や黄鉄鉛鉱などの硫化鉱物の溶解を抑制するマイクロエンクロージャー技術や、銅・モリブデンの分離浮選における環境に優しい抑制剤の開発が中心です。酸性鉛水や重金属の環境中での挙動を制御するための表面修飾技術にも注力しており、グリーンケミストリーの視点から持続可能な鉱物選別プロセスの構築を目指しています。
Koyama教授の研究室では、音場の計測・再現・制御を目的とした、音響信号処理と物理的音場モデルの融合的アプローチを展開しています。特に、マイクロホンアレイとラウドスピーカー アレイを用いた音場再構成技術や、空間的音場制御のための最適配置手法、および高精度な音場推定手法の開発が中心です。近年では、メッシュ型の高密度インパルス応答データセット「MeshRIR」の構築を通じて、音場制御技術の評価基盤整備にも貢献しています。
Sato教授の研究室は、脂質代謝と細胞内脂滴の制御機構に焦点を当てた分子細胞生物学的研究を展開しています。特に、脂質ドロップレットの表面を覆うタンパク質(例:ペリリピン、MTP)の機能解明や、アポリポタンパク質Bの合成・分解制御、SREBPのSUMO化修飾による遺伝子発現調節のメカニズムを解明しています。また、胆酸受容体TGR5が筋細胞の分化と肥大を促進するという新規機能の解明にも貢献しています。
Minh Anh Truong教授の研究室は、有機半導体材料の設計・合成ならびにその応用に焦点を当てており、特にペロキシライト太陽電池における効率的で安定したホール輸送材料の開発を主な研究テーマとしています。π-コンジュゲート系の分子構造制御、リン酸アンカーを用いた分子配向制御、および透明導電酸化膜上での高品質単層膜形成技術の確立を目指しています。また、近紫外領域でも透明性を示す新規有機半導体の開発を通じて、二面発光型やタンドエム太陽電池への応用も視野に入れた先端的研究を推進しています。
北原康博教授の研究室は、糖鎖を精密に制御する化学的合成手法を駆使し、糖タンパク質の構造と機能の解明を進めています。特に、N-グリコシル化やシアル酸を有する複雑なオリゴ糖をもつグリコタンパク質の均一体合成に注力しており、その技術を用いてエリスロポエチンなどの生理的活性を持つグリコタンパク質の正確な構造と機能の関係を解明しています。近年では、固相合成法の改良により酸に不安定なシアルオligosaccharylペプチド中間体の合成が可能になり、高精度なグリコタンパク質合成の実現に大きく貢献しています。
Hao Yu教授の研究室では、酸化物分散強化(ODS)フェライト系および銅系合金を対象に、高温・核環境下での材料挙動と耐久性を解明する研究を推進しています。特に、アルミナスケールの安定化機構やナノ酸化物粒子の析出挙動、イrradiation損傷に対する耐性のメカニズムを、実験的・理論的アプローチを融合して解明しています。また、ODS合金の大型プロダクション技術の確立にも貢献しており、核融合・原子力炉用構造材料の実用化に向けた基盤を構築しています。
Junji Yuhara教授の研究室は、グラフェンに続く新規2次元材料の創出とその物性解明を主眼としています。特に、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、 lead といった第14族元素からなる「ポストグラフェン」材料であるシリセネ、ゲルマネン、スタニエン、プラムベネのエピタキシャル成長と構造・物性の解明を進めています。高分解能STM、光電子分光法、第一原理計算を融合した包括的アプローチにより、原子レベルでの構造制御とトポロジカル絶縁体的性質の実現を目指しています。
Kainuma教授の研究室は、鋼構造物の腐食挙動とその経時的変化を、実環境下での大気暴露試験と先進的な腐食モニタリング技術を組み合わせて解明しています。特に、ACM型腐食センサーや空間統計的手法を用いた部位レベルの腐食環境評価・予測法の構築が柱であり、塗装・無塗装を問わず、実用的で精度の高い腐食損傷予測手法の開発を進めています。また、コンクリートと鋼の境界部や、降雨・海塩飛来などの環境要因が顕著に影響する部位における局所腐食挙動の解明にも注力しています。