東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Michael Hirscher教授の研究室は、ナノ多孔質材料を用いた高効率な水素貯蔵と分離技術の開発を主眼としています。特に金属有機フレームワーク(MOFs)やコvalent有機フレームワーク(COFs)を用いた水素の物理的・量子的シービングによる分離、および低温・常温下での高容量水素貯蔵の実現を目指しています。研究は国際的な協働プロジェクト(IEA Hydrogen TCP Task 32)にも参加し、持続可能なエネルギー社会に向けた次世代エネルギー貯蔵技術の基盤を築いています。
Makoto Matsuoka教授の研究室は、植物ホルモンであるジャスモン酸やジアミン酸が関与する成長・発生調節機構を分子遺伝学的・生化学的手法を用いて解明しています。特にジアミン酸(GA)シグナル伝達経路におけるF-boxタンパク質GID2の機能や、そのスプライシング制御機構、ならびにBR(ブRAシノステロイド)シグナルのモノコット植物(イネ)における役割についての研究が中心です。また、miR159によるGAMYB遺伝子の調節機構や、C3植物からC4植物への進化の分子機構についても、合成生物学的手法を用いて解明を進めています。
Hiroshi Kiyama教授の研究室は、中枢神経系におけるミクログリアの機能とその活性化メカニズムに注目し、神経炎症の制御や神経変性疾患の治療戦略の確立を目指しています。特に、ミクログリアの受容体系や死細胞・シナプスの貪食機能、ならびに神経痛におけるミクログリアの役割を細胞・分子レベルで解明しています。神経系の恒常性維持と疾患状態におけるマクロファージ様細胞の機能的多様性の解明が、今後の神経疾患治療の鍵をにんずる重要な研究です。
Hamada教授の研究室では、高効率で高信頼性なDC-DCコンバータの開発を柱として、特に飽和リアクトルを用いたソフトスイッチング技術に注力しています。広い負荷範囲でも効率的に動作する定周波数型コンバータの理論的分析と実用的設計手法の確立が進められており、高周波・高効率化を実現するための磁気素子の最適利用が特徴です。実機実験を基盤にした検証により、高密度・高効率な電力変換装置の実現に貢献しています。
Daïki Nomura教授の研究室は、極域の海氷・雪氷環境における炭素循環とガス交換を、実験的・現場観測的手法を融合して解明しています。特に、海氷形成時におけるCO₂の吸着・放出挙動、溶融期における海氷表面からのDMS放出、およびイカイト結晶の生成とその環境要因の解明が主な研究テーマです。これらの研究を通じて、極域海洋が大気中の温室効果ガスに与える影響を定量的に評価しています。
山岸美鈴教授の研究室は、被子植物の花や葉に見られる色素の発現機構、特にアントシアニンとカロテノイドの生合成とその発現調節を分子遺伝学的・分子生物学的手法を用いて解明しています。特に、リュウキンソウ(アジアティックハイブリッドリュウキンソウ)をモデルとして、R2R3-MYB転写因子やミクロルナノRNA(miR828)が色素斑の形成に果たす役割を解明しています。また、栄養素の一つであるホウ素がマメ科植物の窒素固定に与える影響についても、生理的・分子的アプローチで研究を展開しています。
Tomiyama教授の研究室は、主に地下水の循環と汚染メカニズムの解明を柱としており、特に廃鉱山からの排水が地下水質に与える影響を、同位体分析や数値シミュレーションを用いて詳細に評価しています。また、水質管理や環境修復に資するための概念モデル構築や、土壌・植物相互作用のメカニズム解明にも取り組んでいます。特に、鉱山周辺の水循環と重金属の挙動、ならびに植物の耐性機構に関する応用的研究が特徴です。
Hirotaka Sato教授の研究室では、昆虫の神経・筋肉系を用いたマイクロインターフェース技術の開発を柱としています。特に、インセクトサイバーガイア(サイボーグ昆虫)の自由飛行制御や、生体適合性の高いマイクロインプラント型神経刺激システムの開発が進んでいます。また、SU-8を用いた3Dマイクロメッシュ構造を有するマイクロフルイディクスデバイスの作製や、Pd-Bを用いた高活性酸素還元反応触媒の開発など、生体工学と材料科学の融合的研究も展開しています。
Kazuhiko Kuruma教授の研究室では、ナノスケールの光・物質相互作用を制御するための半導体量子ドットやスパトロピー系を用いた光量子デバイスの開発を進めています。特に、高品質ファクターを有するフォトニクスナノキャビティと量子ドットやスニンバニッシュ・センターの強い結合を実現し、高効率な単一光子源の構築を目指しています。また、トポロジカル光子結晶やフォノニクス結晶を用いた音響モードの制御も行い、量子デコherenceの低減に寄与する新規な材料設計を展開しています。
阿部清志教授の研究室では、ゲノム情報の解析を柱に、長距離シークエンシング技術の発展に伴い生じる高次元なゲノムデータの解析に特化したアルゴリズム開発を行っています。特に、PacBioやOxford Nanoporeの長距離シークエンサーからのデータを的確にシミュレート・解析するためのシミュレータPBSIM3の開発を通じて、エラーモデルやマルチパスシークエンシングの再現を実現しています。また、タンパク質の二次構造予測においても、隠れマルコフモデル(HMM)を応用した新しい解析手法の構築を進め、構造予測の精度向上に貢献しています。
田沼義隆教授の研究室は、量子Open系の量子デコherenceや量子環境下における量子動力学を、経路積分や影響関数法を用いた理論的・計算的手法によって解明しています。特に、調和振動子バスターバンスをモデルとした非摂動的取り扱いにより、色雑音や強い結合効果を含む非平衡量子ダイナミクスを精密に記述しています。時間依存の非平衡現象や、非線形分光法を用いた多体系の動的性質の解明が主な研究テーマです。
長岡正貴教授の研究室は、ナノスケールの反応機構と電池材料の分子設計を基盤に、溶液中における反応遷移状態やエネルギー障壁の解明を目的としています。特に、第一原理計算と分子動力学法を融合した自由エネルギー面に基づく遷移状態探索法を開発し、Naイオン電池の電解質界面(SEI膜)形成機構の解明を進めています。FECやDFECなどの添加剤が電極界面に与える影響を、計算科学的手法を用いてミクロなメカニズムから解明する点が特徴です。
Satoshi Yoshiji教授の研究室は、代謝性疾患と自己免疫疾患の発症メカニズムを、遺伝学的・ゲノム解析的手法を用いて解明することを主眼としています。特に、DPP-4阻害薬に起因するbullous pemphigoidの臨床像や、PDX1遺伝子変異に起因するMODYの臨床的・遺伝的特徴の解明が進んでいます。また、肥満が心血管疾患や糖尿病に及ぼす影響を蛋白質のメタボローム解析とメンデル的遺伝学的手法(Mendelian randomization)を融合して解明しており、新たな治療標的の同定にも貢献しています。
Omid Dadras教授の研究室は、感染症の病態メカニズムと高齢者におけるCOVID-19の重症化要因を解明することを主眼としています。特に、ウイルス量と疾患の重症度、年齢に伴う病態の違いに注目し、高齢者の予後予測や治療戦略の最適化を目指しています。ウイルス負荷と伝播能の関連性についても、臨床的・疫学的データを基に分析を進めています。
Andrew S. Darmawan教授の研究室は、量子誤り訂正と量子コンputationの基盤を支える物理的実装に注力しています。特に、Kerr-cat qubitsとXZZX表面コードの組み合わせによる耐障害性の高い量子計算アーキテクチャの構築を進め、実験的実現可能性に配慮した設計を追求しています。また、量子多体系の数値シミュレーション技術(テンソルネットワーク法)を用いて、表面コードの閾値特性や量子反強磁性体のスピンギャップ問題を解明する研究も展開しています。
Koh教授の研究室では、ドライアイにおける視覚障害のメカニズムを、波面センサーや角膜トポグラフィーを用いた動的光学品質評価によって解明しています。特に、瞬き後の高次収差(HOAs)の変化や涙膜の動的挙動が視覚機能に与える影響に注目しており、視覚の質(QoV)の客観的評価を目的としています。臨床的応用を視野に入れ、涙膜安定性の非侵襲的評価法の改善にも貢献しています。
Okugawa教授の研究室は、Additive Manufacturing(特にレーザー粉末床積層造形)における凝固挙動と微細組織形成のメカニズムを、計算シミュレーション(CtFD・相場モデル)を用いて解明しています。特に、従来の凝固理論とは逆の挙動を示す微細組織形成や、溶質セグリゲーションが材料特性に与える影響に注目しています。また、スマート構造材料の自己センシング制御技術の開発や、イオンビーム照射によるアモルファス半導体の結晶化挙動の解明も行っています。
Asami Yagi教授の研究室は、アロエベラに由来する生理活性成分の抗酸化作用や抗がん作用の解明を柱としています。特に、アロエに含まれるアロイン誘導体やポリサッカライドの生物学的橹能を分子レベルで解明しており、がん予防や慢性疾患の予防に寄与する成分の同定を進めています。また、日本におけるヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種の影響とがん発生リスクの長期的影響を疫学的・統計的手法を用いて分析する研究も展開しています。
Nishizaki教授の研究室では、深層学習を活用した波面計測、3次元ホログラフィー、位相回復、散乱媒体を用いたスペクトルイメージングなどの先端的光学技術を開発しています。特に、非反復的で高速な画像処理を実現するためのディープラーニングベースの波面センシングや、コンピュータ生成ホログラフィーの高速化が主な研究テーマです。また、散乱媒体を介した非侵襲的・低コストなスペクトルイメージング技術の確立にも貢献しています。
ミキ教授の研究室は、細胞内シグナル伝達における活性酸素種(ROS)の生理的役割に注目し、ROSがタンパク質の可逆的酸化を介して細胞骨格の再編や神経成長細胞のコラプスを制御するメカニズムを解明しています。特に、CRMP2の酸化状態が神経成長細胞の方向性を決定する仕組みや、Mg²⁺輸送タンパク質CNNM4がミネラルホメオスタシスに果たす役割についても解明しています。また、ROSとシグナル分子の相互作用を制御するタンパク質(例:Nucleoredoxin)の機能解明を通じて、発生・幹細胞維持における酸化的シグナルの時間的制御を明らかにしています。