東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
福田健一教授の研究室は、イリジウムを用いた高橹な酸化還元触媒の開発を柱としており、特にアルコールの脱水素反応や水素の効率的生成に注力しています。中でも、酸化剤を不使用で行える脱水素化反応や、水素の持続的生成を実現する触媒系の構築が特徴です。また、反応の可逆性を利用したエネルギー変換プロセスの開発も進めており、持続可能なケミストリーの実現に貢献しています。
Nakamura教授の研究室では、次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト半導体の材料設計とプロセス開発に注力しています。特に、鉛フリーなスズペロブスカイト太陽電池の効率向上を目的とし、スズ(II)の酸化を抑制する新規な還元剤や高純度前駆体の開発を進めています。また、透明な電子輸送材料や近赤外吸収材料の設計・合成を通じて、有機・ペロブスカイト太陽電池の高効率化に貢献しています。
Ryo Nakao教授の研究室は、媒介虫・寄生虫に由来する感染症の病原体同定と制御を目的としており、特にイヌバエやその他のチックを対象としたメタゲノム解析や、新規抗寄生虫薬の開発に注力しています。tick-borne疾患(TBD)の病原体の多様性を解明し、特にbabesiosisやheartwater病に代表される病原体の同定・診断法の向上を目指しています。また、天然由来のクスサミン誘導体(ブルーシンA)を用いた抗 babesial 力の評価など、新薬開発の分野でも革新的な研究を推進しています。
Reiko Inagi教授の研究室は、腎疾患の発症・進行メカニズムに焦点を当て、特にミトコンドリア障害とその関連する炎症反応、ならびに糖化末端生成物(AGE)やエンドプラズミック・リトプラズムのストレスが腎障害に与える影響を分子・細胞レベルで解明しています。特に、cisplatin誘因腎障害におけるcGAS-STING経路の活性化や、アンジオトロピン受容体遮断薬がAGE形成を抑制する新たな作用機序の解明が進んでいます。また、代謝異常が引き起こす脂質毒性とERストレスの関連性についても、腎機能障害の進行メカニズムの解明を目指しています。
Shuichi Yanagisawa教授の研究室は、有機合成化学と植物分子生物学の二面から、新しい反応機構の解明とバイオテクノロジー応用を融合した研究を推進しています。一方では、触媒的C-Hアリール化反応の開発を通じて、金属フリーな反応機構やラジカル機構の理解を深めています。他方で、植物特異的転写因子Dofファミリーの機能解明と、代謝制御による高効率な窒素同化の向上を目指した遺伝子工学的アプローチも展開しています。
東京大学と日立の共同研究拠点・H-UTokyoラボを通じて、高齢化社会の課題解決や脱炭素化、地方創生を実現するためのスマートシティ・スマートコミュニティ技術の開発を推進しています。特に、デジタル技術と社会課題の融合を軸に、データドリブンな社会の実現に向けたインフラ整備や、個人の幸福と社会の調和を実現する仕組みの構築を研究しています。
Keisuke Yoshida教授の研究室は、地震発生メカニズムや応力場の時空間的変化を、地震波形解析や震源再配置技術を用いて解明する分野に従事しています。特に、2011年東北地方太平洋沖地震後の地震群や、能登半島の長期間にわたる地震群の発生機構を、応力降下や流体拡散の観点から詳細に解析しています。研究では、地震の発生メカニズムと地殻応力状態の変化を、高精度な波形相関と双方向差分法による震源再配置によって解明しています。
Murakoshi教授の研究室では、酸素還元反応(ORR)や酸素発生反応(OER)に効果的な酸素関連反応触媒の開発を主軸としています。特に、鉄・窒素共催化されたカーボン材料やナノ構造を制御したグラフェン・カーボン材料の合成とその電気化学的特性の解明が進んでいます。また、有機半導体やナノクリスタルを用いた太陽電池や触媒材料の開発にも取り組んでおり、低コストで効率的なエネルギー変換技術の実現を目指しています。
田中宏之教授の研究室では、宇宙線ミューオンを用いた非破壊な地下構造イメージング技術、いわゆるミュオグラフィーを応用し、火山のマグマ動態や地下密度構造の高解像度な可視化を実現しています。特に、火山の噴火メカニズムの解明や、噴火前後のマグマ体の変化をリアルタイムで追跡する新しい火山モニタリング手法の開発が主な研究方向性です。時間分解能の高い動的ミュオグラフィー技術により、マグマの上昇・下降や噴出物質の質量損失を定量的に評価することが可能になっています。
井上健介教授の研究室では、初期宇宙における素粒子物理学と重力波の交差分野に注目し、原始ブラックホール(PBH)が暗黒物質の候補である可能性を理論的に探求しています。特に、インフレーション理論に基づく原始密度揺らぎがもたらすPBH生成メカニズムや、その結果生じる誘導重力波の計算・観測限界への応用を主なテーマとしています。また、パルサー・タイム・アレイやマイクロレンズ観測からの制約を統合し、PBHの質量関数や生成メカニズムの制限を精密に評価する研究も進めています。
Tristan Vadsaria教授の研究室は、新生代の気候変動と海洋循環の変化を、高解像度の気候モデルと古気候再構築データを統合して解明することを目的としています。特に、最後の最大氷期(LGM)からホロセンにかけての地中海海の塩分・淡水循環の変動、およびその原因要因としての氷河融解水やモンスーンの変化の影響を重点的に研究しています。また、気候モデルの妥当性を古気候データで検証する国際共同研究(PMIP)にも積極的に参加しており、未来の気候変動予測の根拠強化を図っています。
本研究室では、虫歯の主要な原因菌である変形ブドウ球菌(Streptococcus mutans)の病原性機構に注目し、特に感染性心内膜炎の発症に関与する因子の同定とそのメカニズム解明を主な研究テーマとしています。CnmやCbmと呼ばれるコラーゲン結合タンパク質の機能解明や、S. mutansの血液への播種・心膜への付着に寄与する因子の解析を進めています。また、S-PRGフィラー由来のエラートがS. mutansに及ぼす抗菌作用や遺伝子発現変化の解析を通じて、新たな予防戦略の開発にも貢献しています。
中本貴美知教授の研究室では、仮想現実(VR)における五感の一つである臭覚の実現に注力しています。特に、ユーザーが没入感(プレゼンス)を高められるように、リアルタイムで複数の香りを混合して制御するインタラクティブなオlfactoryディスプレイの開発を進めています。QCM(クォーツ・クリスタル・マイクロバランス)を用いた高感度な香り検出技術の応用や、香りの物理的・化学的特性を解析するセンシング技術の研究も展開しています。
Yoshihiro Ogawa教授の研究室では、肥満に伴う慢性炎症がインスリン抵抗性や代謝症候群に与える影響を、脂肪ドーパミンやビオアクティブなアドポサイトーキンのバランスに着目して解明しています。特に内臓脂肪の肥満が引き起こす低炎症状態のメカニズムや、心房性ナトリウムペプチド(BNP)の心臓内合成・分泌機構の解明を進めています。心臓におけるBNPの発現とその調節機構の解明を通じて、心不全や代謝疾患の病態解明に貢献することを目的としています。
Umezu教授の研究室は、次世代のウェアラブルデバイスや柔軟電子機器に不可欠な超軽量・超薄型で高機能なエネルギー変換・接続技術の開発を主眼としています。特に、3Dプリンティングにおける表面粗さの低減技術(3D-CMF)、有機太陽電池の長寿命化と薄型化、超薄膜金属接続の低温直接接合技術(WVPAB)、およびナノパターン加工を用いた超柔軟有機太陽電池の実現を目指しています。これらの技術は、人体に装着可能なデバイスやソフトロボットの実用化に不可欠な性能を兼ね備えています。
Yuriy Pihosh教授の研究室は、太陽光を用いた効率的な水素生成を実現するための酸化物・窒化物半導体を用いたナノ構造光電極の開発を主眼としています。特に、電荷キャリアの生成・分離・輸送を効率化する異質接合構造やコカタリス卜の最適化に注力しており、理論的限界に近い太陽光水分解効率の実現を目指しています。実験的アプローチに加え、数値シミュレーションを用いたメカニズム解明も併用し、次世代太陽燃料技術の基盤を築いています。
Qiu Xu教授の研究室では、高エネルギー粒子照射や塑性変形が金属・合金に与える微視的損傷機構を、第一原理計算と実験を融合して解明しています。特に、高エントロピー合金や銅析出相を含むFe-Cu系合金における点欠陥の形成挙動や、空孔クラスターやスターリング・フォールトテトラヘドロン(SFT)の生成抑制機構に注目しています。放射線損傷における原子レベルのメカニズムの解明を通じて、核材料や高強度構造材料の耐久性向上に貢献することを目的としています。
Ken Shirasu教授の研究室は、植物の免疫応答とその調節機構に焦点を当てており、特にR遺伝子を介した病原体抵抗性の分子機構を解明しています。Sgt1やRAR1を核とするタンパク質複合体の機能、SCFユビキチンリガーゼ複合体やCOP9シグナルホスホリラーゼとの相互作用を通じて、免疫シグナルの統合的制御を解明しています。また、サリチル酸やMAPKカスケード、リトロトランスポゾンのゲノム進化との関連についても、植物の自己防衛とゲノム安定性の両面から研究を展開しています。
Yoko Masuda教授の研究室では、土壌中の微生物が果たす窒素固定や鉄還元などの生物地球化学的プロセスに注目し、特にデルタプロテオバクテリアに属するアナエロマイクソバクターとゲオバクターの窒素固定能とそのメタゲノム的・メタトランスクリプトーム的基盤を解明しています。paddy soil(水田土壌)という極限的条件下での微生物の生態的役割と、鉄酸化物の添加が窒素固定活性を促進するメカニズムについても実験的に解明しています。また、未培養菌の分類的再編と新種の同定を進め、土壌微生物の多様性と機能の理解を深めています。
Miho Yamauchi教授の研究室では、ナノ材料を用いたエネルギー変換・貯蔵技術の開発を主軸としています。特に、パルス・プラチナ系ナノ粒子や合金ナノ粒子を用いた水素貯蔵・触媒反応のメカニズム解明が進んでいます。金属酸化物や金属有機フレームワーク(MOF)を担体に用いることで、ナノ粒子の電子状態を制御し、効率的な触媒反応を実現する研究が特徴です。また、バイオマス由来原料を用いた持続可能なアミノ酸の電気合成技術の開発も進めています。