論文の図を作るAIおすすめ2026 — BioRender・FigureLabs・Nubint Figure比較

論文の図を作るAIはどう選べばいいですか?
「誰が配置するか」で選びます。自分でアイコンを一つずつ置くか、AIが先に描いて自分で直すかです。
論文の図(Figure)には、グラフィカルアブストラクト、シグナル伝達経路、実験の模式図、研究フロー図のように概念を図にするものと、実験データをプロットするグラフがあります。この記事は前者の概念図・模式図を描くツールを扱います。データのグラフは数値を作り出してはいけないので、解析ツールやコードで描くのが原則です。
| 方式 | 代表的なツール | 向いている場面 |
|---|---|---|
| アイコンを手で配置 | BioRender | 生命科学のアイコンを思いどおりの位置に置きたい |
| 文章・スケッチから生成 | Nubint Figure、FigureLabs | 説明一行から素早く下書きを得たい |
| 汎用の画像生成AI | ChatGPTの画像生成など | 発表用の雰囲気画像がほしい(投稿用には非推奨) |
BioRender — アイコンライブラリの定番
BioRenderは生命科学の研究者に最も使われている作図ツールです。描画済みの大量のアイコンとテンプレートをドラッグして並べ、矢印と文字を足して図を仕上げます。
- 豊富なアイコン — 細胞、タンパク質、実験器具などがすでに描かれているので、形を自分で描く必要がありません。
- 手で正確に — すべての要素の位置を自分で決めるので、狙ったとおりの配置になります。その分、一枚にかかる時間も長くなります。
- 無料プランの制約 — 公式の料金ページでは、無料プランは図3点まで、個人・教育用のみで、論文への掲載許可がありません。投稿するには有料プラン(個人、年払いで月35ドル)が必要です。
向いている人: 研究室や大学がすでにライセンスを持っていて、アイコンで図を組み立てることに慣れている研究者。
FigureLabs — 文章とスケッチから描くAI
FigureLabsは2025年8月に登場した論文図作成AIです。短期間でこの分野の代表的な名前の一つになりました。
- テキスト・スケッチから生成 — 説明を書くか手描きのスケッチをアップロードすると、論文スタイルの図が返ってきます。
- 部分修正とベクター化 — ラベルを直したり選んだ領域だけ描き直したりし、結果を編集可能なSVG・PPTXに変換できます。
- クレジット制 — 生成、描き直し、ベクター書き出しのたびにクレジットを使います。無料利用は非商用に限られます。
向いている人: 作図を独立した作業として扱い、英語のプロンプトに慣れている研究者。
Nubint Figure — 論文執筆の流れの中にある作図AI
Nubint Figureは文章一つで論文の図を描き、キャンバスで仕上げて投稿用の形式で書き出す論文図作成AIです。論文を書くNubintと同じアカウント・同じプランで動きます。
- 3種類の図 — イラスト(グラフィカルアブストラクト、経路、細胞や装置の模式図)、フロー図(研究フロー、モデル構造、循環図、タイムライン)、チャート(ベータ)を選べます。チャートはアップロードした表(CSV・XLSX)を画像モデルではなくコードで描くので、数値を作り出しません。
- 82枚のテンプレート — フロー図、モデル構造、循環図、タイムラインのテンプレートを選ぶと、その配置を保ったまま内容だけを自分の研究に置き換えて描きます。
- スケッチや参考図から開始 — 「スケッチを図に」「参考図のように」「図を整える」の3つのクイックモードで、手描きや以前の図を投稿用に描き直します。
- 直したい所を指すだけ — チャットで直す、選んだ領域だけ描き直す、図の中の文字だけ変える、が使えます。背景削除、白背景、比率変更、高画質化もボタン一つです。
- 投稿用の書き出し — PNG・JPGは無料プランから、編集可能なSVG・PPTXは有料プランで使えます。書き出し時に掲載許諾証明を一緒に受け取り、投稿書類に添付できます。
向いている人: アイコンを組み立てる時間をかけずにグラフィカルアブストラクトや模式図の下書きを得て、同じ場所で論文まで書きたい大学院生・研究者。
汎用の画像生成AIはなぜ投稿用に向かないのですか?
図の中の文字と科学的な正確さを合わせるのが難しく、一文字の誤りでも全体を作り直す必要があるからです。
汎用の画像AIは雰囲気のある絵は得意ですが、ラベルの綴りが崩れたり経路の順序が間違ったりしがちです。論文図作成AIは論文の図の作法(白背景、整ったラベル、パネル構成)に合わせて描き、文字や領域の単位で直せる点が違います。
BioRenderの無料プランで論文に使えますか?
公式の料金ページによれば使えません。無料プランは個人および教育用で、掲載許可が含まれていません。
大学や研究室が機関ライセンスを持っていればそれで掲載できる場合があるので、まず確認してください。ライセンスがなく無料で始めたい場合は、無料プランでも図を作ってPNGで書き出せるNubint Figureを試すのも一つの方法です。どのツールでも、投稿前に投稿先ジャーナルの画像ポリシーを確認しましょう。
無料で使えるBioRenderの代替ツールは?
BioRender、FigureLabs、Nubint Figureはいずれも無料で始められますが、できる範囲が違います。
BioRenderの無料プランは図3点までで掲載不可、FigureLabsの無料利用は非商用です。Nubint Figureはカード登録なしの無料プランで図を作り、1KのPNG・JPGで書き出せます。自分の論文の図を一、二枚実際に描いてみて、作業スタイルに合うほうを選ぶのが確実です。
グラフィカルアブストラクトはどう作ればいいですか?
研究の要点を一枚の流れにまとめ、AIで下書きを描いてから自分で整えるのが早い方法です。
まず、背景、方法、主要な結果を左から右へ、または上から下へ読める流れに整理します。その要約や抄録を論文図作成AIに渡すと、グラフィカルアブストラクトの下書きが描けます。Nubint Figureでは抄録を貼り付けてスタイル、配色、比率を選び、直したい所を指して仕上げます。投稿先ジャーナルのサイズや形式の指定も先に確認しておきましょう。
AIで描いた論文の図をジャーナルに投稿してもいいですか?
ジャーナルによって違います。AIで作った画像であることの開示を求める出版社が多く、生成AI画像を原則受け付けないところもあります。
投稿前に投稿先の投稿規定でAI画像のポリシーを確認し、認められていれば図のキャプションや方法の節に使ったツールを書きましょう。Nubint Figureの掲載許諾証明は、その図を論文に載せてよいという利用権を示す書類で、ジャーナルのAIポリシーの代わりにはなりません。
データのグラフもAIで描いていいですか?
画像生成AIでグラフを描いてはいけません。数値が作り出されるおそれがあるからです。
棒グラフ、折れ線、散布図のようなデータのグラフは、実際の値をコードでプロットする必要があります。Nubint Figureのチャート(ベータ)は、アップロードした表を画像モデルではなくコード(matplotlib)で描くので、表にない値は出てきません。統計検定や生存曲線のように解析が必要なグラフは解析ツールで描いてください。
まとめ
アイコンを手で正確に合わせるならBioRender、文章一行から論文の図の下書きを得るならFigureLabsやNubint Figureのような論文図作成AIが向いています。図を描いたあと同じ場所で論文の執筆やレビューまで進めたいなら、Nubint Figureを無料で始めて最初の図を描いてみてください。
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