東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Masuda教授の研究室は、免疫応答における遺伝子変異のメカニズムと、神経発達障害の病態解明を柱としています。特に、抗体遺伝子のサモティックハイパーミューテーションに寄与するDNAポリメラーゼの機能解明や、神経crest由来の幹細胞(歯髄由来幹細胞)の多能性・再生医療応用に関する研究が進んでいます。また、自閉症スペクトラム障害の神経生物学的基盤を、患者由来幹細胞を用いた神経分化モデルで解明する取り組みも展開しています。
Jiro Nakayama教授の研究室では、新生児期から小児期にかけての腸内微生物叢の発達とその環境的要因への影響を、臨床的・分子的アプローチを用いて解明しています。特に、抗生物質投与や出産方法、都市化による食生活の変化が腸内細菌叢に与える長期的影響に注目しており、免疫系の発達やアレルギー疾患のリスクと関連づけています。また、細菌間のコミュニケーションを制御するクオーラムセンシング機構の解明や、その阻害剤の探索にも取り組んでいます。
Chiaki Hori教授の研究室は、菌類が木質細胞壁を分解するメカニズムを、ゲノム、トランスクリプトーム、シクレトーム、プロテオームの多角的アプローチで解明しています。特に白菌・茶菌の腐敗メカニズムの違いや、リグニン選択的分解、樹木抽出物への耐性機構に注目し、バイオマテリアルやバイオエナジーの基盤技術の開発を目指しています。
岩井知宏教授の研究室は、遷移金属触媒を用いたC–H官能基化反応や、新しい触媒系の開発を柱としています。特に、キノリンやその誘導体の選択的官能基化、アルデヒドのデカルボニル化、およびNHCリガンドを有するイリジウム触媒を用いた高効率な炭素–炭素・炭素–ヘテロ原子結合形成反応の開発が顕著です。また、ポリスチレンにリン配位子を担持したハイブリッド触媒の開発を通じて、難易度の高い反応条件でも効果的な触媒反応を実現しています。
Ueda教授の研究室は、マクロ経済理論と実証分析を融合し、高齢化、財政政策、金融中間機関の役割、およびゼロ金利下限下での政策効果といった現代経済の核心的問題を解明することを目的としています。特に、高齢化が物価水準や財政赤字に与える影響、金融中間機関の純資産が経済安定に果たす役割、そして行動的制約を考慮したケインジアン・モデルの構築が主な研究テーマです。日本における長期停滞やデフレ圧力の背景を、制度的・戦略的要因と結びつけて分析する独自の視座を持ちます。
Takahiko Yanagitani教授の研究室は、スズカチオンをドーピングしたアルミニウムナイトライド(ScAlN)や特定指向性を持つ亜鉛酸化物(ZnO)薄膜を用いた高周波・高効率な圧電デバイスの開発を主眼としています。特に、純せんモード(shear mode)と厚さ伸張モード(thickness extensional mode)の両方の高効率な励振を実現する薄膜構造や、温度安定性に優れた圧電特性を持つ材料の創出を進めています。また、超音波非破壊評価や質量センサーよる応用を想定した、周波数設計とモード制御に特化した新規圧電薄膜構造の創出が特徴です。
北朋宏教授の研究室では、シリコンフォトニクスを活用した高機能な光デバイスの開発を主軸としています。特に、小型で高精度な波長可変レーザー素子や、高速・低消費電力な光スイッチの実現を目指しており、通信および医療分野への応用が期待されています。近年では、量子ドットを用いた高効率な光増幅素子とシリコンフォトニクスフィルタの統合により、広帯域かつ高安定なレーザー発振を実現する研究が進んでいます。
本研究室では、量子多体系の非平衡統計力学と量子アニーリングを基盤に、強相関系や非平衡状態における量子熱平衡の構造を理論的に解明しています。特に、周期的駆動場や散乱環境下における定常状態の確率分布、およびその有効温度の定式化に注力しており、エントロピーとエネルギーの非平衡的バランスを解明する理論的枠組みを構築しています。また、量子アニーリングマシンを用いた組合せ最適化問題の高速解法にも応用を広げ、メタヒューリスティクスと組み合わせた新規アルゴリズムの開発を進めています。
David J. Stensel教授の研究室では、運動と食行動の関連、特にエネルギー平衡と食欲調節のメカニズムに焦点を当てた研究が行われています。特に、運動が食欲ホルモン(例如:グレリン、PYY)に与える影響や、肥満度・性別・生活習慣が運動誘発食欲反応に与える影響の個人差を解明しています。長期間の運動習慣が食欲調節に与える生理的・ホルモン的影響について、臨床的・実用的応用を視野に入れた研究が進んでいます。
Muramatsu教授の研究室では、複合材料やナノ構造材料の力学的・熱的挙動を高精度に予測・設計するためのマルチスケールシミュレーションと機械学習を融合した先進的な解析手法を開発しています。特に、ポリマー合金の相分離構造と力学的特性(ヤング率)の関係を正逆解析で解明するフレームワークや、CFRPの欠陊診断に向けた非破壊検査と機械学習の統合手法が特徴です。また、固体酸化物燃料電池の酸素化学ポテンシャルの非定常分布をシミュレートする多スケール計算手法の構築にも取り組んでいます。
Sumiko Watanabe教授の研究室では、造血細球の増殖・分化を制御するサイトコイニン受容体のシグナル伝達機構、特にJAK2キナーゼとGM-CSF受容体の相互作用に焦点を当てた分子細胞生物学的研究を行っています。また、網膜発生におけるエピジェネティクス的制御(Ezh2やJmjd3によるH3K27メチル化の調節)や、光受容細胞の前駆細胞マーカーとしてのCD73の機能についても解明を進めています。肝細胞のビレ小管の収縮メカニズムに関しても、カルシウムシグナルとアクチン骨格の役割を解析しており、多様な細胞応答の分子機構を解明する総合的研究が特徴です。
Nagashima教授の研究室では、酸化物半導体を用いた次世代エレクトロニクスデバイスの開発を主軸としています。特に、ナノスケールの酸化物ナノワイヤーや薄膜を用いた抵抗スイッチングメモリ(ReRAM)の基礎的メカニズム解明と、その高密度・高耐久化、さらには柔軟性を追求したデバイス技術の開発が進められています。また、酸化バナジウムの金属絶縁体転移や、膜の界面・応力効果がトランジスター特性に与える影響についても、エピタキシャル成長と精密な電気的測定を組み合わせて研究しています。
阿久原岳史教授の研究室は、主にプレート境界域における地震波動の高周波数解析を用いて、海洋プレートの亀裂や水分状態、マグニチュードの大きな地震を引き起こすメガスラブの力学的性質を解明することを目的としています。特に、海底に設置された地震計(OBS)のデータを活用し、水層の反響や多重波の影響を除去する新規な波形解析手法を開発・応用しています。これにより、海底下の低速域やハイドロスルスの分布を高精度に推定し、地震発生のメカニズム解明に貢献しています。
池川一衛教授の研究室では、電子相関やスピン・オービタル・オルビタルの競合が顕著に現れる強相関電子系に注目し、特にkagome格子やスピンフラストレーションを持つ磁性体を対象に、高精度な磁気測定と核スピン分光法を用いた物性解明を行っています。特に、高場磁化測定やNMRを駆使して、特異な磁気的相転移や1/3磁化プラットウーム、非局所的スピン秩序の発現を解明しています。これらの研究は、新しい量子相やトポロジカルなスピン状態の理解に貢献しています。
Eiichiro Komatsu教授の研究室は、宇宙背景放射(CMB)の高精度観測を基盤とし、初期宇宙の物理、特にインフレーション理論や原始フラクチュエーションの性質を解明することを主眼としています。特に、非ガウス性や初期宇宙の非一様性がCMBに与える影響を高精度な統計的手法で解析しており、Planck衛星データを活用した非ガウス性パrameter fNLの限界値の推定が顕著です。また、CMBのバイスペクトルやMinkowski関数形を用いた非ガウス性検出手法の高速化にも貢献しています。
Sho Kiritani教授の研究室は、再生医療とがん診断の分野で革新的な研究を展開しています。特に、天然繊維たんぱく質であるシルクフィブロインを用いた人工静脈の開発を通じて、腹部静脈路の補代治療の可能性を追求しています。一方で、PESI-MSと機械学習を融合した迅速がん診断技術の開発も進めており、肝細胞癌転移や膵粘液性嚮上腫瘍の悪性変換の早期同定に貢献しています。
Yasuhiro Fujiwara教授の研究室は、遺伝子変異が生殖細胞の分化や血管機能に与える影響を、マウスモデルを用いて解明する研究を展開しています。特に、精子形成における膜融合関連タンパク質(STX2)やサルコイドリブリッドグリコリピッドの役割を分子細胞生物学的手法で解析しており、不妊症のメカニズム解明を目的としています。また、がんの早期診断や神経血管疾患の病態解明にも関連する画像診断技術やエピジェネティクスの応用研究も併行して行っています。
稲井章平教授の研究室は、ウイルス感染に伴う免疫応答の分子機構と、特にT細胞・B細胞におけるシグナル伝達の解明を主眼としています。特にmTOR経路に影響を及げるリラムシンの作用機序や、リン酸化タンパク質「α4」がプロテインホスファターゼ2A(PP2A)と相互作用するメカニズムを解明しており、自己免疫疾患やがんの治療標的にも注目されています。また、COVID-19の画像診断におけるCT所見の解釈基準(CO-RADSなど)の妥当性についても臨床的・疫学的検証を実施しています。
森の多様性と生態系サービスの関係を解明する研究を柱としており、特に土壌菌や植物の多様性が生態系機能に与える影響を、地域スケールからグローバルスケールまで多角的に分析しています。非均衡的生態系のダイナミクスや自然摂動の影響を考慮した持続可能な森林管理の枠組みの構築にも注力しています。
Kinefuchi教授の研究室は、微小・ナノスケールの界面現象と物質輸送メカニズムに焦点を当てた研究を展開しています。特に、燃料電池の効率化に不可欠なナノスケールの水分凝縮やガス拡散、表面相互作用の解明を、分子ビーム実験、X線CT、Lattice DFTシミュレーション、機械学習を統合した先進的手法で行っています。表面の微細構造と分子のエネルギー分配、吸着・脱着挙動の制御が、次世代エネルギー材料の設計に貢献しています。