東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Etsuro Hatano教授の研究室は、肝細胞死の分子メカニズムに注目し、特にアセトアミノフェンや腫瘍壊死因子(TNF-α)、Fasリセプターによる肝障害におけるネクローシスとアポトーシスの制御機構を解明しています。NF-κBやPI3K/Akt経路が肝細胞の生存に果たす役割、およびそのシグナル伝達のバランスが肝疾患の進行に与える影響を細胞・分子レベルで解析しています。特に、肝障害の予後予測や治療標的の同定を目的とした翻訳的・臨床的応用も視野に入れた研究が特徴です。
高崎秀教授の研究室では、特に消化器がんの治療における最小侵襲外科学の最適化を目的として、腹腔鏡下結腸直腸癌切除術の長期的成績や術中管理の最適化に注力しています。特に、術後合併症の予防や神経機能の保存に配慮した手術技術の確立を目指しており、臨床的意義の高いバイオマーカーの同定や、術中血流制御の最適化に関する革新的な研究が進められています。
Ichii教授の研究室は、高分解能原子間力顕微鏡(FM-AFM)を用いた界面科学を専門としており、特にイオン液体や高濃度電解質におけるナノスケールの界面構造と物性を解明することを目的としています。qPlusセンサを用いた高感度な力測定により、粘度の高い液体中でも原子分解能を維持した表面イメージングを実現しており、エネルギー関連材料の開発に不可欠な界面挙動の解明を進めています。また、自己組織化膜やポリマー界面の表面電位分布や密度分布のナノスケール観察にも力を入れています。
Sakka教授の研究室は、パルスレーザーを用いた物質の真空・液体界面におけるプラズマ生成とその発光特性を、時間分解発光スペクトルを基盤に解明しています。特に、金属やカーボン材料を液体中でレーザー照射することで生じるプラズマ中の原子・分子種の生成機構や反応挙動を、スペクトル解析とモデル計算を融合して研究しています。長パルスを用いた高精度な元素分析手法の開発や、プラズマ中における密度分布やストークスシフトの空間的評価にも取り組んでいます。
Mayank Dixit教授の研究室では、天然ゴムやポリマーの分子構造とその物性の関係を、主にNMR分光法や分子動力学シミュレーションを用いて解明しています。特に、cis-1,4-ポリイソプレンの末端構造が天然ゴムの優れた機械的・物理的特性に与える影響に注目しており、天然ゴムと合成ゴムの性質の違いのメカニズムを解明することを目的としています。また、溶媒効果やイオンの溶媒殻構造など、溶液中での分子間相互作用の詳細な理解にも取り組んでいます。
和田正久教授の研究室では、セルロースやキチンを代表とする多糖類の結晶構造とその相転移挙動に注目し、X線回折、赤外分光法、固体状態NMRを用いた多角的解析により、多形性や水素結合ネットワークの解明を進めています。特に、超臨界流体を用いたセルロースの相転移制御や、ナノスケールでの熱膨張特性の測定が特色です。研究は、バイオマテリアルの設計や高機能化に向けた基盤を提供しています。
Bapan Adak教授の研究室は、持続可能なバイオマテリアルを基盤として、セルロースをはじめとする天然高分子と2次元材料(MXene、グラフェン酸化物、ナノセルロースなど)を融合した新規ハイブリッド材料の開発に注力しています。特に、生体適合性・生分解性に優れた素材を用いたウェアラブルエレクトロニクス、紫外線遮蔽、エネルギー貯蔵デバイス、および環境に配慮したプロセス技術の開発が主な研究方向性です。溶媒フリーなグリーンプロセスやイオン液体を用いたナノコンpositeの形成法など、材料の分散性と機能性を高める新規プロセス開発も進んでいます。
ヒロセ祐二教授の研究室は、細菌の代謝・ストレス応答機構と病原性の分子メカニズムに焦点を当てた研究を推進しています。特に、溶血性レンサ球菌(*Streptococcus pyogenes*)のストレス応答経路やトランスクリプトーム動態の解明を通じて、感染状態における細菌の生存戦略を解明しています。また、歯髄由来幹細幹細胞の尿路修復効果や、肺炎球菌の病原性関連遺伝子の機能解析など、感染症の治療戦略の開発にも貢献しています。
Takakura教授の研究室は、がん微小環境における線維芽細胞や血管内皮細胞の役割に注目し、がんの成長とがん幹細胞の維持機構を解明しています。特に、hypoxia条件下でのCD44の発現や、肺がんにおける血管内皮由来の前駆細胞の機能が、がん血管新生の鍵をなすとされています。また、脂肪組織の新生血管形成とリンパ管機能の関連性についても、肥満の新たな治療戦略の開発を目指しています。
吉川拓哉教授の研究室は、産業廃棄物の自動分別を実現するためのロボット技術に焦点を当てています。主に、汚れた・変形した廃棄物を安定して把持・認識するためのセンシングと制御技術、および深層学習を用いた自動アノテーション手法の開発が進められています。特に、人的な手作業を最小限に抑えたデータセット作成法や、3D CADモデルを活用した自動組立順序計画の研究も展開しており、持続可能な社会の実現に貢献する技術開発を推進しています。
Yoshinori Oie教授の研究室では、再生医療を応用した眼表面再生技術の開発を主眼としています。特に、自己由来の口腔粘膜上皮シートを用いた眼表面再生療法や、真皮線維芽細胞を用いた無血清・非接着培養系の確立により、移植用細胞の安全かつ安定的な調製を実現しています。また、OCTAを活用した角膜新生血管の定量的評価や、Fuchs内皮新生変性症の客観的重症度評価法の構築にも貢献しています。
Masataka Kakoi教授の研究室は、強相関電子系の物性を核磁気共鳴(NMR)を用いた実験的・理論的アプローチで解明しています。主にニッケレート酸化物の多層構造が示す密度波秩序や高温超伝導のメカニズムを、電子バンド構造とスピン・オービタル自由度の寄与を考慮して解明しています。また、密度行列密度行列縮約法(DMRG)を用いた量子多体系の数値計算や、局在化の理論的枠組み(L²局在化ランドスケープ)の開発にも取り組んでいます。
Choi教授の研究室では、チタン合金やアルミニウム合金を対象とした塑性加工・接合技術の開発を柱としており、特に線形摩擦welding(LFW)を用いた高強度・高信頼性接合技術の確立をめざしています。微細組織の制御と応力集中の低減を実現するため、圧力・周波数・温度プロファイルの最適化による溶接界面の微細構造と機械的性質の相関を解明しています。また、異種金属接合(Ti/CFRPなど)においても、界面結合強化技術の開発を進め、産業応用に向けた実用的接合プロセスの構築を推進しています。
福井教授の研究室では、細胞内シグナル伝達の分子メカニズムに焦点を当て、特に小胞体接着や膜動態に関与するGタンパク質(Rac1)のダイナミクスを、光操作技術を用いてリアルタイムで解明しています。また、インスリン応答におけるGABA受容体の膜発現制御や、インスティトールリン酸代謝の酵素機構についても、細胞生物学的・生化学的アプローチを用いて研究を進めています。さらに、慢性炎症疾患(IBD)におけるサイトコイントランスダクションの役割や、臓器脂肪蓄積と疾患リスクの関連についても、分子・細胞レベルでのメカニズム解明を目指しています。
Yuya Kajikawa教授の研究室は、持続可能性科学とデータ駆動型学術分析を柱とした学際的研究を展開しています。特に、学術論文の引用ネットワークを解析することで、研究分野の構造や発展のメカニズムを解明する「学術スコピング」の分野で世界的に知られています。また、薄膜材料の結晶配向制御に関する材料科学的研究も併行して実施しており、技術的応用と学術的分析の融合を図っています。
Youmi Ma教授の研究室は、自然言語処理分野に焦点を当てており、特にドキュメントレベルの関係抽出(DocRE)や命名エンティティ・関係抽出の効率的かつ高精度な手法の開発を主な研究方向としています。特に、証拠抽出のメモリ効率を高めるDREEAMや、テーブル表現を用いたシンプルで強力なモデル設計により、複雑なアーキテクチャに依存せずに高精度な情報抽出を実現しています。また、大規模言語モデルの内部メカニズムを解明し、情報取得ヘッドを活用した長文処理能力の向上にも貢献しています。
Kano教授の研究室は、プレート境界におけるスロースリップイベントやトレンチ・トレンチ・スリップ現象の観測と数値モデリングを通じて、地震発生メカニズムの解明をめざしています。特に、GNSSや地震計データを統合したデータ同化手法を用いて、摩擦パラメータの最適化とその後続地震の予測可能性の検証を進めています。また、南西日本におけるスローモーション地震の空間的・時間的分布の解明や、深部における低周波トレンチ活動との関連性についても精力的に研究しています。
Y. Saito教授の研究室は、金属材料の微細組織の発達挙動をシミュレーションと実験の両面から解明する研究を展開しています。特に、粒状成長における界面エネルギーの異方性や不純物・界面状態の影響が微細組織と物性(磁気抵抗、磁性相関など)に与える影響を、モンテカルロシミュレーションやイオンビームスパッタリングを用いて解明しています。また、多層膜系における界面化学組成や応力状態が巨大磁気抵抗効果に与える寄与をNMRや磁気測定を組み合わせて分析しています。
Fumio Ogawa教授の研究室では、炭素ナノファイバーを強化相として用いたアルミニウムマトリックス複合材料の開発を主眼としています。特に、イソジンを用いたインサイト・化学蒸着法(CVD)を用いたアルミニウム被覆技術の確立により、界面結合性と緻密性を向上させ、機械的・熱的特性に優れた複合材料の実現を目指しています。また、高周率多軸疲労試験装置の開発を通じて、材料の疲労挙動の解明にも貢献しています。
Chika Tada教授の研究室では、反瘡微生物が分解する未分解性リグノセルロース質バイオマスの効率的利用に焦点を当て、特にセルラーゼやキシナーゼといったセルロース・キシラン分解酵素の機能とメカニズムを解明しています。また、嫌気性廃水処理においてメタン生成古細菌を高密度で保持するための担体材料の表面特性と細菌付着の関係についても、物理化学的要因を解明しています。これらの研究を通じて、バイオマス資源の効率的利用と持続可能なエネルギー回収技術の実現を目指しています。