東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
井上健一教授の研究室では、界面における水分子や吸着分子の超高速な振動ダイナミクスを、時間分解ヘテロダイン検出型振動分光法(TR-HD-VSFG)と分子動力学シミュレーションを組み合わせて解明しています。特に、界面水の水素結合ネットワークの構造的・動的特徴、膜表面における水の動的相互作用、金属表面での熱キャリア駆動反応など、界面科学と材料科学の交差点を研究しています。
王佳杰教授の研究室では、環境に配慮した新素材の開発とその応用に注力しています。特に、二酸化炭素の鉱物化を活用したカーボネート系ナノ粒子の合成や、金属酸化物を用いた効率的水素生成触媒の開発が主な研究テーマです。また、水質汚染の原因となるリンの効率的モニタリング技術の開発や、金属ガラスを用いた高強度接合技術の研究も進めています。
Saito教授の研究室は、小児におけるノロウイルスおよびサポウイルスの感染疫学に注目し、特に乳児期の反復感染とその型特異的免疫の形成を解明しています。母乳に存在する特異的抗体(IgA)が感染後の症状軽減に寄与する可能性を示し、母胎免疫の役割にも注目しています。これらの知見は、多価型を標的にする効果的なワクチン開発に不可欠な基盤を提供しています。
高木亮介教授の研究室は、化学的手法を用いたタンパク質の標識・機能制御を柱としており、特に生体適合性の高い反応系の開発と、その応用によるタンパク質機能解明や医療・農業分野への応用を目指しています。生体内で安全に機能分子を標識する「バイオオルソゴナル反応」や、「リガンド誘導型化学反応」を用いた細胞内タンパク質標識技術の確立が特徴です。また、19F NMR/MRIを用いた高感度なタンパク質センシング技術の開発や、植物の防御反応を制御する新規シグナル分子の設計にも取り組んでいます。
田中一哉教授の研究室は、がんの微小環境とその免疫逃避機構を、多オミクス統合解析とAIを活用して解明する研究を推進しています。特に非小細胞肺癌(NSCLC)における腫瘍ストロマ相互作用や、PD-1/PD-L1阻害剤への反応性に影響を及げる分子メカニズムの解明を柱としています。また、がん細胞の代謝再プログラミングや新規標的の同定にも注力しており、がん治療の新たな戦略の構築を目指しています。
Yoshihisa Matsukawa教授の研究室は、前立腺疾患に伴う下部尿路症状(LUTS)の病態メカニズムと治療戦略を、尿動学的・臨床的アプローチを通じて解明しています。特に、良性前立腺症やラミノスコピック根治的前立腺ectomy後の膀胱機能低下、特に新生の逼尿筋運動低下や過活動膀胱の発症メカニズムに注目しています。また、シロドシンやタダラフィルを用いた薬理療法の有効性を、客観的尿動学的指標に基づき評価しており、臨床応用に結びつく革新的な治療戦略の確立を目指しています。
伊達正人教授の研究室は、超分子化学を基盤とし、自己集合によるナノファイバー構造を有するスパーミュラル水ゲルの設計・応用を主軸としています。特に、酸化還元反応や光、グルコースなどの外部刺激に応答して物性を制御できるスマートゲルの開発に注力しており、医療用インスリン放出デバイスやがんバイオマーカーの迅速検出センサーへの応用を実現しています。金属を用いたヘリカルポリマーの構築や、発光性ポリマーと生体高分子の複合化による機能性ナノ材料の創出も進めています。
Takeru Kumabe教授の研究室は、GaNをはじめとする nitride 半導体における高効率・高信頼性デバイスの実現を目的としており、特にドーパントフリーな分散型分極ドーピング(DPD)技術の開発に注力しています。これにより、伝統的な受容体ドーピングに起因する不純物散乱や界面汚染の問題を回避し、高 mobility と優れた電荷輸送特性を実現しています。また、ICP-RIEなどのエッチングプロセスにおけるダメージ低減技術や、AlN基板上への高品質なAlGaN/GaN hetero構造の成長にも取り組んでいます。
Kazuyuki Mizuno教授の研究室は、がん治療における耐性メカニズムの解明と、特に多剤耐性を示すがん細胞に対する薬剤の克服効果を追求しています。特にサイクロスポリン誘導体の抗がん効果や、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の再投与戦略に関する臨床的・生物学的エビデンスの構築を進めています。また、B型肝炎関連肝細胞癌における肝機能評価の新指標としてALBIグレードの有用性を示し、予後予測の高度化にも貢献しています。
Suekuni教授の研究室は、環境にやさしくて高効率な熱電材料の開発を主眼としており、銅・硫化物系(テトラヘドライト、コルスイトなど)やクラシート系材料を対象に、構造と物性の相関を解明する研究を進めています。特に、低熱伝導率と高パワー因子を併せ持つ材料の設計・創出に注力しており、Pbフリーで高温域でも優れた性能を示す熱電材料の実現を目指しています。
Kazunori Koga教授の研究室は、麻酔下における気道管理と呼吸合併症の予防を主眼とした臨床的研究を展開しています。特に、覚醒状態での気管チューブ抜去、全身麻酔下での抜去、およびレーザーマスクを用いた気道確保法の比較を対象とした臨床的治験を通じて、患者の安全と回復の質の向上を目指しています。また、プラズマ処理や半導体薄膜の材料開発に関する基礎的研究も併せて実施しており、医療と材料科学の融合的アプローチが特徴です。
Harada教授の研究室は、光エネルギー変換と医療応用を柱とした有機材料の開発を進めています。特に、三重状態エネルギー移譜に基づく光上変換(TTA-UC)技術の高効率化に貢献し、可視光から紫外光への変換効率20.5%という世界最高水準の成果を達成しました。また、抗がん剤のプロドラッグとしての応用を見据えた水溶性エリプチシン誘導体の合成や、生体適合性材料の開発にも取り組んでいます。
Takashi Nakamura教授の研究室では、高強度鋼の超高サイクル疲労(VHCF)における亀裂の発生と成長挙動を、放射線を用いた非破壊観察技術(特にSPring-8のシンチロトロン放射線マイクロCT)を駆使して解明しています。特に、表面ではなく内部から発生する亀裂と、その特徴的な「ODA」(凹凸模様)と呼ばれる破壊面の形成機構に注目しており、材料の安全性向上に貢献する基礎的知見の確立を目指しています。
Hayashida教授の研究室は、熱安定性を有する等温増幅法(LAMP)を応用した感染症の現地診断技術の開発を柱としています。特に、資源が限られた地域でも利用可能な簡便で高感度な診断法の開発を通じて、発展途上国における寄生虫病・ウイルス感染症の早期発見と制御に貢献しています。また、マイクロバイオームや病原体ゲノムの比較解析を組み合わせた「ワンヘルス」アプローチを通じて、人獣共通感染症の疫学的・分子的解明を進めています。
Satoko Hori教授の研究室は、血脳関門の機能制御と薬物送達のメカニズムを解明する研究を進めています。特に、脳血管内皮細胞の接着緊密接合(TJ)の維持に寄与するグリア細胞やペリサイド由来因子の同定、ならびに血脳関門に発現するABC transporter(ABCG2)の機能と調節機構を分子細胞生物学的手法で解明しています。また、患者がインターネット上で記録する体験記録を自然言語処理と深層学習で分析し、がん治療に伴う副作用の早期発見や患者の心理的負担の特定にも応用しています。
福原圭教授の研究室は、合成生物学とバイオマテリアルの分野において、生体模倣の高分子環境を再現する細胞フリー蛋白合成系の構築を柱としています。特に、超高濃度の細胞抽出物を用いた人工細胞の開発や、タンパク質の正確な折りたたみと機能制御を実現する新規プロトコルの確立が目立ちます。また、生命の基本的プロセスである転写・翻訳・複製の連続的実行を単一チューブで達成する仕組みの構築にも貢献しています。
Tomohiro Ishii教授の研究室は、呼吸器疾患、内分泌疾患、自己免疫疾患の遺伝的・分子メカニズムに焦点を当てた基礎・臨床研究を推進しています。特に慢性閉塞性肺疾患におけるヒストンキナーゼの安定性や、先天性副腎皮質ホルモン症のスクリーニング・治療ガイドラインの整備、APECED症候群の遺伝子異常に関するアジア系患者の解析が特徴です。臨床応用に結びつく分子メカニズムの解明と、疾患の早期診断・個別化医療の実現を目指しています。
ハラ・チクマ教授の研究室は、アクアポリンをはじめとするチャネル・タンパク質の細胞内シグナル伝達機能に注目し、水分・グリセロール・過酸化水素(H₂O₂)の輸送が代謝疾患やがん、皮膚炎、免疫応答などに与える影響を解明しています。特にAQP3がH₂O₂輸送を通じてNF-κB経路を調節し、psoriasis(乾癬)や皮膚がんの発症に寄与するメカニズムを解明しており、イオンチャネルのシグナル機能に新たな視点を提供しています。また、T細胞におけるAQP3のH₂O₂輸送による細胞遊走制御のメカニズムも解明し、免疫応答の調節機構を解明しています。
教授の研究室は、主に二相流動および核熱・力学分野における高精度な計測・予測技術の開発を柱としています。特に、気泡の挙動解析や流れの状態遷移をAIを用いて自動特定する画像認識技術、および核安全に不可欠な臨界熱フラックス(CHF)の予測モデル構築に注力しています。また、実験的・数値的アプローチとAI技術の融合により、複雑な二相流の力学的挙動を解明し、原子力炉の安全性と効率性の向上を目指しています。
Kurisu教授の研究室は、がん患者を対象とした緩和ケアと症状管理の高度な研究を推進しています。特に、進行がん患者における意識障害(けいれん)の予後予測や、多剤併用がけいれんに与える影響の解明に注力しており、臨床現場での意思決定支援を目的とした予測モデルの構築も進んでいます。また、がん患者における自殺予防や院内感染性下痢のリスク要因の時間的パターン解明など、多様な症状管理の最適化にも取り組んでいます。