東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Aoki教授の研究室は、リソホスファチジルエタノールアミン(LPA)を含むリソホスファチドール系リピッドメディエーターの生物学的機能とその受容体メカニズムを、主に発生・血管新生およびがんの転移に関与する分子機構の解明を目的としています。特に、エクストラセルラリー・エフェクトを示すエノドーム・リセプター(EDG)ファミリーとLPAのシグナル伝達の構造・機能関係を解明しており、がんの侵襲・転移のメカニズム解明に貢献しています。また、LPA合成酵素であるオートタキシン(ATX)の生理的役割や、リポイドの不斉体の分析法開発にも取り組んでいます。
新谷征次教授の研究室は、マクロ経済学と計量経済学の交差点に位置し、経済変動のメカニズムを解明することを目的としています。特に、ニュースショックや非線形ダイナミクス、単位根の検定、および非定常時系列の非線形性に注目した分析手法の開発が特徴です。米国・日本を対象とした実証的研究を通じて、経済変動の背後にある要因としての情報の伝達や、非線形調整の影響を定量的に評価しています。
Tachibana教授の研究室では、音声信号の解析を基盤として、動物の社会的行動や学習行動の神経機構を解明することを目的としています。特に、ネズミの超音声やスズメの鳴き声を対象に、音声認識における文脈依存性や時間的構造の発達的変化を、機械学習や深層学習を応用して定量的に分析しています。また、音声の時間的・周波数的特徴が認識に与える影響についても、ノイズ下での音声処理を用いて解明しています。
Maruyama教授の研究室では、糸状菌、特にコウジ菌(アスペルギルス・オリゼー)をモデル生物として、細胞小器官の機能とタンパク質輸送、特にペルオキシソームと核の動態に注目した研究を進めています。特に、ペルオキシソームのタンパク質標識と輸送機構、核の分配と胞子形成のメカニズム、ならびに異種タンパク質の効率的生産を可能にする遺伝子工学的基盤の構築を目的としています。これらの研究は、合成生物学やバイオプロセス開発への応用も視野に入れた、基礎と応用の両面をカバーする包括的な研究です。
Genta Okude教授の研究室は、odonata(トンボ目)をモデルとして、メタモルフォシスの分子機構と色彩の進化を解明する研究を行っています。特に、ヤドリギトンボ(*Ischnura senegalensis*)を用いたラボリトリー・リヤリングシステムの確立や、色彩形成に関与する色素と遺伝子のメカニズムの解明が進んでいます。また、共生細菌のゲノム縮小と形態変化の関係についても革新的な発見をしています。
Hyun Jin Kim教授の研究室は、がんや神経変性疾患を標的にした核酸医薬の効果的かつ安全な体内送達を目的として、スマートなナノデリバリー系の設計と開発を主軸としています。特に、siRNA やmRNA の細胞内効果的送達を実現するためのpH応答性ポリマー、金ナノ粒子を用いたサイズ制御型ナノコンプレックス、および還体型リンクを有するブロックコポリマーを用いたスマートなポリプレックス系の開発が進んでいます。また、神経変性疾患関連タンパク質のアミロイド化機構の解明にも取り組んでおり、ナノスケールの自己集合構造の制御を目的としています。
Hiroko Yamada教授の研究室は、有機半導体材料の開発とその応用に注力しており、特に溶液可溶性の小分子を用いた有機フィールド励電トランジスタ(OFET)の創製と、人工光合成を模倣する光電変換系の構築を柱としています。ポルフィリン・フラーレン系自己組織形成膜をITO電極に構築し、効率的な光誘起電子移動を実現する研究が進んでいます。また、新しい有機半導体骨格の合成や、金属錯体への変換による物性制御にも取り組んでいます。
Miyauchi教授の研究室では、カーボンナノチューブや2次元材料を対象に、励起状態のダイナミクスや励起子の量子的性質に注目した光物性研究を行っています。特に、励起子-格子結合やスピン・バルクエッジの相互作用が支配する光励起現象の解明を進め、ナノスケールでの光応答メカニズムの理解を深めています。また、偏光分光法や時間分解光励起分光法を駆使して、材料の微視的構造と光学的性質の関係を解明しています。
Soyoung Park教授の研究室では、DNAを基盤とするハイブリッド触媒を用いたエナンチオ選択的合成反応の開発を主眼としています。特に、DNAのヘリカルグリスと金属錯体を組み合わせた新規触媒系の設計・機能解明を進め、Diels-Alder反応やフリーデル・クラフツアルキル化反応における高エナンチオ選択性を実現しています。また、DNA配列や金属配位子の配置が触媒性能に与える影響を精密に制御する研究も展開しており、バイオマテリアルを活用した持続可能な有機合成の実現を目指しています。
山田真澄教授の研究室は、地震・地すべり・津波などの自然災害の動的過程を、高精度な地震記録と地形測量を融合して解明する研究を展開しています。特に、大規模な地すべりの発生メカニズムや、津波の異常な伝播特性、地震前兆現象の解析に注力しており、リアルタイムでの災害評価技術の構築を目指しています。近年では、台風や地震の影響による地すべりの波形解析や、津波の発生機構における大気波の寄与など、多様な自然現象の高周波数波形を解明する先端的研究を進めています。
Hiruma教授の研究室は、電磁界解析と最適化技術を融合した磁気機器の高性能化を主眼としています。特に、永久磁石同期形モータの磁石形状と鉄心の磁路バリア構造を同時に最適化するハイブリッド最適化手法の開発が特徴です。また、リッツ線や複雑な3次元構造を有する導体の渦電流損失解析や、均質化手法・モデル還元技術を用いた高精度な等価回路モデル構築にも取り組んでいます。これらの研究は、高効率・高密度な電動機器や電磁素子の設計に貢献しています。
Hamid Hamidani教授の研究室は、高エネルギー天体物理学を基盤とし、特に短時間ガンマ線バースト(sGRB)やニュートリノ星合体のメルジャー現象を対象に、相対論的ジェットの媒体中での伝播挙動を、半解析的モデルと2次元数値シミュレーションを用いて解明しています。特に、合体後の噴出物質が高速で膨張する中をジェットが進むメカニズムや、コアンと呼ばれるエネルギー的・構造的要因の寄与を重点的に研究しています。また、GW170817に類似する多メッセンジャーオブザーバーとの整合性を保ちながら、電磁放射の発生メカニズムを解明する国際的協働研究も推進しています。
Tamao Maeda教授の研究室は、野生のフセイウマをはじめとする非ヒトの多層社会(multilevel society)の行動構造と社会的連関を、ドローンを用いた高精度な個体識別と空間的位置データを活用して解明しています。特に、群れの内部分群(ユニット)の形成、活動の同期、そして外部要因(例えば人間の餌やり)が社会的相互作用に与える影響を、行動生態学的・安定同位体分析的アプローチで統合的に研究しています。その成果として、多層社会の維持機構や侵入種の生態的影響を解明する基盤を構築しています。
Takedachi教授の研究室は、骨代謝と炎症反応の制御に関与するCD73/アデノシン系の機能に注目し、特に骨芽細胞や免疫細胞におけるアデノシンのシグナル伝達が骨形成やリンパ球移動に与える影響を解明しています。また、歯周組織における低酸素状態が炎症反応に与える影響や、幹細胞を用いた歯周組織再生医療の可能性についても前臨床的・臨床的アプローチを展開しています。これらの研究は、骨疾患や慢性炎症性疾患の新たな治療戦略の開発に貢献することを目的としています。
Takeshi Seki教授の研究室は、スピンホール効果や磁化制御を応用した次世代スピントロニクスデバイスの開発を主眼としています。特に、強誘電体や酸化物界面を介した電圧による磁化・磁気的性質の制御、およびFePt系の高垂直磁気異方性材料を用いた磁気メモリ素子の実現を目指しています。また、スピン電流の発生とその制御、熱的・電気的効果の可視化にも注力しており、スピンデバイスの高効率化・低消費電力化に貢献する基盤技術の確立を図っています。
堀井洋治教授の研究室は、希土類元素を含むペイント状フォームのペルオキシドキシド複合体を用いた単分子磁石(SMM)の開発を主軸としています。特に、テルビウムや dysprosium を中心に、多層デッキ型ペルオキシドキシド錯体におけるf-f相互作用とSMM特性の関係を、結晶構造解析と磁気測定を組み合わせて解明しています。また、キラル性や配位子のプロトン化状態が分子集積や磁気的性質に与える影響にも注目しており、超分子的自己集合を制御したSMMの設計を目指しています。
本田章平教授の研究室は、リーマン多様体の極限空間として得られる非正則的で特異な幾何構造、特にRCD*空間やGromov–Hausdorff収束における微分幾何的性質の解明を主眼としています。特に、p-ラプラシアンの固有値の連続性や、ヘッセ形式・ラプラシアンの幾何的表現、L^p収束における微分形式の極限の定式化を展開しており、非正則空間上での微分構造の確立に貢献しています。また、熱核を用いた埋め込みによるリーマン計量の再構成や、幾何的フローの応用といった、新鋭な手法の導入も目立っています。
Saito教授の研究室は、合成生物学とバイオマテリアル工学を融合した研究を展開しています。特に、好気性バクテリアを用いたバイオポリマーの微生物合成や、その構造・物性の制御に注力しており、生分解性ポリエステルであるP(3HB-co-4HB)の合成条件と特性の関係を解明しています。また、細胞内シグナル伝達機構の解明や、センサ配置最適化のための数理的手法の開発にも取り組んでいます。
Riku教授の研究室は、神経変性疾患の病理機構に焦点を当てており、特にTDP-43病変とtau病変の共存やその神経病理的連関を解明することを主眼としています。ALS(筋萎縮性側索硬化症)とFTLD-TDP(TDP-43病理を示す後頭側頭型後頭変性症)の神経病理的連続性、ならびにPLA2G6遺伝子変異に起因するリーマン・ボルト病様病変の形成機構についても深く研究しています。また、希少神経疾患の病態解明を目的に、CSF1R遺伝子変異を有する家族性広汎性白質ジストロフィー(HDLS)の臨床・病理的特徴の解明にも貢献しています。
Mariko Kawamura教授の研究室は、がん治療における画像診断と治療戦略の最適化を柱としています。特に、乳房がんの治療において、術前 chemotherapy の早期予測や、IORT(術中放射線治療)の有効性・安全性の検証を進めています。また、神経変性疾患に関連するグリアリンパ系の機能評価や、H. pylori感染が循環器疾患に与える影響についても、病態メカニズムの解明を目的としています。