東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
高屋内教授の研究室は、骨代謝と免疫系のクロスロードに位置する「オステオイムノロジー」を軸に、自己免疫性疾患における骨破壊の分子メカニズムを解明しています。特にRANKLによるオステオクラスト形成の制御機構や、インターフェロンがRANKLシグナルを抑制するシグナルクロスティングのメカニズムに注目し、関節リウマチや骨質疏鯊症の新たな治療標的にふさわしい分子を同定しています。
福間教授の研究室は、特に高齢者や慢性疾患を有する患者を対象とした健康行動・健康格差・医療システムの質の向上を目的としています。特に、透析患者における心理的ストレス対処戦略や視覚機能が生活習慣病や転倒に与える影響を、疫学的・行動的視点から解明しています。また、災害時における医療インfraの脆弱性や、心血管リスク要因の介入効果に関する実践的で臨床的意義の高い研究を展開しています。
宮本進教授の研究室は、脳血管疾患、特に煙道様脳症(モヤモヤ病)をはじめとする脳卒中の病態解明と治療戦略の確立を主眼としています。特に、再発出血予防を目的とした外科的血流再建術(EC-ICバイパス)の有効性を示す国際的臨床試験「日本成人モヤモヤ病試験」の立案・実施に貢献しており、脳血流動態の改善と長期的予後との関連を解明しています。また、後頭底部循環の障害に伴う視覚障害のメカニズムや、脳動静脈奇形の治療戦略の再考についても革新的な知見を提供しています。
Daron M. Standley教授の研究室では、免疫受容体(B細胞受容体やT細胞受容体)の構造をアミノ酸配列から高精度に再構築する「Repertoire Builder」をはじめ、ウイルスの抗原タンパク質の進化的選択圧を解析する手法を開発しています。特にSARS-CoV-2のスパイクタンパク質における進化的に重要なアミノ酸部位の同定や、構造情報と機能データを統合したデータベース基盤(PDBj連携)の構築にも貢献しています。これらの研究は、ワクチン開発や治療法の設計に直結する構造生物学的基盤を提供しています。
石川賢治教授の研究室は、酸化物半導体やペロブスカイト系材料を対象に、ナノスケールにおける相転移や表面状態の制御を原子レベルで解明する研究を行っています。特に、PbTiO₃やBaTiO₃の微粒子におけるサイズ効果や表面格子緩和がフェロエレクトリック性に与える影響を、X線回折やラマン分光を用いて精密に分析しています。また、がん幹細胞の起源やがん関連タンパク質の機能解明にも関心を持ち、臨床的意義のある材料科学とバイオメディスンの融合的研究を推進しています。
Kenta Iyoki教授の研究室では、アルミニウム含有ケイ酸塩ゼオライトの結晶化挙動や安定化機構を解明し、特に有機構造指向剤を用いない低コストで環境に配慮したゼオライト合成法の開発を主眼としています。高Si/Al比ゼオライトの欠陊修復や、小晶孔ゼオライトの後処理による組成制御、およびゼオライトの空孔構造制御を実現する新規プロセスの開発が進んでいます。これらの研究は、触媒・吸着材料の実用化に向けた基盤を提供しています。
阿部哲平教授の研究室では、次世代のウェアラブルデバイスや生体電子デバイスに向け、透明で柔軟な電極材料やセンサー技術の開発を主軸としています。特に銀ナノファイバーを用いた高透過率・高導電性電極や、ポリウレタンに銀フラクションをドレインする低温プロセスによる伸縮性導電材料の開発が進んでいます。また、生体に完全に適合する超薄型有機電気化学トランジスタや、非接触でパターン形成可能なレーザー転写技術を応用した高感度センサーシステムの構築にも取り組んでいます。
Aoki教授の研究室は、分子のトポロジーを巧みに制御する新しい合成戦略に焦点を当てており、特に輪状ポリマー(サイクリックポリマー)や機械的結合を有するポリマー([2]ロタキサン、カテナラン)の創製を柱としています。自己集合を活用した高効率な環化反応や、動的結合を用いたトポロジー変換技術により、構造と機能を精密に設計したスマートポリマーの開発を進めています。また、破壊に強いエラストマーの設計においても、機械的結合やサクリフィシャルボンドの効果を解明し、材料の力学的性能向上に貢献しています。
Tiago Koketsu Rodrigues教授の研究室では、5G以降の次世代通信ネットワークにおける低遅延・高効率な計算基盤の構築を目的として、エッジコンピューティングとクラウドレット技術の最適化に取り組んでいます。特に、移動端末からの処理オフロードにおいて遅延を最小化するためのサーバ配置最適化や、仮想マシンの動的移行によるリソース管理の高度化が主な研究テーマです。また、衛星を活用した遠隔地におけるエッジコンピューティングの実現可能性や、大規模な分散データ処理のための分散機械学習技術の統合も検討しています。
Toshinori Kinoshita教授の研究室は、植物の気孔開閉制御におけるプロトンポンプH+-ATPaseの活性調節に注目し、光・カルシウム・フィスコシン・ブレシノステロイドなどのシグナル分子がこのポンプに及ぼす分子機構を解明しています。特に、光受容体phototropinによるリン酸化、カルシウムイオンによる可逆的阻害、フィスコシンによる活性化メカニズムの解明が進んでいます。14-3-3タンパク質の結合とC末端リン酸化の関係についても、合成ペプチドを用いた精密切な解析が行われており、細胞内シグナル伝達の分子機構を解明する国際的にも高い評価を受けています。
山田俊介教授の研究室は、慢性腎疾患(CKD)に合併する心血管疾患の発症メカニズムに注目し、特にリン代謝異常が血管石灰化や慢性炎症・栄養不良の悪化に与える影響を解明しています。腎機能障害における酸化的ストレスの役割や、栄養状態のバイオマーカーとしてのGNRIやクレアチニンインデックスの臨床的意義についても、臨床疫学的手法を用いて検証しています。CKD-MBDを軸に、多因子的かつ包括的な病態理解をめざした研究が進められています。
千坂実佳教授の研究室では、海生生物に由来する天然物の構造決定と全合成を柱として、特に海洋由来の新規生体活性化合物の探索とその立体化学の解明を進めています。特に、海ウニや海兎に由来するマクロライドやサイクロデペプチペプチドなど、構造が複雑で生物学的活性を示す天然物の効率的かつエナンチオ選択的合成に注力しています。その成果として、アテンオールやドルアビドール、オーリリドールといった新規化合物の構造決定と生物学的評価が行われ、がん細胞に対して強い細胞毒性を示す化合物の同定にも貢献しています。
Anna Ściążko教授の研究室では、固体酸化物電池(SOC)の高性能化と長寿命化を目的として、電極の三次元微細構造とその劣化挙動の解明に注力しています。特に、ニッケル系およびニッケルフリー電極の微細構造制御、GDCを含む酸化物セラミックスの相安定性、ならびにFIB-SEMを用いた3次元微細構造の自動解析技術の開発が進められています。機械学習を活用した微細構造の合成生成や劣化予測のフレームワーク構築も重要な研究テーマです。
Jibril Ben Achour教授の研究室では、一般相対性理論に拡張されたスカラー・テンソル理論の高次微分型理論、特にオストログラドスキー不安定性を回避する「退化高次スカラー・テンソル理論」(DHOST理論)の構造と性質を、数学的・物理的整合性の観点から体系的に解明しています。特に、第二階微分項が二次・三次にまで及ぶ理論の分類、およびその変換不変性(共形・非共形変換下での安定性)を解明しており、重力波速度やブラックホールに伴うスカラー髪の性質といった観測的制約との整合性も探求しています。
Hiroyuki Yoshitomi教授の研究室は、自己免疫疾患、特に rheumatoid arthritis(関節リウマチ)の発症メカニズムを、遺伝的素因と環境因子の相互作用、特に真菌由来βグルカンと受容体Dectin-1の関与を解明しています。また、炎症巣におけるT細胞とB細胞の相互作用、特に腫瘍巣様構造(ELS)形成に関与するTph細胞やCXCL13産生T細胞の機能と転写制御(Sox4の役割)にも焦点を当てています。さらに、関節滑膜の線維芽細道様細胞(FLS)の炎症応答や、関節リウマチの非侵襲的バイオマーカーとしての血清ミクロルナ(miRNA)の同定も行っています。
Uruno教授の研究室では、転写因子Nrf2が酸化的なストレスに対抗する細胞保護反応を制御するメカニズムを解明しており、特に糖尿病、アルツハイマー病、腎症などの代謝性・神経変性疾患におけるNrf2の保護的役割に注目しています。Keap1-Nrf2シグナル経路の制御を遺伝子ノックアウトやトランスジェニックモデルを用いて解析し、臓器特異的・細胞特異的Nrf2活性化の効果を解明しています。その結果、膵島β細胞の保護や糖ホメオスタシスの維持、神経変性の抑制がNrf2依存的であることが示されています。
Makoto Matsuo教授の研究室は、職場学習や自己成長を促進する要因としての「自己指向的学び」や「熟考(リフレクション)」の役割に注目しています。特に、学習目標志向やジョブクラフトィング、マネジメントコーチングといった要因が、仕事への没頭(ワークエンゲージメント)やチーム学習にどのように寄与するかを、実証的・理論的アプローチで解明しています。研究は主に医療・保険・自動車産業などの現場を対象としており、組織内での学びの循環を促す仕組みの構築を目指しています。
菊地康紀教授の研究室は、地域の持続可能性を実現するためのエネルギーシステムの設計と最適化を柱としています。特に、島しょ地域におけるバイオマスを活用したコージェネレーションや水素エネルギーの導入を対象に、ライフサイクルアセスメントと地域エネルギーシミュレーションを統合した分析を進めています。また、地域資源と社会経済的要因を統合した産業連携の仕組み構築にも注力しており、持続可能な地域社会の実現に向けた包括的ソリューションの開発をめざしています。
Yamada教授の研究室は、金属有機フレームワーク(MOF)や一维性配位子ポリマーを基盤とした機能性材料の設計・創出を柱としています。特に、プロトン伝導性を示す配位子ポリマーの開発や、酸性官能基の導入による高効率な燃料電池用電解質の構築に注力しています。また、熱安定性に優れた金属酸化物型MOFをリチウムイオン電池の正極材料として応用する研究も進めています。これらの研究は、次世代エネルギー変換・貯蔵デバイスの実現に向けた基盤技術の確立をめざしています。
Yuwei Sun教授の研究室は、5G時代の急増するエッジデバイスとプライバシー保護の両立を実現するため、分散型機械学習技術、特にフェデレーテッドラーニングを基軸に研究を展開しています。特に、医療や金融分野における機微なデータを扱うネットワークインシデント検出やフィッシングメールの検知において、データを共有せずにモデルを共同で学習する仕組みの構築に注力しています。また、ブロックチェーンを活用した信頼性の高いパラメータ集約手法の開発を通じて、悪意ある攻撃からの耐性強化も目指しています。