東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Takayuki Nagata教授の研究室では、高圧縮性・低レイノルズ数流れを対象とした直接数値シミュレーション(DNS)を用いて、球体周囲の流れの力学的・熱的特性を解明しています。特に、マッハ数や温度比の影響が流れの安定性や乱流エネルギーに与える影響を高精度な計算手法で分析しています。また、最適センサ配置のための新規最適化手法の開発や、デンプンの物理化学的性質に関するバイオマテリアル研究も併行して行っています。
田中正臣教授の研究室は、中性子星合体に伴うキロノーバ現象の物理的メカニズムを解明することを目的としています。特に、r過程で生成される元素がもたらす放射線輸送と吸収特性の精密な計算に注力しており、近赤外・可視光域の光度曲線の解釈に貢献しています。原子構造計算を基盤に、ランタニド元素を含むr過程核の光学的厚さの系統的評価を世界で初めて実施しました。
Takumi Noguchi教授の研究室では、光合成における酸素発生中心(WOC)の分子機構を、フラッシュ誘発赤外分光法(FTIR)を核に解明しています。特に、水酸化物イオンや水分子の水素結合状態の変化、Mnクラスターと関連するアミノ酸(ヒスチジン、チロシン)の振動モードの変化を高精度で解析することで、S状態サイクルにおける反応機構の解明を進めています。また、同位体標識(15N, 13C, D)を用いた精密な分光的アプローチにより、反応中心の構造的・動的変化を直接可視化する画期的な研究が展開されています。
岸崎賢二郎教授の研究室は、遺伝性疾患の分子機構解明を柱としており、特に染色体異常や遺伝子変異に起因する疾患、たとえばノーナン症候群やアンジェルマン症候群、プリドール・ウイリアム症候群、Moyamoya病に伴う血管障害の遺伝的背景を解明しています。特に、PTPN11遺伝子の機能亢進変異やSNRPN遺伝子のメチル化パターン、RNF213遺伝子の多様な表現型への関与といった、疾患の発症メカニズムに寄与する遺伝的要因の解明を進めています。また、家族内再発リスクの予測や出生前遺伝診断の可能性についても、臨床応用に繋がる研究を展開しています。
Iyan E. Mulia教授の研究室は、主に津波の発生メカニズムとその予測技術に注力しており、特に海底の活断層や火山崩壊に起因する津波の発生メカニズムを数値シミュレーションと統計的手法を用いて解明しています。近年では、機械学習を活用したリアルタイム津波浸水予測や、低解像度のシミュレーション結果から高解像度の津波浸水域を迅速に再構築する深層学習手法の開発にも取り組んでいます。また、観測網の最適配置や、歴史的津波事例との整合性を考慮した確率的津波ハザード評価の手法開発も進めています。
阿部正樹教授の研究室では、スピンギャップを示す低次元スピン系や、強相関電子系を有する酸化物を対象に、磁性・スピン励起・電子状態の制御に関する物性研究を行っています。特に、スピンギャップを持つ二脚ラダー系(SrCu₂O₃など)や、スピンギャップなしの三脚ラダー系(Sr₂Cu₃O₅)の磁化率・核スピンリラクゼーション測定を通じて、量子スピン系の非摂動的性質を解明しています。また、ペロブスカイト酸化物における電荷転移・スピン状態の圧力・ドーピング制御や、強誘電性と強磁性を併せ持つ新規双ペロブスカイト材料の設計・合成にも取り組んでいます。
中林孝一教授の研究室では、ラマン分光法を核とした非標識・非破壊の分子解析技術を開発し、生命現象や分子集合の動的挙動を高精度で可視化することを目的としています。特に、細胞内pHや温度のリアルタイム測定、タンパク質の液体-液体相分離(LLPS)のラマンマッピングによる定量的評価が顕著です。また、光励起状態のエネルギー移動や分子内振動緩和の時間分解的解明にも取り組んでおり、物性と生命現象の界面を解明する国際的水準の研究が展開されています。
阿久原梓教授の研究室では、リン含有有機化合物の新規合成とその応用に焦点を当てた研究が進められています。特に、アルキンを用いた立体選択性の高い付加反応や、リン含有骨格を有する新規配位子の開発が特色です。反応機構の解明と同時に、触媒的反応系の開発を通じて、有機合成の効率化と立体選択性の向上を図っています。また、不斉反忡化や水中反応への適用など、実用的で環境に配慮した反応条件の確立にも注力しています。
S. Abe教授の研究室は、ニュートリノ物理学と素粒子・宇宙論の交差点に位置し、主にニュートリノの性質を解明することを目的としています。特に、ニュートリノ質量の性質を解明するための無ニュートリノ双ベータ崩壊の高感度探索や、地球内部の放射性崩壊から発生するGeoneutrinoの測定を通じて、地球内部の熱源を解明する研究を推進しています。また、宇宙線ミューオンによる核反応生成物(スパリケーション核種)の背景機構の解明も重要な研究分野です。
ムハンマド・シャフィーク教授の研究室では、生体適合性ナノファイバー材料の開発に注力しており、特に組織工学や創傷治療を目的とした機能性ナノファイバー接着材やエアロゲルの設計を進めています。反応性酸素種(ROS)の制御や抗菌・抗炎症作用を持つ多機能的 wound dressingの開発も重要な研究テーマです。また、生体分解性ポリマーとナノ材料を組み合わせたスマートな生体材料の開発を通じて、体内での長期的かつ局所的なバイオマoleculeの放出を実現する技術開発を推進しています。
Keiichi Inoue教授の研究室では、光駆動型イオンポンプであるロドプシンを分子標的として、その構造と機能の解明を進めています。特に、プロトンやナトリウム、クロライドイオンを輸送する新規ロドプシンの発見と、光エネルギーを電気的勾配に変換するメカニズムの解明が主な研究テーマです。また、optogenetics応用を視野に入れ、赤色シフトを実現した新規ポンプの開発や、イオン選択性を決定づけるアミノ酸配列の解明も行っています。
Yamanoi教授の研究室は、有機金属化学と触媒反応の分野に焦点を当てており、特にP-キラルジホスホン酸誘導体を用いた高エナンチオステレオ選択的反応の開発や、パラジウムやルイドを触媒とする新しいスケルトン形成反応の確立を進めています。また、自己集合型キレート錯体の設計や、結晶内での力学的変化を示す「サーモサリエンス効果」を持つシリル環状分子の開発など、分子の自己組織化とその機能性に注目した研究も展開しています。これらの研究は、新規触媒開発やスマートマテリアルの創出に貢献しています。
Takuhei Shiozaki教授の研究室では、海洋中の窒素固定微生物(diazotrophs)の生態的役割とその多様性を、主に海洋リン酸塩・鉄循環と結びつけて解明しています。特に、熱帯・亜寒帯海域における窒素固定の空間的・時間的分布、ならびにそのメタゲノム的・遺伝子的メカニズムに注目しており、海洋の栄養循環と生物生産性の制御要因を解明することを目的としています。
Shaoqiang Chen教授の研究室では、半導体ナノ材料を基盤とし、特にペロキシライト系半導体や希土類ドープ半導体を用いた光エレクトロニクスデバイスの開発に注力しています。主な研究対象は、高効率な太陽電池、周波数変換を実現するランダムレーザー、および垂直型レーザー(VCSEL)の実現です。特に、発光メカニズムの解明や、外部量子効率・電荷輸送特性の精密測定によるデバイス最適化が特徴です。
Motonobu Goto教授の研究室は、超臨界フローを用いた環境に配慮した材料創製とプロセス開発を柱としています。特に、超臨界水を用いたナノ粒子の合成・表面制御や、超臨界CO₂を用いた天然有効成分の効率的抽出に注力しており、廃棄物の化学的リサイクルやスラudgeの焼却代替処理など、持続可能なプロセスの実用化をめざしています。
Tajima教授の研究室は、光デバイスとバイオマテリアルの融合を柱とした先端的で応用指向の研究を展開しています。光スイッチング技術では、偏光を分離して高速かつ高効率に動作する全光スイッチの開発を進め、皮相的非線形性の遅れに依存しない超高速スイッチングを実現。一方で、細菌性セルロースを改質したナノセルロース材料の表面制御や、生体高分子の合成反応系を用いたバイオプラスチックの設計にも取り組んでおり、環境に配慮した次世代材料の創出を目指しています。
福田晋司教授の研究室は、腸内細菌と宿主の代謝・免疫応答の関係に注目し、特にプロバイオティクスとしての効果を示すビフィド bacillusや腸内細菌叢の変化が、感染症耐性、糖尿病、心血管疾患など代謝性疾患に与える影響を、ゲノム、トランスクリプトーム、メタボロームの統合的アプローチで解明しています。また、飲料水(炭酸水やミネラルウォーター)の摂取が血糖制御に与える影響や、運動パフォーマンス向上に寄与する腸内細菌の同定についても、臨床的・実験的アプローチを用いて研究を進めています。
Yukako Fujishiro教授の研究室は、トポロジカルなスピン構造とその発現する物性に注目し、磁性体におけるスピンキュリオティスやヘッジホッグ格子といった非自明なトポロジカルスピン状態の制御とその物性を解明することを主眼としています。特に、スピンのトポロジーと電子状態の相関が生む巨大な異常ホール効果や、高圧下におけるスピン秩序の消失に伴う特異な電気的応答の解明を進めています。また、新相の創出や、スピンと電気の相互作用を活かした次世代エレクトロニクス材料の設計にも貢献しています。
Tomoya Higo教授の研究室は、反強磁性体や格子フラストレーションが強いスピン系を対象とし、磁気秩序と量子スピン系の新規物性の解明を主眼としています。特に、磁化がほとんどないにもかかわらず強い電気的・磁気的応答を示す反強磁性スピンスケールの新規材料(例:Mn₃Sn、Yb基チalcogenidesスピンゲル)の創出と、そのスピン秩序制御技術の開発を進めています。また、スピントロニクス応用に向けた、反強磁性体を用いた磁気メモリやスイッチング素子の実現可能性を追求しています。
Akira Kakugo教授の研究室では、生物学的分子モーター(キネシン、アクチン・ミオシンなど)を用いた人工分子マシンの設計・構築を柱として、自己組織化とエネルギー駆動による動的自己集合のメカニズムを解明しています。特に、DNAオリガミを用いたナノ構造の設計と、それを基盤とするマイクロチューブ・キネシン系やアクチン・ミオシン系の機能的アセンブリーシステムの開発が進んでいます。これらのシステムは、ナノスケールでの物質輸送や、人工筋・アクチュエータに応用可能な自己駆動型マクロマシンの実現を目指しています。