東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
伊井井秀明教授の研究室では、ネットワーク化された制御システムや分散型アルゴリズムの理論的基盤を研究しています。特に、制限された通信帯域幅を持つネットワークを介した制御系の安定化、特にドアタイム制御を用いたスイッチング制御則の設計に注力しています。また、PageRankのような分散アルゴリズムの収束性や、複数のリーマン多様体を用いた非線形システムの制御理論にも関心を示しています。
田中元氏の研究室は、膜バイオフィジクスを基盤とし、細菌の外膜を模倣したモデル膜系の構築とその物理的性質の解明を主眼としています。特にリポポリサッカライド(LPS)を用いた単層膜を用い、カルシウムイオンの影響が膜構造に与える影響をX線反射とモンテカルロシミュレーションで解析しています。また、生体膜の位置選択的固定や、ポリマー スパacersを介した膜受容体の接着性向上といった、バイオセンサーや医療デバイス応用にもつながる基盤技術の開発も進めています。
金先生の研究室では、酸化物半導体やペロブスカイト酸化物を対象に、スピン・電気・格子の相互作用を制御する新規機能材料の創出をめざしています。特に、ドーピングや応力誘起構造変化によって生じるフェロエレクトリシティや強誘電性の制御、ならびにそのメカニズムの解明が中心です。また、電子配置や格子歪みの制御による発光特性やトポロジカルな輸送性の発現についても、第一原理計算と実験的・構造的・電気的・磁気的評価を融合して研究を推進しています。
Tatsuo Shioda教授の研究室は、ウイルスの病原性と宿主細胞への侵入機構の分子メカニズムを解明することを主眼としています。特にHIV-1のエンVELOPE糖たんぱく質のV3領域がウイルスの細胞 tropism を決定する鍵であることを明らかにし、CD26やCCR5といった宿主因子との相互作用についても深く研究しています。また、ウイルスに特異的な制限因子(例:TRIM5α)の機能解明を通じて、感染阻害のメカニズムを分子レベルで解明しています。
本研究室は、高齢者の健康維持・機能維持を目的とした和剤(漢方薬)や鍼灸・もくい灸を含む代替医療の科学的根拠の確立に注力しています。特に、高齢者に多い機能性便秘や虚弱状態に対する『大建中湯』や『当帰レモン』などの和剤の臨床的有効性を、臨床試験や血流評価(カラー・ドレーブル画像法)を用いて検証しています。また、感染症や神経炎症に関連する疾患に対しても、和薬の抗炎症・抗ウイルス作用の可能性を研究しており、予防的・治療的応用の可能性を幅広く探っています。
王洪生教授の研究室は、エネルギー変換・貯蔵技術の革新をめざし、特に酸化物セラミックスを用いた高効率なアンチフェロエレクトリックキャパシターや、太陽光を活用した水素製造プロセスの開発を主な研究テーマとしています。また、炭素捕集・利用・封存(CCUS)技術と組み合わせた低炭素水素生産システムや、希土類元素を用いた次世代機能性金属錯体の設計にも取り組んでいます。これらの研究は、クリーンエネルギーの実現に向けた革新的なソリューションを提供することを目的としています。
Nakamura教授の研究室は、主に医療・バイオテクノロジー分野における生体材料の応用と、その周辺の生体反応メカニズムを解明することを目的としています。特に、インプラント周囲炎のメカニズムや、表面処理されたチタンインプラントの組織反応を比較・評価する生体適合性研究が中心です。また、社会的課題と技術の融合を図る応用研究として、食料損失削減のための共有型ビジネスモデルや、社会的起業家活動の地域的要因の分析も行っています。
Genji Kurisu教授の研究室は、膜タンパク質や金属酵素の構造生物学に焦点を当てており、特に光栄養生物における電子伝達系や金属イオンを含む酵素の構造と機能の解明を進めています。特に、光システムI・II間の電子伝達を担うcytochrome b6f複合体や、[FeFe]-ヒドロゲナーゼ、チロシナーゼ、硫酸塩還元酵素などの金属中心酵素の立体構造と反応機構を、X線結晶構造解析や低温電子線画像法を用いて解明しています。また、合成モデルと酵素の統合による半合成酵素の構築や、酵素の成熟過程における構造的変化の解明にも取り組んでいます。
Mio Kondo教授の研究室は、地球に豊富に存在する第一遷移金属を用いた分子触媒の開発に注力しています。特に、水酸化反応と二酸化炭素還元反応の触媒的制御を柱とし、人工光合成に不可欠な酸素発生と炭素還元の効率的実現を目指しています。金属ポルフィリンや金属有機フレームワーク(MOF)を基盤に、可視光応答性・高活性触媒の設計と創出を進めています。
石川拓児教授の研究室では、低レイノルズ数下での微生物の泳動挙動とその流体力学的相互作用に注目し、細胞集団が示す自己組織化構造や流動特性の解明を進めています。主に「スクイマー」モデルを用いた数値シミュレーションと実験的検証を通じて、細胞同士の水圧的相互作用が集団運動やバンド形成、凝集構造をどのように誘導するかを解明しています。特に、生物的反応よりも流体力が支配的であることが示される現象の解明が、生物対流や細胞集団の力学的理解に貢献しています。
Torimoto教授の研究室では、イオン液体を用いたナノ粒子の創製や、光触媒を応用した環境浄化・エネルギー変換技術の開発を柱としています。特に、金属ナノ粒子の無リーディングな合成や、光吸収特性を制御した半導体ナノ材料の設計が特徴です。また、光触媒の効率を向上させるための界面制御や、ナノスケールでの電場効果の利用にも注力しています。
Gavin R. McCormack教授の研究室は、都市環境の特性が人々の身体活動にどのように影響するかを、主に都市計画と公衆衛生の視点から研究しています。特に、歩行行動に影響する環境要因(目的地までの距離、地域の歩行性、公園の特性など)を、主観的認識と客観的測定の両面から分析しています。また、パンデミック下における親の不安が子供の身体活動に与える影響や、季節的要因が身体活動に与える影響についても探求しています。
Kaori Sugihara教授の研究室では、分子間力を利用した膜タンパズルやバイオセンシング材料の開発を柱としています。特に、砒素・ tellurium を中心とするpnictogen・chalcogenボンドを用いた膜透過性を有する超分子アミフォイルの設計や、ポリジアセチレンのナノスケールでの機械的応答(メカノクロミズム)の解明が進んでいます。また、膜タンパズルの長期的安定性や、ペプチドが脂質相転移に与える影響といった、膜生物学的メカニズムの解明も併行して行っています。
細川正夫教授の研究室は、有機半導体材料の分子設計とそのナノスケールでの自己組織化メカニズムに焦点を当てており、特にπ共有結合を有する有機分子からなる単一結晶薄膜の高効率な形成技術を開発しています。溶液プロセスを用いたウェーハスケールの均一な単分子層形成や、幾何的フラストレーションを応用した多層積層の抑制技術により、高 mobility な有機トランジスタの実現を目指しています。また、Mott絶縁体や電荷移動錯体を用いた新規有機半導体の電子状態と場効果特性の解明も進んでいます。
Kamei教授の研究室は、再生医療やドラッグディスcoveryを実現するための先端的マイクロフルイディクス技術と stem cell の制御を柱としています。特に、ヒト人工多能性幹細胞(hPSC)の定量的・リアルタイムな解析を可能にする統合型マイクロチップや、3次元的なマイクロ環境を再現するハイドロゲル搭載デバイスの開発が進んでいます。また、生体適合性ナノ粒子の設計や、進化的適応の遺伝的基盤の解明にも取り組んでおり、医療・材料・生命科学の境界を越えた応用研究を推進しています。
磯田陽一教授の研究室では、スピントロニクス分野における新規磁性酸化物およびナノスケール磁性体の制御を柱に、電圧駆動型磁化スイッチングやスピン波の非再帰的伝播、強相関スピン波結合の実験的実現を追求しています。特に、FeCoB/Ru/FeCoB系を用いた合成反強磁性体におけるスピン波の強相関結合や、電圧による垂直磁気異方性の制御は、次世代低消費電力スピントロニクス素子の基盤技術として注目されています。
Somia教授の研究室は、細胞間コミュニケーションを担うエクストラセルラーベシクル(EV)の機能解明と、その応用技術開発を柱としています。特に、牛乳由来のEVを効率的かつ高純度に分離する新規プロトコルの開発や、EVの細胞内への荷物送達メカニズムをリアルタイムで可視化するためのバイオセンサー技術(NanoBiTシステムを応用)の開発が進んでいます。また、ウイルスを模倣した高効率なドラッグデリバリー・システムの設計にも取り組んでおり、医療応用に向けた基盤技術の確立を目指しています。
Daniel Orejón教授の研究室は、液体の界面現象とその制御を核として、液体の動的挙動、特に蒸発・凝縮・濡れ性制御に注力しています。特に、ナノ粒子添加液や3次元構造を有するスピンオフ材料を用いた太陽光駆動淡水化技術の開発が中心であり、耐塩性・耐久性に優れた高効率な水処理・淡水化デバイスの創出を目指しています。また、電気的制御による液体の濡れ性制御(電気濡れ性)や、非被覆型非親水的金属表面の開発など、応用に強い界面工学的アプローチを展開しています。
Takashi Hirano教授の研究室は、主に熱帯の泥炭土壌が蓄える炭素の動態に注目しており、特にスワムフォレストと関連した泥炭地の炭素収支とその変化要因を、火災や排水、気候変動の影響を含めて解明しています。長期間にわたるフィールド観測とエディ・コバリアンス法を用いた高分解能のガスフラックス測定を通じて、炭素循環における生態系の役割を定量的に解明しています。また、気候変動に伴う炭素放出のメカニズムや、炭素源から炭素吸収源への転換のメカニズムの解明を目的としています。
Kasai教授の研究室は、精神疾患、特に統合失調症の神経生物学的基盤を解明することを目的としており、脳の構造的・機能的異常、特に側頭洞・辺縁系領域の変化に注目しています。特に初発性の統合失調症患者における脳灰白質体積の進行的減少や、言語処理に関連する前頭側頭ネットワークの機能障害を、大規模なマルチサイト研究を通じて解明しています。また、統合失調症と気分障害の神経構造的差異を解明し、病態の違いを解き明かすことを目指しています。