東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
高尾弘義教授の研究室は、統合失調症の治療における薬物療法の最適化を主眼としており、抗精神病薬の併用療法が心電図のQTc延長に与える影響や、最小有効投与量の特定、クロアズパミンの服用継続率の検証など、臨床的実務に即した有効性・安全性の解明を進めています。特に、長期的治療経過における症状の推移や、薬物の切り替え戦略の検討を通じて、患者個別のニーズに応じた個別化医療の実現を目指しています。
Kimihiro Hino教授の研究室は、都市環境と健康行動の関連を解明することを目的としています。特に、歩行行動の変化や都市環境要因(歩きやすさ、都市農業、住環境の整備など)が高齢者の健康に与える影響を、大規模な実証データを用いて分析しています。近年の社会的変化に伴う歩行行動の変化や、健康促進のための都市的インフラの有効性についても、多分野連携の視点から研究を展開しています。
Zhang教授の研究室は、ウイルスの構造と宿主の免疫応答の分子機構を解明するため、構造生物学的手法(特に低温電子線回折とクロスセクション解析)を駆使した研究を展開しています。SARS-CoV-2の膜タンパク質やTLR7によるRNA認識の構造的基盤を解明し、ウイルスの胞内成熟や先天免疫応答の制御メカニズムの解明を目指しています。また、半導体デバイスの新構造(ReS/D SOI MOSFET)の開発を通じて、次世代集積回路の性能向上にも貢献しています。
ベンジャミン・マクレラン教授の研究室は、低炭素エネルギー技術の持続可能性に焦点を当てており、特にレアメタルの供給安全保障とグリーン水素のコスト削減に注力しています。環境的・社会的影響を考慮した持続可能なエネルギーインfraの設計や、自然災害に強いエネルギーシステムの構築についても包括的なアプローチをとっています。今後の技術革新と政策意思決定の基盤となる、包括的で定量的な分析を推進しています。
Yuting Guo教授の研究室は、神経炎症・脳出血の病態メカニズム解明と、マイクログリアの活性化・極性制御に注目した神経保護戦略の開発を柱としています。同時に、界面熱伝達の分子機構を解明するため、分子動力学シミュレーションを用いたサーファクタントと固体界面の相互作用の研究も進めています。特に、半導体デバイスの熱管理に応用可能なポリマー系熱界面材料の性能向上に寄与する界面現象の解明が目指されています。
Kenta Kiuchi教授の研究室は、一般相対性理論と磁気流体力学を統合した数値相対論的手法を用いて、中性子星合体やブラックホール-中性子星系の高精度な数値シミュレーションを実施しています。特に、合体過程における磁場増幅機構や、ケルビン=ヘルムホルツ不安定性や磁気軸対称不安定性に起因する乱流的運動の解明に注力しており、高解像度スーパーコンピュータ「K」を駆使した世界最高水準のシミュレーションを実現しています。また、重力波・光の対応関係を解明するためのキロノーバ(macronova)の発光機構や、高エネルギー天体現象のメカニズム解明にも貢献しています。
Tomoko Matsuda教授の研究室は、酵素を用いたエナンチオ選択的還元反応の開発に注力しています。特に、Geotrichum candidum由来のアルコールデヒドロナーゼを用いたキラルアルコールの合成や、超臨界二酸化炭素中での酵素反応の応用が特徴です。反応の立体選択性の制御や、反応効率・環境適合性を高めるための新規プロセス開発が進められています。
Yoichi Murakami教授の研究室では、ナノスケールの機能性材料、特にシングルウォール・カーボンナノチューブ(SWNT)の光学的・物性特性と、それらを応用した光変換技術の解明を主な研究テーマとしています。特に、配向制御されたSWNT膜を用いた偏光依存性吸収測定や、励起子のダイナミクス、光励起による発光の飽和現象の解明を通じて、ナノ材料内での励起子の挙動を定量的に理解することを目指しています。また、タンパク質相互作用予測のための新規バイオインフォマティクス手法の開発や、光エネルギー変換の新規メカニズムの解明にも取り組んでいます。
Imashuku教授の研究室では、酸化物ペロブスカイトや窒化物・酸化物不純物の微細構造と物性を、電子線・X線励起発光(CL, XEOL)を活用した高分解能分析技術を用いて解明しています。特に、燃料電池用酸化物固体電解質のプロトン伝導性向上や、鋼鉄材料中の不純物相の迅速同定を目的とした分析手法の開発が進んでいます。微視的構造と物性の相関を解明するため、電子プローブ・顕微分析と併用した先進的な分析技術の応用が特徴です。
K. Nakayama教授の研究室は、強相関電子系の電子構造を高分解能角分布光電子分光法を用いて精密に解明する研究を展開しています。主な対象は鉄系超伝導体やkagome金属、トポロジカル絶縁体などであり、超伝導、電子秩序状態、スピンオービタルの相互作用といった現象の微視的メカニズムを解明することを目的としています。特に、電子秩序と超伝導の競合・協調のメカニズム、およびその界面に現れる新規量子状態の探索が中心的テーマです。
Kuchitsu教授の研究室では、細胞内の膜交通とオートファジーの分子メカニズムに注目し、特にSTINGシグナルの制御と、オートファジー・リサイクル経路におけるRab7の機能を解明しています。STINGの細胞内移動と分解機構、ならびにリサイクルエンドソームを介したマイクロオートファジーの役割を、超高解像度顕微鏡や遺伝子ノックアウト技術を用いて解析しています。この研究は、感染症、慢性炎症、加齢関連疾患の理解に貢献する基盤を提供します。
Yuta Tsuji教授の研究室では、分子や界面における電子状態と反応性の関係を理論的・計算的手法を用いて解明しています。特に、酸化 iridium(IrO₂)表面でのメタンの強力な吸着とC–H結合の室温分解反応機構の解明が柱であり、電子状態の歪みや量子干渉効果が反応性に与える影響を分子軌道理論と第一原理計算で分析しています。また、芳香族分子の電子伝導制御や、ナノスケール界面の接着性・電子的性質の理解にも取り組んでいます。
竹岡晋司教授の研究室では、半導体ナノ結晶(シリコン・ゲルマニウムナノクリスタル)のサイズ依存性発光特性や、生体適合性・生分解性を有する自由体ポリマー・ナノシートの開発を柱としています。特に、ナノスケールの半導体材料における量子制御や発光メカニズムの解明、および医療応用に向けた生体適合ナノシートの接着性・機械的強度の向上を追求しています。また、ミトコンドリアの温度をリアルタイムで可視化する新規蛍光プローブの開発にも成功しており、細胞内エネルギー代謝の理解に貢献しています。
Yun-Gi Kim教授の研究室は、腸内細菌叢が宿主の免疫応答や代謝・酸化的なストレス応答に与える影響を、特に新生児期の免疫不全や病原体耐性のメカニズムに注目して解明しています。特に、Clostridialesなどの特定の腸内細菌が病原体侵入を防ぐ「コロニゼーション抵抗性」を担う仕組みや、D-アミノ酸や反応性硫黄種(RSS)が腸内生態系を制御する役割を明らかにしています。また、Nod2受容体の変異が炎症性腸疾患の発症に与える影響や、糖アルコールの腸内代謝による下痢抑制機構についても、微生物と宿主の相互作用を解明しています。
Yoshimi教授の研究室では、フォトニクスとトポロジカル物性の融合を軸に、半導体スラブを用いたバルク・フォトニクス結晶(VPhC)を基盤とする、光の制御と集積化に特化した研究を展開しています。特に、トポロジカル保護された光波ガイドと遅い光モードの実現により、小型で高機能な光集積回路(PIC)の実現を目指しています。実験的・数値的アプローチを併用し、波ガイド結合効率の向上や、曲がり角での光伝送の耐障害性の実証も行っています。
Satoshi Iwakami教授の研究室は、農業生態系における除草剤耐性の分子機構を解明することを目的としています。特に、エコノクロア・フィリロポゴンという雑草が複数の除草剤に耐性を示すメカニズムとして、サイトクロムP450酵素の過剰発現が果たす役割を重点的に研究しています。また、除草剤代謝酵素の遺伝子同定や、耐性の遺伝的・発現的基盤の解明にも取り組んでいます。
Hao Li教授の研究室では、土木・機械・材料分野の融合的アプローチを通じて、タイヤ–土壌相互作用の高精度な数値シミュレーションとその応用を主な研究テーマとしています。特に、有限要素法や解析的モデルを用いたタイヤの動的挙動と土壌圧密のメカニズム解明が進んでおり、農業や建設現場における土壌劣化の低減に貢献する技術開発が行われています。また、画像認識技術を応用したタイヤ摩耗診断や、構造物の健全性評価、液体冷却板の最適設計など、多様な応用分野への展開も目立っています。
Gert-Jan Bekker教授の研究室は、構造生物学と計算化学を融合した分子動力学的シミュレーションやウェブベースの分子可視化技術を駆使し、タンパク質の構造・安定性・結合メカニズムを解明することを目的としています。特に、抗体や単ドメイン抗体の熱的安定性や薬物標的結合のメカニズムを、高精度な分子動力学シミュレーションと独自開発のWebベース可視化ツールMolmilを用いて解析しています。また、計算で得られた構造データの公開・共有を促進するデータアーカイブ「BSM-Arc」の構築にも貢献しています。
東教授の研究室は、食事・栄養因子と慢性疾患の関連に注目し、特にマグネシウムや食物グリセミックインデックス、プロバイオティック fermented ミルク、地中海食などの食事パターンが2型糖尿病や心血管疾患、がんなどの発症リスクに与える影響を、メタアナリシスを用いて系統的・定量的に解明しています。疫学的・臨床的エビデンスの統合的分析を通じて、食事と健康の因果関係を解明する国際的な研究が特徴です。
Jieun Jung教授の研究室は、主にレアメタルを含まない高機能触媒の開発に注力しており、特にイridiumやマンガンを用いた光触媒反応が中心です。CO₂の効率的還元や芳香族炭化水素の酸化反応において、高選択性・高活性を示す新規錯体触媒の設計と反応機構の解明を進めています。理論的アプローチ(DFT計算)を組み合わせた包括的研究により、触媒中心の電子状態や反応経路の理解を深めています。