東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
南原圭一教授の研究室では、バクテリアの鞭毛の構造とその動的形成機構を、高分解能構造解析とライブセルイメージングを融合して解明しています。特に、鞭毛のタンパク質輸送機構やモーターのエネルギー変換メカニズムに注目し、分子レベルでの自己集合と制御機構を解明しています。また、膜貫通型のタンパク質輸送系の構造的・機能的基盤を解明することで、微生物の運動性とその制御の普遍的メカニズムを解明しています。
本研究室では、全固体セラミック電池の高効率化を目的として、電極・固体電解質界面のナノスケールにおけるイオン・電子移動挙動の理解を深め、Liの化学ポテンシャル分布に着目したコーティング設計の指針を提案しています。特に、酸化物系固体電解質やリチウムランゲタイト系正極材料の界面特性制御、ならびに酸化バナジル系ペロブスカイト薄膜の疲労・インプリント特性の向上にも注力しています。また、神経科学的・社会的視点からスマートフォン使用行動の非言語的コミュニケーションとしての側面にも関心を有しています。
Go Hirai教授の研究室は、糖脂質やグリココンジュゲートの生物学的機能を解明するため、酸化的に不安定な酸化糖結合を代替する安定なC-グリコシド骨格を有する新規糖類似体の合成を主眼としています。特に、CF₂結合を導入したサリダーゼ耐性グリコシドや、C-グリコシド化反応を用いた立体選択的合成法の開発が特徴で、がん治療薬の類縁体や糖鎖機能解析用プローブの創出を目指しています。近年は、O-グリコシド結合に類似したCH₂やCHF結合を導入した「リンクレージェーニング戦略」を用いた擬似糖鎖の設計・合成にも展開しています。
Kun Qian教授の研究室は、行動・認知神経科学の視点から、人間の行動や認知、感情の背後にある神経的・心理的メカニズムを解明することを目的としています。特に、パンデミック下における人々の行動や意識の変化、食料廃棄や昆虫食への態度、視覚錯覚の神経基盤といったテーマを通じて、社会的・文化的要因と神経生理的反応の関係を探究しています。近年では、睡眠・麻酔の神経回路メカニズムにも進出しており、神経科学的・行動科学的アプローチの融合が特徴です。
Atsushi Kobayashi教授の研究室は、主に銅(I)錯体ならびにパラジウム・イridium錯体を対象に、外部刺激(熱・蒸気・光・圧力)に応じて発光特性を変化させる「クロミック発光材料」の開発を進めています。特に、四核型銅クラスターとダイナリック銅錯体の構造・発光機構の解明に注力しており、機械的圧力や揮発性蒸気による発光色の可逆的変化を実現する新規センサー材料の創出を目指しています。また、高圧下での超伝導転移を示す金属錯体の研究を通じて、分子性超伝導体の理解を深めています。
井上浩明教授の研究室は、溶液系を用いた無機酸化物薄膜のエピタキシャル成長や、ナノ構造材料の制御的合成を主軸としています。特に、亜鉛酸化物(ZnO)の結晶成長機構や、アルミナ膜内でのナノサイズの空洞構造を有するジルコニアやチタニアの形成に注力しており、生物模倣的プロセスを応用した階層的構造材料の創出にも取り組んでいます。また、エキシマレーザー照射による酸化ケイ酸ガラス内の欠际と光学的欠际の生成挙動の解明も重要な研究テーマです。
伊賀梨教授の研究室は、主に日本における慢性疾患の治療・管理に関する経済的・社会的影響を評価する健康経済学を柱としています。高血圧、2型糖尿病、認知症、HCV感染症など、幅広い疾患領域において、デジタルセラピューティクスや新薬のコストエフェクテイビティを定量的に分析しています。特に、医療技術の導入にあたっての意思決定を支援するためのWTP(支払い意思額)やQALY(質的調整生存年)を用いた健康技術評価(HTA)の実践的応用に注力しています。
Matija Milosevic教授の研究室では、脊髄刺激を用いた神経機能回復のメカニズム解明と臨床応用を主眼としています。特に頸椎部への経皮的脊髄刺激(tSCS)が上肢の運動機能回復にどのように作用するかを、神経生理学的・計算モデル的手法を用いて解明しています。また、機能的電気刺激(FES)が脳や脊髄に及ぼす長期的神経可塑性の変化についても、TBIや脊髄損傷後の神経回復に焦点を当てた研究を進めています。
趙陽教授の研究室は、超短パルスレーザー技術とその応用を核として、フェムト秒・ペタワットクラスの超高強度レーザーの創出と制御を研究しています。特に、波面歪みやスパティオテンポラルカップリングが引き起こすパルス歪みの解析や、超帯域幅のパラメトリック増幅、および光パルスの前縁形状を制御することで群速度をプログラム可能にする新規な光パケット生成技術に注力しています。これらの研究は、次世代のエクサワットクラスレーザーの実現に向けた基盤技術の確立を目的としています。
ドナート・ジオヴァネッリ教授の研究室は、極限環境に生息する微生物、特に深海熱水噴出孔や浅海熱水系に生息する好熱・嫌気性微生物の代謝機構と進化を解明することを主眼としています。特に、地球の初期環境に類似した環境に適応した微生物のゲノム解析を通じて、生命の起源や金属イオンが果たす赤酸化反応の役割を解明しています。また、炭素を含む鉱物の進化と生命の関係についても、データ駆動型のアプローチで研究を展開しています。
Kanamori教授の研究室は、医療施設における病原体の環境的要因や感染経路を解明することを目的としています。特に、水や建材、医療機器、手術用ガーゼなど、医療環境に存在する物質が感染症の原因となるメカニズムを分子生物学的手法を用いて解明しています。近年では、全ゲノム解析を活用した多剤耐性病原体の伝播ネットワークの解明にも注力しています。
Otsuka教授の研究室では、宇宙機器や次世代航空機に応用可能な大変形・高柔性構造物の高精度なマルチボディダイナミクス解析を目的として、絶対座標座標法(ANCF)を基盤とする非線形有限要素法の理論的・応用的展開を進めています。特に、太陽パンルや展開翼構造の展開挙動シミュレーション、高スパンチャージ比のフレキシブルな翼の空力弾性解析に注力しており、計算効率と数値的安定性の両立を実現する新規要素法の開発が中心です。
大西仁教授の研究室は、特に発展途上国を対象とした感染症の疫学的・分子疫学的解析を柱としています。インフルエンザやエントロウイルス、RSV、ヒトルーブウイルスCなどの呼吸器ウイルスの病原性・流行パターンを、現地の臨床・流行データと分子生物学的手法を融合して解明しています。特に、医療インfraの限られた地域におけるウイルスの実態把握と、感染制御に資する疫学的知見の提供を目的としています。
本田謙也教授の研究室は、腸内微生物と宿主の免疫系の相互作用に焦点を当てており、特に口腔由来細菌が腸管に異所的定着することで引き起こされる慢性炎症や自己免疫疾患の発症機構を、無菌動物を用いたバイオテクノロジー的手法を駆使して解明しています。特に、腸内に定着する『クラスルーブス属』細菌がTヘルパー1細胞を強力に誘導し、遺伝的素因を持つ宿主で重度の腸管炎症を引き起こすメカニズムを解明しています。また、Toll様受容体とインターフェロン経路のクロストークが免疫応答をどのように調節しているのかも、分子細胞生物学的手法を用いて解明しています。
Michisuke Yuzaki教授の研究室は、脳内のシナプス形成と機能維持を規定するシナプスオーガナイザーの分子機構を解明することを主眼としています。特にCbln1-GluD2-Neurexinシグナル伝達系の構造的・機能的メカニズムを解明し、神経回路の形成と可塑性の分子基盤を解明しています。また、合成シナプスオーガナイザーの開発を通じて、神経疾患におけるシナプス機能の回復にも貢献しています。
伊曽保木晃弘教授の研究室は、生体細胞の高スループットな個別分析と精密操作を実現するため、マイクロフルイディクスと画像処理技術を融合した次世代の細胞分離・分析技術を開発しています。特に、AIを活用した画像認識型細胞ソーティング(iIACS)や、高解像度イメージングと深層学習を組み合わせた流式細胞計測(dIFC)により、単一細胞レベルでの機能解析を可能にしています。また、細胞に与える物理的ストレスを最小限に抑えるマイクロコンパートメント技術の開発も進め、真の個別細胞研究の基盤を築いています。
Hagiwara教授の研究室は、細胞内シグナル伝達の分子機構に焦点を当てており、特にMAPキナーゼ経路やcAMP/PKA経路におけるキナーゼの活性制御、ならびにスプライシングの調節機構の解明を主な研究テーマとしています。特に、TAK1やMAPKK6、SRプロテインキナーゼといったシグナル伝達分子のリン酸化制御とその機能的役割の解明が進んでいます。また、疾患関連のスプライシング異常や自己免疫疾患に関連する新規抗原の同定にも取り組んでいます。
Ajay Kumar Mishra教授の研究室は、土壌塩害の低減と持続可能な農業を実現するための先進的技術開発に注力しています。特に、ナノコンpositesを用いた土壌浄化技術や、気候変動に強い農業慣行(CA)の導入による土壌炭素固定の促進を主な研究テーマとしています。また、ユーカリを用いた炭素吸収・貯蔵メカニズムの解明や、農業生産性の向上に資する環境に配慮した技術の開発も進めています。
アンドレアス・ドイクト教授の研究室は、非平衡統計力学と情報理論の接点に立脚した、確率的・非平衡系におけるエネルギー変換と情報の関係を解明する研究を展開しています。特に、ランジュバン系における一般化された電流の上限や、エントロピー生成と揺らぎの関係を示す「熱力学的不確実性関係」の高次元化や一般化に貢献しています。また、ナノスケールの熱機関やレバテッド粒子を用いた全光的制御の熱機関の理論的設計にも取り組んでおり、効率と出力のトレードオフを解明しています。
Netrananda Sahu教授の研究室は、気候変動が農業・水資源・生態系に与える影響を、主にインドの地方的・地形的特徴を持つ地域を対象に分析しています。特に、キョウト・ボランギル・コラプット(KBK)地域やヒマーラヤ地方における降雨水準と気温の長期的変化、およびそれらが農業生産や水資源管理に与える影響を統計的手法と地理的情報を統合して研究しています。また、気候変動に伴う果樹の生育域の上昇や、小規模水力発電が河川生態系に与える影響についても包括的なアプローチをとっています。