東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kishimoto教授の研究室では、固体酸化物燃料電池(SOFC)の高効率化と長寿命化を目的として、微細構造と反応挙動の関係を解明する多スケールな数値シミュレーションと実験的手法の統合的研究を推進しています。特に、FIB-SEMを用いた3次元微細構造観察、ナノスケールの輸送現象モデリング、およびアンモニア燃料を用いたSOFCの反応機構解明が柱です。これにより、効率的で安定した燃料電池の設計・開発に貢献することを目的としています。
松岡正夫教授の研究室は、ヒトT細胞 leukemia バイrus(HTLV-1)関連疾患、特に成人T細胞 leukemia(ATL)の発がんメカニズムと病態を解明することを主眼としています。Tax遺伝子の機能喪失やHBZ遺伝子の恒常的発現がATL発症に与える影響、ならびに高カルシエミアや免疫逃避の分子機構について、遺伝子発現解析や細胞生物学的手法を駆使して研究を進めています。特に、HTLV-1の持続的感染とT細胞の悪性変化の関係に注目した基盤的研究が特徴です。
Masae Kuboniwa教授の研究室では、歯周病の発症・進行に関与する口腔微生物の多様な代謝相互作用やバイオフィルム形成機構を、分子生物学的手法と代謝プロファイル解析を融合して解明しています。特に、Porphyromonas gingivalis や Fusobacterium nucleatum といった病原性関連細菌が、ストレプトコックス属細菌と協同して形成する多種微生物共生コミュニティの機能的基盤を追求しています。また、唾液中の代謝物を用いた疾患の非侵襲的バイオマーカー探索も進め、臨床応用に向けた基盤を構築しています。
伊藤隆明教授の研究室は、高齢期における健康格差や慢性疾患の社会的要因に注目した研究を展開しています。特に、低用量背痛や虚弱状態の回復における社会的経済的地位の影響、および終末期ケアの在り方に関する地域差の解明が主な研究テーマです。また、稀な疾患例の報告を通じて、臨床的・病理学的知見の蓄積にも貢献しています。
Michio Kondoh教授の研究室は、生態系の安定性と多様性の維持メカニズムを、理論的・数理的アプローチを用いて解明しています。特に、捕食・共生・競争といった複数の相互作用タイプが共存する複雑な食物網の動的安定性や、適応的摂食行動が生態系の持続可能性に与える影響を重点的に研究しています。また、環境DNAを用いた生物多様性のモニタリング手法の開発や、昆虫の繁殖戦略の進化メカニズムの解明にも取り組んでいます。
Amane Makino教授の研究室は、C3被子植物の光合成機構と栄養素(特に窒素)の代謝的制御を解明することを主眼としています。特に、ルビスコ(Rubisco)の合成とその制御、窒素供給が光合成能力に与える影響を、水耕栽培を用いた精密な実験によって解析しています。また、大気CO2濃度上昇が長期的に植物の光合成に与える影響についても、栄養素動態と連携して研究しています。
Yuta Suzuki教授の研究室は、主に循環器疾患の予防とリスク評価に焦点を当てた疫学的・臨床的研究を推進しています。特に、糖尿病や高血圧を有する若年層から高齢者にかけての心血管リスクの年齢依存的変化や、SGLT2阻害薬の心血管的有益性を大規模リアルワールドデータを用いて解明しています。また、運動動作のバイオメカニクスや生活習慣病の予防戦略についても、運動生理学的視点から多角的な研究を展開しています。
Ohta教授の研究室は、生体分子を模倣した機能的ナノ材料の開発を柱としています。特にDNAを用いたナノ粒子アセンブリーや、脳への薬物送達を支援する血脳関門開放技術の開発が顕著です。また、土壌中の栄養循環やナノゲルを用いたがん治療など、バイオメディカルおよび環境科学の分野にも広がる応用研究を展開しています。
Wen Wen教授の研究室では、行動とその結果の間にある「自己効力感(sense of agency)」や「コントロールの感覚」が、認知的プロセスや注意の配分にどのように影響するかを、行動実験と脳波計測(EEG)を用いて解明しています。特に、自動運転やインタラクティブなタスク環境における人間の制御感覚の維持や喪失のメカニズムに注目しており、認知的負荷や時間的遅延が自己効力感に与える影響を実験的に分析しています。また、空間的知識の獲得における作業記憶の役割や、方向感覚の違いが行動制御に与える影響についても、双対課題法を用いて研究を進めています。
Yotsuyanagi教授の研究室は、ウイルス性肝疾患の病態解明を柱とし、特に非B・非C型肝細胞癌の原因ウイルスとしてのヘパチティスBウイルス(HBV)の「潜伏的感染」や、TTV、HAVなど他のウイルスの感染動態に注目した分子疫学的研究を推進しています。特に、血液中や便中におけるウイルスRNAの検出法の開発と、感染の持続期間や病原性の解明に貢献しています。また、HBVの遺伝子型と臨床経過の関連性についても、日本各地の患者を対象に大規模な疫学的解析を実施しています。
Umeharu Ohto教授の研究室は、リセプター・リガンド相互作用の構造生物学的解明を柱としており、特にToll様受容体(TLR)やNLRP3インフラマスなど、先天免疫応答を制御するタンパク質の構造と機能の解明を進めています。LPS認識のMD-2・TLR4複合体や、TLR8の活性化機構、NLRP3インフラマスの阻害機構など、病態関連の分子メカニズムを高精度な結晶構造解析によって解明しています。また、疾患関連SNPsの構造的影響や、酵素阻害剤の作用機構についても、創薬的応用を視野に入れた研究を展開しています。
Shing-Chi Leung教授の研究室では、ニュートリノ星や白色矮星、赤超巨星といった高密度天体の構造と動的挙動を、一般相対性理論に基づく二流体形式を用いて精密に解明しています。特に、非自己相殺型のダークマターが含まれる中性子星や白色矮星の安定性、質量-半径関係、振動モードの解析が中心であり、観測と理論の融合による新規天体の予測を目指しています。近年の超新星やベテルギウスの異常減光現象の解明にも貢献しています。
東海大学医学部の竹生康友教授の研究室は、心臓と脳の相互作用が心筋炎や虚血性心疾患における心臓の肥大反応に与える影響を解明しています。特にToll様受容体2(TLR2)を介したホットショックプロテイン70の炎症反応や、ABCG2/BCRP1による血管内皮細胞の生存と血管新生の制御が心筋梗塞後の修復に不可欠であることを明らかにしています。また、SARS-CoV-2感染に伴う心臓障害や虚血時の「ノーリワール」現象のプラーク特性についても、臨床的・機序的アプローチを展開しています。
Kato教授の研究室では、有機ラジカルの安定化とその機能的応用に注力しています。特に、ニッケル(II)プロフィラピンを基盤とする新規なヘリカルラジカルや、トリメチレンメタン型ジラジカルを有する有機分子の設計・合成を進めています。これらのラジカルは空気・湿気安定性を示し、磁気的・キラル光学的性質を豊富に示すため、次世代のスピンエレクトロニクスやキラルセンサー材料の開発に貢献します。
Yabuuchi教授の研究室は、リチウムイオン電池やナナイオン電池をはじめとする次世代エネルギー貯蔵デバイスの材料開発を主眼としています。特に、酸化物イオンのレドックス反応を利用した高容量正極材料の創出と、その反応機構の解明に注力しています。また、遷移金属に依存しない酸素中心の電荷補償メカニズムの安定化や、ナトリウムイオン電池用の層状酸化物正極材料の構造制御についても革新的な研究を進めています。
Hisayo Yamane教授の研究室は、バラ科果樹(さくらんぼ、ピーチ、スモモなど)の休眠制御と自己不親和性の分子機構に焦点を当てた研究を進めています。特に、MADS転写因子やF-boxタンパク質をはじめとする遺伝子の発現制御が、芽の休眠の開始・解除や交配不親和性にどのように関与するかを分子遺伝学的手法を用いて解明しています。また、低温感受性やS遺伝子の多様性に関する研究を通じて、果樹の生育制御と品種改良の基盤を築いています。
山口慎二郎教授の研究室は、植物ホルモンのジベレリン(GA)とストリゴラクトンのシグナル伝達およびホメオスタシスの分子機構を解明することを主眼としています。特に、ジベレリンの生合成・不活性化機構や、DELLAタンパク質が統合的成長抑制因子として果たす役割、ならびに栄養欠乏に応じたホルモン動態の制御を分子レベルで解明しています。また、光受容体とジベレリンの関連や種子発芽におけるホルモン制御機構についても、遺伝子発現解析や遺伝学的アプローチを用いて研究を推進しています。
北田孝治教授の研究室は、再生医療を基盤にした眼の表面修復技術の開発を主眼としています。特に、自家口腔粘膜上皮由来のキャリアフリー細胞シートを用いたcorneal epithelialの無縫合移植技術の臨床応用に注力しており、両眼性重度眼表面障害の患者に対する視力回復に画期的な成果を上げています。また、高深度透過型OCTを用いた脈絡膜厚の昼夜変動や、眼疾患における脈絡膜・網膜の構造的変化の解明にも取り組んでいます。
中森正行教授の研究室は、筋ジストロフィーをはじめとする神経変性性疾患の分子メカニズムを解明することを目的としています。特に、CTG・CAG反復配列の不安定性とスプライシング異常が筋委縮や神経症状を引き起こすメカニズムに注目し、疾患の重症度や治療反応を示すバイオマーカーの同定を目指しています。また、臨床応用に向けた治療法の開発(例:エリスロマイシン投与)や、筋細胞の未熟化に関連するシグナル経路の解明も進んでいます。
Ryota Shimizu教授の研究室は、酸化物半導体やスピンオーバーラップ材料を対象に、分子ビーム外延やスキャントンネル顕微鏡を用いた原子レベルでの構造・物性制御を追求しています。特に、酸化チタン系酸化物のドーピング制御や、酸化ストリコンチタネートの表面相転移・レコンストラクションの解明が中心であり、次世代エレクトロニクス材料の創出を目指しています。近年では、機械学習とロボット工学を融合した自律的材料合成の実現にも挑戦しており、大規模データ収集と効率的探索の新基盤を構築しています。