東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
マリア・ベルン・アルフォンソ教授の研究室は、海洋環境中のマイクロプラスチックの環境動態と生態影響を解明するため、特に海洋プランクトンを介したマイクロプラスチックの蓄積・移行メカニズムに注力しています。特に、100μm未満の小さなマイクロプラスチック(SMPs)の同定と、それらがゾオプラクトンなどの生物にどのように取り込まれるかを、熱帯地域の湖・海洋環境を対象に解析しています。また、水質管理や気候変動がプランクトンコミュニティに与える影響についても、長期にわたる環境モニタリングと実験的アプローチを併用しています。
本研究室では、上皮細胞のタイトジャンクション(TJ)が果たすバリア機能に注目し、乳腺、気管、胎膜などにおけるTJの構造と機能の制御機構を解明しています。特に、マクロファージや線維芽細胞との相互作用が上皮修復に与える影響や、炎症や感染によってTJが破壊されるメカニズムを細胞・組織モデルを用いて解析しています。また、牛の乳腺上皮細胞を用いたin vitroモデルの構築により、ミルク生産とTJ形成の分子機構の解明を進めています。
アンドレア・フィオラーニ教授の研究室は、電気化学的発光(ECL)を基盤とした高感度・高安定性のバイオセンシング技術の開発を主眼としています。特に、ボロンドーピングダイヤモンド電極を用いたECL発光の制御や、外部添加剤を不要とする内発的過酸化水素生成による発光系の構築が特徴です。細胞イメージングや医療診断への応用を視野に入れ、電極材料と発光プロセスの最適化を進めています。
本研究室は、深海熱水噴出孔および深海堆積物を対象とし、特に熱水システムに由来する希土類元素・レアメタルの蓄積機構や、深海熱水生態系の生物多様性・代謝機構の解明を主な研究テーマとしています。また、深海資源の効率的探査手法の開発や、量子井戸構造を用いた半導体デバイスの理論的解析についても併せて研究を進めています。
李翔沖教授の研究室は、宇宙の構造形成と暗黒物質の分布を解明するため、弱引力レンズを用いた大規模銀河赤方偏移測定を主軸としています。特に、観測データから得られる銀河形状の歪みを高精度に測定するための新しい形状推定手法の開発に注力しており、ノイズバイアスや選択バイアスの解析的補正を実現しています。この研究は、宇宙論的モデルの検証や、標準モデルの限界を明らかにする上で重要な役割を果たしています。
那珂貴志教授の研究室は、ルトエニウムを用いた高効率で選択的な酸化反応の開発を柱としています。特に、酸化的なBaeyer-Villiger反応やアルコールの酸化反応において、反応選択性と反応条件の穏やかさを実現する触媒系の構築が特徴です。また、超音波を用いた可逆的で迅速なゲル化現象の発見など、新しい反応モードの探索にも貢献しています。
Satoshi Imazato教授の研究室は、歯科修復材料のバイオアクティブ化を目的として、抗菌性を有する高分子モノマー「MDPB(メタクリロイルオキシドデシルピリジニウム臭化物)」の開発と応用を主軸としています。このモノマーを樹脂に固定することで、抗菌効果を持続的に発揮しつつ、機械的特性の低下や毒性の懸念を回避する画期的な修復材料の開発が進められています。特に、歯科用プライマーにMDPBを組み込むことで、虫歯の原因となる細菌を効果的に抑制する「抗菌接着システム」の実用化に成功しており、臨床応用に向けた実験的・臨床的評価も精力的に行われています。
白木教授の研究室は、らせん構造を有するバイオマテリアルと有機半導体の協調的相互作用を基盤に、光・電気特性を制御する新規機能性ナノ材料の創出をめざしています。特に、キラルなポリマーとカーボンナノチューブの局所修飾を組み合わせた近赤外発光材料や、外部刺激に応じて発光特性を変化させるスマートマテリアルの開発が特徴です。水中でも高いキャリブレーション発光を示すキラルナノワイヤーの創出や、分子認識に基づく発光スペクトルの精密制御も実現しています。
東田博之教授の研究室では、シンクロトロンX線マイクロトモグラフィーを活用した材料内部の3次元微細構造観察を柱として、疲労割れ、応力腐食割れ、水素脆化、微小空孔の成長挙動など、材料の破壊挙動を高分解能で可視化・定量する研究を進めています。特に、TEMに代わるナノスケールの内部構造観察や、応力・ひずみ場の3次元マッピング技術の開発が特色です。実験的・計測的アプローチに加え、材料の破壊機構解明に貢献する革新的な画像解析手法の構築が目指されています。
Wu教授の研究室は、分子磁性体と多機能分子材料の設計・創出を柱としており、特にスピンカローリング、磁気秩序、スピンクロスオーバー、および磁電効果を示す分子系の開発に注力しています。4d・5d遷移金属錯体やランタニド錯体を用いた単分子磁性体や、スピン状態の制御可能な分子スイッチの開発が進んでいます。また、光と物質の相互作用を制御するためのナノスケールの超構造設計や、電子配置の精密制御による極性変化の誘導も重要な研究テーマです。
Akihiro Takezawa教授の研究室は、Additive Manufacturing(アディティブマニュファクチャリング)を基盤として、複合材料や多孔質構造の機能的設計に注力しています。特に、熱的・機械的特性を制御するためのトポロジー最適化や、不確実性を伴う材料特性を考慮したロバスト設計手法の開発が進んでいます。金属AMにおける応力歪み低減や、熱電変換素子の効率的設計など、産業応用に直結する実用的で革新的な研究が特徴です。
阿川隆義教授の研究室では、微生物由来の天然物質の新規合成経路の解明と、そのバイオセンスを活用した新規医薬候材料の創出を主な研究テーマとしています。特に、非オルトゴナルな酵素系(PKS/NRPS、非ヘム鉄酸化酵素など)を用いた生合成経路の再構築や、遺伝子クラスターのゲノムマイニングによる新規代謝産物の同定を進めています。また、酵素の立体特異的反応機構や、分子の骨格を巧みに設計・改造する合成生物学的手法の開発にも注力しています。
Numata教授の研究室では、天然バイオポリマーであるシルクを核とした次世代医療材料の開発を進めています。特に、シルクの構造と機能の関係を解明し、生体適合性・生分解性に優れた医療用ハイドロゲルやドラッグデリバリーシステムの設計を目指しています。また、遺伝子治療やがん治療に応用可能なナノスケールのシルクベース複合体の開発も進めており、がん細胞に特異的に向かう機能性材料の創出を実現しています。
宮坂博教授の研究室は、光反応ダイナミクスと分子機能材料の開発を柱としています。特に、超短時間スケールでの光誘起反応(100フェムト秒未満の時間分解測定)を用いて、分子内のエネルギー移動や電子移動、光クロミズム反応の機構を解明しています。また、光応答性分子やフラーレン誘導体、光酸化還元反応系の開発を通じて、次世代の光機能材料の創出を目指しています。
Yusuke Shimoyama教授の研究室は、環境浄化とエネルギー変換を目的とした新規機能材料の開発を主軸としています。特に、二酸化炭素を用いたキチサン誘導体の機能化による染料吸着、イオン液体を用いた相平衡・活性係数の測定、さらには太陽光を用いたCO2回収技術の開発が進んでいます。これらの研究は、持続可能な技術の実現に向けた物質設計とプロセス最適化を柱としています。
本研究室では、食品廃棄物の有効活用と環境汚染が人間の行動に与える影響を主な研究テーマとしています。特に、食品廃棄物を飼料に変換するプロセスにおける生産効率の課題をデータ包絡線分析(DEA)を用いて解明しており、持続可能な資源循環の実現に貢献することを目的としています。また、大気汚染が道徳的行動に与える影響についても国際的規模の調査を実施し、環境要因と人間行動の関連を科学的に解明しています。
西出博之教授の研究室では、有機ラジカルを側鎖に持つハイドロフィリックなポリマーを基盤とした電気化学的活性材料の開発を進めています。特に、水系電解質に適したラジカルポリマーを用いた高速充放電が可能な有機電池や、金属イオンと効果的に錯体を形成するキレート樹脂の開発が主な研究テーマです。これらの材料は、湿式・乾式両方の環境で効率的な電子移動を実現し、次世代のエネルギー変換・貯蔵デバイスに応用可能です。
Takahiro Yamaguchi教授の研究室では、地下構造物の非破壊診断を目的としたグランドペネトレーティングレーダー(GPR)技術の高度化に注力しています。主に3次元レーダー画像の解析に深層学習を応用し、下水管・空洞・マンホール・橋梁のひびわれなど、インフラの健康診断を高速かつ高精度に実現するアルゴリズムの開発を進めています。特に、GPRデータの3次元反射パターンを正確に捉えるためのシミュレーション技術と、画像認識・分類・3Dマッピングを統合した知能型解析手法が特徴です。
Toru Miwa教授の研究室では、難聴の根本的治療法の開発を目的として、遺伝性難聴のメカニズム解明と遺伝子治療戦略の確立を進めています。特にコネクシンやTsukushi、Dach1といった神経上皮関連タンパク質の機能解明を通じて、内耳の発達・維持機構を解明しています。また、加齢性難聴や自己免疫性難聴におけるマクロファージの役割や、SIRT1・NAMT酵素系を介した代謝制御の影響についても、神経炎症・神経変性の視点から研究を展開しています。
神森一義教授の研究室では、有機・無機ハイブリッドナノ材料を基盤に、超軽量で高透光性・高耐熱性を兼ね備えたエアロゲル材料の創製を進めています。特に、単一前駆体を用いた溶媒法による合成と常圧乾燥技術を応用し、機械的強度と柔軟性を両立した新規エアロゲルを創出し、超断熱材やスマートセンサーへの応用を追求しています。また、グラフェンナノプレートレットとポリシルオキサンのハイブリッド構造を制御することで、多機能性を実現する材料設計にも注力しています。