東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Taro Q.P. Uyeda教授の研究室は、細胞の動きを制御するモーターたんぱく質、特にミオシンの構造と機能の関係を解明することを主眼としています。特に、ミオシンの首ドメインの長さが筋線維の動きに与える影響や、細胞骨格とミオシンの相互作用が細胞移動にどのように寄与するかを、シロアリクモダニ(Dictyostelium)をモデル生物として解析しています。また、細胞内のシグナル分子(PI3PやPIP3)の動的分布と細胞運動の関係についても、高解像度イメージングを用いて研究を進めています。
Xuheng Ding教授の研究室は、銀河と超大質量ブラックホールの共進化に関する宇宙進化の解明を主眼としています。特に、赤方偏移が高く、遠方のクェーサーや強力なレンズ効果を利用した天体を対象に、ハッブル宇宙望遠鏡やジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の高精度画像を用いた宿主銀河の構造・星族の分解と、ブラックホール質量の推定を実施しています。また、重力波標準サインや時間遅れレンズを用いたハッブル定数の高精度測定にも貢献しており、宇宙論的パラメータの制約に向けた新技術の開発を進めています。
Yosuke Kurashima教授の研究室は、腸管免疫調節と炎症性疾患のメカニズムを解明することを目的としています。特にマストサイトの「二面性」——即座な炎症反応と慢性炎症の抑制という相反する機能——が腸管免疫ホメオスタシスに果たす役割に注目しています。また、膵臓と腸の相互作用、S1P受容体やGP2といった因子が食物アレルギーや炎症性腸疾患の発症に与える影響についても、分子・細胞生物学的手法を用いて解明を進めています。
Kazunari Matsuda教授の研究室では、半導体量子ドットや2次元材料を用いたナノスケールの光・電気物性の解明を柱としています。特に、光励起分光法を用いた量子ドット内の励起子波動関数の空間的分布の直接観測や、2次元材料を用いた高効率な太陽電池や光デバイスの開発に注力しています。また、ナノスケールでの光-物質相互作用や、励起子のダイナミクス、プラズモン効果の制御についても深く研究しています。
Naoshi Sugimoto教授の研究室は、再生医療と免疫学の交差点に位置し、特に induced pluripotent stem cells(iPSC)を用いた血液細胞の生産とその臨床応用を主軸としています。特に、自己由来やヒトがん由来のiPSCから作られる血小板の画期的製造技術を開発し、輸血不能な患者への応用を目指しています。また、HLA-I欠損型iPSC由来血小板の開発や、自己免疫反応を制御するTreg細胞の分子メカニズム解明にも取り組んでいます。
Jaime Gómez Rivas教授の研究室では、テラヘルツ波と表面プラズモン極性波の相互作用に注目し、半導体ナノ構造を用いた光・電磁波の制御技術を開発しています。特に、周期的穴構造や金属ナノ構造を用いた超透過効果や、温度制御による表面プラズモンの制御を実験的に実証しており、次世代の光デバイスやセンサーの基盤技術の確立を目指しています。また、光子的バインド状態(BIC)やプラズモン共鳴を利用した高効率LEDの制御も重要な研究テーマです。
福川孝久教授の研究室では、顕著な視細胞の発生と機能の分子機構に焦点を当て、視細胞の決定・分化を制御する転写因子(Rax, Otx2, Crx, Blimp1など)の機能と相互作用を解明しています。特に、視細胞の発生に不可欠な遺伝子調節機構や、シナプス形成・情報伝達に関与するタンパク質(TRPM1、Dystroglycanなど)の役割を、マウスモデルを用いて分子・細胞生物学的手法で解明しています。視覚系の発生・機能の理解を深め、視覚障害の病因解明に貢献することを目的としています。
Ambara R. Pradipta教授の研究室は、がん治療や酸化的ストレス関連疾患の診断をめざした創薬・バイオセンシング技術の開発を柱としています。特に、がん手術における陽性縁の迅速かつ正確な評価を目的とした非病理学的診断法や、アクリンアルデヒドを標的とする「クリック・トゥ・センス」プローブの開発が顕著です。また、プロドラッグ設計や新しい炭素骨格形成反応の開発を通じて、がん細胞に特異的に作用する新規医薬候補の創出にも貢献しています。
Daiki Miyahara教授の研究室では、人間が物理的カードを使って安全に知識を証明する「カードベースドゼロ知識証明(ZKP)」の理論と応用に焦点を当てています。特に、ニコリの論理パズル(スリーブリンク、マシュウ、スゥグルなど)に対して、情報漏洩のない物理的証明プロトコルを設計する研究が進んでいます。また、資産ランキングの安全な計算など、プライバシー保護を目的とした実用的応用の開発も行っています。
Ziyi Zhang教授の研究室では、窒化ガリウム系半導体を用いた深紫外レーザーダイオードの開発を主軸としており、室温での連続発振を実現するための新規構造設計と、不純物ドーピングに依存しない極性誘起ドーピング技術の応用に注力しています。特に、アルミナ窒化物(AlN)基板上に成長されたAlGaNレーザーの低損失・低電圧化に向けた材料・構造最適化が進んでいます。また、光学的・電気的特性の高精度な評価手法の確立も重要な研究テーマです。
Keita Kohno教授の研究室は、神経障害性疼痛の回復メカニズムに注目し、脊髄におけるCD11c発現マクロファージ的ミクログリア(CD11c⁺ミクログリア)の役割を解明しています。特に、IGF1シグナルを介した疼痛回復の分子機構や、IL-4がCD11c⁺ミクログリアを誘導することで疼痛が軽減されることを明らかにしています。この研究は、疼痛が「警報」ではなく「疾患」として持続する仕組みを解き明かし、新しい疼痛治療薬の開発に貢献する基盤を築いています。
Ding Sheng教授の研究室は、金属成形における加工技術と材料挙動の予測を柱としており、特に冷間圧延による金属板の加工硬化と織り目発展のメカニズムを、有限要素法を用いた高精度なシミュレーションで解明しています。また、社会経済的要因の多変量解析や、高エネルギーレーザー照射による熱機械的応力のスケーリング法の構築など、工学的・社会的応用を統合した応用科学研究を展開しています。研究は、金属成形の最適化と持続可能な地域開発の両面から、産学連携の基盤を提供しています。
Murakami教授の研究室は、有機合成化学の分野において、特にパルテール・カルボニル化反応やC-H活性化を活用した新規反応開発を主軸としています。特に、アリールハライドやスルフィドを基質として用いたクロスカップリングやPummerer反応を組み合わせた多様性指向合成が特徴で、医薬品や機能性材料の効率的合成を実現しています。また、遷移金属触媒を用いたC-H官能基化や炭素-炭素結合形成反応の開発を通じて、複雑な芳香族骨格の構築に貢献しています。
山下誠司教授の研究室では、高温環境下でも安定した性能を発揮するセラミックス複合材料の開発と、その応用に向けた摩擦・潤滑特性の解明を主な研究テーマとしています。特に炭化ケイ素(SiC)を基体にしたボロンカーバイド(B₄C)複合材料の表面反応や自己潤滑挙動に注目し、高温処理による物性変化を解明しています。また、産業廃熱回収や集中太陽光発電向けの高効率熱蓄熱材料の開発も進め、ナノ構造のマクロカプセル技術を応用した新規材料の創出を目指しています。
Michiyo Hirano教授の研究室は、高齢女性の健康と生きがい(イキガイ)の向上を目的とした社会的要因の解明に注力しています。特に、社会的つながりや参加意識、活動への意欲が高齢期の健康に与える影響を、縦断的・実践的アプローチで分析しています。また、介護予防グループ活動の意味や、アプリを活用した高齢男性の社会的つながりの構築など、実践的で社会的意義の高い研究を展開しています。
アハメド・アブドゥッラー・セラジェルドゥリン教授の研究室は、地熱ヒートポンプシステムの効率向上を目的とした熱交換器の新設計と最適化に注力しています。特に、U字型ボアホール熱交換器の断面形状の工夫や、自動洗浄装置の開発を通じて、熱交換性能と保守性の両立を追求しています。また、室内環境の快適性を高めるための放射冷却パネルや換気システムの統合的設計についても、CFDを活用した数値シミュレーションと実験的検証を実施しています。
プラーメン・アカライェフ教授の研究室は、国際的・文化的な価値の変容と統合をめぐる社会的・文化的要因を、主に世界価値調査(WVS)やヨーロッパ価値調査(EVS)の大型データを用いて分析しています。特に、EUの統合プロセスにおける文化的価値の変化、東欧と西ヨーロッパの文化的乖離、そして「解放的価値」の拡散が国際的変化に与える影響を焦点に据えています。また、国家を文化的単位として捉える「アグリゲーションの奇跡」や、文化が個人に与える社会的引力を「重力場」と比喩的に解釈する独自の理論的枠組みを展開しています。
Tatsuya Okubo教授の研究室は、ゼオライトの効率的で持続可能な合成を柱としています。特に、構造 directing 助け薬(OSDA)を用いない「グリーンベータ」と呼ばれる新規ゼオライト合成法の開発に注力しており、環境負荷低減と工業的応用の両立を目指しています。また、超高速合成や階層的多孔構造の設計を通じて、触媒の性能向上と反応条件の緩和を実現する研究を展開しています。
Hirano教授の研究室は、有機触媒を用いた新規反応の開発に注力しており、特にNヒエトロサイクリックカルビル(NHC)触媒を用いたC–C結合形成反応や、不斉反応・一括反応の開発を柱としています。また、金属触媒を用いた新規合成法や、耐久性のある有機亜鉛試薬を用いたフッ素含有化合物の合成にも取り組んでいます。これらの研究は、天然物や医薬品の合成に応用可能な高効率で選択性の高い反応を創出することを目的としています。
Yoshihiro Okamura教授の研究室では、トポロジカル物性と多機能性酸化物の相関を解明するため、磁気秩序状態と電子秩序の相互作用に注目した研究を展開しています。特に、スピン揺らぎや磁気秩序に起因する新しい量子物性、たとえばスカイム粒子やソリトン格子の制御、およびその電場・磁場によるトポロジカル相の精密制御を目的としています。また、マイクロ波・赤外・X線分光を用いた実験的手法と第一原理計算を融合し、物質の微視的構造と巨視的物性の関係を解明しています。