東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Taku Hasobe教授の研究室では、ポルフィリンとフルーレンを用いたナノスケールの自己組織化構造を制御し、有機太陽電池の効率向上をめざしています。特に金ナノ粒子を介した四重の自己組織化(quaternary self-organization)により、光吸収性と電荷分離効率が向上する複合材料の創出が中心です。また、酸化グラフェンやシングルウォールナノチューブを用いた異種ナノ材料とのハイブリッド構造の構築も進んでいます。
Yoshio Takahashi教授の研究室は、環境中における希土類元素や重金属の挙動、特に鉄・マンガン・ヒ素の化学的挙動とその環境影響を、XANES分析や連続抽出法を用いて解明しています。特に水田土壌や大気中の鉄酸化物がヒ素をどのように固定・移動させるかを、現場測定と実験的アプローチで解明しています。また、希土類酸化物を含む非線形光学性酸化物ガラスの結晶化制御についても、二次高調波発生法を用いて材料設計に貢献しています。
Kyojiro Morikawa教授の研究室は、ナノスケールの液体挙動と物質の電子状態に注目した先端的で応用に結びつきやすい研究を展開しています。特に、1〜1000 nmの拡張ナノスケールにおける水の構造・電気的性質の解明や、酸化物半導体におけるMott転移に伴う電子相関の寄与を、光電子分光法(IPES/ARPES)を用いて精密に分析しています。また、ナノチャネルを用いた生体分子の高感度検出技術や、表面電位を直接測定するストリーミング電位法の開発も進め、ナノ流体デバイスの実用化に向けた基盤技術の確立を目指しています。
Koki Ikemoto教授の研究室は、分子ナノ構造の設計・合成とその機能解明を柱としています。特に、芳香族環からなるジオーディックなフレームワークを用いたナノスケールのカーブド分子や、ポーラスな金属有機フレームワークを反応場として用いる「結晶内反応」の開発が特徴です。X線結晶構造解析を核に、反応機構のリアルタイム可視化や、分子の自己集合・配向制御を実現しており、有機エレクトロニクスや新規反応機構の解明に貢献しています。
Takaaki Saeki教授の研究室は、音声・音声処理分野に焦点を当て、特に音声認識・音声合成における自己教師あり学習や多言語対応技術の研究を進めています。低リソース言語向けの音声合成や、ノイズや環境歪みに強い音声復元手法の開発を通じて、実世界の音声データを効果的に活用する仕組みを構築しています。また、高品質な音声データが入手できない言語に対しても、テキストのみのデータを活用したゼロショットTTSや、自己教師学習に基づく音声品質予測技術の開発も進めています。
福野悠也教授の研究室では、外来種の進化・適応、特に捕食者・病原菌の不在下での防御投資の減少(EICA仮説)や、捕食者再導入による防御回復のメカニズムを、アカバライチゴ(Ambrosia artemisiifolia)とその専用食性昆虫Ophraella属の共生関係をモデルとして解明しています。また、都市と農村の異なる競争環境下での植物の適応的進化や、果実の熟成様式(気孔型/非気孔型)と分散者との関係についても、生態的・進化的視点から研究を展開しています。さらに、海洋由来の酵素を用いた糖脂質のバイオ合成など、合成生物学的手法を応用したバイオテクノロジー分野の研究も並行して行っています。
Nitta教授の研究室は、T細胞の発生と中央自己耐性の形成に不可欠な胸腺微小環境の制御機構を解明することを目的としています。特に、胸腺上皮細胞や線維芽細胞などのストーマル細胞が自己抗原を提示し、自己-reactiveなT細胞を除去するメカニズムや、CCR7による細胞移動が自己耐性に与える影響を分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。また、γδT細胞のサブセットであるIL-17産生性γδT細胞の発生に寄与するシグナル伝達経路についても、シグナル分子の機能を解明しています。
Noda教授の研究室は、光子結晶を用いた超小型・高機能な光デバイスの創出を主眼としています。特に、3次元光子結晶による全方向的光制御や、ナノスケールの光エミッターやレーザーの実現を目指しており、通信波長帯での高効率発光と制御を追求しています。また、深層強化学習を活用した逆設計技術の開発により、次世代の集積光回路に不可欠な高機能ナノレーザーの創出を推進しています。
Toshiyuki Kida教授の研究室では、サイロキシドリン誘導体を用いた超分子自己集合系の設計とその応用に注力しています。特に、アルキル化修飾されたシクロデキストリンを基盤としたナノキャリッジや凝集体の形成、ならびに非極性媒体におけるエナンチオ選択的認識・分離技術の開発が主な研究テーマです。これにより、医薬品の不斉合成や高機能ナノ材料の創出が目指されています。
Koji Tanaka教授の研究室では、がん治療の効果を高めるための分子メカニズムの解明を柱としており、特にマイクロRNAやBDNF/TrkBシグナル伝達系の役割に注目しています。臨床的応用に結びつく治療戦略の開発を目的とし、がんの化学感受性や転移・予後との関連を細胞・動物モデルを用いて解析しています。また、術後の外来治療への移行や、好中球によるネットワーク形成(NETs)の病態への影響についても、がんや感染症の病態解明を進めています。
Shigekazu Nagata教授の研究室は、細胞死と免疫調節の分子機構に焦点を当てており、特にアポトーシスの制御とその免疫系における役割を解明しています。特に、不要な細胞を効率的に取り込む「オートファージー的機構」や、リン脂質の不均一分布がアポトーシスに与える影響を、分子生物学的・遺伝子スクリーニング的手法を用いて解明しています。また、Fas/FasL系やMFG-E8、Xkr8、ATP11Cなどの分子が、自己免疫疾患やがんの発症に与える影響についても研究を進めています。
Hashimoto教授の研究室は、ケイ素・ゲルマニウム・スズなどの主族元素を含む新規金属シラネ・ゲルマネート錯体の合成と反応性を追求しています。特に、金属と主族元素間の新しい結合種(シラネ錯体、ゲルマネート錯体、カルビン類似種)の創出と、それらが示す特異な電子的・幾何的特性を解明しています。反応機構の解明にはキネティクスとDFT計算を組み合わせ、C−C結合活性化や水素化反応における金属・主族元素の協同作用を明らかにしています。
本研究室では、リチウムイオン電池の高効率な正極材料としてのリチウム鉄リン酸塩(LiFePO₄)やリチウムマンガンリン酸塩(LiMnPO₄)のナノ材料の合成とその電気化学的特性に注目しています。特に、低・高温における水熱的・溶媒熱的合成法、ならびにマイクロ波を用いた新規合成プロセスの開発を進めています。また、生体適合性電極・電解質を用いた医療用インプラント用電池の開発や、グラフェンとイオン液体を組み合わせた機能性薄膜の創出にも取り組んでいます。
Chuan Ma教授の研究室では、廃プラスチックの化学的リサイクルに注力しており、特にハロゲン含有プラスチックや硫黄含有プラスチックの熱分解反応機構と触媒的制御を解明しています。主な研究方向性は、ピロリシスを用いた資源回収と有害物質の低減、ならびにBTX(ベンゼン・トルエン・キシレン)を効率的に生成する触媒開発です。環境負荷低減と循環型社会の実現に向け、副生成物の制御と高価値化を実現する革新的なプロセス技術の開発が進められています。
北岡拓哉教授の研究室では、天然バイオリソースを基盤としたナノ材料の設計と応用に注力しています。特にセルロースを基体とするナノファイバーを用いた金属ナノ粒子のトポ化学的合成や、金属-有機フレームワーク(MOFs)とのハイブリッド構造の構築により、高効率な触媒やガス分離材料の開発を進めています。また、自然光下での光還元反応を活用した抗菌性ナノ材料の創出や、生体適合性を考慮した3次元多孔質スクエームの作製技術にも取り組んでいます。
Ryo Yazaki教授の研究室は、有機合成化学分野において、特に不斉触媒反応の開発に注力しています。特に、銅を含むバイメタリック触媒系を用いた高エナンチオ選択的アルキン付加やアリールシアン化反応の開発が特徴で、反応機構の解明と機能的多様性を持つ新規合成戦略の構築を進めています。また、天然物や医薬品の合成に応用可能な、立体化学的に制御された炭素–炭素結合形成反応の開発も重要な研究テーマです。
ギルマ・ゲズィム・ゲブレ教授の研究室は、エチオピアをはじめとするアフリカ諸国における農業と食料安全保障の問題に焦点を当てており、特に性別による意思決定の違いが農業生産性や食料安全保障に与える影響を系統的に分析しています。主に、性別による農業意思決定の違い(男性主導、女性主導、共同意思決定)が、イノベーション採用や食料安全保障水準にどのように影響するかを、統計的・経済モデルを用いて解明しています。また、気候変動への適応戦略や都市部における食料不安の要因についても、実証的アプローチで研究を展開しています。
キング教授の研究室は、高分子ゲルと補強材を組み合わせた新規な複合材料の開発を柱としています。特に、水素結合や架橋構造を制御することで、非常に高い強度と靭性を併せ持つ水性ゲル複合材料の創出を目指しています。また、自然のゲッコウムにインspiredした剥がれにくく、再利用可能な接着剤の開発や、生体適合性の高いスマートゲルの設計にも取り組んでいます。
Taketomi教授の研究室は、膝関節形成術における運動学的挙動の最適化と、関節形成術後の軟部組織バランスの重要性に注目した臨床研究を推進しています。特に「ガイドドモーショングローブ」型総座位置換術の手術法と軟部組織のバランスが、術内での運動学的挙動に与える影響を解明しており、理想的な関節運動を再現するための手技的指針の確立を目指しています。また、前十字靭帯再生術後のトンネル拡大のメカニズムや、半月板修復の臨床的トレンドの分析など、関節外科の臨床的・生物学的課題にも深く関与しています。
Shi Chen教授の研究室は、光通信・画像処理・核セキュリティ分野における先進的な研究を展開しています。特に、大気乱流下でも高速で安定した自由空間光通信を実現するBesselビーム符号化技術や、アダプティブオプティクスを活用した波面制御技術の応用が特徴です。また、核廃棄物処理現場における作業者の安全確保を目的とした視覚ベースのPPE自動監視技術や、行動認識を用いたインサイダー脅威検出手法の開発も進めています。さらに、知識ベースの意味表現や自己教師付きクラスタリングを活用した対話型AIの構築にも取り組んでいます。