東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
山内俊正教授の研究室では、肥満や2型糖尿病をはじめとする代謝疾患の発症メカニズムを解明することを目的としており、特にアディポネクチンやPPARγなどの脂肪細胞由来ホルモン・転写因子の機能とその代謝制御における役割を分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。特に、インスリン感受性の調節や脂肪酸酸化、エネルギー恒常性の維持に関与するシグナル伝達経路の解明が中心であり、疾患の予防・治療戦略の開発にも貢献しています。
Nakauchi教授の研究室では、造血幹細幹細胞(HSC)の自己複製と多能性分化のメカニズムを解明することを目的としています。特にマウスのHSCをmCD34低発現/陰性のマーカーで高純度に精製し、個々の幹細胞の機能を解析する技術的基盤を確立しました。この技術を応用して、幹細胞の機能的特性や、がん・血液疾患における幹細胞異常の解明を目指しています。
伊室俊平教授の研究室は、思春期の発達と環境要因の相互作用に注目し、特に感覚処理感受性(環境への感受性)が社会的・情緒的健康に与える影響を心理的・行動的アプローチで解明しています。特に、男女におけるレジリエンスやパーソナリティの発達的差異、中高一貫教育の転換期における個体差の影響を、縦断的・反復測定的研究で分析しています。研究の柱は、『感受性』が脆弱性ではなく、環境のプラス・マイナス両面に敏感な「感受性の二面性(vantage sensitivity)」であるという理論的枠組みに基づいています。
Sotaro Shibayama教授の研究室は、科学的創造性や研究の独自性を定量的に評価するための新規な指標開発に注力しています。特に、論文の引用ネットワークやテキスト情報に基づいた「独自性(originality/novelty)」の測定法を提案しており、科学的革新のメカニズムを解明することを目的としています。また、博士課程におけるメンターシップや研究環境の特性が、研究者による起業行動や知識移転に与える影響についても、実証的・統計的な分析を展開しています。
鈴木貴義教授の研究室では、エピジェネティクスに関連する酵素、特にヒストンデアセチラーゼ(HDAC)やリシンデメチルーゼを標的にした新規創薬化合物の設計・合成を主眼としています。特に、非ヒドロキサメート系の選択性を持つHDAC阻害剤の開発に注力しており、癌治療や神経変性疾患への応用が期待されています。また、クリックケミストリーを活用した効率的合成と、構造基盤の分子モデリングを組み合わせた創薬戦略が特徴です。
岸田真一教授の研究室は、膵臓がんをはじめとする消化器がんの分子病理学的特徴に注目し、遺伝子変異や腫瘍抑制遺伝子の発現異常とがんの進行・転移メカニズムの解明を進めています。特に神経内分泌腫瘍やPDAC(膵 ductal腺がん)における腫瘍 suppressor遺伝子の機能喪失やオーバーライドの意義を免疫染色と次世代シーケンシングを用いて解析しています。臨床的意義に結びつくバイオマーカーの同定や、転移のメカニズムに寄与するシグナル経路の解明が、個別化医療の実現に貢献する研究が展開されています。
佐々木順教授の研究室は、光駆動性膜タンパク質の構造・機能解明を柱として、バクテリオロドプシンやハロロドプシンをモデル系に、光反応におけるプロトン移動やイオン輸送のメカニズムを赤外分光法や構造生物学的手法を用いて解明しています。また、再生医療分野では、歯髄幹細細胞を用いたスキャフォールドフリーな3次元組織作製技術の開発にも取り組んでおり、歯髄再生への応用を目指した基礎的技術の構築を進めています。
Hayamizu教授の研究室は、2次元材料とバイオ分子の界面に着目し、ペプチドの自己集合を制御することで、ナノスケールの電子的・バイオセンシング的構造を創出し、次世代の生体統合型エレクトロニクスの基盤を構築しています。特に、グラフェンやMoS₂上でのペプチドナノワイヤーの安定な自己集合と、その電子的特性の制御が核となる研究です。また、神経変性疾患関連のペプチドの相挙動や、グラフェンベースの高感度ガスセンサーの開発にも進んでいます。
Takeda教授の研究室は、希土類元素のリサイクル技術や金属の溶融精錬、塩化物融解塩を用いた電気化学的プロセスの開発を柱としています。特に、レアメタル含有廃棄物からの酸化物分離や、リチウムの電気的抽出、金属酸化物の還元プロセスの高速化・連続化に注力しています。また、溶融塩系における物性測定(粘度、反応性)の高度化も行い、新規プロセス開発の基盤を構築しています。
吉田圭史教授の研究室では、超音波を利用した化学反応や物質移動のメカニズムに注目し、主に超音波誘発反応(sonochemistry)と超音波原子化・脱ガスの基礎的プロセスを研究しています。特に、周波数や音響強度の影響を精密に制御した実験を通じて、反応効率や物質移動の最適化を追求しています。また、反応器内での攪拌効果や気体条件の影響についても、実験的・測定的アプローチで解明を進めています。
Taito Miura教授の研究室では、コンクリートの破壊挙動や耐久性に影響を与える微細構造的要因に注目し、ひび割れの角度や幅が圧縮強度や剛性に与える影響を実験的・数値的に解明しています。特に、ひび割れの発達がコンクリートの力学的挙動に及ぼすメカニズムや、硫酸イオンによる内部膨張ひび割れの発達過程を、多スケールな数値モデルを用いて解析しています。研究は、コンクリート構造物の長寿命化と耐久性向上に貢献することを目的としています。
Tamura教授の研究室は、神経線維腫症(NF)をはじめとする神経腫瘍の病態解明と新規治療戦略の開発を柱としています。特に、腫瘍微小環境における血管新生やマacrophageの機能変化が腫瘍進展に与える影響を分子・細胞レベルで解明しており、VEGF/VEGFRを標的にしたワクチン療法や抗がん剤の臨床的応用にも取り組んでいます。また、がん治療における遺伝子治療やゲノム編集技術の応用も視野に入れ、侵襲性の高い神経膠腫瘍の治療に向けた幹細胞ベクターを用いた遺伝子デリバリー戦略の開発も進めています。
本研究室では、心血管疾疾患の発症メカニズムを解明するため、血管平滑筋細胞や心筋細胞におけるシグナル伝達経路、特にカルシウム動態や酸化的なストレス反応、ならびに心筋細胞の再生・分化に関与する前駆細胞の機能を分子・細胞生物学的手法を用いて解析しています。特に、内皮細胞由来ペプチドや機械的ストレスが心筋細胞に与える影響、およびSca-1陽性心筋前駆細胞の自己増殖・心筋分化能の制御機構に注目しています。また、Wnt/β-カテニン経路が心筋形成に及ぼす発生段階特異的で相反する役割の解明にも取り組んでいます。
Satoshi Ide教授の研究室は、地震の発生メカニズムや破壊挙動の解明を柱としており、特に巨大地震における破壊の空間的・時間的変動、放射エネルギーのスケーリング則、および低周波地震やトランスポート・トレモアの発生メカニズムに注力しています。高精度波形データを用いた波形逆問題や、応力状態・摩擦特性と地震発生の関係を理論的・実験的に解明する研究が特徴です。特に、自然地震における摩擦法則の実測的評価や、プレート境界の力学的特性の解明が目指されています。
Eso教授の研究室は、がんの遺伝的不安定性とDNA修復機構の関連を解明する研究を推進しています。特にミス修復(MMR)機能の欠損が引き起こす微小相同繰返し領域の不安定性(MSI)とがん発癌の関連、ならびに慢性炎症が遺伝子変異を促進する分子メカニズムの解明を柱としています。さらに、肝細胞癌に対する分子標的療法(レヴァティニブ)や免疫チェックポイント阻害薬の治療反応予測因子の同定にも貢献しています。
Yuumi Nakamura教授の研究室は、皮膚の炎症性疾患、特にアトピー性皮膚炎の発症メカニズムに注目し、皮膚に存在する好酸球やマクロファージ、特に好酸球の活性化が皮膚炎に与える影響を解明しています。特に、IL-1βやIL-17を介した炎症反応、ならびに皮膚常在菌(例:黄色ブドウ球菌、マラセチア)と宿主の免疫系の相互作用が皮膚炎に与える影響を、臨床的・実験的アプローチを組み合わせて研究しています。また、皮膚の微生物叢(マクロバイオーム)のバランスが皮膚疾患に与える影響についても、遺伝子解析や動物モデルを用いて解明を進めています。
Dmytro Demirskyi教授の研究室では、炭化物および窒化物を含む高融点セラミックスの合成・凝集技術に注力しており、特にスパークプラズマ焼結(SPS)を用いた新規合金・複合材料の開発を推進しています。中エントロピー炭化物やインシチューフォームドエュートリック複合材料の創出を通じて、高温機械的特性と靭性の両立を実現する材料設計を追求しています。また、加工条件の制御による微細組織の調整や、相安定性・強化機構の解明にも注力しています。
石川稔教授の研究室は、創薬化学を基盤とし、低分子医薬候補化合物の水溶性向上や分子設計の最適化に注力しています。特に分子の平面性や対称性を破ることで水溶性を向上させる戦略や、光応答性スイッチ(アゾベンゼン)を用いた可逆的溶解度制御の研究が特徴です。また、難治性の標的タンパク質を標的にしたプロテアソーム依存的タンパク質分解誘導技術(PROTAC/SNIPER)の開発にも取り組んでいます。
Rina Tazai教授の研究室は、幾何的縮重が強いkagome金属や重フェルミオン系を対象とし、電子相関が強い系における非局所的秩序や異常な対称性破れのメカニズムを、場の理論的枠組みと関数的ランゲージ・フローレジーム(fRG)を用いて解明しています。特に、ボンドオーダー、チャージループカレント、ねじれ電流秩序といった新奇な電子秩序と、それらが超伝導やトポロジカルな相に与える影響を理論的に解明しています。また、多軌道系における励起状態の対称性や多極モーメントの協同的発展についても、高次相互作用の寄与を詳細に分析しています。
Md Anowar Hossain教授の研究室では、交通流の安定化と混雑の抑制を目的とした新規な交通流モデルの構築に注力しています。特に、ドライバーの反応特性や車両サイズの異質性を考慮した微視的・連続体的モデルの開発が進められており、線形安定性理論や非線形解析を用いた理論的・数値的検証が行われています。また、SARレーダーや熱交換器の圧力損失予測など、応用分野としても多様な工学的問題に取り組んでいます。