東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Kitago教授の研究室は、がんの発症・進行メカニズムの解明と、個別化医療に向けたバイオマーカーの同定を柱としています。特に皮膚がんや膵がんを対象に、遺伝子変異(如:BRAF、RUNX3)、マイクロRNA(如:miR-532-5p)の機能解析や、腫瘍接着性細胞(CTC)の検出技術の開発を進めています。また、免疫療法(WT1ワクチン接種)の臨床的応用や、PET画像評価基準(PERCIST)の有用性の検証を通じて、治療効果の的確な評価にも貢献しています。
Ryoichi Horisaki教授の研究室では、単発撮影で多次元な複素光場を高精度に再構成するための新規なイメージング技術を開発しています。主に、圧縮センシングや機械学習を応用した非定常な散乱媒体や複素干渉計測定を用いた高速・高効率な位相イメージング手法が研究の柱です。特に、参照光を不要とし、光損失を抑えた単発撮影によるホログラフィー技術の実現を目指しています。
Shinsuke Yasuda教授の研究室は、自己免疫疾患、特にSystemic Lupus Erythematosus(SLE)や抗磷脂質症候群(APS)の分子メカニズムを解明することを主眼としています。RasGRP1の機能異常やβ2-グリコプロテインI(β2-GPI)の変異・修飾が自己抗体の産生や自己免疫反応に与える影響を遺伝子・タンパク質レベルで解析しています。また、GLP-1レセプター作動薬が筋炎性疾患の治療に有効である可能性についても、細胞死の制御を軸に研究を展開しています。
Kansei Inamura教授の研究室は、トポロジカル量子場理論(TQFT)と格子模型を用いて、非可逆的対称性や融合カテゴリーや2カテゴリーシンメトリーをもつ物質の相転移や対称性保護物質(SPT)を研究しています。特に、1+1次元および2+1次元の格子系モデルとして「融合サーフェス模型」を構築し、非アーベルanyon統計や2群対称性を含む非可逆的対称性を微視的に実現しています。また、フェルミオン系におけるスーパーフュージョンカテゴリの導入や、時間反転・空間反転を部分的に適用した非局所的秩序パラメータの構成を通じて、フェルミオン系のトポロジカル秩序を解明しています。
Hayashida教授の研究室では、結晶内の新しい秩序状態であるフェロアキシャル秩序やキラル秩序の発現・制御を、光学的・電気的プローブを用いて解明しています。特に、電場誘発光学回転(電気回転効果)を応用し、フェロアキシャルドメインの空間分解能による観測に成功しており、非磁性材料における新規なスピン・フォノン・フォトニック相互作用の解明を目指しています。また、キラルな結晶構造のレアアース含有酸化物やチタン酸系材料を対象に、レーザー誘発界面制御によるドメイン境界の操作も行っています。
京都大学の長谷川武史教授の研究室では、分子集合体の自己組織化挙動や界面における分子配向の制御を、赤外分光法を応用して解明する研究が進められています。特に、非金属基板上に形成された薄膜における面内・面外振動モードの偏光スペクトルを同時に測定する新規技術の開発により、金属表面を必要としない高精度な分子配向解析が可能になりました。また、フルオロアルキル鎖の特異な疎水性挙動を、ダイポール配列モデルを用いて物理化学的枠組みで統合的に解明する取り組みも展開されています。
Koji Miki教授の研究室は、遷移金属触媒を用いた炭素-炭素結合形成反応、特にアルキン誘導体からのカルベン錯体の不活性生成とその反応性を利用した新しい環化反応の開発を主眼としています。特に、アルキンとカルボニル・イmino基を有する化合物から生成するカルベン錯体を中間体とするサイクロプロパン化反応や、フルーラン骨格を有するカルベン錯体を用いた高効率なサイクロプロパン誘導体合成に注力しています。また、ナノ粒子を用いたがん組織への標的化イメージング技術の開発や、フラーレンとπ-π相互作用を示す新しい有機超分子系の構築も進んでいます。
Kaneko教授の研究室は、神経細胞の酸化的損傷とカルシウムイオンチャネルの関連を解明する神経生物学を専門としています。特にTRPM2やTRPV4といったチャネルが神経炎症や神経変性疾患における神経障害に果たす役割を、細胞・分子レベルで解明しています。また、てんかん治療における薬物療法の安全性や、神経伝達の分子機構に関連するチャネルの新規スプライシングバリアントの同定にも取り組んでいます。
Yu Sugihara教授の研究室は、特にヤム類を対象とした植物ゲノム研究と、病原体に対する植物の免疫機構を解明する分子生物学的研究を柱としています。特に、MutMapやQTL-seqを応用した遺伝子マッピング技術の開発と、NLRタンパク質による免疫応答の構造的・機能的メカニズムの解明が主な研究テーマです。また、ヤムの起源や遺伝的多様性の解明を通じて、食料安全保障に貢献する作物の遺伝資源の解明にも取り組んでいます。
三井野 教授の研究室は、画像診断における画像認識技術とAIを活用した疾患診断支援技術の開発を主軸としています。特に、肺がんや子宮体がん、膵臓がんなどの画像からの自動腫瘍セグメンテーションに注力しており、生成対抗ネットワーク(GAN)や転移学習を用いた高精度な画像解析手法の構築を進めています。また、低線量CTやMRIを用いた疾患の定量的評価技術の確立にも貢献しており、臨床応用に向けた実用的で信頼性の高い画像診断ソリューションの開発を推進しています。
大阪市における救急医療システムのCOVID-19影響の分析から、救急隊の現場での病院受入困難要因の特定や、スマートフォンアプリを活用した救急・病院間情報共有の有効性を解明しています。また、胃がんの予後予測や小児骨盤骨折患者におけるプリアセストリートメントの効果など、救急医療の質向上と臨床意思決定支援を目的とした多様な研究を展開しています。
Takahashi教授の研究室は、免疫細粒球(NKT細胞)の発生・機能およびT細胞のサブセットにおける受容体の機能を解明する分野で、特にヒトに特有のCD8陽性NKT細胞の存在や、CD161発現T細胞の多様な免疫応答機能を解明しています。また、神経発生の制御機構として、マウス脳の新皮質神経形成における細胞周期のダイナミクスを解析し、神経産生のスケジューリングメカニズムを明らかにしています。これらの研究は、自己免疫疾患や神経発達障害の理解に貢献する基盤を提供しています。
Takuro Saito教授の研究室は、消化器外科領域における治療成績の向上と患者の生活の質(QoL)の向上を目的として、胃がんや食道がんの手術的治療の最適化を研究しています。特に、術後の予後を予測するバイオマーカー(例:CRP)の意義や、機能保存的手術(例如:幽門保持胃切除術)の有効性、およびドナー臓器の限られた状況下での臓器提供(DCD由来膵島移植)の可能性についての革新的な研究が進められています。また、手術の安全性と血流評価には蛍光造影イメージング技術を応用し、最小侵襲的手術の実現に貢献しています。
Tomoaki Mameno教授の研究室では、インプラント周囲病変の発症メカニズムとリスク要因の解明を柱として、口腔内環境、咬合機能、全身的要因との関連を多角的に解析しています。特に、機械学習を活用したリスク予測モデルの構築や、年齢や口腔衛生状態、咬合力との関連性についての臨床的・疫学的アプローチが特徴です。インプラント治療の長期的成績向上に資する予防的・予測的アプローチの確立を目指しています。
Yusuke Hirata教授の研究室は、ミネラルホメオスタシスと酸化的ストレスの分子メカニズムに焦点を当てた細胞内シグナル伝達の研究を行っています。特に、マグネシウム輸送体であるCNNMファミリーの構造機能関係や、酸化的ストレス応答キナーゼAS1Kの制御機構を解明しています。また、トランス脂肪酸(TFA)が神経炎症や細胞死を引き起こす新たなシグナル経路の解明にも取り組んでおり、神経変性疾患の病態解明に貢献しています。
Liam Baird教授の研究室は、酸化的・エレクトロフィル的ストレスに対する細胞の防御反応を制御するKEAP1-NRF2経路に焦点を当てており、特にNRF2の活性化メカニズムとそのがんにおける役割を解明しています。細胞内のシグナル伝達のダイナミクスを単一細胞レベルで解析するための新規イメージング技術の開発も進めており、がん治療抵抗性のメカニズム解明と標的療法の創出を目指しています。
Murate教授の研究室では、高出力で高安定性なテラヘルツ波を生成・検出するための非線形光学的技術を基盤とし、特に注入シード型テラヘルツパラメトリック発振器(is-TPG)の開発と応用に注力しています。広帯域・高動的範囲のテラヘルツ分光器の実現や、包装材を透過した非破壊検査、多波長同時生成による高速分光測定の実現が目指されています。近年では、機械学習を活用した物質同定技術の統合も進めており、実社会応用に向けた実用的ソリューションの構築を推進しています。
Kuniyoshi Toyoshima教授の研究室では、うつ症状や不安、睡眠障害といった精神的要因が、働き手の生産性(パーソナリティ・プレゼンティズム)や生活の質(QoL)に及ぼす影響を、主に自己報告による認知機能の訴え(認知機能への自己認識)を中間変数として解明しています。特に、抑うつ症状がどのように認知機能の訴えを介して職場での働きにくさを生じさせるか、そのメカニズムに注目しています。また、幼少期のトラウマが成人期の機能障害に及ぼす影響についても、抑うつ症状と認知機能の訴えを介した間接的経路を明らかにしています。
Michihito Kono教授の研究室は、自己免疫疾患、特に全身性エリテマトーロイデス(SLE)におけるT細胞の代謝再プログラミングに注目し、Th17細胞の活性化に不可欠なグルタミノリシスや好糖解糖の制御メカニズムを解明しています。特に、グルタミナーゼ1(Gls1)やCaMK4、PKM、PDHなどの代謝酵素がT細胞のサブセット選択的分化に果たす役割を分子レベルで解明しており、代謝異常と自己免疫の因果関係を解明する画期的な研究を推進しています。
Hanada教授の研究室は、ナノ材料を用いた水素貯蔵・放出技術の開発を主軸としています。特に、マグネシウム水素化物やカルシウムアルミニウム水素化物をベースにした複合材料の反応機構解明や、効率的な触媒添加剤の開発を進めています。液体アンモニアを用いた水素生成技術や、XASを用いた遷移金属の酸化状態・局所構造解析も特色です。