東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
福井健作教授の研究室は、炎症性腸疾患の病態解明を目的として、腸管に局在する自己抗体とその抗原の同定に取り組んでいます。特に、潰瘍性大腸炎患者に認められるコロニー接着性IgG(CCA-IgG)が認識するコロニー由来タンパク質の同定や、その病態における役割の解明を進めています。また、環境中のヒ素や水銀などの重金属の環境挙動やそのリスク評価についても、環境化学的・分析化学的手法を用いて研究を展開しています。
Surya Velappa Jayaraman教授の研究室は、2次元材料やナノスケール機能材料を用いたセンシング技術の開発を主軸としています。特に、揮発性有機化合物(VOCs)の高感度・高選択性検出を目的に、Sc₂CO₂MXeneやグラフェン系材料の電子状態制御や分子自己集合構造の設計を第一原理計算を基盤に展開しています。また、イオン液体やポルフィリン系材料を用いた環境・医療分野への応用も視野に、分子間相互作用の解明と物性制御を進めています。
神経炎症と酸化的ストレスが関与する網膜疾患の病態解明を柱とし、特に糖尿病性網膜症や加齢黄斑変性、網膜剥離に伴う線維化のメカニズムに注目しています。骨髄由来細胞の網膜への移動や、神経栄養因子(BDNF)の調節、ミクロRNAやn-3脂肪酸の神経保護作用についても、網膜の恒常性維持と疾患予防の観点から研究を進めています。
本研究室では、てんかんや発達障害、強迫性障害(OCD)などの神経発達疾患における脳の構造的・機能的異常を、神経画像法(fMRI、PETなど)を用いて解明しています。特に、前頭前野・補錘前運動野・頭端尾状核といった脳領域の機能的結合と行動制御、認知機能の関連に注目しており、OCDにおける認知機能障害の神経基盤を解明することを目的としています。また、薬物療法の効果や発達的経過についても、縦断的アプローチを用いて検討しています。
富山正友教授の研究室は、大気中の水蒸気とオゾンの長期的変化を高精度な衛星データと地上観測から解明することを目的としています。特に、1980年代以降のリモートセンシングデータを統合・均質化したSWOOSHデータベースの構築を通じて、成層圏・対流圏の化学的・熱力学的プロセスの理解を進めています。また、再解析データの信頼性を評価する国際共同プロジェクトS-RIPにも中心的に参加し、気候変動研究における観測代替データの妥当性を検証しています。
Takahiro Matsuda教授の研究室では、生体に見られる自己成長・自己修復のメカニズムを模倣した「自己成長型ポリマー材料」の開発を主眼としています。特に、繰り返し加わる機械的ストレスに対して反応するメカノ化学的プロセスを活用し、二重ネットワーク(DN)ハイドログェルの構造的破壊と再構築を制御することで、外部からの物質供給なしに自ら強化される材料の創出を目指しています。また、破壊領域におけるエネルギー散逸の可視化や定量的評価技術の開発を通じて、軟らかな材料の破壊力学の理解を深めています。
Cato教授の研究室は、公共企業の経営と民営化政策、特に混合寡占市場における政策最適化を主軸に、経済的効率性と安定性のトレードオフ、外部性の影響、国際市場参入の影響を理論的に分析しています。特に、環境外部性や貿易政策、外国参入の影響が民営化政策に与える長期的影響に注目しており、短期的と長期的視点の対比を強調しています。
Takafumi Hirata教授の研究室では、多重コリレーターインダクティブに結合プラズマ質量分析計(MC-ICP-MS)を用いた高精度な同位体分析技術の開発を柱としています。特に、PbやCu、Feなどの同位体比の正確な測定に向け、質量分離効果の補正法やレーザー剥離法の最適化が進められています。また、若年齢ジルコンのU-Pb年代測定における高感度・高精度化を実現するためのHg除去デバイスの開発も行われており、地球科学研究の基盤技術の向上に貢献しています。
Takahashi教授の研究室は、レーザー誘起破壊分光法(LIBS)を核とした非接触・リアルタイム分析技術の開発を進めています。特に水中や極限環境下における固体の化学組成のイン・サイト定量分析に注力しており、マトリックス効果や自己吸収の補正、高分解能マッピング、長パルスLIBSを活用した高精度分析手法の確立を目指しています。深海熱水鉱物やマイクロプラスチックの迅速同定・定量にも応用し、環境モニタリングや資源探査への実用化を視野に研究を展開しています。
Kimihiko Hirao教授の研究室は、量子化学計算における多電子状態の高精度な取り扱いを目的としており、特に多参照Møller-Plesset理論を用いた電子状態のエネルギー曲線の高精度計算を展開しています。また、電子配置の変化に伴う光吸収特性の解析や、希土類イオンドープガラスにおける長寿命スペクトルホール焼入れ現象のメカニズム解明にも取り組んでいます。これらの研究は、分子の電子構造理解と次世代光エレクトロニクス材料の設計に貢献しています。
Yukinori Matsuo教授の研究室は、がん治療における呼吸動揺対策(RMM)の最適化と、特に肝細胞癌に対する立体定向的体外放射線治療(SBRT)の安全性・有効性の検証を柱としています。また、膵がん治療における化学放射線療法の有効性や、放射線腫瘍学医のメンタルヘルス(バーンアウト)に関する疫学的調査にも取り組んでいます。臨床的実務と科学的根拠の両面から、がん治療の質の向上を目指した包括的研究が展開されています。
東北大学の戸部善人教授の研究室は、π電子系分子の設計と自己集合を核とした超分子化学を専門としています。特に、多環芳香族炭化水素やエチニルブリッジ型サイクルを用いた新しい分子カーマンや2次元自己組織化構造の創出をめざし、分子の形状・相互作用・環境条件がもたらす秩序形成のメカニズムを解明しています。また、分子認識と選択性に基づくエラー訂正機構の構築や、ナノスケールの秩序構造の制御にも貢献しています。
福井進教授の研究室では、ナノスケールにおける熱伝導とイオン伝導の制御を柱とした材料物理学的研究を展開しています。特に、界面構造が熱伝導率に与える影響を原子レベルで解明するための新しい構造記述子や機械学習ポテンシャルの開発を進めています。また、固体電解質や熱電材料における原子間力と輸送特性の関係を、第一原理計算や分子動力学シミュレーションを駆使して解明しています。
Hamaya教授の研究室では、ゲルマニウムやシリコンを基板とするヘーシュラー化合物を用いた半導体スピントロニクスの基盤技術を開発しています。特に、Fe₃₋ₓMnₓSiやCo₂FeSi、Fe₃Siなどの半金属的フェロ磁性体をGeやSi上にエピタキシャル成長させ、室温でも高いスピン極化を示す材料系の創出をめざしています。また、スピンバルブや量子ドットを用いたスピン輸送の実験的・理論的解析を通じて、純粋なスピン電流の生成・制御・検出のメカニズムを解明しています。
Matsumoto教授の研究室では、有機エレクトロニクスと酸化物半導体を基盤に、次世代情報処理や生体適合性デバイスの開発をめざしています。特に、有機電気化学ネットワークや酸化物薄膜のエpitaxial成長を用いた新規デバイスの創出が中心であり、ハイブリッドな物性と機能を制御する研究が進められています。また、生体模倣組織の作製技術や非相反性磁波のメカニズム解明など、多様な分野にまたがる応用研究も展開しています。
Kanayama教授の研究室は、果実の糖代謝と光ynthesis産物の輸送・代謝に注目し、トマトやサクラマス科果樹をモデルとして、糖関連酵素の遺伝子機能とその環境応答を解明しています。特に、フルクトキナーゼやソルビトール-6-リン酸デヒドロジナーゼといった代謝酵素の遺伝子発現調節や、ストレス応答におけるホルモン・低温の影響を分子レベルで解明しています。また、窒素固定の制御機構や果実の糖質向上の遺伝的要因についても、分子生物学的手法を用いて研究を進めています。
Takahiro Okumura教授の研究室では、拡張型心筋症(DCM)をはじめとする心不全の予後予測や個別化医療に向けたバイオマーカー・スコアの構築を主眼としています。特に、心エコー所見や心電図所見を活用したリスクスコア開発により、左室リモデリング予測の精度を高め、臨床現場での迅速かつ簡便な意思決定支援を実現することを目的としています。また、高齢化が進むアジア諸国における心不全の予防・緩和ケアのあり方についても、予防的・予後的視点から包括的な研究を展開しています。
阿部健太教授の研究室は、深海・極域・地下の極限環境における地球化学的・地質的プロセスを対象とし、特に深海海溝における地震誘発堆積物の再移動や、メタンガスを放出する泥火山のメカニズム、そして極域の永年 permafrost 岸の侵食動態を高解像度データと統合的アプローチで解明しています。特に、地震発生時の炭素循環への影響や、環境に配慮した腐食抑制技術の開発にも取り組んでいます。
Makoto Kubo教授の研究室は、がん免疫療法や標的療法の革新を目指しており、特に三重ネガティブ型乳がん(TNBC)やHER2陽性乳がんに対する新しい治療戦略の開発に注力しています。PD-L1やTILsのバイオマーカー解析、次世代シーケンシングを用いたがんゲノムプロファイリングを通じて、個別化医療の実現に貢献しています。また、アロマターゼ阻害剤に伴う関節痛の緩和や、免疫細胞を活用した治療法の臨床的応用についても実践的な研究を展開しています。
玉野悠太教授の研究室は、イオン化しやすい金属をカゴの中に閉じ込めた「内包金属フラーレン」を核として、その特異な電子的性質を活かした新規有機金属ハイブリッド材料の創製を主眼としています。特に、酸化還元反応性やスピン・磁気的性質を制御可能な機能性分子の設計、ならびに光反応を利用した高選択性の反応開発が特色です。また、医療応用分野におけるナノ材料の安全性や、がん治療に応用可能なミトコンドリア標的光線感作剤の開発にも取り組んでいます。