東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Ibuki Kawamata教授の研究室では、DNAのプログラマビリティと構造的柔軟性を活かし、ナノスケールの動的・自律的機能を有する自己組織化ナノシステムの設計・構築をめざしています。特に、DNAオリガミを用いたナノアームやナノスプリングの力学的制御、反応拡散系を用いたパターン形成、さらには酵素反応を用いた生体内適合ナノ構造の合成など、生体分子を基盤とする次世代ナノロボットの基盤技術を開発しています。
Han Wang教授の研究室では、テラヘルツ時間領域分光法(THz-TDS)を応用し、セルロースの結晶構造や分子間力の変化を非破壊的に解析する研究が進められています。特に、ボールミリングや塩基処理によるセルロースIからセルロースIIへの相転移や、結晶性の変化を高精度に評価しています。また、木材の熱処理による結晶構造の変化や、環境に配慮したバイオマテリアルの特性評価にも注力しています。
松塚賢教授の研究室では、脈動炎焼噴射機(Pulse Detonation Rocket, PDR)の実用化に向け、高周波・高効率なサイクル運転を可能にする新規排気ガス除去技術や、液体注入による自己冷却・排気促進メカニズムの開発を進めています。特に、燃料の超臨界状態を利用した自己圧縮・冷却機構や、自動車用インジェクタを応用した高精度液体噴射技術により、外部媒体を用いない高周波運転を実現しています。これにより、小型・軽量で高比スルーチューブのロケットエンジンの実現が目指されています。
Hideaki Kano教授の研究室は、超短パルスレーザーを用いた時間分解分光技術を基盤とし、分子振動・励起状態のダイナミクスをフェムト秒スケールで解明する研究を展開しています。特に、スーパーコヒーレント光を用いたマルチプレックスCARS顕微鏡技術の開発により、生体分子の化学的構造を非破壊で高分解能で可視化する技術の確立を目指しています。その応用として、酵母細胞内のミトコンドリアなどの細胞小器官の振動的コントラストをリアルタイムで観察する画期的な研究が進められています。
Xuewang Geng教授の研究室では、拡張現実(AR)技術を活用した言語学習環境の開発とその教育的効果を研究しています。特に日本語の合成動詞の習得を支援するARアプリケーションの開発を通じて、画像スキーマ理論やマルチメディア学習理論を応用した学習支援システムの構築を進めています。学習行動分析(Learning Analytics)を用いた認知負荷や学習動機、学習成績との関連性の解明も重要な研究テーマです。
阿教授の研究室は、心血管疾患の発症機構に深く関与する酸化的なシグナル伝達、特にNAD(P)Hオキシダーゼ(Nox)スーパーファミリーの機能とその調節機構を解明することを主眼としています。特に、心筋細胞や血管内皮細胞におけるNox4の発現上昇が酸化ストレス、細胞死、左室機能障害を引き起こすメカニズムを、ミトコンドリア機能障害と関連づけて研究しています。また、TGF-βシグナルや老化がNox4を調節するメカニズムの解明にも注力しています。
Xin Fu Tan教授の研究室では、金属間化合物やスニンク合金を用いた次世代エネルギー材料および電子材料の開発を主軸としています。特に、Cu6Sn5やSn-Bi系合金の反応挙動、微細構造の動的変化、およびリチウムイオン電池負極や低温はんだ材料としての応用に向けたメカニズム解明を、高分解能TEMやin-situ観察技術を駆使して行っています。また、材料の熱的・機械的安定性を向上させるための微細幾何学的修正戦略の開発も併行して進めています。
Y. Shimizu教授の研究室は、有機合成化学を軸に、特に金属触媒を用いた新しい反応開発と、天然物の効率的・エナンチオ選択的全合成を柱としています。特に銅・パラジウム・鉄を用いた触媒的反応により、複雑な立体化学を制御した多機能化反応や、エナンチオ選択的かつステレオダイバーシング可能な合成手法の開発が特徴です。また、天然物由来の生体活性分子(例:ハイパーフォリン)の全合成を通じて、新規反応の有効性を実証しています。
Ujiie教授の研究室は、自己免疫性びらん性皮膚疾患、特にボウルス・ペムフィゴイド(BP)をはじめとする基底膜ゾーン疾患の発症メカニズムを解明することを主眼としています。特に、補体非依存性経路がびらん形成に果たす役割や、ヒト型COL17コラーゲンを発現するトランスジェニックマウスを用いた疾患モデルの構築に注力しています。臨床応用を視野に入れた病態解明と、新しい治療戦略の開発を目指しています。
Kazuki Yoshida教授の研究室では、認知機能の回復や行動制御の向上を目的とした心理的・神経的アプローチを統合的に研究しています。特に、作業療法における「フローモード」の誘発や瞑想による注意制御の向上に注力しており、脳波(EEG)や行動変動性を用いた実験的・縦断的アプローチを展開しています。また、注意欠陥や脳損傷後の認知リハビリテーションにおける心理的状態の影響を、行動的・自己報告的指標で分析する研究も進めています。
本研究室では、光通信・光信号処理分野において、高速で高効率な光変調技術の開発を主眼としています。特に、光周波数シフト、周波数シフト鍵制御(FSK)、単側バンド(SSB)変調を用いた高レート光信号生成や、高消光比・高スプリアス抑制度の光強度変調技術の研究が進んでいます。また、THz帯域における高速無線伝送や、光パケット交換技術(OLS)の実現にも貢献しており、次世代光ネットワークの基盤技術の確立を目指しています。
山本孝史教授の研究室は、酸化亜亜鉛(ZnO)やペロブスカイト型酸化物などの機能酸化物薄膜の高品質な成膜とその物性制御を柱としています。特に、スパッタリング法を用いた高効率な薄膜成長技術の開発や、ナノスケールでの構造・物性の精密制御に注力しています。また、ダイヤモンド中の窒化物バッキング欠陊(NV⁻)を用いた量子デバイスの実現にも取り組み、スピン量子ビットの高精度な配置と長寿命化をめざした研究を展開しています。
Tae-Yeon Seong教授の研究室では、微小な発光デバイスであるマイクロLEDの物理的・電気的特性と、その応用技術の開発を主な研究テーマとしています。特に、LEDサイズの縮小に伴う非放射性損傷の低減戦略や、高電流密度駆動による高性能化の可能性を追求しています。また、神経形態の情報処理を模倣する神経モルフィック電子デバイスの開発にも取り組んでおり、光応答性の動的適応機能を実現する新規デバイス技術の創出を目指しています。
山崎俊継教授の研究室は、主に海洋堆積物を対象とした環境磁気学と古磁気学の研究を展開しています。特に、堆積物中の鉄酸化物や磁鉄鉱などの磁性鉱物の挙動と、それらが示す古磁気的・磁気的特徴を通じて、地球磁場の変動や気候変動の記録を解明しています。また、有機炭素フラックスや堆積環境の変化と磁性鉱物の関係についても、高分解能の磁気測定を用いて解明を進めています。
楊翁教授の研究室は、水中無線光通信(UWOC)と自律水中ビークル(AUV)を融合した次世代海洋観測技術の開発を柱としています。特に、波乱や環境変動に起因するビーム指向誤差の低減や、AUV間の高精度時刻同期、リアルタイムデータ収集の実現を目指した指向制御・ナビゲーション技術の研究が進んでいます。また、柔軟な光デバイスを用いた次世代生体統合型オプトエレクトロニクスの基盤技術開発も並行して行っています。
Takura教授の研究室は、医療の経済的側面と臨床的効果の両面を統合的に評価する研究を展開しています。主に透析治療や骨粗鬆症治療におけるコスト効果性やQOL向上の可能性を、QALYやICERを用いた分析によって検証しています。特に、長期的医療資源の消費予測や健康技術評価(HTA)の実践的応用に注力しており、医療制度の持続可能性に貢献する研究が進められています。
Po-Chih Kuo教授の研究室は、廃棄物からエネルギーを効率的に回収する革新的なプラズマガス化技術と、第二世代バイオ燃料を活用した炭素隔離型エネルギープロセスを主軸としています。特に、トローファイドバイオマスを用いた高効率なシングスガス・水素生産、および固体酸化物燃料電池を組み合わせたハイブリッドエネルギーシステムの最適化に注力しています。環境負荷低減とエネルギー効率の両立を追求する3E(エネルギー・エクジェルギー・環境)分析も重要な研究手法です。
Stefano Massaroli教授の研究室では、深層学習と力学系理論の融合を軸に、連続的深層ネットワーク(Neural ODE)の理論的基盤と実装の最適化に取り組んでいます。特に、エネルギー関数に基づく制御理論を応用し、安定性と性能チューニングを一元的に扱える最適制御フレームワークの構築を進めています。また、学習プロセス自体を微分方程式として定式化することで、計算効率と数値的安定性を両立する新規なモデル設計を提案しています。
中谷康紀教授の研究室は、宇宙の初期状態とその熱的歴史に焦点を当てた宇宙論的研究を推進しています。特にインフレーション以降からビッグバン核合成までの未知の時代の物理を、重力波や非ガウス性の密度揺らぎから解明することを目指しています。将来的な宇宙望遠鏡や重力波干渉計(DECIGO/BBO)の観測結果を基に、再熱温度や余剰ニュートリノの存在を精密に制約する理論的枠組みの構築が中心です。また、超対称性理論を応用したインフレーションモデルの構築や、gravitino問題の緩和、kination時代の自然な実現についても深い分析を行っています。
Hideyuki Tamaki教授の研究室は、地下深層や淡水環境に生息する微生物の代謝機構と生態的役割に焦点を当てた研究を推進しています。特に、メタン生成菌が芳香族メトキシ化合物を基質として利用する「メトキシドトロフィックなメタン生成」や、淡水環境における微生物多様性の解明が特徴です。また、培養技術の向上や環境中ウイルスの多様性・機能の解析を通じて、微生物の生態的役割を包括的に解明する取り組みを行っています。