東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Aki Kitaori教授の研究室では、スピン揺らぎやヘリカルスピン構造に起因する新規な電磁誘導効果に着目し、室温でも顕著な効果が観測される磁性体を材料として開発・評価しています。特に、短周期ヘリカルスピン状態を示すスズ含有ルネー系やアンチナイト系化合物を用いて、微小なサイズの量子インダクタ素子の実現に向けた基礎的メカニズムの解明を進めています。非反復的抵抗効果やスピントポロジーに起因する新物性の発見にも注力しており、次世代のスピントロニクス素子の基盤技術の創出を目指しています。
Kumakoshi教授の研究室は、都市の持続可能性と住民の生活満足度を高めるための都市緑化と交通インフラの最適化を主眼としています。特に、街路レベルの緑化可視性を高精度に評価するための新規指標「標準化GVI(sGVI)」の開発や、共有自動運転車(SAV)が都市の交通・土地利用に与える地域差のある影響を分析しています。また、都市景観の美的質や都市機能の多様性・密度の関係についても、実証的データを基に都市の活性化メタボリズムを解明する研究を進めています。
Sakamoto教授の研究室は、皮膚再生医療と創傷治癒のメカニズム解明を柱としており、特に自己皮膚移植の拡張技術や新生皮膚代替材料の開発に注力しています。hCE由来の成長因子やセルロース系材料「Genocel」、天然タンパク質由来のスフィンジ(シルクエラスチン)を用いた創傷治癒促進技術の開発が進んでいます。また、先天性黒色腫の再利用治療法や、高圧処理による色素消失の長期的評価など、臨床応用に直結する革新的な皮膚再生戦略を追求しています。
Miho Inoue-Murayama教授の研究室では、行動遺伝学の分野に焦点を当て、ヒトや動物の性格・行動の遺伝的基盤を解明することを目的としています。主にニホンミツバチやニホンミツバチに近縁な鳥類(ニホンミツバチ)、サル類、イヌ、ニワトリなど多様な種をモデルに、ドーパミン・セロトニン系関連遺伝子の多様体と行動・感情の関連を分子遺伝学的手法を用いて解析しています。特に、性格特性(神経質さ、社会性、支配性)やストレス関連ホルモン(コルチゾール)との関連を、遺伝子型と行動評価・生理的指標の統合的解析によって明らかにしています。
中野健二教授の研究室は、PET・CT画像の定量的解析と臨床応用に焦点を当てた核医学・画像診断学の研究を推進しています。特に、FDG-PETにおける腫瘍と正常組織の代謝活動の差異解明や、画像定量値の正確性を高めるためのアーティファクト低減技術の開発が主な研究テーマです。また、がんの再発モニタリングや臓器特異的代謝パターンの解明を通じて、がん診断の精度向上に貢献しています。
Kim Hyeon-Deuk教授の研究室では、半導体量子ドットにおける励起状態のダイナミクスを、第一原理的時間領域密度汎関数理論と非断熱分子動力学を組み合わせた先進的なシミュレーション手法で解明しています。特に、多励起子生成・再結合、フォノン補助過程、電子-フォノン結合が及ぼすエネルギー損失や電荷移動のメカニズムに注目しており、太陽電池や光触媒への応用が期待されます。研究はナノスケールの構造的・化学的要因(表面リグランド、格子不純物、核殻構造など)が光反応に与える影響を原子レベルで解明することを柱としています。
Reo Kai教授の研究室は、燃焼流体工学を基盤とし、特に非定常・非平衡な火炎挙動の高精度な数値シミュレーションに注力しています。主な研究対象は水素・メタン・アンモニア・ハイドラジンなどの低汚染燃焼や、高圧・高温度下における火炎挙動の解明です。Flamelet理論を応用した低コストで高精度な燃焼モデル(FGM、UFPV、NAUFPV)の構築と、偏り拡散や火炎ストレッチ効果の影響を考慮した数値手法の開発が中心です。また、実用的応用として、低NOx燃焼器の最適設計や、大規模スケールの蒸発器のシミュレーション手法の確立にも貢献しています。
Jiawei Xu教授の研究室は、地震や降雨といった動的外乱が土地盤に与える影響を、実験的・数値的アプローチを融合して解明しています。特に、地震によるひび割れがその後の降雨にどのように影響を与え、それが土石流の発生を促すかという「地震後降雨誘発土砂災害」のメカニズムに注力しています。また、不飽和土の水理力学的挙動や、土と水の相互作用を考慮した動的挙動の数値解析も展開しています。
Hashimoto教授の研究室は、ネットワーク制御システム(NCS)における通信負荷の低減と制御性能の両立を目的として、自己触発型(self-triggered)およびイベントトリガー制御の理論的・実装的枠組みを研究しています。特に非線形システムや不確実性を有するシステムに対して、モデル予測制御とガウス過程を組み合わせた学習ベースの制御手法を開発しており、通信の最適スケジューリングと動的特性の同定を同時に実現する点が特徴です。また、マルチエージェントシステムにおける状態・故障同時推定や、制約を満たしたままの安定性保証についても理論的基盤を構築しています。
Hisham Ahmed Imad教授の研究室は、デングウウイルスやチクングニアウイルスを含む虫媒介性ウイルス感染症の病態メカニズムを解明することを主眼としています。特に、急性期におけるサイトカインの動態と血管透過性の上昇が重症化に与える影響を、臨床的症候群と関連付けて研究しています。また、慢性関節炎や長期にわたる症状の発症メカニズムについても、疫学的・臨床的アプローチを用いて解明を進めています。
アフマド・ジャファル・アリフィ教授の研究室は、素粒子物理学におけるバリオンおよびメソンの構造と崩壊性質を、構成クォーク模型や軽場クォーク模型を用いて研究しています。特に、相対論的補正の効果が重いバリオンや多奇異バリオンの崩壊幅に与える影響に注目しており、Roper型励起状態の性質を高精度に再現するための理論的枠組みの構築を進めています。また、LHCbで観測された新しいボトムバリオンやcharmバリオンの三体崩壊過程についても、中間状態を介した過程の解析を通じて、スピン・パリティの同定や結合定数の抽出を試みています。
Ichikawa教授の研究室は、GaNを基盤とする半導体デバイスの高効率化と新機能化を追求しています。特に、赤色発光を実現するEu-doped GaNや、深紫外発光に適した半極性面AlGaN量子井戸、赤外発光を有するTm-doped GaNを用いた新規LEDの開発が中心です。また、欠陊や不純物の制御による非放射再結合の低減や、フォトニクスを応用したナノキャビティ構造の統合も進めています。これらの研究は、超高解像度ディスプレイや次世代バイオ医療用光源の実現に貢献しています。
Kimura教授の研究室は、次世代通信ネットワークの信頼性と効率性を高めるため、無人航空機(UAV)を用いた空中基 station(ABS)の3次元的かつ分散型な配置手法や、ネットワークログの異常検出技術の開発を主な研究テーマとしています。特に、災害時や一時的ピーク時におけるネットワークの柔軟かつ効果的な運用を可能にするための自律的で適応的なネットワーク設計技術に注力しています。また、車両間通信(V2V)やスケーラブルなログ分析技術を通じて、リアルタイムでの障害予測とサービス品質の向上を実現する研究も進めています。
Imamura教授の研究室は、腎臓移植に伴う虚血再灌流障害に注目し、細胞死の制御や酸化的損傷の軽減を目的とした新規治療戦略の開発を進めています。特にp53の一時的阻害や、カルバミル化エリスロポエチン(CEPO)、水素放出ナノシリコンといった新規分子・ナノ材料の応用を柱としています。腎機能の保護と移植後の長期予後改善を目的とした翻訳的研究を実施しており、臨床応用に向けた基盤を強化しています。
Akito Nakagawa教授の研究室は、特に心不全に特化した循環器学的・血管生物学的アプローチを展開しています。特に心機能不全の病態メカニズムとして、右心機能不全と肺動脈の機能的分離(RV-PA uncoupling)の臨床的意義を解明しており、特に射出分数が保たれる心不全(HFpEF)における予後予測因子の同定を主眼としています。また、内皮細胞におけるWnt/β-cketininシグナルの異常な活性化が心機能障害を引き起こすメカニズムの解明にも貢献しています。
山本正紀教授の研究室は、太陽光を用いた人工光合成の実現に向け、分子レベルでの光反応機構の解明と効率的触媒系の設計を柱としています。特に、ポルフィリン・ルテニウム錯体を用いた水酸化反応触媒系や、電子移動を制御する分子ジュニアの開発が特徴です。光駆動型水酸化反応の効率化と、長寿命の電荷分離状態の創出を目的とした分子設計が進んでいます。
Jiazhen Wu教授の研究室は、磁性とトポロジーを併せ持つ次世代半導体材料や、電子を格子間隙に局在化させるエレクトライドを用いた新規触媒材料の開発を主眼としています。特に、磁性トポロジカル絶縁体の構造的・物性的制御や、金属間化合物型エレクトライドが示す優れたアンモニア合成触媒特性の解明が進んでいます。これらの材料は、量子情報処理や持続可能なエネルギー変換技術への応用が期待されています。
Takashi Hirasawa教授の研究室では、微生物の代謝工学と進化生物学を融合した研究を推進しています。特にコリネバクテリウム・グルタミクムをモデル生物として、遺伝子改変や適応的実験的進化(ALE)を用いてアミノ酸の高効率生産機構を解明しています。トランスクリプトーム・プロテオーム・メタボローム解析を統合的に応用し、代謝経路の制御メカニズムと環境適応の分子機構を解明しています。
Hiroya Abe教授の研究室では、神経伝達物質のリアルタイムイメージングやバイオセンシング技術の開発を柱として、PC12球状培養細胞を用いたドーパミン放出の電気化学的イメージングに成功しています。また、白金フリーな酸素還元反応触媒の開発や、ポリドパミン膜を用いた液体界面の界面制御、マイクロニードルを用いた電気泳動駆動型薬物送達技術の研究も進めています。これらの研究は、神経科学、材料科学、バイオエレクトロニクスの分野を横断する、応用指向の先端的研究です。
山下慎一教授の研究室は、がんの発症・進行メカニズムの解明を柱とし、特に前立腺がんや乳がんにおける受容体スプライスバリアントやサバイビンの役割、および腫瘍マーカーとしてのM-PLA2の意義を追求しています。また、代謝異常とがんリスクの関連や、肺がんの最小侵襲手術の有効性についても臨床的・実験的アプローチを展開しています。これらの研究は、がんの個別化医療や予後予測、新規治療標的の同定に貢献しています。