東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Junji Nakamura教授の研究室は、酸素還元反応(ORR)や二酸化炭素の触媒反応を効率的に行うためのナノ構造材料の開発を柱としています。特に、窒素ドープ炭素材料における活性サイトの特定や、銅を基盤とする触媒系における反応機構の解明を進めています。高圧下での表面反応挙動をUHVと高圧反応系を連携して解析する独自の実験手法を駆使し、触媒の構造と反応性の関係を解明しています。
Minoda教授の研究室は、消化器内視鏡診断と治療の高度化を目的として、特に消化管腫瘍や胃腸間質腫瘍(GIST)の正確な診断に向けたエンドスコープ・超音波診断技術の革新を進めています。特に、EUS-FNAやEUS-AIを用いた胃・腸管における小巣病変の診断精度向上や、人工潰瘍の内視鏡的閉鎖技術(SCCT)の応用に注力しています。また、難易度の高い胆道・十二指腸エンドスコープ下切除(ESD)の安全性と有効性の検証も重要な研究テーマです。
宮路博文教授の研究室では、再生医療を目的とした生体適合性ナノ材料の開発と応用を主軸としています。特に、グラフェン酸化物(GO)やβ-トロイダイト(β-TCP)ナノ粒子を用いたコラーゲンスフィアを基盤とした組織接着・骨再生材料の開発が進んでいます。FGF-2をドキシシチル化したハイドロゲルやナノコーティング技術を組み合わせることで、歯周組織再生や顎顔面領域の骨再生を実現する画期的なインプラント材料の創出を目指しています。
Kato教授の研究室では、微生物が電気的相互作用を通じてエネルギーをやり取りするメカニズムに注目し、特に鉄酸化物ナノ粒子を介した細菌間電子移動(IET)が、炭素循環やメタン生成、セルロース分解など、自然界の重要な生態的プロセスにどのように寄与するかを解明しています。鉄酸化物の半導性特性が微生物コミュニティの機能を制御するメカニズムを、合成微生物群や土壌由来のコミュニティを用いて解明しており、環境修復や持続可能なエネルギー技術への応用も視野に入れた研究を推進しています。
田中正明教授の研究室では、半導体とフェロ磁性体を組み合わせたヘテロ構造を分子線エpitaxy(MBE)を用いて高精度に制御的に成長し、室温でも機能するスピントロニクス素子の実現を目指しています。特に、MnAs、MnGa、MnAs/GaAsを基板とする単結晶フェロ磁性体薄膜の成長とその磁気的・輸送的性質の解明が中心であり、磁気的アービター効果や巨大トンネル磁気抵抗(TMR)といった新機能の創出をめざしています。
Paul Lester Chua教授の研究室は、気候変動が人間の健康に与える影響を解明することを主眼としています。特に、熱ストレスや感染性疾患(例:重度の下痢)の発生と気温・降水量の関連を疫学的・統計的手法を用いて定量的に分析しています。アジア諸国、特にフィリピンを対象に、都市部における気候変動適応戦略の科学的根拠を提供しています。
Wujun Yin教授の研究室では、金属材料の微視的構造と力学的挙動の関係を解明することを目的としています。特に、長周期スタッキングオーダー相を有するMg-Zn-Y系合金や、Q&T・Q&P処理を施した高炭素鋼の多相構造と微小変形挙動の相関を、原子プローブトモグラフィーと高分解能デジタル画像相関法を用いて精密に解析しています。材料の強度と延性のバランスを制御するための微視的メカニズムの解明が、次世代高強度・高延性金属材料の開発に貢献します。
Terazima教授の研究室は、光誘発反応における遷移状態やラジカル種の動的挙動を、時間分解光熱法(特にトランジエントグラーティング法)を用いて精密に解明することを柱としています。特に、反応生成物である不対電子を有するラジカルの拡散係数の測定を通じて、ラジカルと溶媒との相互作用の強さや、溶液中での分子運動の異方性を明らかにしてきました。この研究は、光化学反応機構の理解を深める上で極めて重要な基盤を提供しています。
佐藤賢治教授の研究室は、主に魚類の筋肉に含まれるコラーゲンの構造・性質と、その生理的・食感的役割に注目した研究を展開しています。特に、魚の遊泳行動に寄与するコラーゲンの役割や、冷蔵保存による筋肉組織の変化、さらにはタンパク質の架橋構造解析にも関与しています。これらの研究を通じて、魚肉の食感制御や新素材開発への応用を目指しています。
高木徹正教授の研究室は、有機触媒(特にNヒエトロサイクルカルベン:NHC)を用いた新規反応の開発とそのメカニズム解明を柱としています。特に、NHCと酸の協働作用によるアクリル誘導体のアンポルト反応や、反応中間体のESI-MSおよびラジカル種のEPRスペクトル解析を通じた反応機構の解明が顕著です。また、結晶中におけるラジカルの動的挙動やスピン系の温度依存性の解析にも力を入れており、物性と反応機構の両面から分子レベルの理解を追求しています。
Kento Uchida教授の研究室では、強相関電子系における秩序の競合と電子相関効果が、極端な非線形光学現象に与える影響を、高次高調波生成(HHG)を用いて解明しています。特に、モット絶縁体や2次元半導体を対象に、光場と物質の量子干渉を制御することで、電子状態のミクロな構造や励起子ダイナミクスを超高時間分解能で観測する研究を推進しています。Floquet工学を応用した超高速量子状態制御や、偏光分解HHGによる遷移電気双極子モーメントの空間的構造の可視化も重要なテーマです。
Wataru Ando教授の研究室は、再生医療分野に焦点を当て、特に末梢骨髄由来の間葉系幹細胞を用いた組織工学的補綴体(TEC)の構築とその生体適合性・機械的特性の解明を主な研究テーマとしています。特に、関節軟骨の再生を目的とした幹細胞由来の人工軟骨の作製や、変性疾患に伴う腱損傷(例:オキサローゼ症候群関連腱断裂)の治療法開発にも取り組んでいます。また、人工股関節における金属イオン放出と合併症の関連性についても臨床的・機械的アプローチで研究を進めています。
稲井久美教授の研究室では、半導体プロセス技術を応用した高密度電気化学センサーマイクロアレイ「Bio-LSI」の開発を柱とし、生体分子のリアルタイム・マルチポイント検出を可能にする電気化学的バイオイメージング技術の確立を目指しています。特に、光ノイズ低減のための遮光構造や、測定モードを個別に切り替えられる機能を搭載した次世代センサーチップの開発が進んでいます。また、内毒素の高感度検出を目的とした酵素プロセスに基づく電気化学的センシング技術や、BEM(バイポーラ電気化学的マイクロスコピー)を用いた高分解能イメージング技術の開発も展開しています。
Terada教授の研究室では、複雑な異種材料や複合材料の多スケール挙動を高精度に予測するための数値解析手法の開発を主眼としています。特に、均質化法や有限要素法を応用した多スケール解析、および物性の非線形性や損傷挙動を考慮した材料挙動の定式化が中心です。また、メッシュフリー法や物質点法を応用した数値的安定性の向上や境界条件の適切な取り扱いについても革新的なアプローチを展開しています。
Akihiro Hayakawa教授の研究室では、炭素を排出しないアンモニアを燃料とする内燃機関の実用化に向け、高圧下におけるアンモニア炎の燃焼特性とNOx排出挙動の解明を主眼としています。実験的手法と数値シミュレーションを融合し、NOx生成・低減のメカニズムを解明することで、環境に配慮した次世代エネルギー技術の基盤を構築しています。特に、アンモニアの低燃焼強度という課題を克服するための反応機構と流れ場の制御に関する基礎的研究が進められています。
K. Takenaka教授の研究室は、相転移を伴う負熱膨張(NTE)材料の発見と物性機構の解明を柱としています。特に反ペロブスカイトマンガン窒化物におけるゲルマニウムやスニソウドーピングによる相転移の緩和と、広い温度範囲での等方的・非ヒステリシス的NTEの実現に成功しています。また、高機能酸化物や層状ルタネートなど、多様な結晶構造を対象に、巨大NTEの発現機構と応用可能性の追求が行われています。
Ebi教授の研究室は、がんのシグナル伝達経路、特にPI3K/AKTおよびMAPK経路の異常とその治療抵抗性のメカニズムを解明することを柱としています。特に、PIK3CA変異やHER2増幅、KRAS変異を有するがんにおいて、標的療法の感受性・耐性の分子機構を解析し、効果的な併用療法の開発を目指しています。また、がんの個別化医療を実現するための遺伝子プロファイリングの制度的・医療現場への統合の仕組みづくりにも貢献しています。
Kurasaki教授の研究室は、環境中の重金属やナノ粒子が生物に与える毒性メカニズムを解明することを主眼としています。特に、銀ナノ粒子や水銀、カドミウムなどの金属毒性が細胞に及える影響、ならびにセレンや金属チオネインといった内因性因子がそれらの毒性に対して果たす防御機構を分子レベルで解明しています。また、水質汚染の評価や重金属の除去技術の開発についても、持続可能な環境保全に貢献する研究を展開しています。
伊藤大輔教授の研究室は、神経変性疾患や脳血管障害における神経炎症・ミクログリアの役割、およびタンパク質折りたばみ異常とその病態メカニズムを解明することを主眼としています。特に、ミクログリアの活性化状態を示すマーカー(Iba1やED1)の解析や、エンドプラズミックリティクルストレス応答(UPR)に関与するSTC2の同定、FUSやC9orf72遺伝子変異に起因する筋萎縮性側索硬化症(ALS)や後頭側頭型 dementia(FTD)の病態解明が進んでいます。また、Seipin遺伝子の機能喪失および gain-of-toxic-function 変異が神経変性疾患を引き起こすメカニズムの解明にも貢献しています。
アレクサンドル・コーキョン教授の研究室では、水素・酸素の安定同位体を用いた気候モデルの開発と応用を柱として、地球システムモデルにおける水循環の精密な再現を目指しています。特に、氷核や大気中の同位体比を用いた古気候再構築や、過去の気候変動(例:中ホロセン)のメカニズム解明が主な研究テーマです。同位体トレーサーを統合した大気・海洋・陸面モデルの開発を通じて、気候変動のメカニズム解明と古気候データとの直接比較を推進しています。