東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Yoko Yamabe-Mitarai教授の研究室では、高温形状記憶合金(HTSMA)の開発に注力しており、特にイridiumやプラチナを含むチタンベース合金を対象に、高融点での形状記憶効果や超弾性の発現機構を解明しています。熱膨張測定や圧縮試験を用いた相変態と応力・応答の関係を詳細に解析し、合金成分の調整による転移温度制御と強度向上を実現しています。また、多要素合金やエントロピー合金を応用した新規構造材料の開発にも取り組んでいます。
Shibuta教授の研究室は、分子動力学シミュレーションを核にして、金属の凝固・結晶化挙動を原子スケールから微細組織スケールまで解明する計算金属学を専門としています。特に、過冷却状態における均一核生成や界面エネルギーの温度依存性、ナノスケールの金属粒子における相転移挙動の解明が主な研究テーマです。GPUを活用した大規模シミュレーションにより、実験では観察しづらい微視的メカニズムの解明を進めています。
Fumie Magata教授の研究室では、産後における子牛の生殖機能低下のメカニズムを解明することを目的としており、特に腸内細菌由来のリポポリサッカライド(LPS)が卵巣の顆細胞や卵母細胞に与える影響を細胞・分子レベルで解析しています。LPSによるステロイド産生の抑制や、卵母細胞の質の低下が不妊に与える影響を、in vitro培養系や時間分解能を持つ画像解析技術(TLM)を用いて解明しています。また、高齢牛における受精能の低下に対するICSIの有効性や、持続的黄体形成の遺伝子発現機構についても研究を展開しています。
Maiko Sakamoto教授の研究室は、発展途上国における持続可能な開発と社会的包摂を柱に、環境・公衆衛生・社会資本・人道的危機への対応を統合的に研究しています。特にバングラデシュを事例として、衣料産業の環境影響、COVID-19がもたらす社会的脆弱性、ローチャン難民の流入に伴う土地利用変化、国境を越える水資源紛争の分析を通じて、政策的インサイトを提供しています。また、高齢者の健康と自己受容に関する肌ケアの有効性についても、社会的・心理的要因の視点から探求しています。
Qian-Yuan Tang教授の研究室は、タンパク質の構造的・動的性質と進化の関係を、核磁気共鳴(NMR)やX線結晶構造、AlphaFoldによる予測構造を活用して解明しています。特に、タンパク質内の長距離相関や臨界現象に類似したスケーリング則が、機能的柔軟性や進化的安定性の背後に潜むメカニズムを解明しています。また、ノイズ駆動の動的変動と突然変異による構造変化の類似性から、動的性質と進化の対応関係を定量的に示しています。
川口大輔教授の研究室では、高分子薄膜の界面挙動と分子動態に注目し、特にポリスチレンなどの高分子膜における表面移動性や界面拡散挙動を、中性子反射率や二次イオン質量分析を用いた精密な界面解析によって解明しています。特に、ガラス転移温度以下でも表面に移動性層が形成されることを示し、高分子薄膜の物性制御に重要な知見を提供しています。また、分子量や構造の違いが界面挙動に与える影響についても、多様な高分子系を用いて体系的に研究しています。
Takeda教授の研究室は、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルス、メルスウイルスなど、膜を有するウイルスの膜融合・胞吞・成熟過程における膜動態と宿主因子の役割に注目しています。特に、ウイルス糖タンパク質の膜内ドメインがリピッドラフトに局在するメカニズムや、宿主プロテアーゼ(例:TMPRSS2)によるプロテイン活性化がウイルス感染に与える影響を分子細胞生物学的手法で解明しています。また、ウイルスゲノムの非翻訳領域がウイルス増殖に果たす役割についても、リバースゲノム技術を用いて解析しています。
Kenta Ishimoto教授の研究室では、生物学的微小遊泳者(特に精子)の遊泳メカニズムを、流体力学的・数値的アプローチから解明しています。特に、ストークス流れ下での自己駆動、フラジラーの周期的運動が生じる流れ場の解析、および生体粘性媒体内での動的挙動に注目し、実験データと数値シミュレーションを融合した高精度なモデル構築を進めています。また、細胞レベルの詳細を集約したスミンギューリティックス近似を用いた集団挙動の予測も展開しています。
Kojima研究室は、化学情報学と動物行動解析を柱としたAI応用研究を推進しています。分子構造の予測や生成に向けたグラフニューラルネットワークの開発を通じて、ドラッグディスカバリーや新素材開発の支援を図っています。一方で、野生の渡り鳥のさえずりをリアルタイムに分析するロボット聴覚技術の開発も進め、音源の検出・分離・分類を統合した半自動アノテーションシステムを構築しています。
Yasuaki Hikida教授の研究室では、高次元および2次元の共形場理論(CFT)と重力理論の双対性、特にde Sitter空間におけるホログラフィーとWZW模型の関係を研究しています。特に、SU(N) WZW模型の臨界レベル極限(k → -N)が、3次元de Sitter空間上の高スピン重力理論に対応することを提案・検証しており、量子重力の古典的極限におけるCFT双対の構築を目指しています。また、チャーン・シンズ理論を用いたWilson線ネットワークによる自己エネルギー補正の取り扱いや、境界状態・開閉双対性の考察も行われており、場の理論と重力の統合的理解に貢献しています。
Takuo Kubota教授の研究室では、骨代謝疾患の分子機構解明を柱とし、特にWntシグナル伝達経路が骨形成に与える影響を細胞・動物モデルを用いて解析しています。特にLRP5やLRP6をはじめとするWnt共受容体の機能、および骨形成・吸収のバランス制御に注目し、骨形成障害(例:軟骨形成不全、オsteogenesis imperfecta)の病態解明と新規治療法の開発を目指しています。また、臨床的意義の高いバイオマーカー(例:FGF23、ビタミンD)の意義解明や、患者由来iPSCを用いた疾患モデルの構築も進めています。
Satoshi Yamaguchi教授の研究室では、トポロジカルな量子場理論や高次対称性を有する場の理論を対象とし、特にトポロジカルなデフェクトや境界・コーナーにおけるエッジモードの出現、異常流入による保護機構に注目した研究を行っています。4次元のZ₂ lattice gauge理論における非可逆的デフォルトや、(4+1)Dのトポロジカル質量項を有するテンソルゲージ理論における境界・コーナー物理の解明が中心です。また、超対称性を導入したフラクトン相に類似した相の構築や、自己双対性・サブシステム対称性に起因する残渣的エントロピーの研究も進めています。
Yamaguchi教授の研究室では、酸化マンガンを用いた水酸化反応のプロトン結合電子移動機構の制御や、高温耐性材料における自己修復機構の解明を進めています。特に、中性pHでも効率的な酸素発生を実現するバイオインスパイアド触媒の開発や、炭素含有耐火物の自己修復挙動のメカニズム解明が主な研究テーマです。また、アルミナシリカカルバイト(Al₄SiC₄)の合成と耐水性評価を通じて、次世代耐火材料の開発にも貢献しています。
佐久間温朋教授の研究室では、気候変動下における極端な降雨の発生メカニズムとその影響を、高分解能気象データと先進的な統計・機械学習手法を用いて解明しています。特に、1時間から24時間の短時間スケールでの極端な降雨の予測や、都市規模の雨量頻度曲線(IDAF)の構築に注力しており、気候変動に伴う水害リスクの評価に貢献しています。また、UV-Vis分光法を活用した河川水質のリアルタイムモニタリング技術の開発も並行して行っています。
Ankit A. Ravankar教授の研究室は、特に複雑な環境下における移動ロボットの自律的ナビゲーションとマッピングに焦点を当てた研究を推進しています。主にサンプリングベースのパスプランニングやハイブリッドマッピング手法を用いて、リアルタイム性と精度を両立するロボット制御技術の開発を進めています。また、複数ロボット間の情報共有や、屋外の農業環境(ブドウ園)における安全なナビゲーション技術の実用化にも取り組んでいます。
Junko Kyozuka教授の研究室は、イネをモデルとして、植物の体形形成(発生構造)を決定づける遺伝的・分子機構に焦点を当てています。特に、分岐形成の制御(アピカル優位性やTFL1/CEN様遺伝子の機能)、花序の発生機構、および花の形態形成に関与するMADSドメイン転写因子の機能解明を進めています。これらの研究を通じて、単子葉植物ならではの発生メカニズムの解明を目指しています。
Tamada教授の研究室は、自己組織化膜(SAMs)の分子設計と表面・界面特性の制御を柱としており、特にアルカンチオールやフルオロアルキルチオールを用いた高秩序な2次元自己組織化膜の形成機構を原子間力顕微鏡(AFM)やスペクトロスコピーテクニックを用いて解明しています。また、光応答性分子を導入したスマートな表面材料の開発にも注力しており、光刺激による分子配列の制御(光スイッチング)や、ナノスケールでの光・物性の相関を解明しています。さらに、銀ナノ粒子を用いた2次元ナノスケールプラズモン材料の創製や、その光学的特性の制御についても革新的な研究を展開しています。
Hisaaki Tanaka教授の研究室は、有機半導体の電荷輸送メカニズムとその応用に焦点を当てた先端的研究を展開しています。特に、電子スピン共鳴(ESR)を用いたフィールド誘起ESR法により、動作中の有機トランジスタにおけるキャリア濃度の直接測定を可能にし、高移動度を実現する高分子の分子設計原理を解明しています。また、がん細胞の発癌関連転写因子TTF-1の機能とその標的化可能性についても、がん生物学的応用の視点から研究を展開しています。
Sergei D. Odintsov教授の研究室では、一般相対性理論の拡張としての修正重力理論や非線形重力-物質系の研究が中心であり、特に宇宙の加速膨張を説明するための効果的なファントムエネルギーやクインテッセンスのモデルを提案しています。また、未来の特異的状態(例えばビッグリップや突然の特異性)における量子力学的効果の影響を解析し、特異性の緩和やデ de Sitter 段階への到達可能性を示唆しています。さらに、Lorentz対称性の破れを内蔵した一般化されたf(R,T,RμνTμν)理論の構築と、ΛCDM宇宙やデ de Sitter 解の再構成も行われており、物質不安定性の問題に対しても深い考察がなされています。
Kazuya Ando教授の研究室は、スピンホール効果を活用したスピントロニクスデバイスの実現を主眼としており、特にPtやCu、シリコンを用いたスピン-電荷変換現象の解明に注力しています。磁性膜に直接電流を流さずに、スピンホール効果によるスピンターミュレータ効果で磁化の動的制御を達成する新規な電気的スピン制御技術を開発しています。また、酸化誘起効果による軽金属でも高いスピンホール効果を実現する画期的な知見も得ており、低損失で高効率な次世代スピンデバイスの基盤を構築しています。