東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
中村正晴教授の研究室は、鉄触媒を用いた高効率で選択的なアルキル化反応の開発を柱としています。特に、アルキルハライドと求核的ハライド供与体とのクロスカップリング反応において、反応条件の緩和と官能基耐性を実現しており、天然物や医薬品の合成に応用可能です。また、光学活性なケトンや四置換炭素中心の効率的構築にも貢献し、立体化学的制御の新しい戦略を提供しています。
Shuling Hu教授の研究室は、地震に強い高性能構造システムの開発に注力しており、特に形状記憶合金を用いた自己復元性構造や粘性ダンパーを組み合わせたハイブリッド構造の動的挙動と耐久性を解明しています。主な研究対象は、主震後の余震や近断層地震動に対する構造物の応答特性とライフサイクルコストの最適化です。特に、残留変位の低減と耐震性の両立を実現する次世代の免震・制振構造の設計法の確立を目指しています。
Amit Kumar Chatterjee教授の研究室は、非平衡統計力学と量子多体系の動的挙動に焦点を当てた先進的な研究を展開しています。特に、量子Mpemba効果や特異点(エクセプショナルポイント)がもたらす非直感的現象、オープン系における量子・古典的カオスの伝播、および粒子系の異常な輸送特性(例:負微分移動度)のメカニズム解明を主なテーマとしています。これらの研究は、量子情報、非平衡統計力学、複雑系物理学の交差点で、理論的・数理的アプローチを駆使して展開されています。
Taigo Kato教授の研究室は、がん免疫療法の基盤を解明することを目的としており、特にがんに特異的な新抗原を標的にするT細胞反応の制御や、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測に役立つT細胞受容体(TCR)リパトリアの動的変化を解析しています。また、腎細胞癌を対象とした画像誘導療法(冷凍焼灼術)が引き起こす腫瘍微小環境の変化や、がん幹細胞様性を維持するキナーゼ(TOPK/MELK)の機能についても、がんの治療抵抗性と関連して研究を進めています。さらに、間葉幹細幹細胞(ADSC)が移植拒絶反応を抑制するメカニズムの解明にも貢献しています。
山口弘安教授の研究室では、分子認識に基づく自己組織化と光応答性を有する高分子ゲルの設計を柱として、機能性ゲル材料の創出をめざしています。特にアゾベンゼンを用いた光刺激応答性な分子認識系を活用し、光で制御可能なマクロなゲル構造の形成を実現しています。また、植物の遺伝子変異育種においても、イオンビームを用いた高効率な突然変異誘発技術の開発を進めています。
Masataka Koide教授の研究室では、4次元の$η_2$格子ゲージ理論を対象に、境界を伴う量子場理論における非可逆的対称性の役割を探究しています。特に、Kramers-Wannier-Wegner(KWW)双対性を実現するトポロジカルなデフェクトや1形式$η_2$中心対称性のデフェクトを構成し、それらの交差関係や境界上の物理的意味を解明しています。この研究は、境界上の量子揺らぎや境界ランゲルギー流の制約を明らかにし、4次元におけるg定理の応用にもつながります。
王清波教授の研究室は、がんや感染症を含む疾患の遺伝的基盤を解明することを目的としており、特に全ゲノムや全エクソームデータを活用した多様な遺伝変異(MNV、eQTL、pQTLなど)の同定と機能解釈に注力しています。特に、がんやCOVID-19のような疾患における遺伝子発現・タンパク質発現の調節機構を、統計的ファインマッピングや高スループットな予測モデルを用いて解明しています。また、非コード領域の機能的変異の影響を解明するための高精度な予測ツールの開発も進めています。
James M. Lisy教授の研究室は、気相反応系におけるクラスターイオンの構造・動態を、赤外レーザー分光法と質量分析法を融合して解明する分野で世界的に知られています。特に、水素結合の形成や溶媒殻の構築といった微小系の構造的変化を、分子ビームを用いた精密な分光測定で捉えています。この研究は、理論計算との照合を通じて、溶液中での化学的挙動を理解する基盤を提供しています。
Yoichi Kakuta教授の研究室は、炎症性腸疾患(IBD)の発症メカニズムと個別化医療の実現を目指して、日本人集団に特有の遺伝的要因や薬物代謝異常の解明を主な研究テーマとしています。特にチオプリン系薬剤の副作用メカニズムや、日本人に特有のCD感受性遺伝子(例:RAP1A)の同定、およびアレルギー反応の遺伝的素因の解明に注力しています。また、パナセア細胞の形態と関連する遺伝子変異の解析を通じて、自己飲食物関連の自己免疫制御機構の解明も進めています。
岡野慎一郎教授の研究室では、家畜の遺伝資源の評価と遺伝育種の高度化を目的として、豚・牛の繁殖・生産性・肉質関連特性の遺伝的パラメータの推定や、ゲノム情報の有効活用に関する研究を進めています。特に、低密度SNPマーカーからのゲノムインプリンティングや、遺伝関係行列の構築、ゲノム予測の精度向上に向けたアプローチが中心です。また、日本黒豚や日本黒牛を対象とした高精度な遺伝育種支援技術の開発が目指されています。
Yonatan Hutabarat教授の研究室では、ウェアラブルセンサーやインertリアル測定技術を活用した歩行分析の高精度化と応用を主軸としています。特に、二つのIMUセンサーや有限状態機械(FSM)を用いた歩行イベントの自動検出、および強化学習を応用した補綴具制御の開発が進んでいます。臨床的応用としてのリハビリテーション支援や、工業用制御バルブのストリクション検出技術の開発も併行して行っています。
Naoki Akai教授の研究室では、自律移動ロボットの安全で信頼性の高い位置推定を実現するための新規なローカライゼーション手法の開発を主眼としています。特に、点群マッピングとレーザー強度マッチングを組み合わせた高精度な位置推定、および環境変化に強いロバストなローカライゼーションを実現するための不確実性推定や、深層学習を用いた信頼性評価手法の研究が進んでいます。また、磁気地図の自動構築や、観測クラスを考慮した新たな観測モデルの提案を通じて、山間部や屋内など複雑な環境でも安定した自律走行を可能にする技術開発が行われています。
Matuda教授の研究室は、敗血症に伴う多臓器障害の発症メカニズムに焦点を当て、特に血管内皮細胞の機能障害と細胞死のシグナル伝達経路(FADD・死亡受容体経路)の役割を解明しています。NF-κBの活性化が肺障害を引き起こすメカニズムに対して、遺伝子デコイオリゴデoxynucleotideを用いた標的療法の可能性も探求しています。また、心筋のβ遮断受容体応答の低下や交感神経刺激薬の血行動態的効果についても、臨床的応用に繋がる基礎的研究を進めています。
Koichi Morisaki教授の研究室は、末梢動脈疾患や虚血性下肢疾患を対象とした血管外科・血管内治療の臨床的研究を柱としています。特に、大腿動脈閉塞症や虚血性下肢壊死の治療成績や予後予測因子の解明に注力しており、虚弱度評価や画像診断を用いたリスク要因の同定が特徴です。また、動脈瘤や先天性血管奇形の治療的アプローチについても、臨床的意義の高い症例報告や検証的研究を継続しています。
Watanabe教授の研究室は、ペロブスカイト型酸化物半導体ならびにフェロエレクトリック薄膜のエピタキシャル成長とその物性制御を柱としています。特に、ビスマス層状酸化物(BLSF)を用いた高耐久・鉛フリーなメモリ材料の開発や、スピンやプラズモンを用いた次世代エレクトロニクス素子の創出をめざしています。金属オルガニック化学蒸着法(MOCVD)を用いた高品質薄膜の制御的成長と、その電気的・光学的特性の解明が特徴です。
川本浩行教授の研究室では、静電界を用いた粒子・液体滴・柔軟体の非接触輸送技術の基礎的研究を進めています。特に、静電トラベルリング波を用いた微粒子や月のチリの輸送、宇宙空間や真空環境における静電的クリーニング技術の開発が主なテーマです。実験と数値シミュレーションを融合した包括的なアプローチにより、宇宙探査や資源利用に不可欠な静電的輸送メカニズムの解明を進めています。
Tayfun E. Tezduyar教授の研究室は、流体・構造連成問題(FSI)を対象とした高精度で安定した数値解析手法の開発を主眼としています。特に、移動界面や動的境界を扱うための「変形空間領域/安定化時空間法(DSD/SST)」を核とした有限要素法の理論的・計算的基盤を構築。大規模並列計算環境(例:Connection Machines)を活用した高性能計算技術の開発も進めており、宇宙飛行機のパラシュート展開や動脈血流のシミュレーションなど、実社会に直結する複雑な流体工学問題の解決をめざしています。
Keisuke Kataoka教授の研究室は、T細胞リンパ腫や成人T細胞 leukemia などのT細胞由来のがんの分子病態を、がんゲノム解析や免疫調節機構の解明を通じて解明しています。特に、PTCL-NOS や ATL における遺伝子変異、エピジェネティクス的異常、PD-L1/PD-L2 の異常発現といったがんの進展メカニズムを、がんゲノムシーケンシングと免疫機能の統合的解析で解明しています。また、造血幹細胞の自己対応制御や鉄蓄積が移植後の予後へ与える影響についても、臨床的バイオマーカーの同定を含め、がん治療における基礎と臨床の橋渡しをめざしています。
Tashiro教授の研究室は、慢性期脊髄損傷における神経再生とリハビリテーションの統合的アプローチに注目し、神経幹・ progenitor細胞(NS/PC)移植と運動リハビリテーションの併用が、運動機能回復を促進することを明らかにしている。特にBDNF経路を介したKCC2再発現の制御が、痙縮や痛覚過敏の抑制に寄与することを解明しており、神経可塑性の分子メカニズムの解明を進めている。
小林教授の研究室では、消化管内視鏡の革新技術、特にコロナ内視鏡(コロナカプセル内視鏡)や小腸カプセル内視鏡の臨床的応用と技術向上を主軸としています。特に、炎症性腸疾患や小腸病変の早期診断、画像解析技術の開発を通じて、患者の負担を軽減する非侵襲的診断法の確立を目指しています。また、細胞接着やサイトカインの役割に関する基礎的研究を通じて、病態メカニズムの解明にも貢献しています。