東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Masanori Iwase教授の研究室は、2型糖尿病の臨床的管理に寄与する生活習慣要因の影響を解明することを目的としています。特に睡眠、喫煙、飲料(緑茶・コーヒー)、運動習慣の血糖コントロールおよび心血管リスクへの影響を、日本人を対象とした疫学的・実験的アプローチで研究しています。また、膵島血流の動態変化についても、糖尿病発症に伴う血流変化のメカニズムを動物モデルを用いて解明しています。
Yusaku Nakabeppu教授の研究室は、酸化的損傷に起因する遺伝子変異や神経変性疾患の発症メカニズムに注目し、特に8-オキソグアニンや酸化的DNA損傷の修復機構を解明しています。MTH1、OGG1、MUTYHといった修復酵素の機能と、それらが神経変性疾患や代謝疾患、がんに与える影響を分子レベルで解明しています。また、神経変性疾患と代謝シンドロームの関連性や、酸化的損傷がエネルギー恒常性に与える影響についても革新的な知見を提供しています。
柴津佳織教授の研究室では、気管支喘息やCOPDをはじめとする慢性呼吸器疾患の病態解明と、画像診断・バイオマーカーを活用した個別化医療の実現を目指しています。特に、画像認識技術(深層学習)を応用した画像解析や、肺機能・血管画像指標を用いた疾患の分類・予後予測に関する研究が進んでいます。また、気道炎症や肺線維化のメカニズム解明を通じて、新たな治療標的の同定にも貢献しています。
Shu-Ping Hui教授の研究室は、体内に存在する新しい脂質「SFAHFAs」の同定と機能解明を柱としており、特に短鎖脂肪酸エステル化ヒドロキシ脂肪酸(SFAHFAs)の代謝的役割や、脂質の酸化状態が代謝疾患に与える影響を、細胞・動物モデルを用いた脂質体ーム解析によって解明しています。また、抗酸化作用を示す天然由来化合物(例:フラジン)がNrf2活性を介して肝細胞を保護するメカニズムの解明にも取り組んでいます。これらの研究は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)をはじめとする代謝性疾患の病態解明と新規治療戦略の開発に貢献することを目的としています。
福永孝一教授の研究室は、急性肺障害の回復過程に寄与する内因性のリソルビング(修復)メカニズムを解明することを目的としています。特に、酸化酵素であるCOX-2の役割や、生体リピッドメディエーターが炎症の終息に果たす役割に注目し、治療的標的に可能な分子を同定しています。また、COVID-19の重症化に関連する希少遺伝変異の同定を通じて、疾患の発症メカニズムと治療戦略の解明にも貢献しています。
Yasuaki Kabe教授の研究室は、細胞内シグナル伝達と転写制御の赤酸化還元(redox)調節機構に注目し、NF-κBやMBF1といった転写因子の機能解明を進めています。特に、炎症・免疫応答や骨芽細胞の分化に関与する転写制御機構の解明を柱としており、がんの液体生検(liquid biopsy)を応用した早期がんマーカーの開発にも取り組んでいます。近年では、腸内細菌由来短鎖脂肪酸の非定型受容体としてASCを同定するなど、微生物-宿主相互作用の分子メカニズムの解明も進んでいます。
Makoto Suematsu教授の研究室は、代謝プロファイル解析とバイオロジカルガス(CO、NO、H₂Sなど)の機能解明を柱として、肝疾患や血管制御における代謝・シグナル伝達のメカニズムを解明しています。特に、代謝マップのスクリーニングや質量分析を用いた代謝物動態の解析、ならびにヘムを含むタンパク質がガスシグナル伝達に果たす役割を分子構造と機能の観点から解明しています。また、薬物代謝酵素やがんの化学感受性に関与する膜受容体の構造機能解明にも取り組んでいます。
本研究室では、機械学習を活用した新規多要素合金の創出を柱とし、特に一般化回帰ニューラルネットワーク(GRNN)を用いた組成-硬度予測モデルの構築により、超高硬度を示すFe-based MPEAsの設計と合成に成功しています。また、Fe-Znインタメタル化合物の界面挙動や破壊靭性のメカニズム解明、軟岩内の局所化ひずみの発展挙動の実験的・数値的解析についても進めています。材料の力学的・微視的特性の高精度な予測と制御を目指した、計算材料工学と実験材料科学の融合的アプローチが特徴です。
Ruicong Xu教授の研究室は、ナノスケールの物性と反応挙動に着目した核エネルギー分野の先端的研究を推進しています。特に、ナトリウム冷却高速炉(SFR)におけるコア破壊事故(CDA)のメカニズム解明に焦点を当て、溶融物の流れ出し・冷却挙動やデブリベッド形成挙動の実験的・数値的解析を実施しています。また、放射性粒子の飛散制御やスプレー洗浄効率の向上に関する新規技術開発も並行して進めています。
Miki Ando教授の研究室は、がん免疫療法の革新的なアプローチとして、 induced pluripotent stem cell(iPSC)を用いた機能的若返りT細胞の開発を主軸としています。特にEpstein-Barrウイルス関連がんや子宮頸がんに対して、特異的で持続的な抗腫瘍効果を示すrejuvenated T細胞(rejT)の作製とその臨床応用を目指しています。また、腫瘍抗原の逃げを防ぐ二重抗原受容体を搭載したiPSC由来T細胞の開発や、自己免疫拒絶反応を回避するHLA不活性化技術の確立も進んでいます。
Naonori Hu教授の研究室は、がん治療の新しい手法であるボロンニュートロン捕捉療法(BNCT)の臨床応用を主軸として、加速器を用いたエピサーマル中性子線源の開発と最適化に取り組んでいます。特に、臨床現場での安全かつ効果的な治療を実現するための線量計画システムや、被照射野の線量分布を制御する新しい中性子コリメータ・フィルターシステムの設計・検証を行っています。また、患者の治療姿勢や被ばく線量の最適化を図るための実験的・シミュレーション的アプローチも強みです。
阿部武志教授の研究室では、リチウムイオン二次電池や固体電池の界面挙動に注目し、電極/電解質界面におけるリチウムイオンの移動メカニズムを電気化学的インピーダンス分 析を用いて解明しています。特に、グラファイト電極やリチウムイオン導電セラミックス(LLTO)とポリマー電解質の界面で生じるリチウムイオン伝導抵抗とその活性化エネルギーの評価を進めています。理論計算と照合した結果、溶媒との相互作用が界面抵抗に大きく寄与することが明らかになっています。
鈴木修一教授の研究室は、有機ラジカルやスピン状態を制御する新規有機分子の設計・合成を柱とし、特にπ結合性ラジカル二量体や高スピン状態を示すキレート錯体の溶液中での直接観察に鋭く切り込む研究を展開しています。NMRやMS、EPRを用いた多様な分光的手法を駆使し、反応機構や電子状態の解明を進めています。また、光誘起電荷分離やスピン状態の可逆的制御といった、次世代エネルギー変換材料への応用も目指しています。
中尾俊一教授の研究室は、救急医療および災害医学分野に焦点を当て、特に現場前救急体制の質的向上と、腹部外傷・腎外傷・交通事故による損傷の管理に関する臨床的・疫学的研究を推進しています。日本国内の救急医療システムの現状と課題を解明し、特に外傷患者の早期管理と非外傷的治療(NOM)の成績向上を目的としています。また、交通事故の予防策や子供・高齢者の安全対策の科学的根拠の構築にも貢献しています。
秋山篤成教授の研究室は、腎細胞癌(RCC)をはじめとする悪性腫瘍の免疫微小環境とがん治療の予後予測因子を解明することを主眼としています。特にT細胞の機能的状態(例:PD-1+/TIM-3+のクロスエクスプレッション)や腫瘍関連マクロファージの役割、ならびに臨床的バイオマーカー(ナトリウム、CRP、好中球数など)の意義を、遺伝子発現解析や臨床的疫学的手法を用いて統合的に解析しています。治療耐性や予後との関連を解明することで、個別化医療の実現に貢献することを目指しています。
Yumi Mitsuyama教授の研究室は、神経変性疾患や感染症、がん免疫療法における分子メカニズムの解明を柱としています。特に、若年性アルツハイマー病に類似した神経変性疾患の臨床的・病理的特徴や、COVID-19回復期における免疫細胞の持続的変化を単細胞解析で解明しています。また、脾臓の体積が予後予測に寄与する可能性や、miRNAがPD-1/PD-L1経路に与える影響についても、がん免疫療法の新たな標的を追求しています。
山口善紀教授の研究室では、医療診断を支援するマイクロフルイディクスチップ技術と核酸増幅技術の融合を柱として、病原体の迅速・現場応用型診断を実現するための新規デバイス開発を進めています。特に連続流量PCR(CF-PCR)を応用したワンステップでDNA増幅から検出までを内蔵する統合型マイクロチップの開発が特徴で、外部ポンプや電気泳動装置を不要にする画期的な自動サンプルインジェクション技術も確立しています。また、歯周病原体のマルチプローブ検出やRNAの高感度分離技術の開発にも取り組んでおり、診断の迅速化・簡略化に貢献する革新的な技術創出を目指しています。
伊藤正洲教授の研究室は、減数分裂における染色体構造のダイナミクスと遺伝子再結合の精密な制御を解明することを目的としています。特に、染色体軸とループ構造がDNA二本鎖切断の発生を調節するメカニズムや、再結合にかかわるタンパク質(例:FIGNL1、CORタンパク質)の機能を、マウスモデルを用いて分子細胞生物学的手法で解明しています。また、単細胞クローン技術の開発を通じて、神経crest由来細胞の遺伝的・機能的解析にも貢献しています。
Wataru Mizukami教授の研究室では、強い電子相関や多電子状態を高精度に扱うための量子化学計算手法の開発に注力しています。特に、密度行列ランク縮小法(DMRG)やユニタリーカップルクラスター理論を応用し、有機半導体や磁性有機分子における電子構造の解明を進めています。また、量子コンピュータ応用に向けた波動関数に基づく最適化手法や、多体系のメソスコピックな性質の解明にも取り組んでいます。
Hideaki Yamamoto教授の研究室は、神経回路のモジュラー構造とダイナミクスのメカニズムを、マイクロファブリケーション技術を用いたin vitro脳ネットワークモデルを用いて解明しています。特に、神経モジュール間の結合強度がネットワークの機能的多様性に与える影響や、臨界的結合状態におけるグローバルな活動の発現を追求しています。また、神経細胞の極性形成や神経新生の制御機構についても、ナノ・マイクロ構造基板を用いた制御的培養系を駆使して研究を展開しています。