東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Maki Kushimoto教授の研究室では、窒化ガリウム系半導体を用いた深紫外光(UV-C)レーザーダイオードの実現に向け、エピタキシャル成長、プロセス技術、デバイス特性の向上を一体的に追求しています。特に、エッチングによる鏡面形成と原子層堆積法を用いた高反射率ミラーの構築、応力制御による欠陥低減、およびAlN基板上でのヒルロック形成の影響解明が主な研究テーマです。これらの技術的革新を通じて、室温連続発振を実現する高効率UV-Cレーザーの実用化に貢献しています。
山中彰博教授の研究室では、視床下部に存在するオレキシン神経系が、覚醒・睡眠の調節やエネルギー動態の統合的制御に果たす役割を、遺伝子編集マウスやオプトジェネティクス、画像解析技術を駆使して解明しています。特に、神経伝達物質やホルモンがオレキシン神経の活動に与える影響、およびそれらが摂食行動や代謝に与える影響を細胞・行動レベルで解析しています。また、脳内の時間計時メカニズムとオレキシン系の関連性についても、光遺伝学的手法を用いて解明を進めています。
Chitiphon Chuaicham教授の研究室では、光触媒材料の開発に注力しており、特に酸化亜チタンやカーボンナノタブレット(g-C₃N₄)、ゼオライト様ケイ酸塩(セピオライト)を含む無機酸化物や層状水酸化物を基体にした複合材料を対象に、可視光応答性と効率的な電子捕捉特性の解明を進めています。反転二重ビーム光音響分光法を用いた電子捕獲状態のエネルギー分解能測定により、光触媒の反応機構を微視的に解明する独自の分析手法を確立しています。また、廃棄物由来原料(鉄鉱石由来のフェロウス酸化物)を用いた持続可能な光触媒の創出にも取り組んでいます。
ローマン・セリャンチン教授の研究室では、ガス分離膜の高性能化を目的として、ポリマー膜の薄型化と界面制御に注力しています。特に、CO₂/N₂分離に適したペバックス/PDMS二重層膜や、ナノセルロースを用いたプロトン交換膜の開発が進められています。また、QCMセンサーや無機-有機ハイブリッド膜を用いた呼吸モニタリングや膜材料の特性評価も行っています。
Irene D. Alabia教授の研究室は、北太平洋の海洋生物、特にネオンホタルイカの分布とその環境要因への反応を、リモートセンシングや数値モデルを活用した統計的・予測的アプローチで解明しています。特に、気温、海面高、渦運動エネルギー、塩分など複数の環境因子を統合したMaxEntやアンサンブルモデルを用いて、季節的・長期的な生息域の変化を定量的に分析しています。気候変動に伴う海洋生態系のシフトを予測し、漁業資源の持続可能性や生物多様性の変化を解明する国際的視点の研究が特徴です。
Yung Liao教授の研究室は、高齢者や若年の健康行動と環境要因の関連に注目し、特に都市環境が身体活動や肥満に与える影響を、客観的測定(加速度計、Walk Score®)と疫学的アプローチを用いて解明しています。主に台湾の住民を対象に、歩行性や運動行動、生活習慣行動と健康リスクの関連を地理情報システム(GIS)やアンケート調査を統合して分析しています。特に高齢者における環境的要因と身体活動の関連、および肥満・サルコペニア予防に向けた行動介入の可能性を探っています。
Hayata教授の研究室は、強い相互作用や量子多体系における量子揺らぎ・非摂動的効果に注目し、場の理論的枠組みと数理的アプローチを融合して、物質の相転移や非平衡ダイナミクス、特に「符号問題」や「非摂動的効果」の解消に向けた新規シミュレーション手法の開発を主眼としています。Lefschetz-thimbleや複素Langevin法を用いたパス積分の解析、ゲージ理論におけるハドロンの結合エネルギーモデル、およびゲージ-重力双対性に基づくQGP中でのクォーク-反クォークポテンシャルの研究が特色です。特に、非摂動的効果と量子揺らぎの統合的取り扱いが、物性・素粒子・宇宙論の接点を拓く基盤を提供しています。
Satoshi Takanashi教授の研究室は、自己免疫疾患、特にリウマチ性疾患と関連する間質性肺炎を主な研究対象としています。難治性リウマチ性関節炎(D2T RA)やIgG4関連疾患、抗MDA5抗体陽性間質性肺炎の病態解明と個別化医療の実現を目指しており、バイオマーカーや画像診断、侵襲的でない生検法の応用も含めた革新的な診断・治療戦略の確立をめざしています。
Yusuke Ito教授の研究室では、フェムト秒レーザーを用いた高精度・高速マクロ加工技術の開発と、固体電池に応用可能な高イオン伝導性酸化物・硫化物薄膜の脈来法による作製を主な研究テーマとしています。特に、レーザー加工による微小破壊のメカニズム解明と、界面抵抗低減を目的としたナノスケールのバッファ層形成に注力しています。また、電池性能向上に寄与する新規固体電解質材料の創出とその物性評価も重要な研究分野です。
Satoshi Ashihara教授の研究室は、超短パルス光工学と分子動態の両分野を融合した先端的研究を展開しています。特に、フェムト秒スケールの光パルスを用いた分子内・分子間振動の制御や、ナノスケールの光場と分子振動の強い結合(Vibrational Strong Coupling)の実現を目指しており、超短パルス圧縮や非線形分光技術の革新を図っています。また、赤外領域の高効率なスペクトル拡張や、ナノギャップキャビティを用いた次世代の高感度分光技術の開発も進んでいます。
Yasuki Kansha教授の研究室では、熱回収技術を応用した省エネルギープロセスの開発を主眼としています。特に、凝縮熱や蒸発熱を圧縮機を用いて再循環することで、外部からの熱供給を極限まで削減する「自己熱回収技術」の理論的・実用的応用に注力しています。この技術は、蒸留プロセスや熱連携蒸留コロン(HIDiC)などに応用され、エネルギー消費の顕著な低減が実証されています。プロセスシミュレーションツールを活用した最適設計手法の構築も進んでいます。
Beomjoon Kim教授の研究室は、物性物理学とナノファブリケーションを融合した先端的研究を展開しています。特に、5d遷移金属酸化物におけるスピン-軌道結合に起因する非古典的Mott絶縁体の量子位相の測定や、レーザー加工を用いた高精度なマイクロマシン技術の開発が特徴です。また、生体適合性材料を用いたマイクロニードルデバイスの開発や、高感度なマイクロスケール測定技術の確立にも取り組んでいます。これらの研究は、量子物性の解明と次世代医療・エレクトロニクスへの応用を両立させる基盤を提供しています。
Umeda教授の研究室は、宇宙初期期の再電離時代における中性水素の状態や銀河の形成メカニズムを、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の高精度分光観測データを基に解明することを主眼としています。特に、Lyαのダムピングウェイブ吸収を用いた中性水素率やイオン化バブルの測定を通じて、再電離の進行状況を定量的に評価しています。また、極もくもくな金属貧乏銀河における高イオン化線の起源や、初期宇宙に存在する赤みがかった活発銀河核(LRDs)の物理的メカニズムについても、非熱的放射体やガス包囲モデルを用いて解明を進めています。
Tatsuhiro Shibata教授の研究室は、胆道癌をはじめとする消化器がんのゲノム解析を通じて、がんの発症メカニズムと個別化医療への応用を追求しています。特に、エピジェネティクス的変異やオーバーライド的変異(例:FGFR2融合、Nrf2変異)ががんの進行や治療抵抗性に与える影響を解明しています。また、肝 fluke 感染に起因する胆管癌の分子サブタイプの解明や、治療反応に影響する遺伝子変異の同定も進んでいます。
Kazuya Taira教授の研究室は、インターネット上の検索行動やSNS投稿データを活用して、公衆衛生の動態を分析する研究を展開しています。特に、検索キーワードから自殺率や喫煙傾向、疾病に関する情報行動を予測する手法の開発が特徴です。また、COVID-19時代におけるオンライン情報の影響や、看護師の職務状況の変化についても実証的・統計的な分析を進めています。こうした研究を通じて、低コストで迅速な健康指標の構築と、信頼できる公衆衛生情報の発信の仕組みづくりを目指しています。
阿部泰治教授の研究室では、骨の力学的適応と remodeling のメカニズムを、計算シミュレーションとマルチスケールバイオメカニクスの視点から解明しています。主に、トゥーブキュラス骨の微細構造の表面変形を3次元ボクセル有限要素モデルで再現し、機械的刺激が骨代謝に与える影響を定量的に解析しています。特に、オステオサイトが受けるせん断応力や間隙液の流れをモデル化することで、骨の機械的信号伝達とその応答を再現しています。
カティア・コルレイラ=カエイロ教授の研究室は、ヒトとペット(特にイヌ)の感情認識における視線行動と顔の表情処理に焦点を当てた比較認知科学研究を展開しています。特に、動的で自然な表情を用いた眼動追跡実験を通じて、ヒトとイヌが他者(同種・異種)の顔からどのように感情を読み取るかを解明しています。研究では、視線の注視領域や注視時間の違いから、感情認識の背後にある認知的メカニズムの違いを明らかにしています。
田部 正史教授の研究室は、レアアースドープ酸化物ガラスの光学特性と局所環境の関係を、Judd-Ofelt理論とモスバウアー分光法を駆使して解明しています。特にエルビウムやセリウムイオンの4f遷移に起因する発光特性、量子効率、非放射遷移のメカニズムを、配位場のスピン・オービタルの重なりやイオンの電子密度と結びつけて研究しています。また、光増幅やLED用発光材料の設計に応用可能な材料の構造・性質相関を追求しています。
李雅涛教授の研究室は、深部採掘における地震誘発や岩くずの発生を予測・制御するための力学的・数値的アプローチを専門としています。特に、断層のせん断ひずみエネルギーの変化、掘削に伴う応力場の再配分、および近断層域における動的破壊挙動の解明に注力しています。3次元動的数値シミュレーションを用いた、岩くず・地震リスクの定量的評価が特徴です。
Ochi教授の研究室では、オルトカルボラン(o-carborane)を核とする新規有機発光材料の設計と機能制御に注力しています。特に、凝集誘発発光(AIE)、歪んだ分子内電荷移動、環境感受性キシリマー形成といった光物理的メカニズムを解明し、熱・圧力・溶媒応答性の発光変化(ルミノクロミズム)を実現するスマートな発光材料を開発しています。また、超純正な深ブルー発光を実現する多共鳴型熱的活性化遅延蛍光(MR-TADF)材料の創出にも成功しており、有機エレクトロルミネッセンス(OLED)への応用が期待されています。