東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
阿部教授の研究室は、真核細胞におけるスプライシング機構の解明と、その異常が関与するがんや遺伝疾患の分子メカニズムを追求しています。特に、スプライシング因子(SRSF3やSRSF6)ががん関連スプライシングイベントを制御するメカニズムや、ヒトパピローマウイルス(HPV)由来のスプライシング制御ががん発癌に与える影響を、ゲノムスケールのスプライシング解析と分子生物学的手法を用いて解明しています。また、スプライシング修飾薬を用いた疾患治療戦略の開発にも貢献しています。
Ken Mishina教授の研究室は、光ファイバー通信における非線形効果を活用した全光信号処理技術に焦点を当てており、特にNRZ-OOKからRZ-PSKへのフォーマット変換や、Eigenvalue通信に基づく次世代伝送技術の実現を目指しています。非線形シュレーディンガー方程式に由来する不変量を用いた信号伝送や、深層学習を応用した受信機技術の開発も進めており、高容量・高効率な光通信ネットワークの実現に貢献しています。
Harald Gröger教授の研究室は、有機触媒を用いたエナンチオ選択的反応の開発に焦点を当てており、特にストレーキング反応やリン酸エステル誘導体の合成を効率的・高エナンチオ選択的に実現する触媒系の開発が特徴です。金属を含まない非金属触媒や、酸化・還元・アミノヒドロキシル化反応を活用した新しい反応機構の確立が進んでいます。また、バイファンクショナル触媒を用いた多機能的反応系の構築も重要な研究テーマです。
小倉昭久教授の研究室では、強い電子相関が支配するトポロジカルな格子構造や多電子系における量子相転移、Mott転移のメカニズムを、動的平均場理論や系列展開法を用いて理論的に解明しています。特に、遷移金属酸化物やスピンギャップ状態を示す frustrated 系における電子の局在化・フラクチュエーション・スピン液体的挙動の起源に注目しています。また、f電子系に類似したKondo的挙動の出現や、非周期的格子における特異な磁性秩序の形成など、新規な量子物性の解明を目指しています。
Kengo Kubota教授の研究室では、環境微生物学を基盤とし、特に環境中における微生物の同定・可視化に特化した技術開発を進めています。主にFISH(蛍光色素標識染色)を応用した高感度検出技術、特にCARD-FISHやLNAプローブを用いた遺伝子発現解析の高度化を研究の柱としています。また、下水処理や嫌気性消化槽における真核生物の多様性や生態的役割の解明にも貢献しています。
鄭・ゼー・パン教授の研究室では、バイオマス由来のナノファイバー(セルロースナノファイバーなど)を基盤とした構造材料の設計・創製を柱としています。特に、自然の構造(木のキシレムやアコウの殻)を模倣した「氷トレイサージング法」を応用し、微細な配列構造を制御した多孔性モノリス材料の開発を進めています。その応用として、リチウム硫黄電池の高効率化やスーパーキャパシタの高性能化にも貢献しており、環境に配慮したナノ材料の創出が目指されています。
Natsui教授の研究室は、次世代の低消費電力集積回路技術の実現を目指し、磁気トンネル接合(MTJ)を用いた非揮発性論理・記憶統合回路(NV-LIM)やSOT-MRAMを基盤とする高速・高効率なマイコン制御LSIの開発を推進しています。特に、非揮発性メモリの特性を活かしたサイクルベースの電源ゲーティング技術により、待機電力の徹底的低減を実現し、IoTセンサーノードやAIプロセッサ向けの高性能・低消費電力LSIの実現に貢献しています。また、90nmおよび55nmプロセスを用いた実証チップの開発を通じて、実用的かつ高信頼性な非揮発性LSIの設計環境構築にも取り組んでいます。
Niibe教授の研究室では、再生医療を基盤に、幹細胞の機能維持と分化制御に焦点を当てた3次元セルカルチャー技術の開発を進めています。特に、浮遊培養による球状体(スフィエロイド)を用いた幹細胞の機能的・遺伝子的特性の維持や、機械的微小環境(基質剛性)が幹細胞の運命に与える影響を解明しています。また、歯周組織再生や歯-周囲組織の再生医療への応用を視野に、ヒト由来幹細胞やiPSCを用いた新規治療戦略の確立を目指しています。
福原幸平教授の研究室では、有機カルシウムトランスポーターの分子機能解明と、非晶質半導体におけるトポロジカル電子状態の発見を柱としています。特に、脳由来の新規トランスポーターOATP-Eの同定や、Fe-Sn系非晶質薄膜における量子異常ホール効果の起源解明が進んでいます。また、磁性Weyl半金属Co₃Sn₂S₂の高品質薄膜作製とそのトポロジカル物性の評価も重要な研究テーマです。
Michio Niwano教授の研究室では、半導体界面の酸化挙動や表面化学を、赤外分光法や光電子分光法を用いて高精度に解明しています。特に、シリコン表面の水素終末化・酸化挙動、SiO₂/Si界面構造の結晶指向依存性、UVオゾン酸化やHF処理における表面反応機構に注目しています。また、ナノバブル生成やTiO₂ナノチューブの光触媒作用といった、応用指向の表面・界面科学的研究も展開しています。
Taro Ozaki教授の研究室は、リボソーム的に合成され翻訳後修飾を受けるペプチド(RiPPs)をはじめとする天然物の生合成機構を解明することを主眼としています。特に、酵素が特定の修飾をどのように制御するか、ならびに未知の天然物のバイオ合成経路の解明に注力しています。近年では、in vitro再構成系を用いた全合成や、遺伝子クラスターの機能解明、同位体ラベル追跡による代謝経路の解明を展開しています。
劉百龍教授の研究室では、非定常的で未固結な地下鉛直岩盤の力学的挙動と流体侵入に伴う透水率変化を、ナノスケールからマクロスケールまで統合的に解析する研究を行っています。特に、水圧破砲による微小ひびわれ生成と土壌粒子の膨張が多孔質媒体の透水性に与える影響を、ネットワークモデルと連成解析により解明しています。研究は、カーボンニュートラル技術や未利用資源の効率的回収に貢献することを目的としています。
Mori教授の研究室は、光通信システムの高容量化・高効率化を目的としたデジタルコherent受信技術や、光スイッチング技術の開発を主な研究分野としています。特に、高レートQAM信号の位相ノイズ耐性向上や、長距離伝送における非線形効果補償、データセンター向け高密度光スイッチング技術の実現に注力しています。また、光信号処理におけるフィルタ設計や、ROADMを用いた再構成可能光ネットワークの最適化も進めています。
本研究室では、海洋生物に広く見られる発光現象の分子メカニズムと生態的意義を、主に深海生物を対象に解明しています。特に、発光に必要な物質や酵素を食物から獲得する「発光物質の栄養的獲得」や、発光の進化・多様化のメカニズムに注目しています。また、土壌に生息する発光性節足動物など、非海洋の発光生物の研究も進めています。
東川教授の研究室では、レーザー素子や光集積回路の高機能化・高集積化を目的とし、室温での金属微小バンプを用いた半導体・リチウニobiumナニオール(LN)素子の直接接合技術を確立しています。特に、金-金表面活性化接合や低温固体状態接合を応用し、Si基板上へのLiNbO₃チップの高精度な被動アライメント接合と、空隙構造を用いた高周波特性の向上を実現しています。また、LNOI(リチウニオブン酸化物オンインシュレータ)ウェーハの室温接合技術開発を通じて、Si基板上に高密度・低損失な光回路を実現する基盤技術の構築を進めています。
Tsuchiyama教授の研究室では、高張力・高耐腐食性を併せ持つ高クロムマルテンサイト鋼や高窒素ステンレス鋼の微細組織制御とその力学的・耐久特性の向上を目的としています。特に、焼鈍処理における再結晶挙動や機械的合金化によるナノ構造形成のメカニズムを、硬度測定や電子顕微鏡を用いて解明しています。また、炭化物析出が結晶粒界に与えるピンギング効果や、窒化物の形成が相安定性に与える影響にも注目しています。
福井晋介教授の研究室は、神経生物学とがん生物学の交差点に位置し、特にDrosophilaの社会的行動とその分子時計メカニズム、ならびに口腔がんや歯原性腫瘍におけるシグナル伝達経路の機能を解明しています。特に、時計遺伝子が男性の求愛行動に与える影響や、MAPK・Wnt/β-カチオンイン・ARL4Cという軸を軸にしたがんの発癌機構の解明を進めています。また、酵母における圧力耐性の分子機構についても基礎的メカニズムの解明を実施しています。
福澤健史教授の研究室は、光通信・光集積回路分野における先端的技術開発を主眼としており、特に非線形波ガイド素子やスロット波ガイドを用いた全光論理ゲート、偏光に依存しない光デバイス、高密度集積に適した低損失曲線波ガイド構造の設計に注力しています。また、光ファイバーや半導体レーザー・モodulesの高性能化、および光信号処理に不可欠な分散制御技術の最適化についても、数値シミュレーションと実験的検証を融合した包括的研究を推進しています。
京都大学の日田京子教授の研究室では、がんの血管新生と腫瘍内皮細胞(TECs)の異常な性状に注目し、腫瘍微小環境における血管形成のメカニズムを解明しています。特に、低酸素状態が腫瘍内皮細胞に染色体異常を引き起こすメカニズムや、トマトモザイクウイルス(TMV)が血管新生に与える影響を分子レベルで解明しています。この研究は、がん治療の新しい標的を提供する可能性を秘めています。
Uchiyama教授の研究室は、透析患者を対象とした運動療法や代謝・腸内環境の制御が腎機能低下や生活習慣病に与える影響を、臨床的・メタボリックな視点から解明しています。特に腹膜透析患者における運動プログラムの効果や、尿毒症性バイオシドーシスが筋萎縮や腸管透過性に与える影響に注力しており、生活機能とQOLの向上に寄与する治療戦略の確立を目指しています。