東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Satoshi Andoh教授の研究室では、地球の電離圏における散乱E層(Es層)の形成メカニズムとその日次変動を、三次元数値モデルを用いて解明しています。特に、大気潮汐や風のシア、電界の変動がEs層の時間的・空間的構造に与える影響に注目しており、観測データと一致する高精度なシミュレーションの構築を進めています。研究の柱は、電離圏の不安定な挙動を理解し、通信や測位システムへの影響を予測・緩和することにあります。
岡田知久志教授の研究室では、脳神経疾患や循環器系疾患の神経画像診断・病態解明を目的とした画像診断学的・実験的アプローチを展開しています。特に慢性疲劳症候群の脳内代謝異常や脳動静脈奇形(AVM)が神経径路に与える影響を、拡散テンソル画像法を用いて評価しています。また、動脈痙攣の動物モデルを構築し、血液成分が血管壁に及ぼす影響を細胞病理学的に解明する研究も進めています。
Taisei Kitamura教授の研究室は、電子の幾何学的性質に着目した量子物性理論を軸に、強相関電子系における新しい超伝導メカニズムの解明を進めています。特に、Bloch電子の量子幾何学(量子メトリックやBerry曲率)が超伝導の遷移温度や対称性に与える寄与を第一原理計算と組み合わせて解析しており、モノレイヤーFeSeのような反強磁性超伝導体における特異な超伝導特性の理解を深めています。また、時間反転対称性が破れる多バンド系におけるアナポール超伝導やスピン三重項超伝導のメカニズムについても、幾何的寄与が鍵となることを明らかにしています。
阿部智康教授の研究室では、有機合成化学の分野に焦点を当て、C–H結合の選択的機能化や新規炭素–炭素結合形成反応の開発を主眼としています。特に、鉄触媒を用いたニコチン酸エステルの多置換反応や、光活性化ClO₂ラジカルを用いたプラスチック表面改質技術の開発により、工業的応用に向けた新規合成手法の確立を目指しています。また、金属フリーな酸化反応や、反応機構の定量的解明(線形自由エネルギー関係)にも取り組んでおり、反応性と合成的有用性の両立を追求しています。
Wakabayashi教授の研究室は、網膜血管障害や加齢性黄斑変性に関連する疾患の病態解明と、視機能を維持・回復させるための画像診断法の開発を柱としています。特に、脈絡膜厚や血流動態の評価を用いて、加齢性色素変性(RP)や網膜静脈閉塞症(RVO)、および病変性脈絡膜新生血管(mCNV)の進行メカニズムを解明しています。また、術後の視力予後を予測する画像マーカーの特定にも注力しており、視細胞層の保存状態が予後と強く関連することを明らかにしています。
Sho Ogata教授の研究室は、地層処分や地熱利用における岩石の長期的挙動を解明するため、熱・水・応力・化学連成(THMC)現象を対象とした数値シミュレーションと実験的アプローチを融合した研究を推進しています。特に、き裂の発生・進展や鉱物反応が岩盤の透水性に与える影響を高精度に予測するモデル構築を柱としています。CO2を用いた地熱発電における破砕挙動や、高レベル放射性廃棄物処分施設周辺の長期的透水性変化の予測にも応用しています。
Takahide Itokazu教授の研究室は、神経回路の機能的結合と神経損傷後の修復機構を解明することを目的としています。特に、視覚・運動皮膚質の連合的制御や、脳卒中後疼痛、ニューロインflammation、および脊髄損傷後の神経再生に関与する分子機構に注目しています。RGMaシグナルやミクログリア、エンドフェージャル細胞の役割を、画像解析・遺伝子操作・行動解析を統合したアプローチで解明しています。
ヘンダーソン・ジェイムズ・クリーク教授の研究室は、生命の起源にかかわる前生物的化学反応のメカニズムを、鉱物表面と有機分子の界面反応に着目して解明しています。特に、酸化チタン(ルチル)をはじめとする鉱物が核酸成分の吸着や触媒作用を果たす可能性を実験的に探求しており、生命の始まりにおける無機・有機界面の重要性を明らかにしています。また、紫外線からの保護機構や前生物的重合反応のメカニズムについても、地球外天体からの有機物供給や原始地球環境の再現実験を通じて研究を進めています。
Hirayama教授の研究室は、リチウムイオン二次電池の電極・電解質界面における原子レベルの構造変化を、エピタキシャル薄膜とX線・中性子反射率・表面X線回折を用いて直接観察することで、高功率・長寿命電池の材料設計に貢献しています。特に、LiMn₂O₄、LLZO、Li₄Ti₅O₁₂、LiFePO₄などの酸化物電極材料を基板上に高品質に成長させ、界面反応の可逆性やイオン伝導性の起源を解明しています。
吉田圭介教授の研究室は、植物細胞内の赤方化還元バランスを制御するチオレドキシン系とミトコンドリア呼吸のクロスロードを解明する研究を行っています。特に、葉緑体とミトコンドリアの間で働く還元力の輸送や、光条件下での赤方化還元シグナル伝達機構に注目し、エネルギー代謝と光合成の連携を分子レベルで解明しています。その中で、AOXやTrxを介した赤方化還元制御のメカニズムが、光ストレスに耐える植物の適応戦略の鍵であると示唆されています。
Eleni Aloupogianni教授の研究室は、医療画像診断とスマートシティの分野で、特にハイパースペクトルイメージング(HSI)を活用した皮膚がんの腫瘍境界検出や、IoTデバイスのセキュアなファームウェア更新技術の開発を主な研究テーマとしています。特に、医療分野では画像の解釈可能性と耐障害性を重視したAI支援診断フレームワークの構築に注力しており、都市インフラ分野では、リアルタイム交通データとデジタルツイン技術を融合したスマートシティ交通管理ソリューションの開発も進めています。
竹内直美教授の研究室では、持続可能な社会の実現に向けた環境浄化技術として、プラズマを用いた水処理技術の開発を主眼としています。特に、難分解性有機汚染物質であるフルオロカボン酸や酢酸を効率的に分解するメカニズムの解明に注力しており、反応機構の数値シミュレーションや実験的分析を組み合わせた包括的研究を推進しています。プラズマ発生メカニズムや液体中での種の輸送・生成挙動の解明を通じて、エネルギー効率の高い水処理プロセスの構築を目指しています。
Satoru Ebihara教授の研究室は、神経生物学と老年医学の交差点に位置し、特に脳内神経伝達物質の働きと高齢者における疾患メカニズムの解明を主眼としています。GABA受容体の神経生理学的機能や、慢性アスピレーションが肺に与える影響、さらにはセロトニンの腫瘍生物学的役割についての基礎的研究が進んでいます。また、高齢者における転倒のメカニズム解明や、香り刺激が認知症高齢者に与える影響といった、臨床的応用に繋がる実践的研究も展開しています。
Ueno教授の研究室は、視細胞および網膜内側側背縁核(VMH)におけるプロトンチャネルの機能解析を通じて、神経細胞の酸化ストレス応答や神経伝達メカニズムを解明しています。特に、網膜の光刺激に対する電気視細胞反応(ERG)の変化や、網膜手術後の内層網膜機能の微細な障害を評価するための客観的指標(PhNR)の応用にも注力しています。また、磁場が生物学的反応や燃焼反応に与える影響を、生体模倣的プロセスの理解を目的として実験的に探求しています。
Chae-Woo Jun教授の研究室は、地球の放射帯と磁層における高エネルギー粒子の動的挙動を、人工衛星(Van Allen Probes、Arase/ERG)および地上磁気観測網を用いて統計的・物理的解析することで、EMIC波の発生・伝播機構や、粒子と波の相互作用のメカニズムを解明することを目的としています。特に、EMIC波の偏光状態、波動数、プラズマ環境との関係を詳細に分析し、宇宙空間におけるエネルギー粒子の散逸や加速プロセスの理解を深めています。
KM Saif‐Ur‐Rahman教授の研究室は、主に公衆衛生と臨床医学の交差点に焦点を当てており、特に発展途上国における地域保健(PHC)の政策・ガバナンスの改善を目的とした研究を推進しています。モノクローナル抗体を用いた感染症・神経変性疾患(アルツハイマー病など)の治療法の有効性と安全性をシステマティックレビューで評価する研究も並行して実施しています。また、AIやデジタルヘルス技術を活用したリソース制約のある環境における保健サービスの質的向上についても、実証的・政策的アプローチを重視した研究を展開しています。
Yasuo Takehara教授の研究室は、画像診断学の分野において、特に磁共振胆道画像法(MRCP)や動態的MRAを用いた血管・胆道・膵疾患の非侵襲的評価に注力しています。特に呼吸停止法を用いた高分解能MRCPや、4D-flowを用いた血流動態解析により、病態の機能的・生理的特徴を可視化する研究が進んでいます。また、造影剤を用いない動的MRドリオサイトグラフィーや、血管解離や狭窄の画像診断技術の高度化にも貢献しています。
Chandan Chaudhari教授の研究室は、酸化物半導体を担体とするレアメタルナノ粒子触媒を用いた、環境にやさしい触媒反応の開発を主軸としています。特に、添加剤を不必要とする酸化還元反応や、触媒の反復使用が可能な高効率な反応系の構築に注力しており、アルキル化、チアゾール誘導体の合成、芳香族化合物の選択的還元など多様な反応をカバーしています。金属の合金化やナノ構造制御による触媒活性の向上も重要な研究テーマです。
Yamamoto教授の研究室は、酸化物半導体と金属の界面における化学状態と抵抗変化メカニズムを、光電子分光法やX線吸収端スペクトロスコピーを用いて解明しています。特にペロヴスカイト型酸化物を用いたレジスタンスメモリ(ReRAM)の界面反応とその電気的特性の関係を追求しており、リチウムイオン導電性を有する反ペロヴスカイト型固体電解質の合成・物性制御にも広がっています。室温でのボールミリングや機械化学的合成を活用し、高イオン伝導性を示すLi₂OHX系材料の設計と安定性向上を目的としています。
Leonardo Zorrón Cheng Tao Pu教授の研究室は、消化器内視鏡学とがんの早期発見・治療に関する革新的な研究を推進しています。特に、ステントの長期的効果や胆道狭窄の治療戦略、大腸ポリープの検出率向上に向けた分類法の検証が主な研究テーマです。また、COVID-19下での遠隔診療の有効性や、大腸癌における腸内細菌叢の変化についても臨床的・微生物学的視点から探求しています。