東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Sasaki教授の研究室は、シグナル伝達の負のフィードバック機構に注目し、特にCIS3/SOCS3がJAK2キナーゼを阻害する分子機構を解明しています。また、細胞接着や移動におけるPI3Kの局在的活性化、Rasのクロノロジー的制御、およびSproutyタンパク質によるシグナルの選択的抑制など、細胞内シグナル伝達のダイナミクスと精密な調節機構を解析しています。特に、腫瘍や血液疾患に関連するキナーゼ・シグナル伝達経路の制御メカニズムの解明を主眼としています。
白石直人教授の研究室は、非平衡統計力学と量子熱力学の分野に焦点を当てており、特にマコフ過程に基づく非平衡系におけるエントロピー生成やエネルギー変換の制約を、情報幾何や変分原理の視点から理論的に解明しています。カーノー効率に到達できないことの普遍的根拠や、カタ拉的状態変換における熱力学的制約の完全な特徴付けなど、非平衡系の普遍的性質を解明する研究が特徴です。また、量子多体系のスカラ状態やマクスウェルの悪魔の統一的記述など、基礎的で普遍的な法則の解明を目指しています。
Sasaki教授の研究室は、神経回路における信号伝達のダイナミクスに注目し、特にアクションポテンシャルの伝播メカニズムとアストロサイトの神経活動制御機能を、画像解析・遺伝子操作・生体外脳スライス技術を組み合わせて解明しています。特に、軸索におけるアクションポテンシャル波形の変化や、アストロサイトが神経活動に及ぼすフィードバック制御の分子機構に焦点を当てており、脳内情報処理の新たなメカニズムの解明を目指しています。
Germán Molpeceres教授の研究室は、宇宙空間における分子の形成メカニズムに焦点を当てた理論的・計算的化学研究を展開しています。特に、冷たい星間雲における固体表面反応を通じた有機分子(例えばホルマリンや水、リン含有分子など)の生成経路を、第一原理計算と分子動力学シミュレーションを用いて解明しています。研究の柱は、水素結合ネットワークが反応を促進する機構や、反応エネルギーの再分配が表面拡散や脱着に与える影響です。この研究は、宇宙における生命の原材料となる複雑有機分子の出現を理解する上で不可欠な知見を提供しています。
Kazuma Mawatari教授の研究室では、10〜1000nmのナノスケールの液体系を制御・分析する「エクステンデッド・ナノフルイディクス」を基盤技術として、超微小体積液体(フェムトリットル〜アトトリットル)における液体の物理的性質の解明と、それを応用した超高感度分析技術の開発を進めています。特に、熱レンズ顕微鏡を用いた単一ナノ粒子の検出や、MEMS技術に代わる非機械的ナノバルブ(ラプラスナノバルブ)の開発により、ナノスケールでの液体の制御と化学反応の実現を目指しています。医療診断やバイオセンシングへの応用も視野に入れた、次世代のマイクロフルイディクス技術の創出が研究の柱です。
横山秀明教授の研究室では、ブロックコポリマーの自己組織化とナノ構造の制御を核に、スパッタリング法や超臨界二酸化炭素を用いたナノセルラ構造の創出、および表面・界面における分子配向の精密制御を追求しています。特に、ポリスチレン-ブロック-2-ビニルピリジン系やフッ素化ブロックコポリマーを用いたナノスケールの周期的構造形成や、超臨界CO2を用いたナノセルの均一な形成メカニズムの解明が特徴です。表面・界面における分子の選択的配向とその動的挙動の評価にも強みを持ち、表面改質やナノマテリアルの開発に応用可能な基盤技術の構築を目指しています。
高精度な原子サイズの金・銀クラスターを、有機リガンドやホスフィン配位子で保護・安定化することで、超原子的性質を示す新規機能材料の創出をめざしています。特に、金属イオンや水素化物(H⁻)をドープした超原子的構造の設計とその電子構造的・幾何学的特徴の解明が中心で、X線単結晶構造解析とDFT計算を組み合わせた原子レベルの理解を進めています。また、底上げ的合成法による高収率なクラスター合成や、発光特性・スピン状態制御を実現する新規超原子の開発も進んでいます。
阿部教授の研究室では、レーザーを用いた口腔組織の治療法に注力しており、特にEr:YAGレーザーを用いた歯科治療の有効性と生体適合性の向上を目的とした基礎的研究を進めています。歯肉炎・歯周炎の非侵襲的治療や、虫歯・歯石の除去、根面の組織修復に関する実験的検証が中心です。また、レーザー照射後の歯根面の細胞接着性や組織反応のメカニズム解明にも取り組んでいます。
Tomohiko Oka教授の研究室は、高エネルギー天体物理学を柱とし、特にガンマ線・ニュートリノ・X線といった高エネルギー帯の多メッセンジャーアプローチを重視した研究を行っています。主にBlazarや超新星残骸、連星系を対象に、広帯域の電波〜ガンマ線観測データを統合し、高エネルギー放射の発生メカニズムや粒子加速過程を解明しています。近年では、IceCubeニュートリノとガンマ線の連携観測や、長期間にわたる時間的変動解析にも積極的に取り組んでいます。
Sachiko Ono教授の研究室は、酸化アルミナの自己組織化メカニズムに着目し、電流密度と形成電圧の関係がナノポーラス構造の秩序性に与える影響を解明しています。特に、焼け(burning)現象に伴う局所的高電流状態が高秩序なセル配列を誘導するメカニズムを、直接観察を用いて解明しています。また、酸化マグネシウムやα-アルミナ膜のナノ構造制御についても、成長機構と結晶化に伴う微細構造変化を解明しています。
Zhu教授の研究室は、光ファイバーを用いた高機能なレーザー技術に焦点を当てており、特に双波長・可変波長モードロックファイバー・レーザーの開発を主な研究方向としています。独自の熱制御型偏光維持ファイバー・ライオットフィルターや、曲げによる低バイレブリジンスを活用した新規フィルタ構造を用いて、高出力で安定した多波長出力が可能となるレーザー源の実現を目指しています。また、光通信、THz波生成、分光測定応用への展開も視野に入れた、実用的で信頼性の高い光デバイスの開発が進められています。
Kikkawa教授の研究室は、スピンセーベック効果を核としたスピントロニクス分野の基礎的研究を推進しています。特に、鉄酸ガーネット系半導体と金属の界面で発生するスピン電流の生成機構や、磁気秩序と格子振動の相互作用が及える影響を、精密な温度勾配と磁場制御を用いて解明しています。また、異常ネルンスト効果との混在を避けるための測定技術の開発や、スピン輸送のメカニズムを解明するためのボルツマン理論的解析も行っています。
佐々井中正道教授の研究室では、超新星爆発や二つの中性子星の合体といった極限状態の宇宙環境におけるニュートリノの集団的な振動現象、特に「高速ニュートリノフラーバー変換」に注目した理論的研究を行っています。ニュートリノ同士の自己相互作用や空間的境界条件の影響が、ニュートリノのフラーバー分布に与える非線形な時間発展を、安定性解析と数値シミュレーションを組み合わせて解明しています。その成果は、超新星の爆発機構や核合成、そして将来のニュートリノ観測に不可欠な知見を提供します。
ムハンマド・アサド教授の研究室は、分散型機械学習とプライバシー保護技術の融合を柱として、特にフェデレーテッドラーニング(FL)を活用した通信効率化とセキュリティ強化に注力しています。スマートデバイスやIoT環境における膨大なデータ処理において、個人情報の漏洩を防ぎながら効率的な学習を実現する仕組みの構築が主な研究テーマです。近年の攻撃の高度化に伴い、アプリケーション層をねらうDDoS攻撃の検出技術や、推薦システムにおけるプライバシー保護型学習の実用化にも取り組んでいます。
池曽郎教授の研究室では、再生医療における細胞シート技術の高度化と、がん治療の新しいアプローチとしてのハイパーサーミア(発がん熱療法)の開発を柱としています。特に、温度応答性ポリマーに依存しない新しい細胞シート作製法や、金属製培養容器を用いた高精度な温度制御培養系の開発が進んでいます。また、音波や振動を用いた細胞のパターン形成や集団移動制御の研究を通じて、生体適合性の高い非侵襲的制御技術の確立を目指しています。
伊藤忠司教授の研究室では、バイオマテリアルを基軸に、持続可能な社会に貢献する新規高分子材料の開発を進めています。特に、天然由来のポリマー(セルロース、キルダン、タンニン誘導体など)を基盤として、生分解性・生体適合性に優れたポリエステルやセルロースエステルを設計・合成しています。また、分子構造の精密制御により、熱的・溶解性・結晶性といった物理的特性を制御する研究が特徴です。
森間知之教授の研究室は、量子計算と量子情報の分野に焦点を当てており、特に「盲目的量子計算」を核としたセキュアな量子計算プロトコルの理論的・実験的展開を進めています。光量子系を応用した実装可能性や、測定に基づく量子計算モデルにおける耐障害性、トポロジカルな保護の統合など、現実のノイズ環境下でも動作する信頼性の高い量子計算フレームワークの構築を目指しています。また、DQC1モデルの拡張やハイパーグラフ状態を用いた普遍的リソースの構築など、量子優位性の理論的裏付けも併せて探求しています。
サダト・モハメド・レズク・ハッタブ教授の研究室は、合成生物学と微生物バイオテクノロジーを基盤に、持続可能なバイオプロダクションの実現をめざしています。特に、バイオエタノールやオイル代替品、機能性食品成分の効率的生産を目的としたユーティライゼーション・マイクロバイアル・セルファクトリーの開発が中心です。糖蜜やバイオディーゼル副産物のグリセロールを有効活用する酵母の遺伝子改変や、多糖類や糖アルコールの高効率変換技術の開発が進んでいます。
阿部谷 尚幸教授の研究室では、高温超伝導体、特にYBCOコーティング付線の電磁気的特性とその損失低減に向けた数値解析・実験的アプローチを展開しています。特に、交流磁場下における磁化損失の低減や、導体の微細構造設計(ストリーペーション、多フィラメント化、 twisted structure)が損失に与える影響を解明しています。また、3次元的な巻線構造を考慮した高精度な数値シミュレーション手法の開発も進んでいます。
王裕教授の研究室では、磁性体と誘電体の複合構造を用いたトポロジカルな磁気構造、特にスカイム粒子として注目されるスカイムロンの安定化と制御を、相場理論に基づく実空間フィールドシミュレーションを駆使して研究しています。特に、ゼロ磁場下でも安定するスカイムロンの発生機構や、温度・応力・外部場がスカイムロンの相互作用や運動に与える影響を解明しています。また、破壊力学におけるキャウスティクス法を応用した実験的・数値的解析も展開しており、多場面にわたる物性制御の基盤を構築しています。