東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
ベンジャミン・ル・オワ教授の研究室は、金属有機フレームワーク(MOFs)や金属有機ポリヘドロン(MOPs)を基盤とした機能性ハイブリッド材料の設計・創出を主眼としています。特に、ポリマーをホストフレームワーク内に組み込むことで、導電性と多孔性を両立するナノテクスチャード材料の開発を進めています。また、分子サイズのわずかな違いを示すポリマーの分離や、タンパク質とハイブリッドを形成するイオン性MOPの開発など、生体分子との相互作用や分離応用にも注力しています。
Koichiro Kato教授の研究室では、量子化学計算を基盤とした分子電子状態の高精度な予測を目的としており、特にフラグメント分子軌道法(FMO)を応用した分子間相互作用の定量的解析に特化しています。タンパク質やナノ材料、医薬候補化合物の電子的性質や部分電荷の予測を、計算コストを抑えたニューラルネットワークモデルと組み合わせて行っています。このアプローチにより、薬物設計や高分子材料の開発における分子設計の知見を提供しています。
Zhenya Zhang教授の研究室は、複雑なサイバーフィジカルシステム(CPS)の品質保証を目的として、形式的検証に代わる実用的でスケーラブルな手法である「ハイブリッドシステムの偽証明(falsification)」を主軸に研究を展開しています。特に、確率的勾配上昇法や強化学習的手法(例:モンテカルロ木探索、マルチアームバンディット)を用いた最適化フレームワークの構築に注力しており、スケールの異なる信号や制約条件がrobust semanticsに与える影響を解消する新規アルゴリズムの開発を進めています。また、燃料電池制御や自律走行制御など、実社会の応用分野にも応用を広げており、AI制御を内蔵するCPSの信頼性向上に貢献しています。
Takanori Shinjo教授の研究室は、糖尿病と歯周病の間にある双方向的な病態関連メカニズムに注目し、特にインスリン抵抗性やDPP-IV活性の変化が歯周組織の炎症・再生に与える影響を分子レベルで解明しています。特に、マクロファージや線維母細胞における炎症シグナル伝達経路の制御、CXCL1の異常な発現が免疫細胞の浸潤に与える影響、およびDPP-IV阻害薬の代謝的効果が脂質代謝に依存することを明らかにしています。これらの研究は、糖尿病に合併する歯周病の予防・治療戦略の開発に貢献する基盤を提供しています。
Lehel Balogh教授の研究室は、精神医学的・神経科学的根拠に基づいた心理療法の神経基盤を解明することを目的としています。特に、身体的・文化的に異なる文脈に根ざした心理療法(例:モリタ療法、ナイカン療法)と西洋的・神経科学的アプローチの統合的検討を進めています。存在主義的現象学的心理療法(EPP)と神経科学の接点を解明し、自己認識や他者理解の神経メカニズムを解明することを目指しています。
Hisashi Satoh教授の研究室は、廃水処理における窒素除去機構の解明を柱として、特に好気的条件下での同時硝化・脱窒素(SND)や生物膜内での酸素と栄養塩の空間的分布が微生物活動に与える影響を、マイクロエレクトロードやFISH、リボソームRNA遺伝子解析を組み合わせた高分解能な手法で解明しています。特に、廃水中の炭素・窒素比が微生物群集の構成と機能に与える影響、および底生生物のバイオトゥルーブが窒素サイクルに与える影響にも注目しています。
Ryuta Muromoto教授の研究室は、免疫系の制御機構、特にインターフェロンやシグナル伝達分子がB細胞の発達とサバイバルに与える影響を分子レベルで解明しています。特にDaxxやSTAT3をはじめとするシグナル分子の機能・相互作用や、エピジェネティクス的制御、ウイルスに由来するタンパク質が宿主細胞のシグナルをどのように操作するかにも注力しています。また、自己免疫疾患やがんの発症機構の解明にも貢献する、細胞内シグナル伝達のダイナミクスを解明する研究が中心です。
Yuki Saito教授の研究室は、細胞のサルコペニアや線維化、慢性炎症に関与する前駆細胞(FAPs)の老化状態とその機能の両面的役割に注目し、筋萎縮性疾患や糖尿病性傷害における再生医療のメカニズムを解明しています。特に、運動が筋肉再生に与える影響は、FAPの老化によって誘導される「再生性の炎症反応」に依存しており、そのバランスの制御が鍵であると示唆されています。また、がんの転移や代謝再プログラミングに関連する酵素(ALDOA)の機能や、傷害治癒におけるサルコペニアと関連するサルコペニアのメカニズムについても、臨床的意義を踏まえた基盤研究を進めています。
Matsumoto教授の研究室では、画像診断の高度化を目的として、バリオメトリック・マルチスペクトル(VMS)CT技術の臨床的応用に注力しています。特に70keV程度のVMSイメージングが、従来の120kVpCTに比べて被曝線量を維持したまま画像ノイズを低減し、コントラスト対ノイズ比(CNR)を向上させることを実証しています。この技術は、標準的な体形の患者においても高品質な診断画像を提供可能であり、今後のCT診断の標準的アプローチの可能性を秘めています。
Katayama教授の研究室は、室温で液体を示すイオン液体を用いた電気化学的反応機構の解明を柱としています。特に酸素の還元挙動や金属(銀、コバルト)の電気析出挙動、リチウムのグラファイトへのインターカレーションを、高精度な電極技術とイオン液体の特異な溶媒性を応用して研究しています。また、電気化学的反応における溶媒・配位環境・界面構造の影響を解明し、次世代エネルギー変換・貯蔵デバイスの基盤技術開発を目指しています。
Yuki Amari教授の研究室では、スピン物理学と場の理論の交差点に位置するトポロジカルな励起状態に注目し、CP²や旗多様体(flag manifold)を標高空間とする非線形スカラー場理論やスピン模型を用いて、スカイメロンやノットソリトン(ホプフオン)といったトポロジカルな粒子状態の構造と安定性を理論的に解明しています。特に、SU(3)対称性をもつヘイズンベルグ模型やD-braneを用いた弦理論的実装を通じて、磁性体におけるスカイメロン結晶やドメインウォールに閉じ込められたスカイメロンの形成を研究しており、これからのスピントロニクスや量子物性工学への応用が期待されています。
Hideki Terai教授の研究室は、非小細胞肺癌におけるエピジェネティクスとがん細胞の耐性メカニズムに注目し、EGFR阻害薬に対する獲得耐性の解明を主眼としています。特に、遺伝子発現のエピジェネティックな制御や、ドリッグ・トレラント・パーサー細胞の存在に着目した機能ゲノムスクリーニングや、FGFR1/FGF2シグナル、SHOC2の役割の解明を進めています。臨床応用に結びつく標的治療の開発を目指した、がん治療の根本的改善に貢献する研究が展開されています。
東田正博教授の研究室は、がん治療におけるウイルス療法と免疫療法の融合に注力しています。特に、変異を加えたヘルペスウイルス(HSV-1)を用いた腫瘍特異的増殖ウイルス療法や、サイトカインをコードする欠損型ウイルスベクターを用いた在来ワクチン的治療戦略の開発を進めています。腫瘍微小環境におけるウイルスの増殖と、それによって誘導される画期的な全身性抗腫瘍免疫応答の解明が、研究の核となっています。
Hiroaki Nozawa教授の研究室は、がんの発症・進行機構、特に腫瘍微小環境における炎症性細胞(好中球・マクロファージ)とマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-9)の役割、ならびに腫瘍抑制遺伝子IRF-1の機能とがん発がん感受性との関連を解明する研究を展開しています。特に、膵島腫瘍の血管新生段階におけるMMP-9の産生細胞の同定や、染色体5qのLOHと関連するIRF-1遺伝子の変異解析を通じて、がんの発がんメカニズムの解明を進めています。
Sasaki教授の研究室は、X線回折を用いた高精度な単分子動的観測技術「ドフラクトドX線トラッキング(DXT)」を基盤とし、ナノ粒子や生物分子の微小な運動を時間・空間分解能でリアルタイムで可視化する研究を展開しています。特に、超冷却水中でのナノ結晶のブラウン運動やDNA分子の回転運動、チロシンキナーゼのATP依存的ダイナミクスといった、生体分子の動的挙動を解明するための革新的なX線イメージング手法の開発が特徴です。また、高磁気歪み性を示すナノ粒子材料の開発や、金属不含有タンパク質へのキラルなキレート標識技術の応用など、物性・材料・生命科学の境界を越えた研究が進んでいます。
Kawaguchi教授の研究室は、ヘルペスウイルスの分子生物学とウイルス-宿主相互作用を主軸に、ウイルスの複製・転写制御や宿主細胞のシグナル伝達系への影響を解明しています。特に、HSV-1の転写調節タンパク質ICP0と宿主因子の相互作用、翻訳延伸因子EF-1δのウイルス感染下での修飾機構に注目し、ウイルスの病原性メカニズムの解明を進めています。また、ウイルス由来キナーゼの機能とその標的分子の同定を通じて、ウイルス感染の共通的・特異的メカニズムを解明する基盤的研究を展開しています。
Yohey Suzuki教授の研究室は、極限環境に生息する微生物の重金属耐性機構やウランの生物的移行挙動を解明する分野に専念しています。特に酸性鉛廃棄物環境やウラン汚染土壌・水質から分離された細菌がウランをどのように不活性化・沈殿化させるかを、分子生物学的・顕微鏡的・スペクトロスコピック手法を用いて解析しています。また、熱水噴出孔に生息する巻き貝とその内生細菌の共生関係についても、分子系統解析や同位体分析を応用して研究を進めています。
Naoki Sato教授の研究室では、植物や藻類の細胞小器官、特にプラストドとミトコンドリアの遺伝子複製と膜脂質の代謝に注目した基礎生命科学研究を展開しています。特に、赤藻類のCyanidioschyzon merolaeをモデル生物として、細胞小器官内での脂質合成経路やDNA結合タンパク質の分子機構を遺伝子・タンパク質レベルで解明しています。また、環境要因に応じた脂肪酸不飽和度の変化や、気象システムにおける波動の伝播機構についても、地球規模の環境変動と関連づけて研究しています。
Satoru Okajima教授の研究室では、大気中の移動渦(低気圧・高気圧)が中緯度の天気変動やジェット気流の維持に果たす役割を、Eulerian統計とラグランジュ追跡法を融合した新規手法を用いて解明しています。特に北太平洋における冬の嵐活動の最小現象(Midwinter Minimum)や、海洋前線に伴う大気応答のメカニズムに注力しており、気象・気候の変動を支配するエネルギー輸送と渦のフィードバックを定量的に解明しています。
当研究室では、昆虫の匂い・味覚受容の分子機構に注目し、特にオドール受容体とフェロモン受容体の機能的同定と、それらが神経信号に変換されるメカニズムを解明しています。特に、サシガラムシをモデルとして、フェロモン受容体の特異的感度や、受容体と共受容体(Orco)の機能的相互作用を分子・細胞レベルで解明しています。また、Gタンパク質共役型レセプターとは異なる昆虫特有の受容体系の信号伝達機構についても、電気生理学的手法と分子生物学的解析を融合して研究を進めています。