東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Takahiro Utsumi教授の研究室は、大腸がんの発症メカニズムの解明と、特にサージカル・ネオプラズム経路に注目した内視鏡的診断技術の高度化を主な研究テーマとしています。特に、sessile serrated lesions with dysplasia(SSLD)のような早期がん前駆病変の検出・評価に、Narrow-band imaging(NBI)やエンドオシトスコピーを応用したリアルタイム組織像診断の可能性を追求しています。また、内視鏡医の診断スキル、特にポリープサイズの推定に関する教育的支援の有効性についても実践的・教育的視点から研究を展開しています。
Kazuhiro Mori教授の研究室は、心臓の機能評価とエネルギー材料の開発を柱とした二面的な研究を展開しています。心臓超音波イメージングの分野では、心筋の微細な機能障害を早期に検出するための心筋ストレイン解析の有効性を解明しており、特に筋ジストロフィー病の患者における心機能評価に貢献しています。一方で、次世代リチウムイオン電池やフルオライドイオン電池の開発においては、イオンの移動機構を中性子散乱やラティス構造解析によって解明し、高効率・高安定性な固体電解質の設計に貢献しています。
Okuno教授の研究室は、神経炎症および神経変性疾患の病態解明を柱としており、特にセマフォリン・シグナル伝達や腸内微生物叢の免疫調節機能に注目した研究を展開しています。マクロファージやミクログリアを標的とした神経免疫調節機構の解明や、自己免疫性脳炎や筋萎縮性側索硬化症(ALS)における炎症反応の役割を分子レベルで解明しています。また、神経免疫系と腸内細菌叢の相互作用についても、メタゲノム解析を用いた包括的アプローチをとっています。
Wada教授の研究室では、冬型の低積乱層を示す雷雲において発生する高エネルギー現象に注目し、地上から観測するγ線発光(ガンマ線グルーブ)や降下型テラステリアンガンマ線フラッシュ(TGF)の発生機構を解明しています。特に、雷放電に伴う強い電場下で発生する相対論的エレクトロンのランナウェイアバランスが、どのように高エネルギー放射を生成するかを、地上観測とレーダー・気象観測データの統合解析によって解明しています。また、γ線発光とTGFの同時観測によって、高エネルギー現象の発生メカニズムのつながりを解明する画期的な研究を進めています。
Haraguchi教授の研究室は、核膜の再構築と細胞分裂における核の再形成メカニズムを、ライブセルイメージングを用いて解明しています。特に、エメリンやBAF(Barrier-to-autointegration factor)といった核膜関連タンパク質の動態と相互作用を、時間分解能・スペクトル分解能を活かした顕微鏡技術で解析しています。核膜の形成初期段階におけるタンパク質の局在と機能の時間的順序を解明することで、エメリー=ドリューフォス筋ジストロフィーの病態解明にも貢献しています。
ウエダ教授の研究室は、ヒトヘパト炎ウイルス(HBV)やカポジーサルコマ関連ヘルペスウイルス(KSHV)をはじめとするウイルスの複製・発現機構を分子生物学的・細胞生物学的アプローチで解明しています。特に、ウイルスの膜貫通タンパク質の機能、ウイルスゲノムの複製・分配機構、およびウイルス転写活性化因子が宿主遺伝子をどのように制御するかに注目しています。ウイルス感染とがんの因果関係についても、ウイルスDNA統合に伴う原 oncogene の活性化をモデルとして解析しています。
Aiko Tanaka教授の研究室は、集中治療医療における患者の予後を改善するための臨床的・統計的アプローチを専門としています。特に、気管チューブ挿管の適切なタイミングや脱離後の予後予測に関する研究が目立ち、人工呼吸器管理の最適化に貢献しています。また、機能的食品が免疫系に与える影響を臨床試験で検証する分野にも進出しており、予防医療との接点も持っています。
森島桂介教授の研究室では、生体組織を用いたマイクロアクチュエーターやバイオハイブリッドデバイスの開発を主眼としています。特に昆虫の背血管組織(DVT)を用いた長期間にわたり常温で駆動可能な生体アクチュエーターや、神経信号で制御可能な生体プロステーシスの実現を目指しています。これらの技術は、生体適合性・環境耐性に優れた生体材料を活用することで、従来の培養条件に依存しない持続的で実用に近いマイクロマシンの実現をめざしています。
Satoko Matsuzaki教授の研究室は、がん治療における標的療法の開発に注力しており、特にグリパカン・1(GPC1)を標的にした抗体薬剤複合体(ADC)の創出とその臨床応用を主な研究テーマとしています。特に子宮頸がんをはじめとする扁平上皮癌におけるGPC1の発現と治療的意義を解明し、標的性の高い新規がん治療法の確立を目指しています。また、産科領域の希少疾患である胎盤症候群(胎盤付着症、軸静脈前位など)の病態解明や診断・治療戦略の検討も併行して行っています。
H. Hata教授の研究室は、分子生物学的メカニズムと計算シミュレーションを融合した多様な研究を展開しています。酵母における転写調節因子POP2の機能解明や、タンパク質-リガンド複合体の解離メカニズムを分子動力学的シミュレーションで解明する研究が特徴です。特に、dPaCS-MD/MSM法を用いた結合自由エネルギーの高精度予測や、高圧下におけるタンパク質複合体の解離挙動の解明は、新規薬剤設計やバイオマテリアル開発に応用可能です。
Mami Ishikuro教授の研究室では、出生・三世代コhort研究を基盤とし、特に家族構成員、とりわけ祖父母の参加を促すための意思決定支援手法の開発に注力しています。また、妊婦における血液中ヘモグロビン濃度や血圧の変動、災害後の子供の健康影響、病院内での転倒リスク要因の解明など、母子健康・公衆衛生にかかわる多様な疫学的課題を対象としています。特に、家族参加型ゲノム疫学研究の実践的実施戦略の構築が、本研究室の特色です。
阿部正孝教授の研究室では、超音波を用いた生体組織の機械的特性評価に注力しており、特に血管内皮機能や筋肉・細胞レベルのViscoelasticity(粘弾性)の非挙動的評価を目的とした新規超音波測定技術の開発を進めています。高精度な血圧・血管径同時測定プローブの開発や、単一プローブによる血流誘発拡張反応の評価、細胞単位の音響特性マッピング技術の確立が主な研究テーマです。これらの技術は、動脈硬化の早期診断やがん・動脈疾患のバイオマーカー評価に応用可能です。
王佳杰教授の研究室では、地質的CO₂隔離と持続可能な炭素回収を実現するため、バイオベースで生分解性のあるキレート剤を用いた鉱物溶解技術の開発を主眼としています。特に、堆積岩や玄武岩に代表されるマグネシウム含有鉱物の効率的かつ環境に配慮した溶解を促進し、CO₂の長期的・安定的固定を可能にする新規プロセスの構築を目指しています。また、産業副産物や熱水変質玄武岩を活用したCO₂鉱物化プロセスの最適化も進めています。
山本誠一教授の研究室は、核医学画像診断技術の高度化を目的として、特にPET( positron emission tomography)技術の革新に注力しています。特に小動物用・脳機能用の高感度・高分解能PETシステムの開発や、MRIと併用可能な磁気適合性の高い検出器の開発が主な研究テーマです。また、光子検出技術としてのSi-PM(ゲージャー・モードアバランチフォトダイオード)の応用や、炭素線線治療における線量範囲のリアルタイム推定手法の開発も進めています。
Kodo Kawase教授の研究室は、テラヘルツ波を用いた非破壊検査技術の開発を柱としています。特に、封筒に隠された違法ドラッグの特定に有効な、空間パターン解析を応用したテラヘルツマルチスペクトル透過イメージング技術の確立に貢献しています。また、LiNbO₃やDASTなどの非線形結晶を用いた広帯域・高効率なテラヘルツ波発生源の開発も進め、室温で動作するコンactな可変周波数光源の実現を目指しています。
Naoki Noto教授の研究室では、可視光を用いた金属フリーな光酸化還元触媒反応を核に、フッ素を含む炭素骨格の効率的かつ選択的な合成を実現するための新規反応機構の開発を行っています。特に、CF₃、CF₂H、CH₂Fなどのフッ化アルキルラジカルを効率的に生成・利用する触媒系の設計が特徴で、芳香族アルケンや環状エノール誘導体を対象としたスプライシング反応やモノフラーモキシル化反応の開発が進んでいます。また、水中反応や非金属触媒を用いた環境に配慮した合成戦略の構築にも注力しています。
Keita Tsujimura教授の研究室は、神経発達障害の発症機構を解明することを目的としており、特にMeCP2とマイクロRNAの機能的相互作用が神経幹細胞の線従分化やニューロンの樹状棘形成に与える影響を分子メカニズムから解き明かしています。miR-199aやmiR-214、miR-514aといった特定のマイクロRNAが神経形成やシナプス形成を調節するメカニズムを、遺伝子ノックアウトモデルや画像解析を用いて解明しています。また、神経新生や神経移動の異常と神経発達障害との関連について、弥生マウスモデルや拡散MRIを用いた神経回路の可視化研究も進めています。
田中正史教授の研究室は、放射線や酸化的なストレスに対する極限環境に適応する微生物、特にデュラバクテルス・ラジオデュランスの応答機構を分子遺伝学的・ゲノムスケールで解明しています。特に、放射線や乾燥ストレスに起因するDNA損傷に対する応答に関与する遺伝子群(ddrA〜D、pprAなど)の機能と相互作用を解析しており、細胞の修復メカニズムの理解を深めています。また、心臓移植における炎症や酸化的損傷の抑制に寄与するD-アミノ酸化酵素(DDAH-I)やスーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)の発現が、移植後の障害を軽減するメカニズムの解明にも貢献しています。
Kohei Nishimura教授の研究室では、タンパク質の機能を精密に制御するための新規タンパク質分解システムの開発と応用を柱としています。特に、アUXイン誘導型デグレードン(AID)システムの高度化により、哺乳動物細胞や酵母においても低濃度の誘導剤で効率的なタンパク質欠失を実現。これにより、細胞周期や染色体分配のメカニズム解明に貢献しています。
Higuchi教授の研究室では、フィラメント状菌であるアスパルギルス・オリゼイの細胞内膜小器官の動態とその機能解明を柱として、エンドサイトーシス・分泌経路の分子機構や、リボソームの細胞内輸送メカニズムにまで及ぶ、極性細胞における膜交通の多様な役割を解明しています。特に、早期エンドソームのモーターたんぱく質駆動型移動が翻訳機構の分配に寄与するという画期的な発見は、真核細胞内シグナル伝達の新たな理解をもたらしました。また、膜小器官の動的制御が酵素産生や細胞極性の維持に与える影響についても、画像解析と分子生物学的手法を融合して研究を推進しています。