東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Shotaro Hirase教授の研究室では、特に海洋無脊椎動物および魚類を対象とした系統地理学的・ゲノム解析を通じて、種分化の初期段階や遺伝的交雑のメカニズムを解明しています。特に、共存する種間の遺伝子流れや、過去に絶滅した系統からのゲノム的影響(ghost introgression)の痕跡を解明する研究が特徴です。また、ミトコンドリアゲノムやマイクロサテライトを用いた高精度な遺伝的解析により、小スケールでの生息地間の遺伝的構造や分散能力の制限要因を解明しています。
Sota Fujii教授の研究室は、被子植物におけるミトコンドリアと核ゲノムの相互作用に注目し、特に細胞質的雄性不稔(CMS)とその回復遺伝子(Rf遺伝子)の分子機構を解明することを主眼としています。特に、ペントタリコペプチドリピート(PPR)タンパくがミトコンドリアRNAの加工・制御に果たす役割を遺伝子機能解析とゲノム解析を組み合わせて解明しています。また、遺伝子発現の制御機構や、ミトコンドリアゲノムの再編とその生殖細胞への影響についても、主にライス(オオムギ)をモデル生物として研究を進めています。
松崎賢治教授の研究室は、主に新生代から第四紀にかけての海洋環境変遷を、珪質微化石・特に放射虫を用いて解明する研究を展開しています。特に北西太平洋および日本海における水温変動や海洋循環の変遷を、放射虫の生態的特性と多変量統計解析を組み合わせて再構築しています。また、国際深海掘削計画(IODP)や深海掘削船「ちきゅう」のミッションを通じて得られた堆積岩柱を基盤に、古海洋学的・古塩分変動の解明を進めています。
石垣一永教授の研究室では、超音波ガイド下生検(EUS-FNB)を用いた膵臓腫瘍の診断技術の高度化をめざしています。特に22ゲージのフランゼン針を用いた穿刺法の有効性や、診断精度の向上に寄与する技術的要因の解明が中心です。また、膵がん患者における血栓塞栓症の発生リスクや予後との関連についても臨床的疫学的アプローチをとっています。
ロジー・ロイス・カランダンガ教授の研究室は、高齢化社会における高齢者の主観的幸福度や未満足なニーズの実態を、フィリピンの都市部における定性的・定量的アプローチで解明しています。特に、心理的レジリエンスや地域支援の役割が高齢者の生活の質に与える影響に注目しており、政策提言を伴う実践的・社会的意義の高い研究を推進しています。また、国際的視点では、日本における移住労働者ケアワーカーの心理的負担の解消にも貢献しています。
Hideki Endo教授の研究室は、消化器外科における手術の質と患者アウトカムの向上を目的としており、特に腹腔鏡下膵・大腸切除術の長期的成績と医療品質のモニタリングに注力しています。また、がんや細胞周期関連の分子メカニズムの解明にも取り組んでおり、タンパク質間相互作用やユビキチン化機構の解明を進めています。さらに、感染症や救急医療におけるリスク予測モデルの妥当性や、自然と共生する地域社会の持続可能性についても、国際的視野をもって研究を展開しています。
Kensuke Tamura教授の研究室は、量子多体系の基礎物理から応用技術までを網羅する多様な研究を展開しています。特に、イジング模型やQUBOに基づく組合せ最適化問題の解法、SU(n) Hubbardモデルにおける強磁性の理論的証明、量子多体系に現れるスカラースカル(QMBS)の構造的起源の解明が主な研究分野です。また、神経変性疾患の病態解明における標的治療の可能性を示す神経生物学的実験や、高精度X線・ガンマ線検出用アナログASICの開発にも取り組んでいます。
Kaichi Yanaoka教授の研究室は、主に乳幼児から学童期の子どもの発達に注目し、特に実行機能や自己制御、タスクの文脈理解、順序学習といった認知発達のメカニズムを、行動観察と生理的指標(例:瞳孔反応)を用いて解明しています。特に、子どもたちが「先送りの報酬」を選ぶ行動や、日常のルーチンを柔軟に再構成する能力の背後にある認知的・情動的要因に焦点を当てています。文化的な違いや発達段階に応じた認知制御の獲得プロセスの解明が、研究の柱です。
Takeshi Teshima教授の研究室は、可逆ニューラルネットワークやドメイン適応の理論的基盤を強化する研究を推進しています。特に、可逆関数の近似可能性やニューラルODEの表現力に関する普遍性理論の確立に注力しており、機械学習モデルの信頼性と一般化性能の向上を目指しています。また、欠損値やクリッピングによる観測損傷に強い低ランク行列回復手法の理論的基盤の構築も行っています。
福見一弘教授の研究室では、電気析出を基盤として、ナノ構造の制御的形成や自己組織化による秩序だてられた微細構造の創出を主な研究テーマとしています。特に、SnやZnなどの金属析出における周期的振動やダイナミックな構造形成メカニズムの解明に加え、ポーラスシリコンをテンプレートとした金ナノロッドの合成や、中間エントロピー合金の電気析出技術の開発も進めています。これらの研究は、ナノ材料の機能制御や新規デバイス応用に貢献する基盤技術の確立を目的としています。
Ehara教授の研究室は、金属ナノクラスター、単原子触媒、および分子表面反応を理論的・計算的手法を用いて解明する分野に専念しています。特に、触媒反応機構の解明や、光学活性の起源、分子の振動・電子状態の高分解能解析を対象としており、DFTやMCTDHを用いた高精度な量子化学計算が特徴です。金属ナノクラスターにおけるキラリティの起源や、CO酸化、NO還元反応の反応経路の解明が中心的研究テーマです。
Kōichiro Tanaka教授の研究室では、グラフェンをはじめとする次世代半導体材料を用いた非線形光物理学の研究が進められています。特に、中赤外レーザーを用いた高次高調波生成や、強力なテラヘルツパルスを用いた物質の非線形応答の解明が主なテーマです。これらの研究は、量子力学的記述に基づく高精度な理論モデルと実験の融合によって、新しい光応用技術の創出を目指しています。
宮嶋信行教授の研究室は、植物由来の栄養タンパク質、特にトウガンのβコンギリニンを対象に、その構造と機能の解明を主な研究テーマとしています。特に、糖鎖修飾や領域欠失がタンパク質の折りたたみ、安定性、溶解性に与える影響を生化学的・結晶構造学的手法を用いて解析しています。また、アレルゲンとしてのタンパク質の性質や、アレルギー反応に関与するエピトープの同定についても、分子生物学的手法を応用して研究を進めています。
Kazuaki Jindai教授の研究室は、抗菌薬の適正使用と多疾患管理を柱とした感染症・予防医学分野の研究を推進しています。特に、在宅医療における抗生物質の過剰処方の是正や、高齢者・性別に差を考慮した予防戦略の構築に注力しています。COVID-19の影響下での感染症行動の変化や、国際共同臨床試験への参画を通じて、パンデミック対応の基盤整備にも貢献しています。
石渡史隆教授の研究室では、分子の自己組織化と構造制御を核に、機能性ポリマーおよび界面材料の設計・創製を進めています。特に、トリプチセン誘導体を用いた高秩序な自己組織化膜や、Ca²⁺センシングに適した固体状フラーレンセンサーの開発が目立ちます。また、柔軟性を有するラダーポリマーの創出や、機械的クローラーを有する回転子を側鎖に持つヘリカルポリアセチレンの螺旋優位性制御など、分子の立体的・動的制御に注力した先進的で応用に結びつきやすい研究が展開されています。
Takahiko Ban教授の研究室では、相分離を示すソフトマターの自己駆動運動に着目し、界面エネルギーの変化や化学勾配を利用した自律的移動を実現する新しいタイプの自己駆動ドロイドやベシクルの開発を行っています。特に、pHや金属イオンの勾配に応じて方向を制御できる化学駆動型自己移動系の創出が目立ち、バイオセンシングや環境浄化への応用が期待されています。また、ポリマー二相系を用いた膜透過性制御による動的挙動制御も独自の特徴です。
福本学教授の研究室は、自己免疫疾患、特に皮膚筋炎や抗スインセターゼ抗体関連症候群(抗-ARS抗体陽性疾患)の発症メカニズムとそのバイオマーカーの解明を柱としています。特に、抗核抗体のサブタイプと疾患の臨床像・予後との関連を解析し、疾患の分類と個別化医療の実現に貢献しています。また、B細胞受容体シグナル伝達の分子機構や、自己抗体の産生メカニズムについても深く研究しています。
Koji Okamoto教授の研究室では、細胞内のオルガネラの品質と量のコントロールに不可欠な選択的アポトーシス、特にミトコンドリアの選択的分解(ミトファージー)の分子機構を、イーストをモデル系として解明しています。特に、ミトファージーを制御するキーモジュールであるAtg32や、アポトーシスのシグナル伝達に関与するタンパク質の機能と相互作用を解析しています。この研究は、老化、がん、神経変性疾患の発症メカニズム解明にも寄与しています。
Takabe教授の研究室は、レーザー核融合における高エネルギー密度プラズマの不安定性と乱流混合を、理論的・計算的アプローチで解明する分野に専念しています。特に、アブレーション前端におけるレイノルズ=テイラー不安定性の安定化機構や、非局所的熱拡산効果の影響を重視した自己無撞撃的モデルの構築が特徴です。また、統合的数値コードの開発を通じて、インパルジョンダイナミクスの高精度な予測と核融合的閉じ込めの最適化を進めています。
中 Yuan 風教授の研究室では、溶接部の疲労特性を向上させるための低変態温度(LTT)溶接材料の開発とそのメカニズム解明を主軸としています。特に、溶接部に圧縮残留応力が発生するメカニズムや、溶接プロセス中の熱履歴が微細組織・応力に与える影響を、実験的・数値的アプローチで解明しています。また、溶接の計算効率を高める新規数値解析手法の開発や、溶接部のひずみ・応力・微細組織の制御にも注力しています。