東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
阿部教授の研究室では、網膜血管障害を引き起こす病態メカニズムの解明と、その標的療法の開発を主眼としています。糖尿病性網膜症や新生児網膜症の核心的病態である血眼関門障害に寄与する多因子的炎症反応の共通分子を解明し、VEGF以外の標的を追求しています。特に、バシジンという膜タンパク質が多様な炎症サイトキニンに共通して血管障害を引き起こす鍵分子であると示唆しており、新たな治療戦略の構築を目指しています。
池井千春教授の研究室は、キラルアミノ酸の高感度・高選択性分析を核として、医療・食品分野における疾患バイオマーカーの同定や、腸内微生物と代謝物の相互作用の解明を進めています。特に、2次元液体クロマトグラフィーと質量分析を組み合わせた分析法の開発を通じて、生体 fluids やタンパク質中の微量 D-アミノ酸を正確に測定する技術を確立しています。また、腸内マイクロバイオームと代謝プロファイルの統合的解析(メタボロゲノミクス)を応用した、栄養と健康の関係解明にも注力しています。
Akio Miyara教授の研究室は、流体の熱伝達・流れ挙動に注目し、特に垂直壁を流下する凝縮膜の波動発展や、微細構造を有するチューブ内での相変化流れの挙動を数値シミュレーションと実験によって解明しています。低GWPフロン系冷媒の物性データの測定と相関式の構築にも取り組んでおり、高効率な熱ポンプやオーガニックランキンサイクルの開発に貢献しています。主に熱交換器の性能向上と環境に配慮した冷媒の応用を目的とした基礎的・応用的研究が進められています。
Sagar Saren教授の研究室は、低品位廃熱の有効利用に焦点を当てた熱変換技術の研究を推進しています。特に吸着熱トランスフォーマー(AHT)サイクルの理論的限界を解明し、最大温度上昇の評価手法を確立する点に特徴があります。熱力学第二法則に基づくモデル構築や、完全予熱を想定した解析手法の開発を通じて、持続可能なエネルギー変換技術の基盤を築いています。
山本秀夫教授の研究室は、環境浄化とバイオマテリアルの開発を柱とした持続可能な技術の創出を目的としています。特に、活性炭を用いた内分泌攪乱物質の吸着挙動や、バイオ由来のフィルターアイド(エチル化大豆タンパク質、メチル化ミルクケイシン)を用いた廃水処理・浮揚分離技術の開発が進んでいます。また、超音波スプレーを用いた低濃度汚染物質の濃縮・除去技術や、廃棄物由来の触媒(シジミ殻由来CaO)を用いたバイオディーゼル合成の研究も展開しています。これらの研究は、環境浄化とリサイクル技術の両立を目指した革新的なアプローチを特徴としています。
Nakanishi教授の研究室は、胆道癌、特に胆管癌の発症メカニズム、予後予測因子、再発のメカニズムに焦点を当てた臨床的・病理学的研究を推進しています。特に、術後再発のリスク要因や腫瘍の侵襲性を示すバイオマーカー(例:CA19-9、腫瘍ベッドのグレーディング)の同定に注力しており、長期予後の改善に寄与する臨床的アプローチの確立を目指しています。
Hyojin Ahn教授の研究室は、環境DNA(eDNA)を活用した生態系モニタリングを柱としており、特に河川・汽水域・海洋環境における生物多様性の評価を目的としています。都市化が進む河川から自然に近い河川に至るまで、多様な環境条件における魚類や珪藻の分布をeDNAメタバーチャリングで解明しています。また、eDNA収集法の最適化や環境要因がeDNA濃度に与える影響についての実験的アプローチも展開しています。
伊賀梨教授の研究室は、インフルエンザウイルスやSARS-CoV-2をはじめとするRNAウイルスの複製機構とウイルス免疫逃避機構を、構造生物学的・分子生物学的アプローチを用いて解明しています。特に、ウイルスのキャップ修飾機構(2'-Oメチル化)に注目し、宿主酵素とウイルス酵素の機能的相互作用を解明するとともに、新規の抗ウイルス薬の創出をめざした薬剤スクリーニング研究を展開しています。また、ウイルス由来遺伝子のゲノム内埋め込み(エンドージェネス)の可能性についても探求しており、ウイルスと宿主の共進化を解明する基盤を構築しています。
北極圏における地球温暖化や宇宙天気の影響を解明するため、地上レーダー、ロケット、人工衛星を用いた大気・電離圏連携観測を実施しています。特に、成層圏大気の突然増 warming やオーロラエネルギーの熱的・力学的影響が低層間圏に及ぼす影響を、中性大気と電離層の連成メカニズムとして解明しています。近年では、ドローンを用いた高分解能ヒューパースペクトル画像と機械学習を組み合わせた農業用環境モニタリング技術の開発にも展開しています。
Ziheng Wang教授の研究室は、深層学習と統計的推論を融合したアプローチを通じて、顔貌の動的変化や行動認識、医療分野における多オミックスデータ解析、そしてニューラルネットワークの構造的圧縮技術の研究を推進しています。特に、顔の筋肉の空間的・時間的関係や行動単位(AU)間の複雑な関係を効果的にモデル化するための新規な確率的生成モデルや、限られたデータでも効果的に分類器を学習するための隠れ情報の活用法を開発しています。また、医療分野への応用として、高齢者の筋萎縮(サルコペニア)の予測や介入効果の評価にも機械学習を応用し、実社会の課題解決に貢献しています。
アーノルド・ファヴレル教授の研究室は、フランシス水車のオフデザイン運転におけるキャビテーション誘発流動不安定性に注目し、特にラベル・ドライブ部におけるキャビテーション・バーテックスロープの発生とそのプレッション励振メカニズムの解明を主眼としています。高精度な水圧的・流動的モデル構築と、PIVや圧力測定を用いた実験的アプローチにより、共振条件や運転範囲の安定化に寄与する要因を解明しています。特に、運転条件(流量係数、圧力頭)がバーテックスのプリセッション周波数や流動状態に与える影響を精密に分析しています。
Akihiro Takamiya教授の研究室は、うつ病や若年性アルツハイマー病に代表される神経精神疾患における電気けいれん療法(ECT)の効果とその神経生物学的メカニズムを、画像診断(MRI、PET)と行動評価を統合して解明しています。特に、ECTが脳の構造的・機能的ネットワークに与える影響、とりわけ海馬や前頭側頭連合領域、デフォルトモードネットワークの変化と臨床改善の関連を解明しています。また、無意識状態の患者におけるECTの受容性や、高齢期のうつ病とアルツハイマー病の病態的重複についても探求しています。
Hideyuki Hayashi教授の研究室は、がんの個別化医療を推進するため、がんゲノム解析を基盤とした診断・予後予測の研究を展開しています。特に、パニックステート(膵がん)を対象とした標的シーケンシングによるドライバー遺伝子変異の同定や、MSI-H/dMMR状態のPCR法と次世代シーケンシング(NGS)の臨床的整合性の検証が主な研究テーマです。また、臨床応用に即した遺伝子診断プロトコルの構築や、治療反応のバイオマーカーの同定にも注力しています。
Arihiro Iwasaki教授の研究室は、海洋藍藻(シアノバクテリア)から新規天然物を効率的に発見・同定することを柱としています。特に、カルボン酸含有リポペプチドやサイクルデシペプチドなど、構造的に特異な天然物の構造決定とその生体機能解明を進めています。抗癌活性や寄生虫阻害活性を示す化合物のスクリーニングや、イオンポンプ阻害作用を有する新規薬剤候補の同定にも注力しています。
佐々木淳一教授の研究室では、ウイルスの翻訳機構やタンパク質合成の分子機構に焦点を当てた研究を行っています。特に、翻訳開始にアミノ酸メチオニンを必要としない新しい翻訳機構を有する昆虫ウイルスの内部リボソーム認識部位(IRES)の解明が中心です。また、ペプチドグリカンの構造解析を通じて、細菌の細胞壁成分の立体化学的特徴についても独自の分析手法を用いて研究を展開しています。
Hayashi教授の研究室は、データ取引プラットフォームやイノベーション創出メカニズムの構築を柱としており、特にデータ市場における利害関係者間の対話的相互作用や、実社会の役割を模倣したイノベーションゲームの開発に注力しています。データの価値創出を促す仕組みや、pHが薬物の皮膚透過に与える影響といった、応用的で実践的な研究も展開しています。研究は、社会的・技術的課題を解決するための実用的で持続可能な仕組みの構築を目指しています。
田沼亮太教授の研究室は、集積光回路を基盤とした高機能な光デバイスの開発を柱としています。特に、マルチプレーン光コンバージョン(MPLC)を応用した光ユニタリ変換器(OUC)や光プロセッサの高耐障害性・スケーラビリティの向上に注力しており、光通信、量子情報処理、光ニューラルネットワークへの応用を視野に研究を進めています。波ガイド寸法の製造誤差に対する耐性を有する新規構造の設計と実証が特徴です。
Zilu Liang教授の研究室は、ウェアラブルデバイスとスマートシティ技術を軸に、個人の睡眠行動の正確なモニタリングと都市交通の予測・最適化を研究しています。特に、Fitbitなどの消費財ウェアラブル機器が睡眠ステージをどれだけ正確に測定できるかを分析し、睡眠改善のための意思決定支援技術の開発にも注力しています。一方で、都市部の交通渋滞予測を目的としたプロアクティブなルート案内システムの構築や、交通量予測に基づく都市インフラの知的制御についても革新的なアプローチを展開しています。
Satoshi Yamaguchi教授の研究室は、生体分子の機能制御とその応用を柱とした分子工学的研究を展開しています。特に、タンパク質の効率的な精製・活性化、脂質ラフトの可視化、光・超音波応答型ドラッグデリバリーシステムの開発に注力しており、生命科学と材料科学の融合を実現しています。また、人工受容体とスーパーマルチスケールハイドロゲルの協働による分子認識デバイスの創出も重要な研究テーマです。
伊部正博教授の研究室は、素粒子物理学と宇宙論の交差点に位置し、特に超対称性理論に基づく素粒子模型や暗黒物質の性質を解明することを主眼としています。特に『純粋重力メディエーション』モデルを基盤に、ヒッグス粒子質量やゲージノー質量スケーリングの構造を精密に解析しており、LHCや宇宙線観測における実験的予測にもつなげています。また、暗黒物質の直接検出やニュートリノ宇宙線の異常なエネルギースペクトルといった、未解決の宇宙論的問題に対しても、理論的枠組みを提供しています。