東京大学、京都大学、大阪大学など日本QSトップ10大学の研究室情報です。
Daisuke Motooka教授の研究室では、ウイルスの変異と免疫逃避機構を解明するため、特にSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の変異が中和抗体に与える影響を分子生物学的手法を用いて解析しています。特にオミクロン株の高い変異数がワクチン効果や治療用抗体の効果に与える影響を、仮ウイルス系を用いた中和実験によって定量的に評価しています。この研究は、新たな変異株の出現に備えたワクチンや治療法の開発に貢献することを目的としています。
Takashiro Tsukamoto教授の研究室では、MEMS(マイクロマシン)センサーや超小型ジャイロスコープの高精度化を目的とした革新的な振動モード制御技術を開発しています。特に、1つの共振子上に重ねて駆動する時計回り(CW)と反時計回り(CCW)モードを独立して制御する技術により、高線形性・高安定性な周波数変調型ジャイロスコープや全角度モード型ジャイロスコープの実現に成功しています。温度変化に強く、バイアス安定性に優れたセンサーや、物理的機構を追加せずに仮想回転を生成する新規制御手法の開発も進んでいます。
Takeharu Yoshii教授の研究室は、ナノ材料を基盤とし、特にパラジウムナノ粒子を用いた高効率で選択的な酸化還元反応触媒の開発を主眼としています。特に、リガンド修飾やナノ構造制御を駆使して、表面プラズモン共鳴や熱励起による励起電子の効率的利用を追求しており、有機合成や環境対応触媒の分野で革新的な触媒系を創出しています。また、炭素フレームワークやグラフェンを用いた新規ナノコンポジット触媒の設計にも注力しています。
K. Miwa教授の研究室では、ハドロン物理学の分野において、中間子とバリオンの反応断面積の高精度測定を主なテーマとしています。特に、J-PARCやKEKの加速器を用いた反応実験を通じて、ニュートリノや標高状態(例:Θ⁺)の存在を精密に探索しています。反応断面積の角度分布や微分断面積の測定から、強い相互作用のメカニズムや新しいハドロン状態の理解を進めています。
潘劉教授の研究室は、腐食・劣化メカニズムの解明と、持続可能な材料・技術の開発を柱としています。特に、海水淡水化に応用可能な光蒸発材料や、海洋環境下での金属腐食防止技術、ならびに廃棄物由来資源を活用した新規セメント材料の開発に注力しています。高効率な光熱変換材料の設計や、微生物誘発腐食のメカニズム解明を通じて、産業応用に直結する革新的なソリューションの創出を目指しています。
Gomi教授の研究室では、麹菌(Aspergillus oryzae)をはじめとするフィンガーファンジスの遺伝子調節機構に注目し、特にアミラーゼやプロテアーゼといった有用酵素の発現を制御する転写因子の同定と機能解明を主なテーマとしています。特に、糖代謝関連酵素の発現を制御する転写因子(AmyR、MalR、FlbC、AtrRなど)の分子機構や、アズール系抗真菌薬耐性のメカニズム解明にも取り組んでいます。また、遺伝子導入技術の確立や、遺伝子発現調節の分子機構に関する基礎的・応用的研究を展開しています。
田中賢太郎教授の研究室では、DNAをテンプレートとした分子アセンブリーや、金属錯体を用いた新しい核酸塩基対の構築を柱としています。特に銀イオンを介したDNA二重鎖・三重鎖の安定化や、金属錯体を用いた機能性核酸の設計が特徴です。また、巨大マクロサイクルやサブナノメートルサイズの3次元ナノ空間を有する超分子構造の創出にも取り組んでおり、ナノ材料やバイオセンシング応用への展開が目指されています。
Sugiura教授の研究室では、植物の形態的・生理的応答が光・栄養環境にどのように最適化されるかを、全植物レベルの成長率を基準に理論的・実験的に解明しています。特に、葉・根の割合や葉内窒素含量、非構造的炭水化物の蓄積が光合成能に与える影響を、ホルモン制御や上下部間のシグナル伝達を含め、多角的に解析しています。また、光合成の自己調節機構や、根・茎の成長が葉の機能に与える影響についても、グラフト実験やホルモン処理を用いて解明を進めています。
Matsuo教授の研究室は、がんの発症に関与する遺伝的要因と環境要因の相互作用に注目し、特に血液悪性腫瘍や食道がんの発がんメカニズムを、遺伝子多型と環境因子(アルコール、ウイルス感染など)の関連から解明しています。特にALDH2遺伝子多型やフォレート代謝酵素の遺伝子変異ががんリスクに与える影響を、疫学的・分子生物学的手法を用いて解析しています。また、国際的な疫学的データを統合したメタアナリシスを通じて、ウイルス感染(HCV)とリンパ腫の因果関係の解明にも貢献しています。
Tohru Hira教授の研究室では、小腸に存在する腸内ホルモンを分泌する内分泌細胞が、食物由来のペプチドやアミノ酸をどのように認識し、ホルモン分泌を制御しているかを、細胞・動物モデルを用いて解明しています。特に、GLP-1 や CCK といったインクリンホルモンの分泌機構に注目し、食物タンパク質の加水分解産物(プロテインハイドロリゼート)が血糖制御に与える影響を分子メカニズムから解明しています。また、肥満や糖尿病の進行に伴うホルモン反応の変化についても、行動的・代謝的指標を併用して解析しています。
Uehara教授の研究室は、細胞分裂における微小小管と細胞骨格のダイナミクスを解明することを主眼としています。特に、分裂中期から後期にかけてのスプライント・スパイン(分裂極)の形成機構や、augmin複合体が微小小管をどのように新生・制御するかに注目しています。また、細胞周期の制御やがん治療への応用を視野に入れた光制御型薬剤の開発や、ヘテロポロイド状態における中心体の不安定性のメカニズムについても研究を展開しています。
Takehiro Noji教授の研究室は、胆道・膵臓がんをはじめとする消化器腫瘍の診断と治療戦略の最適化を目的としています。特に、術前画像診断(CT)の限界と有用性を解明し、リンパ節転移の予測や、肝・門脈・奇形静脈侵犯を伴うがんに対する手術適応の選別に貢献しています。また、再発がんの手術的治療意義についても、選択的症例における長期生存の可能性を示しており、個別化医療の実現に向けた臨床的根拠の構築を目指しています。
Monde教授の研究室は、主に天然物の構造解明と生合成機構の解明を柱としています。特に、バイオロジカルに重要な天然化合物、たとえばアリルイソチオシネート系のフィトアレキシンやクロロール化オリシノール誘導体の生合成経路を解明してきました。また、赤外円二色性(VCD)を用いたキラル分子の絶対配置決定や糖の異性体状態の精密な解析にも貢献しています。これらの研究は、天然物の立体化学的特徴を高感度で解明するための理論的・実験的基盤を提供しています。
Kumiko Yoshimatsu教授の研究室では、がん治療における新規標的の同定と創薬開発を柱として、特に抗腫瘍作用を示す新規シルファノアミド誘導体の作用機構や、プロスタグランジンE2産生酵素mPGESの発現とがん発癌の関連を解明しています。また、原因不明の慢性腎臓病(CKDu)の疫学的・病態的要因の解明にも取り組んでおり、ウイルス感染や環境要因との関連を分子生物学的手法を用いて解析しています。
Pavel Sidorov教授の研究室は、がん治療における薬剤組み合わせのシナジー予測やマラリア治療薬の開発を柱としています。主に機械学習(ランダムフォレスト、XGBoost)と定量構造活性相関(QSPR)モデルを用い、大規模な化合物データベース(NCI-ALMANACやChEMBL)を活用したインシリコ探索を推進しています。また、量子化学計算から得られる遷移状態データの管理・解析を可能にするRePathDBなどの独自ツール開発も行っています。
Hayato Takahashi教授の研究室は、自己免疫疾患、特にびまん性天疱瘡(Pemphigus vulgaris)をモデルとして、自己抗体の産生を制御するT細胞とB細胞の協働機構を解明しています。特に、自己抗原に対する自己-reactive T細胞の病原性や、末梢耐性のメカニズム、ならびに自己免疫とウイルス再活性化の関連性について、クローンレベルでの精密切な動物モデルを用いて研究を進めています。近年では、自己抗原を発現する末梢組織におけるT細胞の選別と自己反応性の制御に関する革新的なモデルの構築にも成功しています。
Tohru Yamada教授の研究室では、酸素や二酸化炭素を効果的に利用した環境にやさしい酸化反応の開発に注力しています。特に、ニッケルや銀を触媒として用いた、空気中酸素を酸化剤とするエポキシ化反応や、二酸化炭素を炭素源とするγ-ラクトン合成が顕著です。これらの反応は、反応条件が穏やかで、選択性や収率が高く、持続可能な有機合成に貢献する技術です。
Masaru Mimura教授の研究室では、脳血管障害に続く失語症の回復メカニズムと脳血流変化の関連を、SPECTを用いた画像診断と言語機能評価を組み合わせて解明しています。特に、急性期から回復期にかけての脳血流の変化が、言語機能の予後を予測する手がかりとなるかを検討しています。また、前頭前野障害やアルコール性ケルサコフ症候群における時間認知の障害についても、作業記憶とエピソード記憶の役割を解明する研究も進めています。
Mamoru Shibata教授の研究室は、神経変性疾患および脳血管障害の病態メカニズムを解明することを目的としています。特に、ハンチントン病における異常なヘキサミンタンの蓄積とアポトーシスの関連、虚血状態におけるオligodendrocyteの死の分子機構、ならびにCortical Spreading Depression(CSD)に伴うミクログリアの活性化や炎症応答のメカニズムを、分子生物学的・神経生物学的手法を用いて解析しています。また、TRPチャネルの機能と片頭痛発症との関連についても、神経伝達物質の動態をリアルタイムでモニタリングする生体イメージング技術を応用して研究を推進しています。
Kotaro Shimizu教授の研究室では、スピン揺らぎや非ホロノミックなスピン配置が生み出すトポロジカルなスピン構造(スカイメロン、ヘッジホッグ格子など)の発生と制御を、量子物性と場の理論の視点から理論的に探求しています。特に、複数のスピンヘリックスの重ね合わせがもたらす干渉効果や、スピンの空間的配置が生む効果的电磁場(エマージェント電磁場)の性質に注目し、トポロジカルな量子輸送やスピン制御の可能性を解明しています。また、スピン揺らぎ系におけるスピンのダイナミクスとBerry位相の関係についても、数理的・数値的アプローチを用いて分析しています。